ポケットモンスター パール編




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おまけ





『!?』



−ズイの遺跡より−





コウキ 「ハヤシガメ! 『たいあたり』!」

ハヤシガメ 「ガメェ!」

ドカァ!!

ルカリオ 「ルッカァッ!?」







第17話 『新たな出会い、そして3人は行く…?』




審判 「ルカリオ戦闘不能! よって勝者コウキ選手!」

スモモ 「参りました!」

ジュン 「ち…つまんねぇな。勝ちやがった」

ヒカリ 「ふぅ……おめでと、コウキくーん!」

コウキ 「ふぅ…」

ヒカリちゃんの異例のジム戦の次の日、僕はトバリジム、ジムリーダースモモちゃんにジム戦を挑んだ。
使ってきたのはヒカリちゃんの時と同じアサナン、ゴーリキー、ルカリオだった。
こちらはフカマル、ブイさん、ハヤシガメで挑んだけど、さすがにヒカリちゃんのバトルを見た後だったから、ヒカリちゃんの時より優位に戦えたと思う。
開幕はフカマル。
アサナンの攻撃は回避が難しかったので『あなをほる』の後、『きりさく』でアサナンを撃破。
続くゴーリキーにフカマルはパワーで負けて、こちらはブイさんを出した。
ゴーリキーに対し、ブイさんのスピードで翻弄し、ゴーリキーを撃破。
最後のルカリオ戦もスピードで翻弄しようとしたけど、追いつかれ、『アクアジェット』を見切られ、『ドレインパンチ』でトドメをさされた。
最後にハヤシガメを出し、『はっぱカッター』で牽制、遠距離を保ち、近づかれたところに『のろい』を使って、防御と攻撃を上げ、とどめに『たいあたり』で勝利。
無事、トバリジムで勝利を収めた。

スモモ 「参りました、これがトバリジムに勝利した証、コボルバッジです」

コウキ 「ありがとうございます」

僕は無事勝利し、スモモちゃんからコボルバッジを貰う。
これで3つめか…。

スモモ 「あ〜あ…これで3連敗…皆さん強すぎですよ」

スモモちゃんはそう言ってルカリオをボールに戻す。
僕もハヤシガメをボールに戻した。

ヒカリ 「それじゃ、ありがとうねスモモちゃん、あたしたちも行くわ」

スモモ 「あ、はい! あ、ヒカリさん!」

ヒカリ 「ん?」

スモモ 「今度はあたしが勝たせてもらいますからね!? また勝負お願いします!」

ヒカリ 「あ…あはは…できればポケモンバトルでね…」

スモモちゃんは先日見事にカウンターでヒカリちゃんをハイキックを顔面にもらい、一発KOされた。
そのダメージが凄まじく、鼻の上に絆創膏を張っていた。(むしろよくそれで済んだものである)
恐るべし…ヒカリちゃん。

コウキ 「それじゃ、さようなら」

スモモ 「はい! 次のジム戦もがんばってください!」

僕たちはジム戦を終えるとトバリジムを出て行く。





ジュン 「で、ヒカリちゃんは次どこへ行くわけ?」

ジムを出て、真っ先に口を開いたのはジュン君だった。

ヒカリ 「とりあえず、ノモセシティに向かうわ。ヨスガのジムリーダー、いつ帰ってくるかわからないしね」

コウキ (そうか、次の目的地はノモセか)

思えば、旅の進路は全部ヒカリちゃん任せだなぁ。
考えたことが無かったけど、僕何にもできないんだなぁ…。

ジュン 「ふ〜ん、てことは俺と同じか、俺もノモセシティが次の目的地!」

ヒカリ 「あ、そう」

ジュン君は嬉々としてそう言った。
しかしヒカリちゃんは淡白に受け流す。
そうか、ジュン君もノモセシティなんだ。
目的地が一緒なんだ。

コウキ 「とりあえず、ポケモンセンターに回復に寄りたいんだけど…」

ヒカリ 「そうね、行きましょう!」

ジュン 「よーし、今回は俺も同伴してやるぜー!」

ヒカリ (こいつ…ノモセまでついてくる気?)

