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K-O パニック +AM  第7話

声 「お疲れ様でしたーーーっ!!」

名雪 「ふぅ…疲れた〜」

部活が今終わり、わたしは更衣室で制服に着替えていた。

一年女子 「それじゃ、先輩っ、お疲れ様でしたー!」

名雪 「うんっ、お疲れ様っ」

一年生が先に着替え終わり、先に帰っていった。

三年女子 「水瀬さん、相変わらずね〜」

名雪 「えっ…? 何がですか?」

わたしは頭に?を浮かべ訊いてみた。

三年女子 「まぁ…そのマイペースよ。いつも水瀬さん着替えるの最後だから」

名雪 「皆が早いんですよ〜」

三年女子 (違うと思うわ…)

名雪 「それじゃあ、先輩お疲れ様でした〜」

わたしは残っていた皆にそう言って学校から出た。

名雪 「わ…もうこんなに暗い」

空を見ると、すでに日は沈んでおり、もう夜だった。
わたしは少し急ぎ足で帰ることにする。
その途中、誰かに呼びとめられた。
わたしは後を振りかえる。

瑞佳 「水瀬さんっ」

名雪 「あっ、瑞佳ちゃん…」

瑞佳 「部活終わったんだね」

名雪 「瑞佳ちゃんも?」

わたしがそう聞くと、瑞佳ちゃんはうんっ、と頷く。

瑞佳 「折角だから、一緒に帰ろっ」

名雪 「うんっ、いいよ」

声 「あら、珍しいわね…」

そこで更に聞きなれた声。

名雪 「あ…香里っ」

香里 「やっほ〜っ、奇遇ね」

瑞佳 「美坂さんも部活だったんだね…」

香里 「ま、そんな所よ」

名雪 「それじゃ、3人で帰ろっ」

わたしたちは3人で暗くなった道を歩き出す。
他愛もない世間話で盛り上がっていた。

瑞佳 「そっか〜、相沢君も大変だね〜…」

香里 「あなたもね…」

名雪 「折原君も朝弱いんだ…」

瑞佳 「うん、いっつも起きないんだよ…だから私がいっつも起こしに行かなきゃならないの…」

香里 「ほとんど同レベルね…」

名雪 「わたし、起こされたらちゃんと起きるよ〜?」

香里 「…その台詞相沢君が聞いたら、きっと怒るでしょうね…」

名雪 「うーっ…」

わたしはふてくされてそっぽを向く。

香里 「文句があるのなら早起きするのね」

瑞佳 「…浩平も早起きなら嬉しいんだけど」

香里 「まぁ、無理でしょうね。わたしは2年間この娘を見てるから、何となくわかるわ」

名雪 「もしかして…香里、酷いこと言ってる?」

香里 「気のせいよ」

瑞佳 「はぁ…そうだよね…」

名雪 「納得しないで…」

香里 「まぁ当然ね、案外相沢君と長森さんって気が合うかもね」

名雪 「そうかな? わたしはそうは思わないけど…」

祐一の性格だと色々と大変な気もするし…。

長森 「それじゃ、きっと水瀬さんと浩平も気が合うよ…違う意味でかもしれないけど…」

香里 「…そうね」

名雪 「ふたりともやっぱり酷いこと言ってる?」

香里 「気のせいよ」

瑞佳 「うん、そうだよ」

名雪 「嘘くさいよ…」

しばらくはそう言う話をしていた。
そして、香里と長森さんが止まる。

香里 「それじゃ、私はここでね」

瑞佳 「私も…こっちだから」

名雪 「あっ…うん、また月曜日にね」

瑞佳 「さよなら、水瀬さん」

香里 「気をつけるのよ? もう遅いんだから」

名雪 「わたし子供じゃないよ…」

香里 「じゃあね」

瑞佳 「それじゃ」

ふたりは、それぞれの家の方に歩いていった。
わたしはひとりで家に帰っていった。
何事も無く家に着き、私はある気配を察知する。

名雪 「…? 何か居るのかな? ぴろ?」

がさがさ…。

庭の方で動いているようだ。

名雪 「ぴろかな?」

わたしはどきどきしながら近づく。
今は祐一もおかあさんも見てないし…。
アレルギーは辛いけど…好きだもんっ。
わたしは勇気を出して、近づく。

がさごそ…。

草むらで、動いている。
わたしは一気に捕まえようとする。
すると…。

ぐさっ…。

名雪 「……!!」

突如目に鋭い痛みが…。
わたしは何かに目を突き刺され、悶える…。

名雪 「うう…痛いよ〜…」

がささささっ!

草むらから現れた文字通り黒い影は門から出ていった。

名雪 「…なんだったんだろう?」

わたしは不可解にも思いながら、家に入ることにした。

名雪 (…いつか、ぴろを抱きしめるよっ)

『だから、諦めろって…』

…To be continued

あとがき

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