Menu

Back Next



第7話 「告白合戦」

ユウ 「………」

美鈴 「ユウ様〜」

ゆさゆさ…

ユウ 「ううん…」

美鈴 「ユウ様〜…」

ゆさゆさ…

ユウ 「んが…!?」

俺はわけのわからない声をあげて起き上がる。

美鈴 「よかった…ちゃんと起こせました」

朝起きたらいきなり美鈴さんがいる。
そうか、そう言えば姉さんの家に泊まってたんだっけ。

ユウ 「もう朝か…」

何かあまり寝てないような気がする。
まだ頭が重い。

美鈴 「……♪」

何だか知らないが機嫌のよさそうな美鈴さん。

ユウ 「何かあったんですか?」

美鈴 「はいっ、ちゃんとユウ様を起こせました!」

美鈴さんは元気にそう答える。

ユウ 「はぁ…」

美鈴 「私…今までまともに人を起こせたことがないんです」

ユウ 「何で?」

美鈴 「わかりません…」

謎だな…。
ただ、美鈴さんの『声』を聞いていると何となくわかる気がする。


………。


ユウ 「ごちそうさまです…」

美鈴 「おそまつさまです」

俺は屋敷の皆(俺、姉さん、降さん、美鈴さん、栞さん)と一緒に朝食を食べる。
ちなみに食事当番は美鈴さん。

ユウ 「さてと…俺も観光でもしてみるかな」

美鈴 「よかったら、案内しましょうか?」

そこで美鈴さんがそう言ってくれる。

ユウ 「そうだな…」

俺はしばらく考える。
確かに何も考えずに行くより、案内された方が効率いいわな。

ユウ 「じゃあ、お願いします」

美鈴 「はいっ、それでは片づけが終わるまで待ってください」

栞 「いいわよ、美鈴…私がやっておくから、ユウ様と一緒に行きなさい」

美鈴 「えっ、でも…」

栞 「いいから」

そう言って栞さんは片づけを始める。

美鈴 「…それでは、行きましょうかユウ様」

ユウ 「は、はい…」

俺は美鈴さんに案内されて、光鈴を観光することにする。


………。
……。
…。


美鈴 「ここが、光鈴で1番大きなお寺です」

ユウ 「はぁ…」

俺は風格と歴史ある寺を見て、感嘆の声をあげる。

美鈴 「お寺は、光鈴には結構ありますけど、ここのお寺が1番大きくて、歴史が深いんです」

ユウ 「成る程…寺の名前とかあるんですか?」

美鈴 「…あ」

そこで美鈴さんは、はっと気づいたような顔をする。

ユウ 「? どうかしたんですか?」

俺は気になって尋ねて見る。

美鈴 「い、いえ…その、何でもないです」

ユウ 「???」

美鈴 「えっと、このお寺の名前は…悠光寺って言うんです」

ユウ 「ゆうこうじ…」

美鈴 「…悠喜様の名前は、このお寺から取られたんです」

ユウ 「え…?」

美鈴 「悠喜様はこのお寺でお産まれになって、ここの和尚様に名をつけていただいたんです」
美鈴 「悠なる喜びが共にありますように…という願いが込められて」

ユウ 「………」

美鈴 「そして、ユウ様の名前も、同じ意味が込められています」

ユウ 「…そっか」

俺は何だか感慨深くなった。
だけど、俺は俺。こんなことで暗くなるつもりはない。

ユウ 「ははっ、次行きましょう、次!」

俺は空笑いを飛ばして、美鈴さんの手を引く。

美鈴 「あ…」



………。


ユウ 「………」

美鈴 「はぁ…はぁ…ちょっと、待ってください…ユウ様」

俺は美鈴さんが息を切らしてるのに気づき、足を止める。

ユウ 「あ、す、すみません…」

美鈴 「い、いえ…ちょっと、息が…切れて、しまって…」

ユウ 「え…?」

俺はそこで美鈴さんが胸を抑えているのに気づいた。

ユウ 「美鈴さん…まさか」

美鈴 「だ、大丈夫です! 心配…ないですから!」

ユウ 「……」

嘘だとわかった。
美鈴さんは、この性格だから嘘を隠せない。
間違いない。胸を病んでいるんだ。

ユウ 「美鈴さん、今日はもう帰ろう…」

美鈴 「いえっ、私は大丈夫ですから!」



レイナ 「………」(う〜ん、どうしよう…エイリィの動向も気になるし)

エイリィ 「……」(とりあえず、ユウを探さないとね)

ネイ 「……」(う〜ん)

ミル 「……」(あ〜ん、いい考えが浮かばないよ〜!)

