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とにかく俺はカナと燈を連れて行くことにした。
カナがいれば会社のことは大体わかる。
カナ:「あ。待って。」
深紅:「どうしたんだ?」
カナ:「あなた達の武器を取り戻さないと・・・。」
燈:「あ。おかーさんの短剣忘れてた!」
深紅:「そうだな。丸腰で戦うのはまずいしな。」
武器庫
深紅:「あった。」
燈:「アタシのもあったよ〜。」
ガチャッ!!
深紅:「カナ。」
カナ:「え?」
深紅:「その2つの銃はお前のか?」
カナはスナイパーライフルとハンドガンを持っていた。
カナ:「ええ。」
カナ:「こう見えても私、銃器の扱いは慣れてますから。」
深紅:「殺し屋だったのか?」
カナ:「ええ。」
燈:「ぼそ・・・・。(意外と怖い人だね・・・。)」
深紅:「・・・・・・・。」
クスカ:「し!深紅!!大変だ!!」
深紅:「どうしたんだ!?」
クスカ:「早く最上階にこい!!」
燈:「あ。これ。アンタの銃でしょ。」
クスカ:「あ、ああ。わりぃ。」
最上階
社長室
深紅:「なっ!」
燈:「う!嘘っ!?」
ジュノ:「来てたのか・・・。」
ジュノ:「見ての通り・・・。」
ジュノ:「青磁カンパニーのボスは殺された・・・。」
青磁は大きな机の上にうつぶせになりながら死んでいる。
ただ、青磁の胸には見覚えの無い長刀が刺さっていた。
ジュノ:「この剣は・・・!!」
燈:「あ!アタシ知ってる!!」
燈:「ゼビウスって人の剣だ!!」
深紅:「そのようだな・・・。」
ババババババ・・・
深紅:「ん?ヘリだ。」
?:「うひょ。」
クスカ:「ん?誰だ!?てめぇ!!」
クスカは逃げようとする太った男を捕まえた。
馬乗りになりながら銃を突きつけた。
クスカ:「てめぇは何もんだ!?」
?:「ぼ!僕はこの会社の社員だ!!」
クスカ:「一体何があったんだ!?」
?:「ゼ!ゼビウスが来たんだ!!」
深紅:「何だと!?」
?:「たたた!確か「あの地は渡さない」とかぶつぶつ言ってた!!」
クスカ:「いい奴じゃねぇのか?」
深紅:「違う!!アイツがいい奴なわけが!!」
クスカ:「うわっ!!」
?:「おひょひょ!!」
タッタッタッ・・・
クスカ:「いててててて・・・。」
深紅:「アイツは!?」
タッタッタッ・・・!!
燈:「あ!アニキ!!」
タッタッタッ・・・!!
ヘリポート
燈:「どうしたの!?」
?:「ふ・・・。お客さんがたくさんいるようだな。」
黒いスーツを着た男がいた。
深紅:「お前が新社長だな?」
?:「そうだが、何だね?」
深紅:「元戦闘員の深紅だ!!」
燈:「と、その妹!!」
?:「実にバカらしい・・・。」
クスカ:「そいつは何もんだ!?」
深紅:「青磁の息子で、名前は「隆司」。」
クスカ:「と言う事は、新社長か!」
深紅:「らしいな・・・。」
深紅:「悪いが、燈・・・。皆と先に逃げてくれ。」
燈:「な、何で?」
深紅:「俺はこいつと話がある・・・。」
燈:「で、でも・・・!」
深紅:「早く行け!」
燈:「!」
燈:「死なないでね!!」
タッタッタッ・・・!!
隆司:「さて・・・。話をするか、殺し合いをするか決めてくれないか?」
深紅:「話しても意味が無い・・・。」
カキンッ!!
深紅:「どのみち、殺し合いに発展するだろうな・・・。」
隆司:「なるほど・・・。」
隆司:「そっちのほうが早くていいかもな!」
バトル開始
隆司:HP900
MP0
武装「ショットガン」
隆司:「さぁ!始めようか!!」
深紅:「・・・・・。」
隆司:「冷たいな。」
バンッ!!
キュンッ!!!!
深紅:「ちっ!!」
隆司:「君は実に面白い!!」
バンッ!!バンッ!!バンッ!!
深紅:「うわっ!!」
深紅:ダメージ59
隆司:「クックックッ・・・。」
深紅:「この野郎!!」
ザシュッ!!
