Menu

Back Next

UNIT


OPERATION Eleven 『悪夢(ナイトメア)と犠牲(サクリファイス)』




クレス 「…これで完成だ」

ガンズ 「本当に二日で完成させやがった…」

マリーナとの戦闘から約二日、俺は何とか切り札となる兵器を完成させた。
目の前には2メートルほどの大きなミサイルがある。
中に入っているのは火薬ではない。

クレス 「とりあえず、効果は2時間、その間、周辺地域ではエネルギー兵器は一切使えない」

このミサイルの中にはエネルギー拡散霧消粒子が積み込まれている。
目的地で爆発したら粒子を散布し、その辺りのエネルギー系兵器は一切使用できなくなるのだ。
極力、こちらも使用したくはないが相手が相手だ。

クレス 「後は、全機体の実弾装備を進めないとな…」

ガンズ 「結構大変だぜ、弾薬費もかさむし…」

クレス 「戦場で丸裸よりましだろう…」

ガンズ 「…違いねぇか」

俺の機体はともかく、マリアやデルタの機体はエネルギー兵器の塊だからな。
装備の変更はやむをえないな。



…………



『ハッテン第13東A地区 機械化混合陸軍基地ー基地内ー』


マリーナ (…あれから二日ですか)
マリーナ 「さすがに…まだ来はしませんね…」

兵士 「は? 何か言いましたかマリーナ様?」

マリーナ 「いえ、…ふふ」

兵士 「?」

私は微笑んで受け流すと、兵士のお兄さんは頭に?を浮かべていた。
さしずめ、一体何なんだ? …といったところでしょうか?

マリーナ (アルベルトさん、あなたはただでは来ませんよね…)

あの人が対策もなしにまた私に戦いを挑むわけはない。
冷徹なくらい、100パーセントの勝利へ自軍を近づけるような方ですものね…。

マリーナ (ですが…『私』に対する対策はあるのでしょうか?)

少なくとも、あの方にとって私のみが敵となりうる存在…ならば全力で私を排除するはず。
しかし、私、そして私の機体にそれほど弱点は考えられないのですがね…。

マリーナ (しいて言えば、空中性能でしょうか?)

私の機体サクリファイスは地上では地面を滑るように走るため、ものすごく高速で動く反面。
空中に上がると上昇も遅く、移動も遅いのでいい的。
しかし、ビットがあるため相手にはそんなこと言っていられませんが。

兵士A 「おい! エネルギータンクの追加はどうなっているんだ!?」

兵士B 「あと、二日かかるってよ!」

兵士A 「遅ぇよ! それじゃいつサナリィやハッテンが来るかわからないぞ!?」

兵士B 「俺に当たるな!」


マリーナ 「……」

見ると、格納庫の辺りで兵士ふたりが言い合っていた。
エネルギータンクですか、エネルギー兵器の補給には必要不可欠ですね…。
もちろん、私のサクリファイスも…。

マリーナ 「…『エネルギー』?」

今、何か頭に引っかかった。
一見どうということもない言葉でしたのに…。

マリーナ (…エネルギー、まさか…ね)

私は何かいやな予感を漂わせながらも、その場をあとにした。
アルベルトさんは必ず早い内に来る。
この、『私』を倒しに。




…………




『フリーダム館内 ブリッジ』


グレッグ 「明日もう一度攻め入る!?」

カルタ 「ちょ、ちょっと急すぎません!?」

クレス 「問題ない、手はずはこれまでの二日で全て済ました」

俺はグレッグたちに準備が出来たことを報告に来た。
すでに、ユニット隊の実弾装備化は終了した。
ミサイルも大丈夫だ。
あとはマリーナに感ずかれる前に一気に攻め倒すだけだ。

グレッグ 「兵士達の疲れや、敗戦の気負いもある…もう少し待った方が…」

クレス 「わかっている…だが、次勝つにはやはり意表を突いたこの策しかないと思う」

この策はある意味奇襲だ。
普通、三日で勝てるだけの用意を出来ると思うだろうか?
いや、思わないだろう…だからこそこのタイミングで行うのは意味のある行為だと思う。

マリア 「別にいいんじゃない? 明日でも」

カルタ 「マリアさん!」

マリアはブリッジの一番後ろのドアからブリッジに入ってきて言う。

マリア 「クレスだって馬鹿じゃないし、この二日間ほとんど睡眠もとらずにハンガーで虎視奮闘していたんだから」

クレス 「マリア…」

マリア 「そんなクレスの策、むげには出来ないでしょう? 元々クレスはあっち側の人間だったっていうのに」
マリア 「とはいえ、今日はクレスも疲労のピークってわけだから一日くらいぐっすり休む必要があるわよね?」

