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燈:「はぁはぁはぁ・・・!!」
ダダダダダ・・・!!
楓:「(汝の体力では目的地にたどり着くことはできぬ!!我が力を貸そう!!)」
ゼウス:「(私も出来るだけフォローしてみるね!!)」
燈:「ありがと!!」
ミン:「私からも〜・・・。」
燈:「アンタはいいっ!!(怒)」
ミン:「催眠術で〜・・・。」
燈:「足を早くしてくれんの?」
ミン:「眠らせる〜・・・。」
燈:「やめんか〜!!(激怒)」
ミン:「冗談〜・・・。くくく・・・。(微笑)」
燈:「アンタ、笑ったら気味悪いね〜・・・。」
ミン:「う〜る〜さ〜・・・。」
ミンが嫌そうな顔で言った。
燈:「ケンカ売ってんのか!アンタは〜!!(怒怒怒)」
ミン:「し〜ら〜ん〜・・・。」
また嫌そうな顔で言った。
しかも、徐々に言葉が悪くなっている。
ムショーにムカついてきた。
燈:「そういえば、アンタ。」
ミン:「ふぁ〜・・・。何〜・・・?」
ミンが大きなあくびをしながら答えた。
燈:「黒いマントの中はどうなってんの?」
ミン:「裸〜・・・。」
燈:「はぁ!?」
ミン:「だって〜、服着るのめんどくさいし〜・・・。」
燈:「いや!何か着ときなって!!」
ミン:「やだ〜・・・。」
ズルッ!!
燈:「うわっ!!?」
バシャ〜ン!!
ゴボボボ・・・
ミン:「ドジ〜・・・。」
燈:「プハッ!?!」
燈:「湖にはまっちゃった〜・・・。うん?」
燈:「ねぇ。ミン。」
ミン:「ん〜?」
燈:「あの穴なんだろう?」
ミン:「ん〜・・・?」
ミンは目を開けているのか閉じているのかわからないほど細い目をしているのにもかかわらず覗き込んだ。
燈:「目開けてんの?閉じてんの?どっち?」
ミン:「閉じてんの〜。」
ミン:「だって〜、目を開けてたら誰でも催眠術にかかっちゃう〜・・・。」
燈:「だから、ずっと目閉じてんのか〜。」
ミン:「そいうこと〜・・・。」
燈:「この穴の先は何だろう?行ってみよう。」
ミン:「ん〜・・・。」
ゴボボボボ・・・
洞窟
燈:「ぷはぁ〜・・・。」
ミン:「目が覚めちゃった〜。」
燈:「今、目開けてる?」
ミン:「ん〜。」
燈:「ミンの目ってどんな?」
ミン:「見ちゃだめ〜。」
燈:「あ。」
ミンの目はまぶたが半分だけ開いた目になっていた。
左の瞳は赤色、右の瞳は青色。
虚ろな目をしていた。
燈:「く〜・・・。(眠)」
ミン:「あ〜あ・・・。」
燈:「あ!やばい!!」
ミン:「まだ50秒くらいしか寝てないよ〜・・・。」
燈:「あ。そうなんだ。」
ミンも徐々に自分の催眠術にかかってきた。
虚ろな瞳は閉じられている。
ミン:「出口があったよ〜・・・。」
燈:「あ。ホントだ。」
正面ゲート
燈:「ここが目的地だよね。」
燈:「行こう!」
ミン:「離れてたほうがいいよ〜・・・。」
燈:「何で?」
ドゴォーーーーーンッ!!!
アタシの後ろから大きな爆発音が聞こえた。
かなり遠くで爆発が起こったらしい。
ミン:「だって〜・・・。紛争地帯だから〜・・・。」
ミンは薄ら笑いを浮かべながら言った。
燈:「ふ・紛争地帯〜〜〜!?」
ミン:「背中を見せると〜、撃たれちゃうよ〜・・・。」
バンッ!!
