Top

Back



ここは、私の創造した世界…気をつけていってください


Yuki's Original Story Vol.2
DEATH

序章 「外界へ…」

主人公の少年 「………」

俺はまた、戦いの場に行く…意味はない、ただ…それが任務だから。

長髪の男 「おいデス、着いたぞ」

この男の名はレイ・ガレオン。俺よりも年上で、俺のパートナーだ。
ちなみに着いたというのは、任務を遂行する目的地に着いたという事だ。

デス 「…行くぞ」

レイ 「おう!」

俺たちは互いに頷きあい、今回の任務である敵部隊を殲滅するために敵基地内部に突入した。

兵 「ん? あ、あれは!!」

デス 「………」

俺は目の前の兵士に向かって走った。
見ると、どうやら隊長らしき兵も見える。
好都合だな…。

隊長 「どうした?」

兵 「た、隊長! 死神が…ぐわっ!!」

俺はその兵士を真っ二つにし、次のターゲットを見据えた。

バタ!

隊長 「な、し、死神…?」

デス 「………」

俺は敵が銃を構えるよりも早く、自分の愛用の武器である大鎌を横にないだ。

ザンッ!

隊長 「ぐはっ!」

ドサッ!

敵隊長は俺の鎌で体をふたつにされ、地面に転がった。

デス 「…後は雑魚だけか」

俺は基地を破壊しにいったレイと合流するため、基地の中心部に向かった。

レイ 「おっ、デス。そっちは終わったのか?」

デス 「………」 こくり

見たところ、レイもすでに爆薬を仕掛け終わったようだ。
全くたいした事はない…今回の任務は簡単だ。

レイ 「さてと、とっとと脱出するぞ。5分で爆破するからな」

デス 「………」 こくり

俺は頷き、レイと共に基地を脱出した。
任務を終えた俺達はギルドに帰るために船に乗り込んだ。

ドゥーーーーーーーン!!!

直後轟音が響き、敵の基地は完全に破壊された。

デス 「………」

あの爆発なら、ほとんど誰も生きてはいまい…。


………。
……。
…。


レイ 「なぁ、デス…?」

ギルドに着くまで後1時間といったところで、レイが珍しく真剣な表情で俺に問いかけてきた。

デス 「……?」

レイ 「…俺さ、明日外の世界に行こうと思うんだ」

外の世界…。
今、俺達が所属しているところはギルドという極秘の軍事施設で、俺達は生まれた頃からそこで戦闘訓練を受けている。
そして、普通の人たちが生活している世界のことを俺達は外の世界、または外界と呼んでいる…。

デス 「…外界へか?」

レイ 「ああ」

レイはゆっくりと頷いた。

デス 「何の為に?」

しばしの沈黙。

レイ 「お前は、外の世界に出たくはないか?」

デス 「………」

考えた事もなかった…。
俺はずっと戦って生きてきたし、ずっとそれが続くと思ってた。
いや、むしろ俺は戦うことしかできないとも思っていた…。

レイ 「俺は出てみたい…。いつまでも意味なく戦ってたんじゃ、もったいないだろ?」

俺は他の戦士たちとは違って、『感情』というものが分からない…だから、外界に興味を示すこともなかったし、感情が分からなくても困りはしなかった…。
ただ、ギルドの現所長であるシエラ・ギニティス所長は、俺のことを色々と気にかけてくれる。
俺の感情のことに関しても、俺の感情が戻るようにと、考えてくれているようだ…。

レイ 「お前も、外に出ればきっと感情が分かるようになる…」

俺は、最初はずっとひとりで、一番下のEクラスから、今いる最高のクラスといわれるSクラスに上がった…。
それから、前回所長であったゴズム・バルド所長が、敵の凶弾で死亡した…。
そこで、俺はひとりの男とコンビを組むことになった。
だが、そのパートナーは俺との初めての任務で死亡し、俺はまたひとりになった。
そして、感情も与えられぬまま、俺はどんどん戦果をあげていった。
それから所長が当時Sクラスの戦士であったシエラさんに代わり、ギルドは大きく変化を遂げた…。
ギルドで今まで育てられていた子供たちは戦闘訓練を止めさせ、一般でいう生活を与えられた。
他の戦士たちも色々と待遇がよくなり、シエラ所長曰く『本当のギルドの姿』になったらしい。
それでも俺は他の戦士たちとは違い、変わる術などありはしなかった。
そこで、シエラ所長は俺にレイ・ガレオンというパートナーをつけた。
俺は以前のこともあり、多少躊躇したが、シエラ所長の命令ということで、結局は受け入れた。
それからというもの、レイは俺に対して色々と世話を焼いてくれた。
特に人間関係のことや、人の心とか…。
任務でも、俺たちはふたりでどんな困難な任務もやってのけた。
…そのレイが俺の為に誘っているのなら、俺は特に拒む理由もなかった。

