ポケットモンスター パール外伝




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外伝第1話 『青と赤』




クロガネシティ:ポケモンセンター


ヒカリ 「これから、あたしたちはヨスガシティに目指すわよ」

コウキ 「ヨスガシティ、そこに次のジムがあるんだよね?」

ヒカリ 「そう、そしてコンテストもね!」
ヒカリ 「まぁ、コンテストは特に興味ないからさくっとジム戦を終わらせて次の街目指すけどね」

コウキ 「うん」

ヨスガシティ…シンオウ地方グランドフェスティバル開催地で、ジムや教会、ポケモン広場などもあるシンオウ地方でも有数の巨大都市だ。
これはコウキがジムバッジを2つゲットし、これから3つ目をゲットに行こうとしている頃の物語。

物語は…ヨスガシティから始まる。



…………。



ヨスガシティ、今日も快晴で、コンテストは開かれる。
特別なイベントも行われるこの街に一人の女が舞い降りることになる。

ジュン 「さて…ここがヨスガジムか」
ジュン 「ジムリーダーはメリッサ、使用タイプはゴースト、俺の調べは完璧だ!」
ジュン 「いざ、たのもー!」

俺はヨスガジムを見つけると、ポケモンの入ったモンスターボールを持ってジムへと入る。
ジムはシャッターでウィィンとマイペースに開くのだった。

男 「おーす! 未来のチャンピオン!」

ジュン 「!? なんだおっさん!?」

男 「まぁ、そこは気にするな!」

ジュン 「てか、おっさんたしかクロガネジムでもハクタイジムでもいたよな?」

男 「いたな! じゃ、恒例のいくぞ! ヨスガシティのジムリーダーメリッサはゴーストタイプの使い手だ!」
男 「ノーマルタイプや格闘タイプの攻撃はすり抜けちまうから気をつけろ!」
男 「悪タイプが弱点だ、だがゴーストタイプは自身のタイプにも弱いぞ!」

ジュン 「知っているよ、それ位」

男 「おっと、さすがだな! だが、今回はもうひとつ言わないといけないことがある!」

ジュン 「なんだってんだよ…」

男 「現在、メリッサはジムにいない! 今日ジム戦は諦めろ!」

ジュン 「なんだってんだよー! それどういう意味だよー!」

男 「メリッサは行方不明だ!」
男 「あのジムリーダーいっつもそうなんだよな〜…い〜っつもかってにほっつき歩いて…」
男 「あ〜、ちなみにしばらく帰ってこないだろうから、そろそろいるかなって思ったら来ると良いよ」

ジュン 「なんだよそれ…それでジムリーダーかよ…」

とどのつまり、今日一日ここにいても無駄ってことかい?
しょーがねぇな…。

ジュン (やれやれ…先にトバリジムを攻略するか)

折角、対メリッサ専用にプランを考えていたのにそれが台無しにされるとはな。
むかつくぜ…。

プテラ 「プテー!!」

ジュン 「!? なんだ、あのポケモン!?」

俺はジムの外に出ると、いきなり大きな恐竜のようなポケモンが俺の真上を横切り、降り立った。
そこから、一人のトレーナーが降り立った。

ジュン (うおっ!? すげー美人!!)

大きな恐竜のようなポケモンの背中から降りたのは、黒髪の似合いの女性だった。
黒い髪が腰までストレートに伸びており、額に水色のバンダナをつけている。
前髪は瞼にかかるくらいで、瞳の色は青。
もみあげが肩までかかっており、耳の下辺りをゴムで止めて束ねている。
身長は166センチくらいかな?
年齢は16歳くらいとみた!
スタイルは…上から85、55、84と見た!
すげー美人じゃないか!?

ジュン 「へい! そこのかの…!」

女性 「…マサキさん、聞こえる?」

俺は迷わず、その女性にナンパをかけにいく。
しかし、彼女は携帯電話を取り出し、電話をしていた。

女性 「あなたにカスタムしてもらった図鑑ですけど、探知は本当にできるんですか?」
女性 「少なくともまだ、反応はないです…」
女性 「ええ、わかっています、あなたには感謝していますマサキさん」

ジュン (マサキ? 誰それ? もしかして彼氏かな…?)
ジュン (彼氏だとするとナンパできないなぁ…俺のポリシーは人の女には手を出さないことだからな…)

とはいえ、確証もないのでとりあえず、声をかけている。
ナンパは駄目でもバトルはしてもらうつもりだ。
少なくとも、あの乗ってきたポケモンを見る限り半端じゃないトレーナーなのは確かだろう。
たとえ、負けてもこの人と戦えば俺は一生得ることの出来ないような経験が出来る気がする!
俺は強くなるためなら何だってする!
たとえ100回負けても、それが強くなれる要素なら喜んでやってやるさ!

