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ゼ:「パトラちゃん。そういえば今日は何の日か覚えてますか?」
ゼウスが突然聞いてきた。
パ:「んあ?いや。覚えてないねー・・・。」
ゼ:「今日はパトラちゃんの誕生日ですよ。」
パ:「へぇ〜・・・。そうなのかい。でも、この状況でそんなこと言われてもね〜・・・。」
牢獄の中で誕生日を祝うのは寝覚めが悪い。
ゼ:「そんなこと言わずに。私からの誕生日プレゼントをあげましょう。」
パ:「そっちより、ここから出たいよ・・・。」
ゼ:「フフフ・・・。」(カアッ!!)
ゼウスが小さな笑いを浮かべると、ゼウスの体が光りだした。
パ:「な!何!?」
ゼ:「知ってましたか?今日は、七神隊結成の日なんですよ。」
パ:「んなこと言われたって!!」
ゼ:「そして、この日になると幽体となった体は実体を取り戻し、肉体を持つ幽霊と化すのです。」
光が消えると目の前にゼウスがいた。
パ:「何も変わらないじゃん。」
ゼ:「後ろのガラスを見てください。」
壁にはガラスがはってあった。
パ:「ありゃ!?何でガラスに映ってるのさ!?」
ゼウスはパトラにしか見えない特殊な幽霊で、ガラスにも映らない。
ゼ:「言ったはずですよ。肉体を持つ幽霊と化すと。」
いわゆる、皆に見える幽霊と化した。
パ:「あ、そう。だったらちょうどいい身代わりが出来たよ。」
パトラがゼウスの肩を叩こうとしたらすり抜けてしまった。
パ:「あれ?何ですり抜けるのさ?」
ゼ:「生身のパトラちゃんには直接私に触れる事は不可能です。」
今度はゼウスがパトラの肩触ろうとした。
肩にゼウスの手が当たった。
パ:「ありゃ?何でアタシは触れないのに、何でアンタには触れるのさ?」
ゼ:「私の意志で触れる事が出来ました。」
パ:「じゃ、アンタがアタシが触れる事が出来るって意識したら触れる事が出来るのかい?」
ゼ:「はい。」
パ:「なるほど。って、誕生日はもうお開きーっ!!これからどうすんのさーっ!?」
ゼ:「私に任せてください。」
人差し指を壁に軽く当て何事も無かったかのように足を組んで宙に浮かんだ。
ゼ:「さぁ。これでこの壁を通り抜ける事が出来ますよ。」
パ:「アンタバカじゃないの?こんな壁が通り抜けられると・・・、うわっ!!」(ズルッ)
パトラが壁に触れようとした一瞬、壁に吸い込まれてしまった。
パ:「痛っ!!」(べシャッ!!)
前にのめりこむように倒れた。
パ:「あたた・・・。あーあ・・・。服がビショビショだよ〜・・・。」
どうやら、壁をすり抜け隣の牢に移ってしまったようだ。
だが、隣はあたり一面が水面で、奇妙な植物がいっぱいだ。
パ:「っ!!」(シュッ!!)
パトラは先端に針のついた枝に囲まれてしまった。
?:「あなたはどちら様ですか?」
壁に大きな根っこがある。
その中から女性の声が聞こえた。
パ:「アタシはアンタを助けに来たパトラ。シーフさ。」
?:「もう一人いるみたいですが?」
ゼ:「私の名前はゼウス。パトラちゃんの手助けをしています。」
?:「そうですか・・・。その言葉に嘘はありませんね?」
ゼ:「はい。」
?:「その言葉を信じましょう・・・。」(シュルシュルシュル・・・)
パトラを取り囲んでいた枝はどこかに消えた。
キ:「私の名前はキョウ。護神隊、草の陣の一人。」
肩の見える黒い服を着て、腰には緑色の布を巻いて、黒いミニスカートをはいた見た目は普通の緑髪の女性だ。
長い髪を髪飾りで止めている。
キ:「あなた達は、七神隊ですね?」
パ:「ああ。光のゼウスさ!!」
キ:「護神隊創立者の一人ですか・・・。頼もしい方ですね。」
ゼ:「まだ、やんちゃなんですけどね・・・。」
パ:「いいじゃん。」
キ:「この状況だと、私の妹のヒョウに頼まれたのですね?」
パ:「当ったりー。」
キ:「やはり・・・。でも、いつでも出ようと思えば出る事ができますよ。」
パ:「は?」
キ:「なぜならこの城は、我が先祖が建てた意識のある植物の城です。私が命令すれば、いつでも城を解体できる事が可能ですよ?」
ゼ:「ではなぜ?」
キ:「長い間この城の歴史に寄り添っておりましたから、最後の記念にと・・・。」
ゼ:「離れるのが嫌なんですね・・・。」
誰だって、故郷を捨てるのは嫌だ・・・。
支配されたとしても故郷は故郷・・・。
だから、捨てたくないのだ・・・。
捨てる事はすなわち、自分の居場所が無くなってしまう・・・。
パ:「そう。じゃ、しばらくここにいなよ。アタシはしばらく寝てるからさ。」
キ:「でも、いずればれてしまう・・・。」
パ:「大丈夫だって。アタシのお婿さんがいるからね〜・・・。」
そういい残すと、壁にもたれ、足を組みながら寝てしまった。
キ:「何故、このような者がシーフに?」
ゼ:「私と同じですよ・・・。私も少し寝る事にしましょう・・・。」
ゼウスもパトラの横に寄り添い、寝てしまった。
キ:「仕方ないですね・・・。私も寝る事にしましょう・・・。」
その頃、ヒョウの家では・・・。
ク:「ずいぶん時間がかかっているな・・・。」
ト:「そうだね・・・。でも、何でクロウの姿が急に見えるようになったのかな?」
ク:「今日は何かの記念日だったのだが・・・、忘れてしまった・・・。」
ウ:「それよりも、パトラさん・・・、もしかしたら捕まっちゃったのかも・・・。」
ヒ:「ものすごい警備だったから捕まってもおかしく無かったよ。」
ク:「だとすると助けに行かなければ・・・。」
ザ:「じゃ、アタイは正面にいる敵をすべて燃やしてやるよ!!」(バンッ!!)
威勢の良いザラの声が響きアーノ城へと向かって行った。
ク:「では、俺達も向かうとするか・・・。久々に血が見たい・・・。」
不敵な笑いを浮かべ不気味な言葉を言う。
ウ:「絶対殺さないでね!!」
ク:「わかっている。気絶させる程度にする。」
ウ:「じゃ、私とヒョウは別の道から行くね。」
ク:「ああ。俺がやる事はお前らみたいな子供が見るものじゃないからな・・・。」
奇妙の言葉を言い残すとトランはクロウに変わり、アーノ城に向かった。
ヒ:「怖い人ー。」
ウ:「あれでも、心は優しいんだけどね。」
ヒ:「そうかな〜・・・?」
ウ:「私達も手伝おうよ?」
ヒ:「ま、暇だしそうしよー。」
〜次回〜
クロウとザラは正面から敵を倒す事にしたが、苦戦をしいられた。
その時、かまいたちが起きた。
ク:「まさか貴様にまた会えるとはな・・・。ジュノ・・・。」
ジ:「お前達が生きてる限り、俺は死なない・・・。」
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