クレス 「……」

グレッグ 「…むぅ」

マリア 「と、いうわけで決定! グレッグ、そういうことで進めなさいよ!」

グレッグ 「ちょっと待て! 決定か!?」

カルタ 「ハァ…艦内放送よりフリーダム乗艦の各員へ、明日、再度、機械化混合陸軍基地への攻略戦の開始が決定」
カルタ 「詳細は後日、報告…繰り返す」

グレッグ 「カ、カルタ…!?」

マリア 「と、言うわけでクレスは自室でぐっすり休みなよ」

クレス 「マリア…すまないな」

マリア 「いいって、いいって」

クレス 「…ありがとう」

マリア 「…ふ、へへ。なんかクレスに言われるとアレね…ふふ」

俺はマリアの横切る時そういうと、マリアは頭を掻いて照れていた。
今日は言葉に甘えてゆっくり休むとしよう。

クレス (マリーナ、明日、俺たちが勝つ…)

マリア 「あ、クレスー!」

クレス 「? なんだ?」

突然、マリアが大きな声で呼び止める。
俺は突然何かとマリアの方を振り向いた。

マリア 「次勝っても、その次勝っても私たちの戦いは続くだろうけどさ! いつか終わりがきて、平和がくるよね!?」
マリア 「私はそんなあとの事は考えてないけど、こう考えているんだ!」
マリア 「『その時のために精一杯頑張ろう!』ってさ!」

クレス 「……」

マリア 「だからクレスも頑張ろうね! まぁ、クレスはもっと先のことも考えているだろうけどさ!」
マリア 「そんだけ! じゃあゆっくり休んでね!」

マリアはそう言うと、ブリッジの中に入っていった。

俺は少しその場で棒立ちしていたが、すぐに自室へと歩き出した。

クレス 「いつか…か」

妙に引っかかるものがあった。
果たして、本当にそのいつかの平和に俺たちは辿り着けるのか?
いや、俺たちはそのための礎(いしずえ)か…。
マリアもそのつもりであんな言い方をしたのだろう。

クレス (だが、俺もまだまだ死ぬつもりはない)
クレス (この戦いは、もっと大きなものだとは誰も思わないだろうな…)
クレス (『地球規模』の戦争よりも俺の戦いは大きいとは…)

俺は自室へ入ると、そのままベットに倒れこみ、まどろみへと落ちた。



…………
………
……



『次の日:4:15 フリーダム艦内 ブリッジ』


グレッグ 「ふぁ、あ…!」

クレス 「…いきなり大きなあくびか、眠そうだな」

グレッグ 「! クレス!」

早朝の4時、まだ肌寒く、暗い時刻ブリッジに行くと、グレッグが大きなあくびをして暇そうにしていた。
時間帯も時間帯なだけに、ブリッジには数名のスタッフを残してほとんどが出払われていた。
会話は全くなく、無音の空間があたかもこの艦を支配しているかのようだった。

