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K-O パニック+AM 第8話

浩平 「…ここはどこだ?」

あゆ 「多分1時間前と同じ所…」

浩平 「…なんで戻って来るんだよ?」

あゆ 「うぐぅ…知らないよ〜、キミが勝手に歩いたんだよ〜」

浩平 「言い訳とは見苦しいな…」

あゆ 「うぐぅ…」

浩平 「うぐぅ…」

あゆ 「うぐぅ〜、真似しないで…」

浩平 「だったら、うぐぅと言うな!」

ただでさえ、やばい状況だというのに、事あるたびにうぐぅと言われたんじゃ、気が滅入ってくる…。
すでに夜は更けて、暗くなっている。

あゆ 「うぐぅ〜! 怖いよ〜…」

もはや何も言わなかった…。
そうだこいつが悪い!
こいつさえいなければ…。

あゆ 「今…酷いこと考えてなかった?」

浩平 「何の事だ」

ばれた…。
読心術でも持ってるのかこいつは?
こいつだけ置いて逃げると言う作戦はどうやら失敗のようだ。
もとより帰り道がわからないのだから、ひとりで逃げても結局は意味が無いか。
俺の作戦って一体…?
もう考える気力も無くなってきた。
腹も減ってきたし。

あゆ 「うぐぅ…お腹すいた…」

浩平 「お前はたい焼き食ってたろうが!」

あゆ 「うぐぅ…でもぉ〜」

浩平 「うぐぅ〜」

あゆ 「うぐぅ…真似しないで〜」

浩平 (こ…こいつ…)

一瞬ぶちのめしてやろうかと思ったが、さすがに気がひけたので止めておく。
俺って大人だよな〜。

あゆ 「あれ? あそこにいるのはもしかして…?」

浩平 「なんだ、誰か知り合いでもいたのか!?」

もしかして帰れるのか!?

香里 「あれ…? あなたは…」

瑞佳 「あれ〜? 浩平〜」

浩平 「瑞佳っ! よくここがわかったな!!」

さすがは幼馴染。
俺の危機を察知してすかさず駈けつけてくれたのだな!

瑞佳 「もう…こんなところで何してるの? もう真っ暗だよ?」

浩平 「いやいや…ちょっと小学生に絡まれてな」

あゆ 「もしかして、ボクのこと言ってる?」

浩平 「やっぱり、お前読心術使えるだろ…?」

あゆ 「知らないよっ、ボクはちゃんとキミと同い年だよ!」

瑞佳 「はぁ…ごめんね…浩平が迷惑かけたみたいで」

香里 「相変わらずね、折原君」

浩平 「そう言うお前は美坂!」

とりあえず、オーバーリアクションで返してみる。

香里 「瑞佳も大変ね〜、こんな人のお守役は…」

浩平 「いきなり失礼な奴だな美坂」

香里 「あなたに比べればマシよ…」

浩平 「何を言う!? この世で俺以上に礼儀正しい奴はいないぞ?」

あゆ 「礼儀正しい人が、そんな台詞は吐かないよ〜」

瑞佳 「はぁ…で? 結局なんでこんな所にいるの?」

あゆ 「迷ってたんだよ〜」

香里 「迷ってた、って…商店街はここから真っ直ぐよ?」

言って美坂は後を指差す。

あゆ 「………」

浩平 「……」

瑞佳 「もう…浩平まで道を忘れるなんて」

浩平 「仕方ないだろ…猿も木から落ちると言うだろうが」

瑞佳 「…はぁ」

3回目のため息。
さすがにこれ以上ボケても寂しくなるのでやめておくことにした。

瑞佳 「ほら…浩平、帰ろ?」

浩平 「ああ…」

俺は瑞佳の後に着いて行った。

あゆ 「うぐぅ…もしかして、ボクはひとりで帰るの?」

香里 「大丈夫よ、真っ直ぐ行けば商店街だから」

あゆ 「うぐぅ〜! でもっ、でもっ!」

浩平 「うるさい奴だな…ガキじゃあるまいし、帰り道ぐらいひとりで帰れ!」

俺はそう言い捨て、さっさと歩き始めた。

香里 「じゃあね、月宮さん」

瑞佳 「ばいばい、あゆちゃん」


あゆ 「…酷いよ」

でも考えてもひとりだった…。
どうしよう…。
魔物にでも襲われたら大変だよ〜。

『そう言う事言ったらネタがばれるでしょうが!!』

…To be continued

あとがき

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