レイラ 「………」(………)


ネイ 「あ……」

レイナ 「どうしたの? ネイ」

ネイ 「あそこ…ユウが」

エイリィ 「えっ?」

全員が私の指差す向こうを見る。


ユウ 「大丈夫じゃないですよ! 早く…っ!?」

突然、美鈴さんが俺にもたれかかってくる。
息遣いが聞こえる。弱い…間違いなくまずい!

美鈴 「いいんです…しばらく、このままで…」

ユウ 「……!!」

ネイ 「美鈴さんっ!?」

レイナ 「ネイっ?」

ユウ 「ネイ…?」

突然、ネイが俺の側に走ってくる。

美鈴 「えっと、ネイさん…でしたよね?」

ネイ 「どうしたの!? 美鈴さん…苦しそうだよ!」

ネイが美鈴さんの体を気遣う。

美鈴 「だいじょう…」

ユウ 「大丈夫じゃない! 早く医者に見せるんだ!!」

俺は無理をする美鈴さんに強く言い咎める。

美鈴 「……はい」

美鈴さんは少し悲しそうに、頷いた。
俺は美鈴さんを担いで、屋敷に戻る。


………。


未知 「美鈴さん…また、無理をしたんですね」

美鈴 「未知様…申し訳ありません」

栞 「……」

降 「未知様、早く治療を…」

未知 「そうですね…」

ユウ 「治るのか?」

未知 「完全には無理よ…でも、確実に良くはなるわ」

そう言って、姉さんは両手に力を集め、神力を発動させる。
美鈴さんの体を光が包み、次第に光は美鈴さんの体に吸い込まれていく。

美鈴 「………」

美鈴さんの息遣いが強くなる。
どうやら、落ち着いたようだ。

ユウ 「ふぅ…」

何か、とんだ観光だったな。
まさか、美鈴さんが病気だったなんて。

ユウ 「……」

美鈴 「…あの、ユウ様?」

横になりながら、首だけを曲げて、美鈴さんが俺に話し掛けてくる。

ユウ 「ん…何ですか?」

美鈴 「…あの」

ユウ 「うん…?」

美鈴 「あ、う…」

何だか言いづらそうに美鈴さんがうなる。

美鈴 「その…ユウ様は、今、好きな人とかは…?」

ユウ 「は、はい?」

いきなりすぎるでしょう…。

美鈴 「……」

俺は、とりあえず、言うべきことを言うことにした。

ユウ 「俺は、今はそういうことは考えないことにしてますから」

美鈴 「どうして、ですか…?」

ユウ 「…俺は今は好きな人はいないし、好かれる資格もないからですよ」

美鈴 「そんなことっ…」

ユウ 「あるんですっ!」

俺は強く言い放った。

ユウ 「俺は、美鈴さんの気持ちぐらいわかりましたよ…」
ユウ 「でも、俺はそれを受けられない」

美鈴 「………」

ユウ 「俺はきっと誰が相手でもこう言いますよ」

美鈴 「そう、ですか…」

美鈴さんは悲しそうに、納得する。

ユウ 「すみません…」

俺は一言そう謝って、部屋を出る。

ユウ 「………」

部屋を出て、俺はしばらく立ちつくす。

ユウ 「………」(俺は幸せにはなれない…)