隆司:「ちっ!!」
隆司:ダメージ69
隆司:「くっ・・・!この勝負はおあずけだ!!」
バババババ・・・!!
深紅:「逃げるな!!」
ババババババ・・・!!
深紅:「逃げられたか・・・。」
燈:「アニキ!!」
燈:「倒したの!?」
深紅:「いや!逃げられた!」
燈:「大変なの!!出口が全部塞がれちゃった!!」
深紅:「逃げ場所はある!!」
深紅:「ハイウェイに飛び移るんだ!!」
燈:「どうやって!?」
深紅:「皆を最上階に連れてきてくれ!!」
燈:「う、うん!!」
最上階
クスカ:「どうやって飛び移るんだ?」
深紅:「パラシュートを使って飛ぶんだ。」
クスカ:「飛び移れなかったら?」
深紅:「逃げるしかない。」
クスカ:「単純なヤツだな。」
深紅:「うるさい。」
深紅:「とにかく、ハイウェイは走っても逃げ切れる距離だ。」
ジュノ:「この街から出るのか。」
深紅:「ああ。」
ジュノ:「先に行け。俺は大丈夫だ。」
深紅:「前もそうじゃなかったか?」
ジュノ:「・・・・・・。」
深紅:「とにかく先に行くぞ!!」
ダッ!!
ネオ・ブレイブタウン外
ドサッ!!
深紅:「うわっ!!」
まさか、外にまで飛ばされるとは・・・。
予想外だった。
深紅:「意外と風がきつかったな。」
異常に強風だった。
まるで、俺たちのまわりに台風が起こったようだった。
燈:「アニキ。」
深紅:「ん?」
燈:「これからどうするのさ?」
深紅:「さぁな。」
ウンディーネ:「近くの町に行こうよ。」
深紅:「近くに町があるのか?」
ウンディーネ:「うん。確か、「カーマイン」っていう小さな町だよ。」
燈:「じゃ、アニキ。人数を3人ずつに分けようよ。」
とりあえず、俺はウンディーネとケルベロスを連れて行くことにした。
燈:「何でアタシを連れてかないのさ〜?(泣)」
ウンディーネ:「何故ですか?」
深紅:「(俺にべたべたくっ付くからな・・・。)」
ウンディーネ:「結構、仲はいいんですね。」
ケルベロス:「思うとであろうとも、甘えられると疲れるのだろう。」
ウンディーネ:「そうでしょうか〜?」
ウンディーネ:「私は甘えられたほうがいいんだけどな〜。」
ケルベロス:「(深紅。この女はどういう神経をしているんだ?)」
深紅:「・・・・・・・。」
俺が思うには、多分「天然」なんだと思うんだが〜・・・。
でも、意外ときっちりとした性格だし・・・。
この場合どうなるんだ?
深紅:「とにかく、クスカ。燈とレミを頼む。」
クスカ:「お二人さんとも、命かけても守りきるぜ。」
深紅:「頼んだ。」
カナ:「では、行きましょうか。」
カナ:「そういえば・・・。あの方は一体何処に?」
深紅:「ジュノか?アイツなら大丈夫だ。」
カナ:「そうですか・・・。」
クスカ:「じゃ、行こうぜ。」
深紅:「じゃ、俺たちも行こう。」
ウンディーネ:「深紅さん。」
ウンディーネ:「私の本名、教えたっけ?」
深紅:「いや。聞いた覚えが無いな・・・。」
ウンディーネ:「私の本名は「水神 奏(ミズガミ カナデ)」です。」(以下、奏)
深紅:「奏か・・・。いい名前だな。」
ケルベロス:「ということは、ウンディーネとは?」
奏:「あだ名だよ。」
深紅:「ということは、ジュノもか?」
奏:「うん。でも、秘密。(笑)」
深紅:「何で笑ってるんだ?」
ケルベロス:「面白い名前なのかもしれんな。」
深紅:「そうかもな。」
人間(と1匹)の本性とは恐ろしいものだ。
秘密と言われれば、絶対に探り出したくなる。
深紅:「どんな名前なんだ?」
奏:「神風 刃(カミカゼ ジン)」だよ。」
あっさりと探り出せた。
というよりも、笑えると言うよりも、感嘆としてしまう名前だ。
それよりも、秘密じゃなかったのか?