こうして、僕たちはポケモンセンターに寄るのだった。



『同日 時刻11:33 ポケモンセンター トバリ支店』


ポケモンナース 「はい、ポケモンは確かにお預かりしました」
ポケモンナース 「回復には1時間ほど時間を要します、今デパートでポケモンプレゼントの抽選会が行われていますので参加してみてはどうでしょうか?」

ヒカリ 「それって参加自由なんですよね?」

ポケモンナース 「ええ、トレーナーなら誰でも参加できるようですよ」

僕たちは纏めてポケモンを預けると、ポケモンセンターのお姉さんから耳寄りの情報を頂く。

ジュン 「面白そうだな。ヒカリちゃん、行ってみようぜ!?」

ヒカリ 「そうね、ポケモンを預けてる間暇だし、行ってみようか、コウキ君?」

コウキ 「うん」

僕も興味がある。
参加してみるのも悪くないだろう。

ジュン 「余計なお邪魔虫がついてくるが……それじゃ、レッツゴー!」

ジュン君はそう言って全力疾走でポケモンセンターを出て行った。

コウキ (お邪魔虫って僕のこと?)

等と疑問を抱きながら僕たちもデパートへと向かうのだった。



…………。



受付令嬢 「いらっしゃいませ、ようこそトバリデパートへ!」

ヒカリ 「あの、ポケモンプレゼントの抽選会をやっているって聞いたんですけど?」

受付令嬢 「それでしたらあちらで抽選会を行っております、参加費無料でポケモントレーナーなら誰でも参加可能ですのでふるってご参加ください!」

ヒカリ 「あれね…どうも〜♪」

僕たちはデパートの一階の一角に人だかりを見つけた。
カウンターの一角に機械が置いてあり、そしてハッピ姿の男性がいた。
ハッピの下にはスーツが見える。

ハッピ姿の男性 「現在ポケモンプレゼント抽選会を行っています! 間もなく受付終了ですので参加の方はお急ぎください!」

ヒカリ 「すいませーん、参加したいんですけどー?」

ハッピ姿の男性 「はい、ポケモントレーナーの方ですね? トレーナーカードの提出をお願いします!」

ヒカリ 「はい」

コウキ 「えと、はい」

男性はトレーナーカードを受け取るとそれを側に置いてあった機械に差して、暫くすると紙が出てくる。

ハッピ姿の男性 「はい、トレーナーカードをお返しします」

僕たちはトレーナーカードを受け取る。

ハッピ姿の男性 「この紙は抽選番号です、あなたのIDと同じ番号になっています、番号でお呼びしますのでお間違えのないよう」

そう言って次にIDの書かれた紙を受け取る。
名前で呼ばれないのはあれだろう、プライバシー保護法とかいう。

ヒカリ 「はい、コウキ君」

コウキ 「ありがとう」

そしてその内の1枚を僕がヒカリちゃんから受け取った。

ハッピ姿の男性 「特設会場で抽選を行いますので抽選会場で待っていてください」
ハッピ姿の男性 「抽選会場はここから先へ行って左に曲がってくれれば見つかります」
ハッピ姿の男性 「抽選会は12:00から行われますので」

ヒカリ 「12時って…あと15分じゃない、行くわよ」

コウキ 「うん」

僕たちは紙を持って例の抽選会場へと向かうのだった。



…………。



ジュン 「おー! ヒカリちゃん! ヒカリちゃんの番号は?」

ヒカリ 「教えない」

ジュン 「え〜? ケチ〜」

ヒカリ 「教えたら運気が下がりそうだもん」

ジュン 「う〜ん、そんなもんかね?」

抽選会場に行くと大量の人と、そしてジュン君がいた。
そんなものかと言うと、どんなものなのか僕にはわからない。
まぁ、ジュン君もそんなに気にしていないようだった。

コウキ 「多いね…何人位いるんだろう?」

抽選会場はかなり大きめのブースを使っているようだけど、100人以上は確実にいるように感じた。

男性 『皆さん、お待たせいたしました、これより抽選会を行います!』

突然、一人の男性が現われて、マイクを持って抽選会の開会を宣言した。

男性 「皆さん、まず参加証明書となる紙をお手元にお置きください!」
男性 「抽選の結果ポケモンを貰えるのは15名、そしてポケモンも以下のように取り揃えております!」
男性 「それぞれ、ポリゴン、サイドン、サマヨール、エレブー、ブーバーとなっております!」
男性 「各ポケモンにはそれぞれ進化のキーアイテムが持たれております!」