デス 「…わかった俺も行こう」

レイ 「そうか、じゃ決まりだな!」

レイは小さくガッツポーズを取り、喜びをアピールした。

デス 「………」

そうして、俺達はギルドの本部に戻っていた…そして、シエラ所長から、今回の報酬を受け取った。
その際、レイは俺たちが外界に行くことを所長に話した。

シエラ 「そうか、外界に行くのか…」

シエラ所長は、女性でありながらこのギルドを取り締まっている人だ…。
ちなみに、所長も5年前までは戦士だった…。
シエラさんが所長になってから、このギルドは大きく姿を変えた。
前回のゴズム所長は戦い好きで、俺達が子供だろうと何だろうと、訓練をさせていた…。
要するに血も涙もない奴…というらしい。
それに比べるとシエラ所長は全くの逆で、見た目は気難しい人に見えるが、本当はとても優しい人…だと、ここの子供たちは言っている…。
俺にはよく分からないが、前の所長は俺達のような子供でも戦場に出し、それで死んでも、あいつは俺達子供をただの駒としか見ていない…。
けど、シエラ所長は命を重んじる人だ…と、レイは言っていた…。
俺にはよく分からないが、レイが言うのなら正しいのだろう…。

レイ 「はい…」

シエラ 「デスも行くのか?」

デス 「…はい」

シエラ 「そうか…分かった、許可する」

レイ 「ありがとうございます!」

シエラ 「デス…」

デス 「……?」

シエラ 「お前は、感情がない…。だが、外界に出ればお前の失った心も戻るかもしれん…」

デス 「………」

シエラ 「お前はもう、今の自分からは変わる時だ…」

デス 「…変わる」

所長の言っていることがわからなかった。
いきなり変わるといわれても、俺にはわからない…。

シエラ 「そうだ、今のままでいることはない…。お前にも幸せというものがきっとわかる。それまでには時間がかかるだろうが、頑張れ」

シエラ所長はそう言い、俺に微笑みかけた。

デス 「…はい」

俺はとりあえず頷いておく。

シエラ 「船は、明日の朝に出させよう、それでいいな?」

レイ 「はい、ありがとうございます!」

デス 「………」 ペこり

レイ 「では、失礼します…」

そうして、俺達は一礼をし、所長室を出た。

レイ 「よし、じゃあ明日の朝6時に港でな」

デス 「………」 こくり

俺達はそれぞれの部屋に戻り、就寝した…。
そして、次の朝がやってきた…。


レイ 「よし、じゃあ行くか!」

デス 「………」 こくり

俺たちはシエラ所長の用意してくれた中型船に乗り、外界に向かって出発した。

デス 「外界と言っても、一体どこに行くつもりだ?」

レイ 「ああ、日本に行くつもりだ」

デス 「何かわけがあるのか?」

レイ 「いや…別に」

レイは特に何も考えていなかったのか、あっさりと答えた。

レイ 「まぁ、日本はそこまで問題のある国じゃねぇし、住みやすそうだろ?」

デス 「確かにそう言われればそうかもしれない」

そんな風に話しながら時間をつぶして、俺達は日本に向かっていた。
だが、その時俺は何かの気配を察知した。
魚にしては何か不自然だ、つまり…。

デス 「敵の気配!」

レイ 「何、どこだ!?」

デス 「…水中だ!」

俺たちが海に目を向けると、敵らしき戦闘服で身を覆った人間が現れた。

ザバァ!

謎の戦士 「………」

レイ 「ちぃ! まさか、水中から襲ってくるとはな!!」

レイはすぐに身構えて、敵に向かって行く。

デス 「……!!」

俺は敵の殺気を読み取り、先に攻撃を仕掛けた。

ザンッ!

敵 「ぐわっ!」

ザッパーン!

そして、しばらくの間、俺たちは何10人もの敵を倒すが、俺達はだんだんと疲労していった…。

レイ 「くそっ、次から次へとこいつら、一体!?」

デス 「………」

見たところ、敵はまだまだ隠れているようだ。

レイ 「しゃあねぇな…。おいデス、ここは俺が食いとめるから、お前は船内にある小型艇で逃げろ!」

突然レイはそんなことを言い出す。

デス 「…レイは!?」

レイ 「心配するな、俺も後から追いつく…」

レイはそう言ってはいるが、とても一人で無事でいられるとは思えない…。

レイ 「さぁ、早く行け!!」

今ここで俺が残っても、状況は変わらない…。
だからレイはあえて俺だけでも逃がそうとしてくれているのだろう、だったらレイの意思を無駄にするわけにはいかない…。

デス 「………」

俺はうなずいて、船内の小型艇の所まで走りだした。

レイ 「…元気でな」

レイの声が聞こえたような気がしたが今は気にしている時じゃない。
俺は全力で小型艇のある部屋に向かった。

デス 「…あった」

俺は小型艇に乗り込んで、すぐにエンジンをかけて出発した…。
恐らくこの方向で日本に着けるはずだ。

デス 「レイ…」

振り返ってみると、船は炎上していた…。
おそらく、俺が敵に気づかれないようにレイが爆破したのだろう…。


俺は眠ることにした…数日もすれば、別の世界に着いているのだろう…。
そこでは、俺は一体どうなるんだろう?
たったひとりで大丈夫だろうか?
そしてある日、俺が目覚めときに見たものは…。




…雪?



Back

Top

inserted by FC2 system