未知 「ユウ…」

ユウ 「姉さん…?」

知らない内に姉さんが俺の横にいた。

未知 「…お母さんのこと、まだ引きずってるの?」

ユウ 「引きずってるわけじゃないけど…」

未知 「だったら、どうして…あんな答え方をしたの?」

ユウ 「俺は、幸せにはなれないよ…」

未知 「あのね…ユウ。いい事を教えてあげる」
未知 「人はね、誰にでも平等に幸せになれる権利があるの」
未知 「たとえ…他の人を傷つけることになっても」

ユウ 「姉さんも…かい?」

未知 「そう…私だって、好きな人はいるわよ」
未知 「だから、私は幸せになりたい」

ユウ 「俺には…無理だよ」

そう言ってから俺は屋敷を出て、どこへともなく歩きだす。

ユウ 「……」

ネイ 「…ユウ?」

ネイが俺を待っていたかのように現れる。

ユウ 「…何だよ?」

俺はぶっきらぼうにそう答える。
悪いが、今はあまり人と関わりたくない。

ネイ 「…何でもない」

それに気づいたのか、ネイはそれ以上何も言わなかった。

ユウ 「……」

俺はまたどこへともなく歩きだす。
時間は15時位。
特に目的もなく、俺は飛空挺が止まっている丘に向かった。
ただ、丘の頂上付近にある、一本の大きな木に、何となく心を奪われた。


ユウ 「………」

俺は木陰でしばらくぼ〜っとした。
5月と言ってもかなり暑い。

ミル 「ユウ!」

ユウ 「だ、誰だ!?」

突然、声が聞こえる。
だが回りには誰もいない。

ミル 「こっちこっち」

俺は声の聞こえる方、上を見上げる。

ユウ 「ミルか…脅かすな!」

ミル 「ごめんごめん…ついね」

そう言って、ミルは木から降りる。

ユウ 「ったく、何の用だよ?」

ミル 「う〜ん、何か機嫌悪そうだね」

ユウ 「悪いんだよ…」

ミル 「…じゃあ、止めとく」

ユウ 「あん?」

ミル 「これじゃあ、勝負にならないもん」

ユウ 「何の勝負だ?」

俺は気になって聞いてみる。

ミル 「そう言うことは、聞かないほうがいいよ」

そう言って、ミルは走り去る。

ユウ 「何なんだ…?」

ナル 「あらあら、青春ねぇ…」

ユウ 「こ、今度はナルさん!?」

ナル 「いや、飛空挺の整備中だったからね」

ユウ 「成る程…」

ナル 「ふ〜ん、ユウ君。レイナのことはいいのかなぁ〜?」

ナルさんは何やら意味ありげにそう呟く。

ユウ 「え…?」

ナル 「確か、前に私に言ったわよね〜? レイナを守るって…」

ユウ 「そう言えば…そんなことも」

ナル 「よっと、ユウ君はレイナが嫌いになったの?」

ナルさんは俺の横に腰を降ろしてそう聞く。

ユウ 「嫌いじゃないですよ…少なくとも」

ナル 「じゃあ、好きでもない?」

ユウ 「…そうですね、今は」

ナル 「…複雑ね、男の子って」

ユウ 「……」

ナル 「まぁ、人生の先輩からひとつ忠告をしてあげるわ」
ナル 「女の子は、男の子ほど複雑でもなければ単純でもないわ」
ナル 「ただ、誰かを好きになるのは理屈じゃないわよ…」
ナル 「ある意味、運命的かもね」

ユウ 「何が言いたいんですか?」

ナル 「私はユウ君が好きだったってこと」

ユウ 「はぁ!? 何でそうなるんです!?」

ナル 「それぐらい自分で考えなさい…あなたは自分が思ってるよりもいい男よ、もっと自分の周りに気を使ってみなさい」


シャイン 「ナル、ちょっと来てくれ!」

ナル 「わかったわ!! すぐ行く!!」
ナル 「それじゃあ、頑張りなさい!」

ナルさんは飛空挺の方に戻った。


ユウ 「周りか…」

レイナは、俺のこと好きなんだろうな…やっぱり。
昔のこともあるし、戦争中も常に俺を気遣ってた。

ユウ 「ネイも…だな」

ネイは記憶を失ってからと言うものの、俺の側にいることが多かった。
きっと、俺に好意を持ってくれてる。
俺の自信過剰じゃなければ。

ユウ 「次はミルか…」

何だか意味ありげに去っていたが、何となく予想できた。
あいつも、そうなんだろうか?
普段はそんな仕草を見せないから気づかないが、意外にそれっぽい。

ユウ 「エイリィ…」

全くわからん…普段から表情に表さない奴だし、少なくとも嫌われてはいないようだが。
好かれているとも思いがたい。
いや、そう言えばあったか…去年のアレ。
もし、きっかけがあるとすればアレぐらいだしな。