ジュン 「ほぅ…なるほどね」

ヒカリ 「全部、シンオウ図鑑には載っていないポケモンたちね」

コウキ 「そうなんだ…」

僕は全ポケモン知らないけど、ヒカリちゃんの話ではそうらしい。

男性 「それでは、まずポリゴン賞! 11754、28614、99818の方!」

まずはポリゴンらしい、番号を呼ばれると3人姿を現した。
少年と大人の男性、そして学生服の男性だった。

男性 「続きまして、サイドン賞! 35240、14680、41411の方!」

ヒカリ 「どう?」

コウキ 「はずれ」

ジュン 「俺もだ」

その後、サマヨール、エレブーと進んでいく。
例によって当たりなし、まぁ当然かな。

男性 「いよいよ最後です! 最後のブーバー賞!」
男性 「まず、08601!」

コウキ 「ああ…おしい! 08641なら僕だったんだけど…」

ヒカリ 「ははは…残念ね」

男性 「続いて042…!」

ヒカリ 「ん?」

コウキ 「どうしたの?」

男性 「…5」

ヒカリ 「んん!?」

ジュン 「まさか…?」

男性 「…3!」

ヒカリ 「…キタァ!? ホントにキター!?」

コウキ 「04253なの…?」

ジュン 「マジかよ…」

なんと、ヒカリちゃんが当たってしまう。
その後29968が最後だってけど、これは小さな少女が受け取った。

男性 「このモンスターボールにブーバーが入っています、そしてこれがブーバーの進化アイテムの『マグマブースター』」
男性 「ポケモン交換の際に、このアイテムを所持しているとブーバーンに進化します」