燈:「って!アンタが撃たれてるよ〜!!!!(驚)」
ミン:「く〜・・・。(眠)」
燈:「いちいち寝んな〜!!(怒)」
?:「そこにいるのは誰だ!?」
青い軍服を着た男性が出てきた。
銃をアタシとミンに向けていた。
燈:「な!何もしないから!!撃たないでよね!!!」
?:「何だ・・・。市民か。」
男は銃を降ろした。
燈:「それよりも、この辺りに病院はある!?」
?:「それなら、ゲートを通って・・・。そのまえに、俺が撃ってしまった小娘は大丈夫なのか?心臓に当たったぞ?」
燈:「ま!マジ!?」
心臓に当たったら、痛みを感じない体でもさすがに・・・。
ミン:「うるさいな〜・・・。」
燈:「ひゃうっ!!!?(驚愕)」
?:「う!うわぁっ!!!?(死)」
?:「こ!コイツ!!何で生きてんだ!?」
ミン:「く〜・・・。(眠)」
?:「し・死んだのか・・・?」
燈:「いや!明らかにいびきかいてる時点でわかるでしょっ!」
?:「とにかく、病院はあのゲートを越えた先にある。だが、注意しておく。」
?:「この先は銃弾や砲弾が飛び交ってるぜ。」
燈:「ほら、ミン。」
ミン:「く〜・・・。(眠)」
燈:「コイツ。ダメージを受けるとよく眠るんかな〜?」
燈:「え〜と。アンタ、名前は?」
?:「俺の名前は「ジュザー」。「ジュザー・ウォントレット」。」
マーベスタウン
石で出来た建物は銃弾の穴でいっぱいだった。
一部では火事も起こっていた。
ドゴォーンッ!!
ダダダダダダダ・・・!!
どこかから銃声も聞こえてきた。
ジュザー:「ここは危険だ!その子は俺が持つ!!」
燈:「お願い!!」
ジュザー:「走れ!早く!!」
ダダダダダダ・・・!!
赤い軍服を着た兵士3人がアタシ達に向かって撃ってきた。
ジュザー:「アイツらは敵だ!!」
燈:「わっ!!」
ドサッ!!
ジュザー:「大丈夫か!!?」
燈:「や・やばっ!!」
楓:「(燈様!!)」
楓:「ちっ!!」
人2人が入れそうな隙間に逃げ込んだ。
ダダダダダダ・・・!!
楓:「あやつらを倒さぬ限りジュザーのもとにはたどり着けぬかっ・・・!!」
楓:「・・・・・・?」
我は上を見上げた。
楓:「一か八かか・・・!!」
タッ!!
楓は建物の壁を軽く蹴った。
タンッ!!
楓は壁を蹴ってを何度も繰り返し屋根の上に登るつもりだった。
楓:「相手は3人・・・。容易い・・・!!」
タタタタタタ・・・!!
兵士:「撃ち続けろ!もう少しで建物が崩れるぞ!!」
ダダダダダ・・・!!
シュタッ
ガシッ!!
兵士:「う・うわっ!!」
楓:「まずは一人!!」
楓は後ろから兵士の一人を捕まえた。
開いている手で黒い炎を出し、兵士の首に近づけた。
楓:「燃え尽きろ!!」
兵士の首を切るように兵士を黒い炎で燃やした。
兵士:「うわーーっ!!」
兵士:「バ・バケモノがっ!!」
ダダダダダダダ・・・!!
楓:「遅いっ!!」
タッ!!
兵士:「うわっ!!」
楓は一瞬で兵士の近くに移動した。
ドゴッ!!
手のひらで兵士の腹を殴った。
と、同時に黒い炎が兵士を襲った。
楓:「さぁ・・・。どうする・・・?」
兵士:「うわーーーっ!!」
楓:「逃げるときたか!!」
スッ
楓:「逃がさん!!」
楓:「さぁ。逃げる事は出来ぬぞ?」
兵士:「この野郎っ!!」
ナイフを取り出した。
楓:「・・・・・。」
パシッ
ドスッ!!
楓は兵士の腕をつかんで、そのまま手刀で兵士の心臓を突き刺した。
楓:「そのような物では我には勝てぬぞ。」
ボッ!!
兵士の体は黒い炎に包まれ灰となった。
楓:「雑魚が・・・!!」
タタタタタ・・・!!