グレッグ 「こんな朝早くからどうした?」

クレス 「いや、なんとなくだ」

グレッグ自身も相当眠そうだ、まぁ無理もないか。
かく言う俺自身はすでに8時間ほど寝たためか、たいして眠気は無い。

クレス 「…作戦開始時刻の方は大丈夫そうだな」

グレッグ 「それなら、問題ない、カルタ! クレスに言ってやれ!」

グレッグは通信機の方に向かってそういうが、そこから返事は返ってこなかった。

グレッグ 「カルタ…?」

クレス 「……」

俺は近づいて見てみると、さすがに苦笑してしまう。

クレス 「…眠っているようだ、よほど眠かったのだろう」

近づいて見てみるとカルタは小さく寝息を立てていた。
人間がもっとも眠たいと言われる時間帯だし、仕方も無いかもしれないな…。

グレッグ 「はぁ、作戦開始時刻は明朝5:11、場所はハッテン第13東A地区 機械化混合陸軍基地だ」

クレス 「うむ、そういうことだ、カルタ、起きろ!」

カルタ 「はえ…? え、あれ!? え!?」

カルタは最初寝ぼけ眼だったがすぐに顔を上げて周りを見渡して顔を青くする。

グレッグ 「カルタ…居眠りとはけしからんな」

カルタ 「す、すいません!」

クレス 「ふ…俺はナイトメアの整備をしておく」
クレス 「カルタも居眠りは勘弁してもらいたいな」

カルタ 「す、すいません…」

通信士に眠られては、流れる情報も流れない。
そのミスが、作戦に大きな支障をきたす時さえある、用心してもらわないとな…。



…………
………
……



『ただいま、4時30分をお知らせします、フリーダムに乗艦している各員は速やかに起床し、持ち場についてください!』

クレス 「…時間か」

格納庫でナイトメアの整備をしていると、突然カルタの艦内アナウンスが流れる。
本来ならもっと遅くてもいいだろうが、作戦時刻が時刻なだけにそうも言っていられない。
マリア辺りちゃんと起きられるだろうか?

マリア 「やっぱりここにいたわね、クレス」

クレス 「……」

前言撤回だな…、マリアはしっかり起きていた。
しかも、なにやら手にはトレイが乗ってある。

マリア 「はい、朝ごはん、簡単なものだけど、食べといた方がいいわよ」

マリアはそう言うとトレイを俺に渡してくる。
トレイにはサンドイッチがいくつかあった。

クレス 「なんだこれは?」

マリア 「やぁね、サンドイッチに決まっているでしょ」

いや、俺が聞いたのはサンドイッチの中身だったんだが…まぁ、いいか。
俺は手袋をはずして、そのうちの一個を食べる。

マリア 「どう?」

クレス 「うまいが…これは…」

マリア 「あ、やっぱりアレだった?」

マリアのアレというのは、サンドイッチにはさまれている具材だった。
理由はさっぱり不明だが、サンドイッチにはハムとは違う肉が入っているようだった。

クレス 「これはなんだ?」

マリア 「唐揚げ」

クレス 「? ああ、そういうことか」

一瞬よくわからなかった。
なぜ、唐揚げというのもあったが、それ以上に唐揚げとは何かということに頭がいった。
用は骨なしのフライドチキンだな…。

クレス 「…まさか、これも?」

俺はそう思うともうまたサンドイッチを手にとって食べる。

クレス 「…マリア、何入れた?」

マリア 「何だと思う?」

マリアは意地悪くそう言い返す。
俺は仕方なく考えてみる。
まず一口で口に広がったのは甘いという感覚だった。
甘すぎず、程よい砂糖加減だったな。
色は黄色い…塊だが何だこれは?

クレス 「黄色い…サトウキビ…なわけはないか」

少なくともふんわりとしていた。
かたくはない。

マリア 「ふふ、卵焼きよ、食べたこと無かった?」

クレス 「…ない」

マリア 「じゃあ、最後の一個は何かな?」

俺はトレイに乗ってある最後の一個を見る。
これはある意味罰ゲームなのか?
というより、なぜ普通に作らない?
マリアの遠まわしな悪戯か?
…ぶっちゃけイジメな気がするんだが。

クレス 「…生臭いぞ」

マリア 「サンドイッチだからね」

クレス 「心なしか、しょうゆの匂いもする気がするぞ?」

マリア 「サンドイッチだからね」

クレス 「わさびが入っていたぞ」

マリア 「サンドイッチだからね」

クレス 「生魚だぞ…」

マリア 「サンドイッチだからね」

クレス 「これはなんだ?」

マリア 「やぁね、サンドイッチに決まっているでしょ」

いや、俺が聞いているのは中身だ、これはどうでも良くないぞ…。
なぜに、魚を挟む?
ツナサンドと勘違いしたというのなら怒るぞ…。

クレス 「マリア…もしかして、いや、もしかしなくても刺身(しかもマグロ)を挟んだろ?」

マリア 「それがいわゆる寿司ってやつよ」

クレス 「寿司は『パン』にではなく『ご飯』にだと思うが?」

マリア 「いいじゃない、同じ穀物なんだから」

クレス 「寿司は『挟む』ではなく『乗せる』だと思うが?」

マリア 「いいじゃない、デンジャラスな気分が味わえたんだし」

クレス 「……」

正直、マリアには着いて行けない。
一体どういう感性をしたらこんな嫌がらせが出来るのか…?