ジュン 「そこの彼女!」

女性 「? あなたは?」

ジュン 「俺はジュン! 見たところ一人のようだけど今暇かな?」

女性 「ナンパ? 悪いけど、用事があるの」

ジュン 「ああ、そう言わずにさぁ!」

女性 「ほっといてくれない?」

女性はつんとして、突き放してくる。
いいねぇ、こういう女性…実にいいよ!
俺ってばフリーだったら間違いなく落としにかかるよ!

ジュン 「ちなみに、彼氏いる?」

女性 「いないわ、どうして?」

ジュン 「いや、いたらさすがに誘いにくいしね…じゃあさ! せめて俺とポケモンバトルしてくれないか!?」

女性 「あなたと?」

ジュン 「そう! そのポケモンよく育てられているじゃんか、俺っちそこまでのポケモンは持っていないけど挑みたいんだ!」
ジュン 「トレーナーなら…当然受けるよね?」

女性 (バトルをすれば注目があつまる…『あの娘』も現われるかも…)
女性 「いいわよ、ルールは?」

ジュン 「使用ポケモンは3体! シングルバトルでどう?」

女性 「いいわよ、私からポケモンを出してあげる、でなさいウインディ」

ウインディ 「ウォン!」

ジュン (でけー犬のポケモン!?)

出してきたのはウインディという犬のようなポケモンだった。
だが、でかい上いい毛並みだ、滅茶苦茶強そうだな。

ジュン (ナナカマドの爺にもらったポケモン図鑑…対応すんのか?)

少なくとも、シンオウ地方では見たこと無いけど…。

ポケモン図鑑 『参照失敗、未登録のポケモンです』

ジュン 「て、出るんだやっぱり」

女性 「ウインディは炎タイプのポケモン、確認されているのはカントー地方よ」

ジュン 「て、ことは君はカントー地方出身かな?」

女性 「……」

ジュン (あらら、黙っちゃったよ…聞いちゃいけなかったのか?)
ジュン 「ちなみに君の名前は?」

女性 「シ…いえ、ブルーよ」

ジュン 「そう、ブルーね、瞳の色に似合った似合いの名前だな、俺のポケモンはこいつだ!」

ブイゼル 「ブイー!」

俺は炎を手っ取り早く鎮火させる、水タイプを用意する。

ブルー 「ブイゼル、可愛いポケモンね、でも水タイプだからってウインディに勝てるかしら?」

ジュン 「さぁね! でも失望はさせないよう努力するよ!」
ジュン 「ブイゼル、『アクアジェット』!」

ブルー 「ウインディ、『しんそく』」

ブイゼル 「ブイー!」
ウインディ 「ウォン!」

ジュン (はやっ! 俺の方が先に命令したのに、ウインディの方が立ち上がりが早い!?)

そして、ウインディは俺のブイゼルが攻撃に入る前、物凄いスピードでブイゼルにぶつかる。
その衝撃も凄まじく、軽い体のブイゼルはモロに吹き飛ばされた。

ブイゼル 「ブ〜イ〜…」

ジュン 「あら〜、一発ダウン? ブイちゃんキツイな〜…」

見事なまでに綺麗にダウンしてくれるブイゼル。
あらら…まるで相手にならないとはこのことね…。
て、ノーマルタイプの技でこれで、どうやって耐えろってんだよ!

ブルー 「予想以上にだめね…びっくりしたわ…大丈夫、そのブイゼル?」

ジュン 「ええ、鮮やかに決まったんで、見事に伸びてます、怪我は心配しなくてもよさそうっす!」
ジュン 「さってと…参ったな…ここまで強いとはしゃーない! いけ、モウカザル!」

モウカザル 「キー!」

ブルー 「モウカザル、炎タイプね…こっちは交換するわ」

ジュン 「あら?そのままいかないの?」

ブルー 「すこしはハンデをつけないとね」
ブルー (本当は、派手にバトルして、あの娘をおびき出したいんだけど…)

ボォン!