ヒカリ 「あ、はい、ありがとうございます」

ヒカリちゃんは恐々としてモンスターボールを受け取る。

ヒカリ 「え〜っと…ブーバー…ゲットでだいじょ〜ぶ?」

等とボケながら、僕たちはデパートを出るのだった。



…………。



ジュン 「…問題は交換しないといけないってことだな」

ヒカリ 「そうね、でもそうするとブーバーンも手に入らないわけよね…」

ジュン 「だったらさぁ! 俺と交換しない!? よかったら俺のムクバードと!」

ヒカリ 「やぁよ、もっといい人見つけるわ。最も交換するならだけど」

コウキ 「と、言っても交換なんて早々成立するとは思えないけど?」

ヒカリ 「うぐ…そうよね、まぁまずはポケモンセンターに向かいましょ」



…………。



『同日 同時刻 ポケモンセンター トバリ支店』


ヒカリ 「う〜ん、交換かぁ…」

ポケモンナース 「お帰りなさいませ、ポケモンの方ならすっかり元気になりましたよ!」

コウキ 「あ、どうも」

ジュン 「ありがとうございます!」

ヒカリ 「…あの、ブーバー手に入れちゃったんですけど、交換するならどうした方がいいと思います?」

ポケモンセンターについてポケモンを受け取ると、突然ヒカリちゃんがお姉さんに聞く。

ポケモンナース 「当たったんですか?」

ヒカリ 「う〜んと、まぁ」

そう言って、ヒカリちゃんはブーバーのボールを見せる。

ポケモン 「う〜ん、でしたら地下に現在設置してあります、簡易GTSをご利用になられては?」

コウキ 「GTS?」

ジュン 「Global Trading Station…略してGTS、まぁ平たく言うと無差別に全国ネットでポケモン交換を成立させてしまうところだな」

ヒカリ 「そうね…GTSご利用してみますか!」

ポケモンナース 「あくまで簡易なので、国内シンオウ地方のみ対応となっております」

ヒカリ 「それでじゅ〜ぶん!」

僕たちはポケモンをボールラックになおすと、そのまま地下へと向かった。



ヒカリ 「…え〜と、預けるポケモン…ブーバー、『マグマブースター』付きっと…求めるポケモン、う〜ん、エレブー、Lv30以上…て感じかな?」

ヒカリちゃんはそう呟きながらボールを機械に設置し、ボールがどこかへと転送される。

コウキ 「見つかるかな?」

ヒカリ 「すぐには無理でしょうね。まぁ1週間くらい待たないことには…て、あら…?」

『交換成立しました』

GTS内の機械のモニターにそう表示される。
すると、画面が突然切り替わり、空からモンスターボールが降ってくるエフェクトが入る。
そして、エレブーとブーバーがすれ違うエフェクトが入り、モンスターボールからエレブーが鳴き声をあげて出てくるエフェクトが入る。
そして、画面内でエレブーは姿を変え、エレキブルというポケモンに進化していた。
手元にはエレキブルが入っていると思われるモンスターボールが転送されてきた。

ジュン 「…一瞬で成立したな」

ヒカリ 「…作者も1秒成立を体験したそうよ」

コウキ 「作者?」

ヒカリ 「こっちの話、だけどまさか向こうもアイテムを持たせて送ってくるなんて…しかもエレキブルに進化する『エレキブースター』を…」

ジュン 「同じような状況の人がいたようだな…」

ヒカリ 「ま、いっか、エレキブルゲットだぜ! …て、やっぱりだめね」

ジュン 「キャラ違うしな」

ヒカリ 「エレキブル…強さは…て、あれ?」

コウキ 「? どうしたの?」

ジュン 「?」

ヒカリ 「あ…あれ? な、ない…? ないない!? ぽ、ポケモン図鑑がない!?」

コウキ 「!? まさか、ポケモン図鑑無くしちゃったの!?」

ヒカリ 「た、た、たいへ〜ん!!」

なんとヒカリちゃん、ポケモン図鑑を無くしてしまう。

ヒカリ 「さ、さがさないと〜!?」



…………。



ヒカリ 「あ、あの…! こ、こんなポケモン図鑑見ませんでしたか!?」

ヒカリちゃんはそう言って僕のポケモン図鑑を手に取り、ポケモンナースのお姉さんに尋ねた。
あまりの剣幕に思わずお姉さんもビックリしている。
落ち着かせようにも本当に凄い剣幕なため、僕もビビっているけど。

ポケモンナース 「そ、それでしたらそれと同じ図鑑をあそこのビルの方が持っていましたよ…?」

ヒカリ 「あそこ…?」

お姉さんの指した先…そこは。

ジュン 「ギンガ団かよ…」

そう、ギンガ団のGのマークのある奇妙なビルだった。

ポケモンナース 「向こうの倉庫の方へと行ったようですが…?」

ヒカリ 「…あいつらぁ……!」

ヒカリちゃんは怒りをあらわにしポケモンセンターを飛び出していった。

ジュン 「あ、おい……!」
コウキ 「ヒカリちゃーんっ!!」

僕たちも慌てて追いかける。



…………。



ヒカリ 「あんたら…このポケモン図鑑と同じの持って行ったでしょ…返してくれない?」

ギンガ団員A 「さぁ? なんのことやら? 知らないな」

ギンガ団員B 「仮にそうだとしても我々の方が有効に使えるだろう」

ヒカリ 「ふざけんじゃないわよ! ネタは上がっているのよ!」

ギンガ団員A 「ふ、だったら我々と戦って取り返すのだな!」

ギンガ団員B 「もっとも…我ら2人に勝てるのならな!」

コウキ 「ヒカリちゃーん!」

ジュン 「ちょっとまったー!!」

ギンガ団員A 「なんだ? 貴様らもポケモン図鑑を取り戻しに来たのか?」

ギンガ団員B 「馬鹿な奴らめ…出て来いドクケイル!」

ギンガ団員A 「アゲハント、お前もだ!」

ドクケイル 「ドク!」

アゲハント 「ハ〜ント♪」

ギンガ団はアゲハントとドクケイルを繰り出してくる。
僕はブイさんのボールを取り出すと投げようとするが。

ヒカリ 「エレキブル、『かみなりパンチ』!」

シュボン!