マリア 「冗談よ冗談。はい、普通のサンドイッチ」

マリアはそう言うと、どこから取り出したのかもうひとつトレイを出した。
その今度は6つある。

マリア 「こっちが普通のサンドイッチ、こっちはBLTサンドね」

クレス 「どうして、これをださない?」

マリア 「いや、面白いかなって」

クレス 「……」

俺はもう、何も言わなかった。
ただ、BLTサンドにはてを出さなかった。
Bはブロッコリーではないと言うのに…。
Lはレモンではないと言うのに…。
そして、BLTは三つに分けるものでは無いというのに…。


…………



『各員へ! これより、あと五分で作戦領域に到達します! ユニット隊は速やかにユニットに搭乗し、出撃準備をしてください!』


クレス (…いよいよか)

マリア 『ビットね…まぁ、何とかなるでしょう』

シュウイチ 『勝算は大丈夫なんですよね…クレスさん?』

クレス 「大丈夫だ、必ず勝つ」

デルタ 『大佐…お願いします』

俺たちはそれぞれ機体に搭乗し、通信回線越しに会話していた。

グレッグ 『おい! クレス!、今からミサイルを一斉発射する』
グレッグ 『その中にアレを入れとくから、後は頼むぞ!』

クレス 「任せろ…!」

そうして、まずは艦からの一斉射撃が始まった。
俺たちは暗闇に乗じて、出撃をする。
奇襲は成功し、敵基地に少なからずダメージを与え俺たちは基地内に進入をした。


クレス 「はぁ!」

ザシュウ! ドカーン!

俺は基地内でヒートブレードを振り回して戦う。
敵の数は思ったより多いが、エネルギー兵器が使えなくなったことにより、戦力が格段にダウンしている。

マリーナ 『やはり来ましたね! アルベルトさん!』

クレス 「マリーナか!」

モニターを見ると、12時の方角からものすごいスピードでこちらに突っ込んでくるユニットがあった。
マリーナの乗るサクリファイスだ。

マリーナ 『まさか、あんな方法で私のビットを止めるとは思いませんでした…しかし!』

ダン!ダン!

クレス 「ちぃ!」

マリーナは本来装備していないはずの実弾ライフルをこちらに向ける。
俺はそれを避けて、反撃に移る。

クレス 「よく、俺の策がわかったな!」

マリーナ 『わかったわけじゃありません! なんとなくそうではないかと思っただけですよ!』

俺が言いながらライフルを撃つと、マリーナも器用にそれを避ける。
やはり、遠距離戦は互角か!

クレス 「ちぃ!」

俺は機体をマリーナのサクリファイスに近づける。

マリーナ 『近接戦ですか! いいでしょう!』

ガキィン!

俺のヒートブレードとマリーナのヒートブレードがぶつかり合うと、一瞬凄い火花が飛ぶ。
しかし、マリーナはすぐに少し下がり、横から切りかかってくる。

クレス 「!」

ダァン!!

マリーナ 『当たりませんよ!』

至近距離でライフルを放つが避けられる。
大した反応速度だ、しかし!

クレス 「これならどうだ!」

今度は両肩部の多弾頭ミサイルを放つ。

マリーナ 『ふふふ…』

マリーナは的確に手首の三連ガトリングで多弾頭ミサイルを打ち落としながら、建物の影に隠れる。

クレス 「! そこ!」

俺は殺気を感じ、マリーナの居場所を見つける。
俺はその場所にライフルを撃つ。

マリーナ 『当たりです!』

ドカァン!

俺のライフルの弾はマリーナのライフルに当たりライフルは爆発する。
しかし、サクリファイスにダメージは与えられなかった。
そして、その一瞬の空白の時間にマリーナはためらわず、接近戦を仕掛けてくる。

マリーナ 『はぁ!』

クレス 「ちぃ!」

マリーナはヒートブレードで上段から切りかかってくる。
俺はそれを紙一重で避け、距離をとる。

マリーナ 『逃がしませんよ!』

しかし、マリーナはまた距離を詰めてくる。
持ち前サクリファイスの方がスピードが速いため、距離のコントロールは負ける。
結局…接近戦か!

クレス 「はぁあ!!」

ガキィン!

俺は左手のヒートブレードでマリーナの攻撃を受け止める。
少々強引に押したため、マリーナのサクリファイスは慣性の法則で後ろに吹っ飛ぶ。
俺はそれを見逃さず、再びライフルで撃つ。

マリーナ 『ふふ…』

しかし、マリーナは建物を建てにして再び隠れる。

クレス 「くっ!」

俺はすかさず上空に飛び上がり、上からサクリファイスを探す。

マリーナ 『甘いですね! 上ですよ!』

クレス 「!?」

ガキィン!