ナッシー 「ナッシ〜」

ブルー 「ナッシーよ、これもカントーのポケモン、タイプは草 エスパー」

ジュン 「へ〜、優しいね、でもそれで勝っちゃうんだから恐ろしいね…」

ブルー 「あなたの実力がまだまだなのよ」

ジュン 「手厳しいな〜、じゃ、そろそろ本気を見せようか!」
ジュン 「モウカザル、『かえんぐるま』!」

モウカザル 「キキー!!」

モウカザルはその技の名通り、火車となってナッシーと呼ばれるいかにも南国ですって木のポケモンに突撃する。
そのまま、モウカザルはナッシーに体当たりした。

ゴォウ!!

ナッシー 「ナ、ナッシ〜!?」

ジュン 「素で受けてくれるなんてね! さすがに甘く見すぎじゃないですか!?」

ブルー 「そうかしら? ナッシー、『にほんばれ』」

ナッシー 「ナッシー!」

ナッシーは突然、赤い熱量を持った球体を作り出し、その場で空に打ち上げた。
打ち上げられた球体は空で弾けて、人工太陽を作る。

ジュン 「まさか、弾けてまざれってやつ!?」

ブルー 「?」

さすがに、突っ込みはないか…もう古いもんな…。
しかし、日照状態では、炎技の威力は倍になる…舐めているのか?

ジュン 「さすがにそれはこっちを見くびりすぎですよ! モウカザル、もう一度『かえんぐるま』!」

モウカザル 「キキー!」

モウカザルは日照の恩恵で更に炎を燃え上がらせて、ナッシーに突撃する。
やはり、ブルーさんは受ける気満々のようだ。

モウカザル 「キー!」

ナッシー 「ナ、ナッシー!?」

ジュン 「どうだ!?」

ナッシー 「ナッシー」

しかし、ナッシー依然、健在。

ジュン 「冗談でしょ? いくらなんでも打たれ強すぎるよ…」

ブルー 「違うわ、あなたのモウカザルが火力不足なだけ、ナッシー、『ねんりき』」

ナッシー 「ナッシー」

ジュン 「げっ!? エスパー技!?」

モウカザルは当然、炎 格闘、エスパーは弱点だよ!

モウカザル 「キー!?」

モウカザルは当然というようにやられてしまう。
畜生…レベルが違いすぎる。
だが、こんなに強い人とめぐり合えた…俺はなんて運がいいんだ!

ジュン 「戻れ、モウカザル、次はこいつだ! いけ、ムックル!」

ムックル 「ムックルー!」

ブルー 「私も選手交代ね、戻りなさい、ナッシー」

ナッシー 「ナッシ〜」

ブルー 「でてきて、フシギバナ」

フシギバナ 「バナー!」

ジュン (また草タイプか!? でもでけぇな!)

こっちのムックルが小さいのもあるが、それにしてもでかい。
インパクトのある背中の花といい、特徴的なポケモンだ。

ジュン 「じゃ、また先手を取らせてもらいますよ! ムックル、『つばさでうつ』!」

ムックル 「ムックルー!」

ブルー 「フシギバナ…!? 図鑑に反応?」
ブルー (射程圏内に彼女がいる!? どこ!?)

ジュン(あんだ!? ブルーさん、突然キョロキョロし始めたぞ!?)

まわりは既に俺たちのバトルを見て、野次馬が集まりつつある。
誰かを探しているのか!?

ブルー (いた!)
ブルー 「フシギバナ! あそこ『ソーラービーム』!」

フシギバナ 「バーナー!」

キュイイイン…ドオォォォン!!

ジュン 「ひょえっ!?」

突然、フシギバナの背中から『ソーラービーム』が放たれ、俺の真後ろの辺りを狙った。

? 「ふふ…でなさい、リザードン」

リザードン 「ザー!」

ジュン 「な!?」

ドォォォン!!

後ろでポケモンが出されると同時に、それに着弾。
あまりのことに驚いてしまう。

ジュン (なんだ!? いきなりなんだってんだよ!?)