病院
病院内部はケガ人でいっぱいだった。
死人が出たのか、タンカで誰かが運ばれていった。
病院独特の薬の臭いはしないが、鉄臭い臭いが漂っていた。
燈:「ヒドイ・・・。」
ミン:「・・・・・・・。」
ジュザー:「皆、仲間なんだ。だが、敵の圧倒的な軍事力の犠牲になったんだ・・・。」
ジュザー:「病人はその子だけか?」
ミン:「アタイは大丈夫〜・・・。」
ジュザー:「だが、出血が・・・。」
ミン:「寝てたら治るから〜・・・。く〜・・・。(眠)」
ジュザー:「そうか・・・。」
燈:「もう一人いるんだけど。」
ジュザー:「病状は?」
燈:「アタシが襲われそうになった時に守ってくれたんだけど・・・、その時に右腕の神経が切られちゃって・・・。」
ジュザー:「手術をするのか・・・。少し時間がかかるな。」
ジュザー:「それで、何処にいるんだ?」
燈:「山の中にいるんだけど〜・・・。」
深紅:「もうここにいる。」
燈:「アニキ〜。どうして!?」
深紅:「ジュノに送ってもらった。」
燈:「あの(強調)ジュノが〜!?」
深紅:「少し失礼だろ・・・。」
燈:「他の皆は?」
深紅:「この病院内のどこかに散らばっている。」
深紅:「多分、奏は手術室か診察室だ。アイツは医療に長けているからな。」
深紅:「俺はこれから腕を治してもらう。もし何かあれば皆を集めて戦うんだ。いいな?」
燈:「わかった!」
深紅:「気を付けろよ。」
深紅:「腕が治ったらすぐにそっちに向かう。」
燈:「どうするかな〜・・・?」
ミン:「く〜・・・・・・。(眠)」
ミンは相当ダメージを受けていたのか、半開きの口からよだれを垂らしながら寝ていた。
鼻からは鼻ちょうちんが出ていて心地よく眠っているのがよく分かる。
燈:「ミンは置いてきても良いかな〜・・・。」
アタシは皆を探しに行こうと、その場を離れようとした。
ギュッ
誰かに後ろからスカートをつかまれていた。
燈:「ん?」
ミン:「・・・アタイを置いてかないで〜・・・。く〜・・・・・・。(眠)」
燈:「こんな場所なのによく眠れるね〜・・・。」
燈:「どうしよ〜・・・。手話してくれそうに無いし〜・・・。アタシも寝るか〜。」
ジュザー:「俺は別の用事があるから。」
数分後・・・
アタシは下半身全体から、お腹・胸・手に何か、冷たい物をかけられているような気がした。
燈:「うわわわわっ!!!?」
燈:「何これ〜〜〜〜っ!!!!?」
冷たい何かの液体は触ると、白い糸を引いてネバネバしていた。
ミンのよだれだった。
燈:「わ!ちょっと離れてっ!!!」
ミンはアタシの膝を枕代わりにして、すやすや眠っていた。
ミンは寝ぼけていたのか、アタシの体を舐めていたらしい。
燈:「こ!これよだれじゃないよーっ!!!」
まるでボンドみたいだった。
壁に手をつけていたら接がれなくなってしまうかも知れないくらいの粘着力だった。
ミン:「お腹・・・空いた〜・・・・・・。(寝言)」
燈:「アタシは食べれないのっ!!」
燈:「そういえば・・・ずっと何も食べてなかったんだよね〜・・・。」
燈:「お腹空いた〜・・・。」
燈:「そのまえに、よだれを何とかしないと〜・・・。」
ミン:「ん〜・・・。ふぁ〜・・・・・?」
ミン:「何処行くの〜・・・・?」
ミン:「というか〜・・・、何で身体中ベトベトなの〜・・・?」
燈:「これはアンタのよだれだっ!!(怒)」
ミン:「眠たい〜・・・。」
燈:「どこかに体洗う場所ないかな〜?」
タッタッタッ・・・
ミン:「んあ・・・・・?」
?:「楓に伝えて・・・。あなたの探し物は敵の巣にあると・・・。」
ミン:「アンタ誰〜・・・?」
ミン:「く〜・・・。(眠)」
数分後・・・
燈:「ふ〜・・・。」
ミン:「何処行ってたの〜・・・?」
燈:「シャワールーム。人一人しか入れないけど丁度よかったよ。」
ミン:「さっき〜・・・、女の人が来て〜・・・、楓さんに〜「あなたの探し物は敵の巣にある」って言ってたよ〜・・・。」
楓:「我の探し物・・・?」
楓:「・・・・・・・・・・。」
楓:「まさか!我が本体では!!?」
ミン:「かもね〜・・・。く〜・・・。(眠)」
楓:「ミン!!その言葉を伝えた者の姿はわかるか!!!?」
楓がミンの肩をつかんで揺さぶった。
ミン:「うわわわ!し・白い白衣・・・に〜、緑色の・・・髪〜!!」
楓:「まさか!」
タッ!!