エレキブル 「エーレーキィ!!」

ドカァ!! バチバチィ!!

ドクケイル 「ドクー!?」

突然ボールから出てくる2足の体の大きなトラ縞模様のポケモンエレキブル。
2本に枝分かれした尻尾が特徴で、パンチ一発でドクケイルを一撃の下、ダウンさせてしまう。

ギンガ団員B 「馬鹿な!? 俺のドクケイルが一撃!?」

ギンガ団員A 「く! アゲハント…かぜ…!」

ヒカリ 「もう一発!!」

エレキブル 「ブールー!!」

バッチィィン!!

アゲハント 「ハーントー!?」

ドッシャァァッ!!

ギンガ団員A 「く! だったら出て来いスカンプー!」
ギンガ団員B 「グレッグル、行け!」

スカンプー 「スッカー!」
グレッグル 「ググ…!」

コウキ 「ブイゼルさん、『アクアジェット』!」
ジュン 「ムクバード、『つばさでうつ』だ!」

ブイゼル 「ブーイー!!」

ムクバード 「ムックー!!」

ブイさんの『アクアジェット』がスカンプーに直撃、そのすぐ後にムクバードの『つばさでうつ』攻撃がグレッグルを捕らえた。

スカンプー 「スカカ〜…」
グレッグル 「グレ〜…」

一撃ダウン、まさかの攻撃に2匹とも反応できず倒れた。

ヒカリ 「…二人とも」

コウキ 「ポケモン図鑑を返してください!」

ジュン 「次はあんた自身を狙うぜ?」

ギンガ団員A 「…! くそ! 弱いポケモンだぜ!」

ギンガ団員B 「け! こんなもん返してやるよ!」

ヒカリ 「おっと…!」

ギンガ団のしたっぱはその場で持っていたらしくポケモン図鑑をヒカリちゃんにおもいっきり投げた。
ヒカリちゃんはそれをキャッチする。

ギンガ団員A 「倉庫に仕舞っておいた例の『ブツ』はもうノモセに運んでおいたしな…」

ギンガ団員B 「ここはあえてしたっぱらしく『おぼえてろ!』と言ってやる!」

そう言って、したっぱ二人は倉庫の中へと消えていった。

ヒカリ 「なんなの!? っていうかなんでギンガ団がどうどうと街中にいるの!?」

ジュン 「たしかに…謎だな」

コウキ 「それより…倉庫、どうする?」

僕たちは一旦ポケモンをボールに戻すと、目の前の倉庫のことを話す。

ヒカリ 「…乗り込む!」

ジュン 「おう! それが一番!」

どうやら意見は一致、乗り込むらしい。
僕たちは意を決して中へと乗り込む。



…………。



ギンガ団員C 「やや! どういうことだ! どーみてもギンガ団でない! しかもお子様がきてるぞ!」
ギンガ団員C 「発電所で奪ったエネルギーを元に作ったアレならもうノモセに運んだよ」
ギンガ団員C 「あれ? そういうことじゃない?」

ヒカリ 「ノモセ…さっきのやつらもノモセに例のどうたら言っていたわね…あなた! ノモセに何を運んだの!?」

ギンガ団員C 「それは教えられない! さらば!」

コウキ 「あ!」

中に入るとギンガ団員が一人、分厚い扉の前に立っていた。
中には大量のコンテナが置いてあり倉庫と言うことはわかるが、かなり狭いようだ。
そしてギンガ団員C(仮名)はヒカリちゃんに詰め寄られると分厚い扉の向こうに逃げ込んだ。

ガシャン!