『ソーラービーム』を受けた先、そこにはまるで平然とした赤いドラゴンのようなポケモンが一人のトレーナーを庇っていた。
真上からだってのにフシギバナの正確な狙撃も恐れ入るが、それを平然とした顔で受け止める、ポケモンとトレーナーにも恐れ入るな。

? 「いきなり、危ないわね」

ブルー 「見つけたわよ、ヒミ…」

? 「ストップ! 私はプルート、あなたに『ブルー』という名前があるように私には『プルート』という名前があるの」

ジュン 「わぁお! こっちにも美人!?」

リザードンというポケモンをだしたトレーナーはブルーさんに負けず劣らずの美人だった。
いや、色気という意味ではこっちの方が上か!?
身長はブルーさんより高い、ていうか170以上はある?
赤い髪をブルーさんと同じように伸ばしているが、こちらはバンダナをつけていない。
前髪は鼻の頭くらいで止めており、赤い瞳が凛として、かっこよくも美しい。
服装は妙な服で、黒の肌着の上に、銀色の小さめなチョッキを着ており、胸元にGのマークがあった。
下はスカートは恥ずかしいのか銀色のズボンだった。
スリーサイズは…上から95、60、90!
ブリリアント…これは眼福といわずにはいられまい!

ブルー 「なんなの、その悪趣味な服は?」

プルート 「そう言わないでよ、団服を私なりにアレンジしたんだから」

ブルー 「相変わらずの変装マニアね」

プルート 「ふふ、今回は変装じゃないわよ…」

ブルー 「冗談はよしなさい、ギンガ団についてどうするつもり?」

ジュン (ギンガ団!? そういや…あのGのマーク…)

たしかに、アレはギンガ団とかいうおかしな格好の集団のマークだ…。
てことはあの魅力的なお姉さんはギンガ団!?
ワンダホー!
なんて、羨ましいんだ、ギンガ団!

プルート 「知ってどうするつもり?」

ブルー 「あなたを連れ戻す、場合によってはギンガ団は潰すわ」

プルート 「不可能よ、いくらあなたでもね」

ブルー 「?」

プルート 「これまで、いくつもの組織が動き、いくつもの野望がこの世を包んだ…しかし、それはいずれも失敗に終わっている」
プルート 「強大な組織力を持ち、カントー地方を暗躍したロケット団…その目的は物理的支配」
プルート 「自然を支配し、この世の神になろうとした集団、アクア団とマグマ団、これは空間的支配」
プルート 「ポケモンの闇を使い、裏取引により、発展した組織、シャドー、それは精神的支配」

ジュン 「な、なにを言っているんだ?」

もちろん、言っている意味はわかる。
でも、それがなんだってんだ?

プルート 「なぜ、これまで数多くの『悪の』組織はそれらを支配しきれなかったのか?」
プルート 「いずれの組織も強大な力とそれに比例する強大なポケモンを所持していたわ」
プルート 「答えは、トレーナーにある…それらの組織はそれらを支配しうるに値するポケモンを所持しながら支配は出来なかった」
プルート 「ポケモンを、完全に従えることが出来なかったからよ!」
プルート 「だけど、ギンガ団は違うわ、私たちの総帥アカギは最高の布陣を用意した」
プルート 「シンオウリーグ、元シンオウチャンピオン、『セイカ』」
プルート 「ポケトピアマスター、ポケトピアスタービュー最終セット、攻略トレーナー、『キラ』」
プルート 「MITを僅か12歳で卒業し、ペンタゴンでも働いた経験を持つ、元SOL所属の若き天才、『サターン』」
プルート 「我々、ギンガ団はかつて無いレベルのトレーナーを揃えている」

ブルー 「…たしかに、たいしたものね…」
ブルー 「それなら、この地方のチャンピオン、シロナやその四天王たちも太刀打ち困難でしょうね…」

プルート 「当然、あなた一人では勝ち目は無いわ、『彼』をつれてこれるなら話は別かもしれないけど」

ジュン (彼? 彼って一体…少なくともさっき言ったギンガ団の構成を見てそれを覆せるほどの人物なんているのか!?)

少なくとも、プルートさんの言っていたことが事実だとすると、ギンガ団は馬鹿げた力を持つ組織ということになる。
こんなの…普通に勝てるわけねぇだろ!?