ケルベロス:「(嘘をつけない性格なのだろうな・・・。)」
深紅:「・・・・・・・・。」
ケルベロス:「そういえば、そういう名前を聞いたことがあるが、何時頃のことか・・・。」
ケルベロス:「確か、「風の神官」と呼ばれ、恐れられていたな・・・。」
奏:「そうだったんだ〜。」
深紅:「風の神官か・・・。」
となると、アイツは神の代わりに罰を与えるのか・・・。
奏:「でも、ジュノさんって結構優しいんだよ。」
深紅:「いや・・・。性格と全然違うし・・・。」
奏:「性格で判断しちゃだめだよ。」
奏:「電車の中でさりげなく老人に席を譲ったり、歩道を渡る時は手を上げて飛び越えたり・・・。」
深紅:「(やることが全然違う!!)(驚)」
ケルベロス:「(というか!歩道を飛び越えるのなら手を上げんでいいだろう!!)(汗)」
奏:「嘘だよ。」
深紅&ケルベロス:「嘘かよっ!!(怒)」
奏:「えっと、泥棒に襲われてた老人を助けたり、子どもがいじめられたら助けるしね。」
深紅:「ほ〜・・・。」
奏:「でも、何故か血だらけになってるんだけどね。」
深紅&ケルベロス:「(神官なのに殺しちゃってる〜っ!!!?)(多汗)」
奏:「ま、そんなところだよ。」
深紅&ケルベロス:「いや!本当の話なのかよっ!!!?」
深紅:「とりあえず、すぐに行っても面白くないし、歩き回るか。」
深紅:「(敵と戦いたいしな。)」
ケルベロス:「何を笑っている?」
深紅:「いや。何でも・・・。」
ケルベロス:「(気持ち悪いヤツだな・・・。)」
ガルルルル・・・!!
深紅:「敵か!!」
ケルベロス:「ブレイブウルフだな。」
奏:「あまり強くないと思うよ。」
深紅:「面白くないな・・・。」
ガルルルルル!!
ケルベロス:「そっちに行ったぞ。」
深紅:「弱いヤツには用は無いんだ。」
サッ!!
深紅:「本当に弱いな。」
ガンッ!!
奏:「死んじゃったの?」
深紅:「いや。鞘で殴ったから気絶しただけだ。」
ケルベロス:「予想をはるかに超えた弱さだな。」
深紅:「ああ。」
奏:「ねぇ。よく見たらその剣。折れてるよ。」
深紅:「ああ。でも、「ミスリルソード」があるからな。」
深紅:「で、奏。このレリーフはどうするんだ?」
奏:「それはね、取り外しできるんだよ。」
カチッ
深紅:「本当に取れたな。」
深紅:「ということは、これをミスリルソードに付ければ・・・。」
カチッ
ピキィーン!!
剣とレリーフが共鳴して光った。
これで、ミスリルソードには闇属性が付いた事になる。
深紅:「腕が・・・。」
タライの館で戦った時と同じように、黒い竜の手みたいになった。
そんなに力を入れていないつもりが、かなり入っているような感じになる。
奏:「暗黒竜」のウロコだね。」
深紅:「何だそれ?」
奏:「炎と重力属性に強くて、光属性に弱いんだよ。」
深紅:「弱点もあるのか・・・。」
一方・・・
カーマインタウン
宿屋
クスカ:「じゃ、俺は隣の部屋で寝てるから、何かあったら起こせよ。」
ガチャッ
燈:「うん。」
カナ:「私も休むとしますか。」
ガチャッ
燈:「アタシ一人か〜・・・。」
燈:「アタシも寝よ。」
バサッ
燈:「久しぶりにベッドで眠れたー・・・。」
燈:「く〜・・・。」
フォクシー:「・・・・・・・。」
フォクシー:「(私の体は長くは持ちませんね・・・。フフ・・・。)」
ブレイブエリア
深紅:「疲れたな・・・。」
奏:「そろそろ精神力も少なくなってきました〜・・・。(涙)」
ケルベロス:「くぁ〜〜・・・。」
深紅:「ケルベロスって、意外と犬だよな。」
ケルベロス:「犬じゃない!!」
?:「覚悟しなっ!!」
一人の女性が真上から攻撃してきた。
深紅:「よ!避けろ!!」
カカカッ!!
深紅:「手裏剣!?」
この世界は、皆が知っている武器は珍しい物として見られている。
だから、日本刀もかなり価値がある。
ザッ!