ヒカリ 「……ノモセ、か」

ジュン 「むこうから鍵をかけられたか」

コウキ 「どうする?」

ヒカリ 「…ノモセに向かいましょう」

ジュン 「…だな、怪しいぜ」

コウキ 「例のブツってなんだろ?」

ジュン 「さぁな、どうせロクでもないもんだろ」

ヒカリ 「ちがいないわ」

僕たちは一旦倉庫から出る。
次の目的地はノモセ…どうやらそこにもギンガ団がいるらしい。

ジュン 「さってと、ふんふ〜ん♪」

ジュン君は倉庫を出ると、どこから取り出したのか謎の技マシンを取り出す。

ヒカリ 「? それは?」

ジュン 「いや、さっきさ…たまたま倉庫の中に秘伝マシンがあったからちょいっと失敬させてもらったわけ」
ジュン 「ちょうどそれが『そらをとぶ』の秘伝マシンだったからさ!」

ジュン君はそう言いながら秘伝マシンをセットして、ムクバードに覚えさせたようだ。

ヒカリ 「ちゃっかりしているわねぇ…」

ジュン 「ヒカリちゃんも使うだろ?」

ヒカリ 「そうね」

コウキ 「僕もいい?」

ジュン 「おう、そうだ。この秘伝マシンはヒカリちゃんにやるわ、俺はムクバードが覚えているだけでいいから」

ヒカリ 「…いいの? 悪いわね」

そうして僕はヤミカラスに、ヒカリちゃんはフワライドに『そらをとぶ』を覚えさせるのだった。

ヒカリ 「…エレキブル、ルクシオと電気で被っちゃっているけど…まぁ、いいか」

そして、僕たちはノモセへ向かうのだった。



…………。



『次の日 時刻14:18 214番道路 マニアトンネル』


ヒカリ 「…あなたすごいわね、これ自分ひとりで掘ったなんて」

遺跡マニア 「これが趣味だからね、それより君もアンノーンを26種も集めたんだって? すごいじゃないか!」

214番道路でひたすら岩を掘り続けているという男、遺跡マニア。
僕たち3人は名物ということで訪れたのだけど、なぜかヒカリちゃんが意気投合してしまう。
お互い苦労した立場だからだろうか。