ユウ 「ルーシィ…?」

どうなんだ? 1番わからん…どっちかって言うと嫌われているとしか思えないが。
裏返せば、愛情か?
都合のいい解釈だが、ルーシィは意外に独占欲が強いんだろうな。
俺が、構ってやらないから、あんな風になってしまったのか?

ユウ 「レイラ……」

まだ出合ったばっかだし、全くわからん。
エイリィ以上に表情に出さないからな。
わかることは、1番素直だな…。


ユウ 「………」

ここまで考えては俺は次の事を考える。
俺は誰が好きなんだ…?

『人を好きになるのは理屈じゃないわよ』

ユウ 「俺にわかるぐらいなら苦労はしないか」

俺はまたしばらくぼーっとした。


………。


エイリィ 「こんな所にいたの?」

ユウ 「エイリィ…俺を探してたのか?」

エイリィ 「そうよ…多分、今ぐらいしかチャンスはないだろうから」

ユウ 「………」

まさか、本当にそうなのか?

ユウ 「待てエイリィ! まず、理由を教えてくれ!」

エイリィ 「…理由?」

ユウ 「……」

エイリィ 「人を好きになるのは理屈じゃないと思うけど…」

ナルさんと同じことを言われる。

ユウ 「だけど、それじゃ俺が納得しない。俺はエイリィに好かれるようなことは何もしてない」

はずだ。アレを除けば。

エイリィ 「気づいているんじゃないの? アレ…」

やはり…。

ユウ 「待て! アレは…偶然」

エイリィ 「偶然でもいい…私はアレだけであなたを好きになったわけじゃないわ」

ユウ 「……」(汗)

っていうか、エイリィってこんなに積極的な人間だったか!?

エイリィ 「それとも、私のことは嫌い?」

ユウ 「嫌いじゃないけど…」

エイリィ 「好きでもない…?」

だから、ナルさんと同じことを言うなって…。

ユウ 「俺は、今はそう言うこと考えないことにしてるんだ…」

とりあえず、美鈴さんとの約束を守っておこう。

エイリィ 「…わかったわ。だったら待つわ」

ユウ 「え?」

エイリィ 「ユウが、答えを出すまで」

そう言って、エイリィは去っていく。


ユウ 「この調子だと…他の連中もそれっぽいな」

俺の勘も捨てたもんじゃないな。

ユウ 「はぁ…何か疲れるな」

バル 「どうした、やけに疲れてそうだな」

ユウ 「次から次へと…」

バル 「?」

ユウ 「いや、何でもない」

バル 「何か知らんが、相談に乗るぞ」

ユウ 「…お前って、モテるよな?」

バル 「いきなりなんだ…?」

ユウ 「いや、お前って好きな奴いるのかなって…」

バル 「俺は今はそう言うことは考えないようにしているんでな」

ユウ 「………」

俺たちって、結構似た者同士…?

ユウ 「はぁ…」

バル 「どうせお前のことだ、女のことでも考えていたのだろう?」

ユウ 「あのなぁ…それは少し偏見が入ってないか? いつも考えてるわけじゃないぞ」

バル 「で? 何が知りたいんだ?」

ユウ 「…結局、俺はどういう立場なんだ?」

バル 「難しいことを聞くな。少なくとも、商品だな」

ユウ 「はぁ…?」

俺は意味不明に聞き返す。

バル 「言葉どおりだ…まぁ、お前が誰を好きになろうが俺には関係ないがな」

ユウ 「…あ、おい」

バルはそれ以上何も言わずに去っていった。

ユウ 「……」

俺は仕方無しに、街の方に戻る。


………。


ユウ (どうするかな)