ミン:「うう〜・・・。(死)」
楓:「(一体カナはどうやって我の体を・・・?)」
楓:「(いや・・・!まずは我の体を見つけることが先決だ・・・!!)」
病院
深紅:「く・・・!」
奏:「出来る限りの事はやってみたんだけど〜・・・、どうかな〜・・・?」
深紅:「何とか動く・・・。」
深紅:「燈は一体何処に・・・?」
ミン:「う〜・・・。」
深紅:「ミン。燈を知らないか?」
ミン:「あ・燈なら〜・・・、ど・どこかに行っちゃったよ〜・・・。」
深紅:「どうしたんだ?」
ミン:「か・かなり揺さぶられて〜・・・。吐きそ〜・・・。」
深紅:「まさか!一人で!!?」
ミン:「う〜ん・・・・。」
深紅:「奏!皆を集めるんだ!!」
奏:「わ!わかったわ!!」
深紅:「いくらなんでも一人は危険だ・・・!!」
数時間後
深紅:「よし!!行くぞ!!」
?:「ま・待って・・・!!」
クスカ:「意外な人物がお出ましだぜ・・・!」
クスカが銃を構えた。
そこにはカナがいた。
肩からはひどい出血が見られた。
カナ:「はっ・はぁはぁ・・・!!」
奏:「治さなきゃ!!」
カナ:「深紅さん・・・。先ほどは・・・失礼しました・・・。」
深紅:「もういい・・・。」
深紅:「だが・・・聞こう・・・。お前は本当にアイツらのスパイか?」
カナ:「・・・・・・・。」
ケルベロス:「答えぬか・・・。」
深紅:「早まるな、ケルベロス。今更否定したところで疑惑が酷くなるのがオチだ。」
クスカ:「いや・・・。カナはスパイじゃねぇ。」
深紅:「何処にそんな証拠が?」
クスカ:「この銃弾を見てみろ。」
深紅:「これは、カナが整備したマグナム弾・・・。」
深紅:「・・・何か文字が刻まれている・・・。」
クスカ:「恥ずかしいったらありゃしねぇよ・・・。」
クスカ:「まだ覚えてるぜ。「This bullet is the gratitude to you.」って刻みこんであるのがな。」
深紅:「どういうことだ?」
クスカ:「俺に対してのお礼だってよ。」
ケルベロス:「だが・・・これでは・・・。」
奏:「カナさんがクスカさんに対する良心があるということは、まだ善意があるんだよ。」
奏:「いくらなんでもわざわざ銃弾に文字を刻み込む人なんてそうもいないよ?」
深紅:「そうか・・・。」
カナ:「・・・・・・・。」
深紅:「とりあえず、お前がスパイで無いと言う事は認めよう・・・。」
深紅:「だが、もし裏切れば・・・失せろ・・・。」
カナ:「わかったわ・・・。ぐっ・・・!!」
奏:「動いちゃダメ!すぐ終わるから!」
カナ:「ご・ごめんなさい・・・。」
クスカ:「深紅。お前はカナと一緒に行ってくれないか?」
深紅:「別に良いが・・・、クスカはどうするんだ?」
クスカ:「俺はケルベロスと2人で行く。」
深紅:「だが、危険だ。」
ジュザー:「あの子がいなくなったのは本当なのか!?」
深紅:「?」
ジュザー:「君はあの子の。」
深紅:「俺は深紅。燈の兄だが・・・。」
ジュザー:「俺は「ジュザー・ウォントレット」。」
ジュザー:「俺はあの子を病院まで連れてきたんだ。」
深紅:「それは燈が世話になったな・・・。」
ジュザー:「あの子はどうやら敵軍の軍事基地に向かっているらしいが・・・、あそこは危険だ!」