俺は上から思いっきりヒートブレードをたたきつけられる。
俺はかろうじてヒートブレードで受け止めたものの地面に強く打ちつけられる。

クレス 「くぅ!」

マリーナ『ふふ!』

俺はとっさに真上のマリーナにライフルを向ける。
しかし、それを狙ったかのように、マリーナの三連ガトリングが俺のライフルに放たれる。

ドガァン!

クレス 「!?」

ライフルはあえなく爆発してなくなってしまう。

マリーナ 『はぁ!』

クレス 「まだだ! まだ終わらん!」

俺はブレードをふるって、マリーナを迎撃すると同時に後退して多弾頭ミサイルを放つ。

ドドドドドドドドドドド!

マリーナ 『そんな策は私には通用しません!』

マリーナは神業とも思う操縦技術で迫り来る多弾頭ミサイルをまっすぐ進みながら潜り抜ける。
しかし、これだけが俺の策と思うなよ!

クレス 「もう一発だ! ありったけ持っていけ!」

俺は残り2発の多弾頭ミサイルをひとつは上、もうひとつは左に放つ。

マリーナ 『!?』

マリーナは動きは止めない。
しかし、明らかに警戒した。

クレス (人間の電気信号は0,2秒! 少しの迷いは死を呼ぶぞ!)

マリーナ 『後ろ!? そういうことですか!』

まず、左に放たれたミサイルはさまざまな楕円を描いた結果、前、右、後からミサイル襲った。

マリーナ (正面は狙われている! 上もミサイルが雨のように降ってくる! 四面楚歌というわけですか!)
マリーナ 『ならば! ビット!!』

ヒュン! ドカァン! ドカァン!!

クレス 「!?」

マリーナはビットを出すと、ビットが回りのミサイルに衝突し、潰れていく。
そして、ミサイル同士が誘爆して周りがものすごい煙に包まれる。
まさか、ビットを盾にするとは!

マリーナ 『はぁ!』

クレス 「ちいぃ!!」

再び互いのブレードが重なり合い、弾く。

マリーナ 『!!』

ドカァ!!

クレス 「何だと!?」

突然、マリーナは強引にもタックルをしてくる。
俺はそれにひるんでしまう。

マリーナ 『終わりです!』

クレス 「!!」

俺はとっさにブレードで防御に移る。
しかし、それさえ読まれ、ブレードは下から上へ跳ね上げられ、ブレードは宙を舞う。

クレス 「……!」

マリーナ 「……!!」

ザシュウ!! ドカァン!!!

爆音。
耳を塞ぎたくなるような激しい爆音がする。

マリーナ 『…ふふ、やっぱり敵いませんね…』

クレス 「……」

俺はとっさに右手に内蔵されてあるヒートダガーでブレードの持たれてあるサクリファイスの左手を切り裂く。
その時、勝敗は決した。
俺はヒートダガーを相手のコックピットに向ける。

マリーナ 『私の負けです…さすがですね』

クレス 「最終的意思はお前が決めろ、ここで戦って散るか、それとも投降するか」
クレス 「ただし、どちらにしてもメンバーキーは渡してもらう」
クレス 「…生きるか死ぬか…選べ」

マリーナ 『…そうですね、まだ死にたくはありません』

ピシュウ。

マリーナ 「投降します…」

サクリファイスのコックピットは開き、中からはマリーナが現れる。
ずいぶんと久方ぶりの顔だった。

カルタ 『クレスさん! 聞こえますか!作戦成功です! エグザイル軍は逃亡!一部投降しました!』

クレス 「了解だ」

そこにカルタから作戦成功の知らせが届く。
どうやらマリーナと戦っているうちに作戦は終了したようだった。

マリーナ 「どうやら、エグザイルの負けのようですね」

クレス 「殺しはしない、が、捕虜としての扱いは受けてもらうから覚悟しろ」

マリーナ 「ふふ、お手柔らかに」





…NEXT OPERATION A GO




Strategy of the following!


ついにハッテンでの戦いに終止符を打ったサナリィ。
ハッテンでの最後は首都でハッテン首脳との会見があった。
これは、サナリィが世界的に対エグザイルとなる、同盟の会談だった。
一方、サナリィのメンバーは久しぶりのたった一日の休日となる。
捕虜となったマリーナ、マリアとシュウイチはこの女性と会う。
そしてそこで、二人はある事実を知る。

次回 UNIT

OPERATION Twelve 『一時の休日』


クレス 「いつか…毎日こうやって暇なくらいの日々が続けばいいんだがな…」




Back Next

Menu

inserted by FC2 system