ヒカリ 「だけど、まだ、『!』と『?』のアンノーンが見つからなかったのよね」

遺跡マニア 「…ところで、このトンネルだけどね、掘っていくと突然穴が開いてね…その先に部屋があるみたいなんだ…怪しいんで僕は調べてないけどね」

ヒカリ 「しかし、長いわね…どこまで続くわけ?」

遺跡マニア 「さぁ? 10キロくらいはあると思うよ?」

ジュン 「10キロ!? 長すぎだろ!?」

遺跡マニア 「2〜3年掘り続けて、先日穴が開いたからね」

コウキ 「さすがに10キロは辛いね…歩いて行くんですか?」

遺跡マニア 「このバギーカーを使うよ、さすがに長いからね」

遺跡マニアはそう言うと入り口に止めてあったバギーカーのエンジンに火をいれ、動かす。

遺跡マニア 「乗りなよ、連れてってあげるよ」

ヒカリ 「はーい、おじゃましまーす!」

僕たちはバギーカーに乗るとトンネルを突き進む。
相当な距離らしく車でもかなりの時間がかかりそうだ。

ビュオオオオオ…。

ジュン 「…砂嵐がきついな…」

コウキ 「? どうしてトンネルに砂嵐が?」

遺跡マニア 「ポケモンだよ、ヒポポタスが生息しているんだ」
遺跡マニア 「おかげで砂嵐が舞い散って、車の点検も大変だよ」

ヒカリ 「なるほどねぇ…ヒポポタスの特性は『すなおこし』、そりゃ砂嵐が起きるわ」

そうこうしているうちに10分ほど走らせ、目的の場所までたどり着く。

遺跡マニア 「ついたよ…中は見ていない」

ヒカリ 「…一体なんなのかしらね?」

遺跡マニア 「危なそうならすぐ引き返しなよ?」

ヒカリ 「そうさせてもらうわ…二人は待ってて」

コウキ 「ついていっちゃだめなの?」

ヒカリ 「万が一よ、万が一。一人で見に行きたいというのも本音だけど」

ジュン 「まぁ、ヒカリちゃんがそう言うなら」

僕たちはヒカリちゃんを一人行かせ、遺跡マニアとともにその場で待つのだった。



…………。



…そして3分ほど。

ヒカリ 「…」

遺跡マニア 「あ、もう戻ってきたの?」

ジュン 「随分早いな…」

ヒカリ 「…帰りましょうか…まさか、そこまで掘ったとは思わなかったわ…」

コウキ 「そこまでって?」

ヒカリ 「秘密にしておきましょう…アンノーン26種類集めた人へのご褒美には…あれだけどね」

ジュン 「はぁ?」

ヒカリちゃんは時々訳のわからないことを言う。
意味があるのか無いのか…僕にはよくわからない。
まぁ、例によって読者にしかわからない話なのだろう。

ビュオオオオッ…。

ヒカリ 「…?」

遺跡マニア 「じゃあ、帰ろうか」

ジュン 「ヒカリちゃん…?」

僕たちは車に乗り込んでいくが、ヒカリちゃんは何が気になるのか乗り込もうとしない。

遺跡マニア 「どうしたの?」

ヒカリ 「なにかおかしいわ」

ジュン 「はぁ? なにが?」

ヒカリ 「砂嵐よ! なにかヒポポタスのそれとは違うわ!」

ヒカリちゃんはそう言うと突然、トンネルを走り出す。

コウキ 「あ、ヒカリちゃん!」

ジュン 「おっさん、追っかけて!」

遺跡マニア 「わ、わかった!」

車も慌ててヒカリちゃんを追いかけた。
砂嵐で視界が悪いけど20メートルほど走ったところでヒカリちゃんを発見する。
ヒカリちゃんは立ち止まって屈んでいた。
僕達は遺跡マニアさんを車の中において、外に出る。

ジュン 「ヒカリちゃん!?」

ヒカリ 「大変よ…このヒポポタスだいぶ弱っているわ!」

ヒポポタス 「……」

周りには砂嵐が舞っている。
その中、目を閉じて弱弱しく横たわっているヒポポタスをヒカリちゃんは抱きかかえていた。
そのヒポポタスは砂を吐いていない…周りの砂嵐は他のヒポポタスの影響のようだ。

ヒカリ 「…応急処置だけど」

ヒカリちゃんはそう言ってなにやら注射を用意して、ヒポポタスの動脈に打った。

ジュン 「それは?」

ヒカリ 「アンプル剤、あくまで応急処置だけど…」

遺跡マニア 「そのポケモンを連れて車に入りなよ、入り口まで向かうから!」

ヒカリ 「お願いします!」

ヒカリちゃんはヒポポタスを抱えたまま車に乗り込み、車はエンジン全開で入り口へと戻るのだった。



…………。



ジュン 「…どう?」

ヒカリ 「…だめ、今からポケモンセンターじゃ間に合わない」

ジュン 「…だったらやることはひとつだぜ?」

ヒカリ 「……そうね」

ヒカリちゃんはどこからか、モンスターボール(クイックボール)を取り出して、ヒポポタスの額に当てる。
するとヒポポタスはボールに取り込まれ、いとも簡単にゲットが決まってしまった。

ヒカリ 「ごめんなさい。ヒポポタス…これしかないの」

コウキ 「…どうしてゲットを?」

ジュン 「ボールには生命維持装置がついている。ボールに入れていればポケモンセンターまで十分持つからな」

ヒカリ 「だけど、この子は戦わずしてゲットされてしまった。望まれずに…」

ジュン 「その分そのポケモンにとっていいトレーナーになってやれよヒカリちゃん。ゲットされてよかったって思われるくらいに」

ヒカリ 「…うん」

その日、僕たちは一旦トバリに戻り、一泊した後再びノモセへと向かうのだった。






ポケットモンスターパール編 第17話 「新たな出会い、そして3人は行く…?」 完







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