深紅:「軍事基地ということは・・・、大勢の敵がいるな・・・。」
深紅:「そうだ、ジュザー。クスカ達と一緒に行ってくれないか?」
ジュザー:「ああ。」
クスカ:「よろしくな。」
ジュザー:「悪いが・・・、銃を持っていないか?」
クスカ:「あ〜・・・・。」
さすがに、カナの気持ちを捨てるわけにいかねぇし〜・・・。
俺はジュザーにハンドガンを2丁渡した。
ジュザー:「改造したようだな・・・。ありがとう。」
ケルベロス:「準備が出来たら早速行動に移すべきだ。」
クスカ:「じゃ、俺たちは先に行くぜ。」
深紅:「・・・・・・・。」
奏:「はい。止血完了。」
カナ:「・・・ありがとう・・・・。」
深紅:「大丈夫か・・・?徐々に弱っているような気がするが・・・?」
カナ:「出血が多すぎて貧血状態になっているだけです・・・。問題ありませんから・・・。」
深紅:「それならいいが・・・。」
奏:「念のためだから造血剤を持ってて。もし、めまいが起こったらこれを飲んで。」
奏:「大丈夫・・・?」
カナ:「やはり・・・血が少なすぎですね・・・。」
カナは奏からもらった造血剤を飲んだ。
カナ:「体が熱い・・・。」
少々汗ばんできた。
奏:「体の中で血液が出来るたびに、熱が高くなってきてるんだよ。」
カナ:「頭も痛い・・・。」
奏:「カナさんの体には少しきつかったかな〜・・・。血圧が高くなってるかも・・・。」
ミン:「ふぁ〜・・・。」
ミンが大きなあくびをしながらこっちに来た。
ミン:「んあ・・・?」
ミンが目を開けた。
奏:「・・・・・・・・。」
深紅:「か・奏!?どうしたんだ!?」
奏:「・・・・・・・・。(眠)」
深紅:「ね・寝てる・・・!?(というか、呼吸してねぇーっ!!)」
奏が眠ってしまった。
しかも、立ったまま。
カナも眠ってしまった。
深紅:「ミン!何をしたんだ!?」
ミン:「アタイの目を見ないほうがいいよ〜・・・。」
ミン:「ちょっと目がかゆかったから〜・・・、目を開けちゃって〜・・・。」
深紅:「目・・・?どういうことだ?」
ミン:「アタイの目を見るときはメガネをかけてね〜・・・。」
深紅:「目に特殊な能力でもあるのか?」
ミン:「アタイの目には〜・・・、制御しきれないほどの催眠術が〜・・・。く〜・・・。(眠)」
深紅:「寝るなーっ!!!!(怒)」
ミン:「失敬失敬〜・・・。」
深紅:「なるほど、お前の目を見るだけで催眠術にかかってしまうのか。」
ミン:「鏡を通して見れば〜・・・無問題〜・・・。」
深紅:「・・・良いことを思いついた・・・。」
深紅:「奏ーっ!カナーっ!起きろっ!!」
奏:「あ・・・ゴメン。寝てた。」
カナ:「失敬・・・。」
深紅:「付いて来い。」
敵軍軍事基地ゲート前
兵士:「ん?何だお前は?」
深紅:「ミン。ここに立っててくれ。」
ミン:「ふぁ〜い・・・。」
兵士:「?????」
深紅は閉まったゲート前にミンを置いて遠くに離れた。
兵士:「何だ????」
深紅:「奏。準備してくれ。」
奏:「うん。」
深紅が剣を振りかぶった。
深紅:「シャドウ・モーション!!」
深紅が剣を振った。
黒い波動が起こり、ゲートを破壊した。
兵士:「なっ!!?」
ゲートの先には何万人もの兵士が戦車の整備をしていた。
深紅:「予定通りだ!!奏!今だ!!」
奏:「ヘビー・レイン!!」
ザァー!!