ブルー 「彼は…これないわ」

プルート 「そう、残念…少なくとも私たちは『パルキア』は物にさせてもらうわ」

ジュン 「パルキア!? 神話とされし空間の神!?」

プルート 「あら、そこの君、詳しいわね、ふふ…でも、忘れた方が無難ね、まぁ知っていてもいずれ意味を成さなくなるけどね」

ブルー 「させないわ…あなたちの目的…達成させない!」

プルート 「だから、不可能よ…このシンオウ地方でギンガ団に太刀打ちできるのはせいぜいあなたくらい…でも、あなた一人じゃ到底勝てないわ」

ブルー 「く…!?」

ジュン 「!! お、俺だ…俺がやってやる!」

プルート 「あら? 君が? ふふ…若いわね」

ジュン 「俺はギンガ団のしたっぱどもをやっつけてきた! 今はあんたにも勝てないだろうけど…いずれ力をつけてあんただって倒す!」

プルート 「それは楽しみね、でも、それは遅すぎる話よ…」
プルート 「いいこと、教えてあげる、私たちギンガ団は、宇宙を創造するの」
プルート 「といってもわかりにくいでしょうから、特別にわかりやすく教えてあげるわ」
プルート 「ブルー、あなたはあの4年前のサイユウ大会の時に、偶然知ったから知っているでしょうけど、よく聞きなさい」

ジュン (サイユウ大会? 4年前? ポケモンリーグのことか?)

4年前っていうと丁度ポケモンリーグのルール変更があった年だな。
その時、ブルーさんはそこにいたのか?

プルート 「ギンガ団はこの世界をリセットして、もう一度初めから始めようとしているの」

ジュン 「!? 世界のリセット…やり直す…?」

プルート 「そう、そのために全ての生命と、歴史は消滅してもらうの、つまり私たちは時間と空間を支配しようというのよ!」

ブルー 「させないわ! それを認めたら、彼のような罪の無い少年まで、巻き込み殺してしまうということ!」

プルート 「ふふ、そうね…尊い犠牲ね、新世界を創造し、我々が神となるための」
プルート 「言ったでしょ、覚えていてもいずれ意味がないって」

ジュン 「ふ、ふざけるな! そ、そんなこと許されてたまるか!」

プルート 「それが、まかり通るのがこの世界なのよ…」
プルート (もっとも…我々ではパルキアは見つけられてもディアルガとそしてそれらの裏側の存在は見つけられていない)
プルート (このままじゃ、我々の計画は八方塞なのよね…)
プルート (世界を創造するほどの力を手に入れるにはパルキアだけでは不十分…それだけでは、滅びしかよばない…)
プルート (まぁ、このままあのポケモンや『無限の時』に利用される位なら抗ってみようってのがボスの考えみたいだけど…)

ブルー 「そのふざけた計画…まず、最低でもあなたを止めるわ!」

プルート 「ふふ、まだその時じゃないわよ、リザードン」

リザードン 「ザー!」

ブルー 「!?」

リザードンはその場で強く羽ばたく。
俺とブルーさんはその場に立ちとどまるのがやっとだった。

プルート 「さようなら、ブルー! また、会いましょう!」

リザードン 「ザー!」

リザードンは凄いスピードで飛び去ってしまう。
あの方角はトバリか?

ブルー 「く…逃げられた」

ジュン 「あんた…一体何者なんだ!? あのプルートって人は一体!?」

ブルー 「…普通じゃない、ってことだけ教えてあげる、もちろん私も」

ジュン 「あんたなら…あの人に、あいつらギンガ団に対抗できるのか?」

ブルー 「わからない…でも、やるしかないわね」

ブルーさんは少なくとも相当の実力がある。
それでも、ブルーさんは顔を曇らせる。
ギンガ団はそれほどの組織だということなのか…。

ジュン 「! ブルーさん! おねがいがあります!」

ブルー 「な、なに?」

ジュン 「俺を…俺を弟子にしてください! 俺、強くなりたいんです! そしてギンガ団にだって打ち勝てるくらい!」

ブルー (真っ直ぐな少年ね…嘘も無い…でも、いや、私がロケット団と戦った頃はまだ10歳か…)
ブルー 「見込みはあるわね、いいわ…でも、まずは私と組み手ができるようになりなさい…それまではあなた自身の力で強くなるのよ」

ジュン 「ブルーさん!? いや、師匠!?」

ブルー 「強くなりなさい、まずは自分だけの力で…話はその後よ…プテラ!」

プテラ 「プテー!」

ブルー 「ヒミ…いえ、プルートを追うわよ!」

プテラ 「ギャー!」

師匠はプテラにまたがると、そのままプルートの消えた方角へと飛び去ってしまう。

ジュン 「強くなってやる…なにがなんでも…絶対に!」

俺はそう誓う。
俺は誰よりも強いトレーナーになる男だ。
絶対に…絶対に諦めるもんか!





ポケットモンスターパール編外伝 第1話 「赤と青」 完







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