?:「あはははは!」
ゴム製の黒い短パンと胸が見えそうなほど露出したシャツを着た少女が高々と笑った。
頭には、狐の頭のような黒い物を被っていて顔がわからなかった。
ただ、わかったのは少し日焼けた肌に、銀色の長い髪だ。
深紅:「皆!大丈夫か!?」
奏:「う〜ん・・・。」
ケルベロス:「ぐうっ・・・!!」
?:「長旅したのが仇となったね〜!」
深紅:「お前は何だ!?」
?:「アタイはブラックフォックス盗賊団女隊長の美しき狐!フォクシー!!」
戦隊モノっぽくポーズを決めていた。
深紅:「変人か?」
フォクシー:「アタイが変人だって〜!?」
深紅:「(お・怒っているのか・・・!?)」
フォクシー:「アンタがそう思うなら、そうしな!」
深紅:「(怒ってないのか・・・。)」
フォクシー:「いきなりで悪いねぇ〜・・・。実は、アンタにお願いがあんだけど・・・。(照)」
深紅:「(な・何で照れてるんだ・・・!?)」
フォクシー:「アタイと一緒の墓に入ってくんない・・・?」
深紅:「(俺って逆ナンされてるのか・・・?しかも、メッチャ古い口説き文句・・・。)」
深紅:「一緒の墓に入るだと?冗談じゃない。」
フォクシー:「そんなこと言ってると、アンタの妹が大変な目に遭うよっ!!」
深紅:「燈に何をする気だ!?」
フォクシー:「フフ・・・。」
深紅:「(何か笑ってる〜!?)」
深紅:「ん・・・?」(深紅ビジョン発動中・・・)
ピーンッ!!
深紅:「あ・燈に変な事するなーーーっ!!(怒)」
フォクシー:「だから、妹を泣かせたくなかったら、アタイと組んで。」
深紅:「くっ!!」
何だか知らないが、燈には変な事をされたくない。
そんな思い込みが俺を突き動かした。
深紅:「覇斬竜!!(ハザンリュウ!!)」
俺は剣を振り上げて、力の限り振った。
大きな黒い衝撃波が飛んでいった。
フォクシー:「あはは!アタシとやるつもり〜!!」
バシューッ・・・!!
深紅:「!?」
黒い衝撃波が真っ二つに切れた。
フォクシー:「ムダムダーっ!!」
タタタ・・・・!!
深紅:「(早い!?)」
フォクシー:「あはは!!」
ガッ!!
ドサッ!!
深紅:「うわっ!!」
ギラン・・・
フォクシーに背後を取られた。
少しでも動けばまずいことになる。
フォクシー:「もう諦めたら〜?」
深紅:「ちっ・・・!!」
?:「ウィンド・エンド!!」
フォォォォ・・・!!
ビシッ!!
フォクシー:「痛っ!!?」
深紅:「(今だ!!)」
フォクシー:「あ!!」
フォクシー:「まったく〜・・・!今の風誰よ!?」
フォクシー:「服が少し破れちゃった〜。」
フォクシー:「ま、今日は見逃しといてあげるから、じゃね〜。」
シュンッ!!
深紅:「くっ・・・。」
ドサッ・・・!!
この時俺は力尽きて倒れた。
だが、今の風は決して自然に起こった風じゃなかった。
誰かが起こした風だ。
ジュノ:「・・・・・・・。」
ザッ!!
フォクシー:「さっきの風はアンタかい?」
ジュノ:「だったら何だ・・・。」
フォクシー:「仕事中に邪魔しないでよ。」
ジュノ:「フ・・・。」
ジュノ:「仕事だと・・・?人の身体を支配しておいて言える言葉か・・・?」
フォクシー:「アタイのオリジナルの身体は、もう持ちそうに無いからね〜・・・。」
ドクンッ!!
フォクシー:「あぐっ!!?」
ジュノ:「身体の主が拒絶しているようだな。」
フォクシー:「お・おかしい・・・!?しっかり閉じ込めてるはずなのに・・・!!」
ジュノ:「言っておくが、燈の精神力はかなり高いぞ。」
フォクシーは自分の身体の代わりとして、燈の身体を支配していた。
ジュノ:「まだ完全に一体化していないようだな・・・。」
ジュノ:「このままだと、お前は精神力に飲み込まれるぞ・・・。」
フォクシー:「アタイはね〜・・・!!アンタと決着つけるまでは・・・!絶対に・・・!!ぐっ・・・!!」
シュンッ!!!
