K-O パニック +AM♪ 第11話
栞 「………」
あれから、何度もやってみたけど、一向にかからなかった。
栞 「……」
観鈴 「栞ちゃん、ご飯できたよっ」
栞 「あの…これどうやって使えば?」
観鈴 「えっ? まだかけてなかったの?」
栞 「……」
私はこくりと頷く。
観鈴 「えっと…番号教えてくれる?」
私は観鈴さんに番号を教えると、観鈴さんはその通りに回していく。
観鈴 「はい…」
そして、私は観鈴さんから受話器を受け取る。
声 「はい、美坂ですが…?」
栞 「あっ…お姉ちゃん?」
香里 「栞…今どこにいるの?」
栞 「えっと、神尾先輩の家にいるの…今日は先輩の家で食事をご馳走になるから、晩ご飯はいらないと言っておいて…」
香里 「そう…わかったわ。お母さんに言っておくわね」
栞 「うん…」
香里 「今日は泊っていくの?」
栞 「えと…」
私は観鈴さんの方を見る。
観鈴 「ぶいっ」
Vサインを送ってくれる。
OKとのことだろう…。
栞 「うん…そうする」
香里 「そう…まぁ、明日は日曜日だからね、明日には帰ってくるのよ?」
栞 「うん、わかった」
香里 「それじゃあね」
栞 「うん…」
がちゃり
観鈴 「それじゃ、一緒にご飯食べよっ」
栞 「はいっ」
私は観鈴さんと一緒にキッチンに向かった。
往人 「………」
往人さんはがつがつと食事を口に入れていた。
観鈴 「にはは…往人さんはいつもこうだよ」
栞 「そうですか…」
私も椅子に座り、観鈴さんが作った料理をいただく。
栞 「…美味しいです」
観鈴 「ホントっ? にはは…嬉しい」
栞 「凄いです…私はまだまだですから」
観鈴 「それじゃ、今度一緒に作ろっ」
栞 「はいっ」
そうして、食事は終わった。
往人 「…ぐー…ぐー…」
観鈴 「にはは…往人さんいつも通り」
栞 「…普段何してるんですか? 往人さんって…」
観鈴 「う〜んと…人形劇」
栞 「それだけ…?」
観鈴 「うん、それだけ」
栞 「………」
私は苦笑していると…。
コンコン
何かつつくような音。
観鈴さんがその音を聞いて、戸のほうに向かう。
観鈴 「おかえり〜」
がらら…
とてとてとて…
すると、一羽のカラスが入ってきた。
栞 「…カラス?」
観鈴 「うんっ…そらって言うの」
栞 「そら…って、カラスを飼ってるんですかっ?」
観鈴 「うんっ、友達」
そら 「………」
そらは私を見て少しだが警戒してるようだ。
観鈴 「…にはは、大丈夫だよそら、この娘は美坂
栞ちゃんって言って、私の友達」
そう言いながら、観鈴さんはそらを抱きかかえる。
栞 「………」
私は苦笑するしかなかった。
そういえば、登校する時、観鈴さんカラスを肩に乗せてたような…。
あれはそらだったんだ…。
観鈴 「往人さん、一緒にトランプやろっ」
往人 「…やだ」
観鈴 「う〜ん、じゃあしょうがないね…栞ちゃん、一緒にやろっ」
栞 「えと…はい」
そして、またトランプを始める。
………。
……。
…。
栞 「あっ…もうこんな時間ですね」
観鈴 「ホントだ…お風呂沸かさなきゃ」
観鈴さんはそらを畳に置くと、風呂場の方に向かった。
栞 「……」
その間、私はそらと向かい合っていた。
そら 「………」
栞 「………」
そら 「……」
栞 「……」
そら 「……?」
観鈴 「これでよしっと…」
栞 「……」
観鈴 「何してるの? 栞ちゃん…?」
栞 「えっ…? あ…」
私は我にかえると、少し頬を赤らめて、笑顔を返す。
観鈴 「……?」
それから、お風呂が沸くまでまたまたトランプをやった。(それしかやってないような…)
(まぁ…観鈴はそれぐらいがちょうどいいからなぁ…)
栞 「逃げてます…」
(………)
…To be continued