俺はとりあえず、商店街の方に向かう。
光鈴の商店街は夕方辺りが、1番人が多い。
売れ残りのないように、安売りが始まるからだ。

ガイ 「おおっ、ユウ!!」

ユウ 「ガイか…何買ってんだよ」

ガイ 「馬鹿やろう!! これを見ろ!!」

ガイはそう言って、俺に向かってお菓子の箱を見せつける。

ユウ 「名産品かよ…」

ガイ 「これで、この国の名産品は制覇したぞ!!」

ユウ 「お前は、妙にコレクターだな」

ガイ 「趣味だからな」

ジェイク 「ユウ…そう言えば、レイナが探してたぞ?」

ユウ 「はぁ? レイナが」

何となく理由はわかる。

ユウ 「それより、ジェイク…お前が持ってるその凶器は何だ?」

ジェイク 「うむ…虎鉄という、名刀らしい」

ユウ 「へぇ…刀か。切れるのか?」

ジェイク 「無論だ…岩ぐらいなら切り裂けるぞ」

ユウ 「はぁ〜」

ガイ 「それより、レイナのことはいいのか?」

ユウ 「ああ、そうだな…じゃあな!」

俺はふたりに別れを告げて、レイナを探す。


………。


ユウ 「やれやれ…探すと意外に見つからんな」

俺は旧市街の辺りに来たが、未だに見つからない。

ジョグ 「おお、ユウやないけ」

ユウ 「ジョグか…レイナ見なかったか?」

ジョグ 「いや、見とらんで…」

ユウ 「そうか…って何食ってんだ?」

ジョグ 「和菓子や、これで全制覇やで!」

ガイと似たようなことやっとるのか。

ポール 「全く…全ての食い物あさるやなんて」

ピノ 「うんうん」

ユウ 「はは…」

ネイも似たようなことやってそうで怖い。
俺はまた、歩きだす。


………。


ユウ 「ったく、結局ここに戻ってきたよ」

俺は丘に戻ってくる。
すると、案の定、レイナ(たち)がいた。

ユウ 「…何なんだ、女性陣が雁首並べて…」

レイナ 「あっ、ユウ!! 探したわよ…」

ネイ 「やっと、見つかったね」

ルーシィ 「……」

ミル 「……」

エイリィ 「………」

レイラ 「………」

何やら、空気が若干重い。
嫌な予感がする。
多分当たり。

レイナ 「ユウ! 聞かせて!!」

ユウ 「俺は今はそう言うことは考えないようにしてるんだ」

俺は美鈴さんに言ったことを3度繰り返す。

レイナ 「えっと…」

ネイ 「だから言ったのに…」

ルーシィ 「まぁ、ユウらしいわね」

ミル 「あははっ、レイナ玉砕!」

エイリィ 「ふ…」

レイラ 「………」

そこでレイラがとことこと俺に近づく。

ユウ 「うん? どうしたレイラ」

レイラ 「…前に助けてくれたお礼」

そう言って、何やら布にくるまれた巨大な『物』を俺に渡す。

ユウ 「何だこれ?」

俺は布を取って、それを見る。

ユウ 「………」

レイラ 「………」

ユウ 「……」

レイラ 「…気に入った?」

ユウ 「あ、ありがとう…」

これは…どっからどう見ても斬馬刀。
持って帰るのにも重いんだが。
っていうか、それを片手で軽々と運ぶレイラも凄いな。

レイラ 「…ぽ」

レイラが何気に頬を赤める。

ミル 「ま、まさかレイラも!?」

ネイ 「またライバル増えるの〜?」

レイナ 「………」

ルーシィ 「はぁ…」

エイリィ 「ふ…」

ユウ 「………」

俺はこの際、逃げることにした。


ネイ 「あっ、ユウ待ってよー!!」

ユウ 「着いてくんなー!!」



…To be continued



次回予告

レイナ:連休も終わり、学生生活が再開する。
やがて近づく、学校イベント。

次回 Eternal Fantasia 2nd Destiny
第8話 「体育祭準備」


レイナ 「う〜ん」



Back Next

Menu

inserted by FC2 system