ジュノ:「消えたか・・・。」
ジュノ:「俺と決着をつける・・・か・・・。」
ジュノ:「フ・・・、笑わせてくれる・・・。」
フォォォォォ・・・!!
カーマインタウン
宿屋
深紅:「・・・。」
燈:「大丈夫かな・・・?」
奏:「念のため、応急処置は施しておいたから大丈夫だよ。」
燈:「大丈夫だよね・・・。」
燈:「いたたたた・・・。」
腰がかなり痛かった。
アタシは腰を打った覚えなんてないし〜・・・。
しかも、寝てて、起きたらシャワールームに座り込んでたし〜・・・。
奏:「腰、痛いの?」
奏がシップ薬を手に言った。
燈:「ありがと〜・・・。」
ペタッ・・・
奏:「ちょっと、服を脱いでうつぶせになって。」
燈:「何で?」
奏:「一様、整骨の技術もあるから。」
燈:「それじゃ〜お願い〜・・・。」
アタシは上だけ下着姿になって寝た。
奏:「ねぇ?どんな運動をしてたの?」
燈:「運動って、今日はずっと寝てたけど。」
奏:「おかしいよ。骨がほんのちょっとだけど、ずれてるよ。」
燈:「寝違えたのかな?(笑)」
奏:「どんな寝方をしてたの・・・?(汗)」
奏:「とりあえず、治しておくね。」
燈:「う〜・・・。」
ゴリョッ!!
燈:「うぎゃーーーーーっ!!!!」
奏:「ご・ごめん・・・!!」
燈:「・・・・・・。」
奏:「燈さん!?(多汗)」
燈:「・・・・・・。(眠)」
奏:「寝ちゃった・・・。」
AM1:00
空は満天の星・・・。
風は穏やかに吹き、眠りを誘う・・・。
カーマインタウンの人々も眠りに付き、静かな街となった。
深紅達が泊まっている宿屋の屋根の上には、風になびく黒いマントの青年がいた。
ジュノ:「・・・・風が眠りについたか・・・。」
?:「だからって、アンタが寝たらアタイが困るんだよね〜。」
ジュノ:「またか・・・・。」
フォクシー:「またで悪かったわね!」
ジュノ:「燈の身体に何をした・・・?」
フォクシー:「精神力をすべてアタイが吸収した。」
ジュノ:「そうなれば、どのみちお前と燈も死ぬことになるぞ・・・。」
フォクシー:「大丈夫大丈夫。燈の身体はね、見た目と違ってタフなんだよね。」
ジュノ:「体力で補うのか・・・。」
フォクシー:「アタイが燈の身体を支配すればするほど、能力値が増えるんだよね〜。」
ジュノ:「そうすれば、燈の身体がボロボロになるぞ・・・。」
フォクシー:「急激に上げたら危険だから、徐々になじませるのさ。」
ジュノ:「・・・・・・。」
フォクシー:「そんな話はどうでもいいんだけど、アタイと勝負しな。」
ジュノ:「面倒だ・・・。」
フォクシー:「逃げる気かい?」
フォクシー:「絶対に逃がさないからね。」
シュッ!!
フォクシー:「これで終わり!!」
ジュノ:「・・・・・・・。」
ガキィンッ!!!
フォクシーの短剣がジュノの胸に刺さったように見えたが・・・。
フォクシー:「な!何これ!?」
ジュノ:「悪いが、俺は人間じゃないんだ・・・。」
バサッ!!
ジュノはマントを取った。
すると、白いアーマーだった。
ジュノはサイボーグだった。
ジュノ:「俺の身体はサイボーグだ。」
フォクシー:「そ・そんな・・・。それじゃ、アタイが絶対負けるじゃないか〜!!」
ジュノ:「もう諦めろ・・・。」
フォクシー:「あ・あきらめ・・・!!」
ジュノ:「・・・・・・。」
フォクシー:「うあ・・・っ!!」
フォクシーはとてつもない殺気を感じて、黙ってしまった。
諦めなければ間違いなく殺される。
フォクシー:「あ・諦めればいいんだろ!!でも、仕事の邪魔しないでよね!!」
ジュノ:「・・・・・・。(コク・・・)」
タッ!!
フォクシー:「(燈にもう少し力があれば・・・っ!!)」
フォクシー:「(燈にアタイのすべてを・・・!!)」
朝
宿屋
燈:「う〜・・・・。」
燈:「胸が痛い〜・・・。」
燈:「(そういえば・・・、誰かがアタシに馬乗りになった夢を見たような〜・・・。)」
深紅:「おい。」
燈:「うきゃあっ!?!?」
深紅:「俺を見てそんなにビックリするか・・・?」
燈:「ご・ゴメン。」
燈:「もう大丈夫なの?」
深紅:「ああ。かなり寝たからな。」
燈:「じゃ、一緒にいこ・・・。」
深紅:「いや、お前はクスカたちと一緒に行動してくれ。」
燈:「へ〜い・・・。(泣)」
ガチャッ
奏:「深紅さん。行きましょうか。」
深紅:「ああ。」
ブレイブエリア
燈:「うわ〜んっ!!(涙)」
深紅:「!!?」
ガシッ!!
燈がダッシュしてきて、抱きついてきた。
深紅:「な、何だ?」
クスカ:「お前と離れるのが嫌なんだとさ。」
深紅:「そうか・・・。」
俺は抱きついてきた燈の頭を軽く撫でた。
深紅:「でもな、燈はまだ幼いんだ。俺について着たらどんな目に遭うかわからないんだ。」
燈:「・・・・・・。(コク・・・)」
深紅:「今度は必ずな。」
燈:「うん!」
クスカ:「じゃ、俺らは先行ってるぜ。」
深紅:「ああ。」
深紅:「さて、どうするか・・・。」
奏:「燈さんたちが行った方向はウィンドウ・レベストっていう所だったよ。」
深紅:「ウィンドウ・レベスト?」
ケルベロス:「精霊の集う場所だ。そこで、極まれに神玉が出来るらしい。」
深紅:「アイツら(アラウンド社)にとっては絶好な場所だな。」
奏:「燈さんたちが何とかしてくれるよ。」
深紅:「可能性は高いな。」
ケルベロス:「何故だ?」
深紅:「燈は俺と同じで霊力の高さが取り柄じゃないんだ。」
奏:「じゃ、美しさとか。(笑)」
深紅:「そんなんで戦えるか〜っ!!(怒)」
ケルベロス:「特別な能力でもあるのか?」
深紅:「燈は忍術を習得しているが、それ以上のものがある。」
奏:「だから、美しさしかないでしょ?」
深紅:「だから違うっ!!(怒)」
深紅:「ま、そのうちわかる。」
深紅:「とにかく、別行動をとっているのだから、ブレイブエリアを出ないとダメだ。」
奏:「何故?」
ケルベロス:「アラウンド社は私達を社長殺しの犯人と見ている。だから、出来るだけ遠い場所に逃げなければならない。」
奏:「そうなんだ〜。」
ケルベロス:「今まで気付かなかったのか!?」
奏:「じゃ、「レトゥンス港」に行こうよ。」
深紅:「ちょっと待て。船に乗って逃げるのか?」
ケルベロス:「しかも、その町はヤツらの本部みたいなものだ。」
奏:「でも、逃げるにはそれしかないよ。」
深紅:「仕方ない。とにかくその町に行こう。」
奏:「そういえば、その町に行くのに「リベタ山」を越えないとダメだよ。」
深紅:「あの山をか?」
ケルベロス:「聞いたことがある。あの山にはモンスターがたくさんいるらしい。」
深紅:「うへぇ〜・・・。」
奏:「とにかく、行ってみようよ。」
リベタ山
木々が生い茂った山だ。
岩が変な形になって実に気味の悪い物もある。
深紅:「期待して損した・・・。」
奏:「(期待してたんだね・・・。)」
深紅:「モンスターの一匹もいないな。」
ケルベロス:「鳴き声もしない。」
深紅:「とにかくこれで移動しやすくなったな。」
?:「これ以上先には進ませることは出来ません。」
深紅:「お前は!ハル!!」
ハル:「名前を覚えていてくれて光栄です。」
ハル:「今日こそ決着をつけなければなりませんね。」
?:「まぁ、待て。」
ハル:「レキですか。」
深紅:「お前!柱を爆破した!!」
レキ:「よぉ。無事だったのか。」
?:「ハルさんにレキさん。もう時間がありませんよ。」
岩と岩の間から、黄色い髪の女性が出てきた。
レキ:「おいおいレン。時間ならたっぷりあるだろうが。」
レン:「新社長を歓迎するパレードが始まります。」
ハル:「この勝負はおあずけですか・・・。」
シュンッ!!
深紅:「何だったんだ?アイツら。」
ケルベロス:「さぁ?」
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