ミンの頭上にのみ大雨が振り出した。
ミン:「うわっぷ!?」
ミンの黒いマントと髪はずぶ濡れになった。
マントの生地が透けなかったのが俺にしてみれば、救いだった。
だが、マントがミンの体にくっ付いている。
さすがに目のやり場に困った。
ミン:「何すんのさ〜っ!?」
深紅:「振り向くなっ!!」
数秒後
ゲートの先にいる兵士達は見事に全員眠ってしまった。
ミン:「あ〜なるほど〜。」
深紅:「お前の催眠能力を利用したんだ。」
奏:「あと、目を覚ますのに冷たい水を・・・ね。」
カナ:「たまたま予備のメガネが3つあったのも救いですね。」
深紅:「ミン。お前、目がずいぶん冴えてるな。(笑)」
ミンの目は大きく見開いて、ミンの虚ろな瞳に輝きがあった。
奏:「あ。「オッドアイ」だね。」
深紅:「何だ?それは。」
奏:「DNAが起こしたイタズラで、右目と左目の瞳の色が異なっちゃう現象だよ。」
ミン:「ふ〜ん・・・。よくわかんないや〜。」
奏:「あはは・・・。(困)」
ミン:「でも〜、今は左が赤で〜、右が青でしょ〜?」
ミン:「もう一つのパターンがあって〜、左が灰色で〜、右が赤色になる事もあるよ〜。他にもいろいろ〜。」
ミン:「でもね〜、色が変わるごとに〜、催眠の〜、効力が違ってくるんだよね〜。」
ミン:「でも〜、睡眠の効力が強すぎて〜・・・、アタイにまで〜・・・・・・・。(眠)」
深紅:「お・おい!バカ!!ここで寝るなっ!!」
ミン:「く〜・・・。(眠)」
眠ってしまった。
肩を叩いても起きない。
こんな所で眠ってもらったら、こっちも困る。
深紅:「仕方ない。運んでいくか。」
奏:「私が持つよ。」
奏が水神の時なら体は俺の倍はあるから子ども2人は持ち上げることは出来る。
深紅:「奏、先に町に戻っていろ。」
奏:「うん。」
深紅:「じゃ、派手に暴れるか!!」
軍事基地内部
軍事基地内部は、俺の予想では機械とかでいっぱいだと思ったが、炭鉱跡だった。
土の壁には微かにではあるが象形文字が刻み込んであった。
俺には読めそうに無い。
深紅:「ここに何かあるのか・・・?」
深紅:「それにしても・・・何故こんなに温度が高いんだ・・・?」
俺の勘だと・・・、40度以上はある。
深紅:「・・・熱い・・・・。」
深紅:「・・・歩いても歩いても・・・ダメだ・・・。」
一体この洞窟はどうなってるんだ?
リハビリ代わりに暴れられると思ったんだが・・・ダメだ・・・。
兵士:「誰だ!そこにいるのは!?」
深紅:「隠れないとな・・・。」
だが、隠れる場所が無い。
どうすれば・・・。
兵士:「出て来い!!」
深紅:「・・・・・・・。」
ダッ!!
ガシッ!!
ドゴォンッ!!
深紅:「しばらく眠ってろ・・・。」
深紅:「この籠手・・・殴ってもかなりの効果があるな。もしかしたら、重い物も押せるかもしれない。」
深紅:「ん?」
都合よく、ドアの前で崖崩れが起こっていた。
どうやら、兵士を殴った時の衝撃波が原因で起こったようだ。
深紅:「とてつもない衝撃波を起こすのか・・・。」
崖崩れを取り除こうとしても、無駄に等しい。
この状態だと、出口も・・・。
深紅:「どうするか・・・。」
深紅:「ん?」
俺から見て右の壁の下に人一人がやっと通れそうな穴があった。
深紅:「一か八か・・・、通ってみるか。」
ガサ・・・
ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・!!
深紅:「な・何だっ!?」
ドザァーーーーーーッ!!!!!!!
深紅:「うわぁっ!!」
ドサッ!!
深紅:「う・・・・。」
しばらく気を失っていた。
どうやらさっきの通路でまた崖崩れが起こったようだ。
深紅:「これじゃ戻る事が出来ないな・・・。」
?:「待っていたぞ。」
深紅:「・・・ハルか・・・。」
ハル:「貴様が来ていたのはとうの昔からわかっていた。いずれここに来る事も予想していた。」
深紅:「話はこうだろ?」
深紅:「俺と勝負して白黒付けろ・・・と。」
ハル:「話をよく聞け。今日はそういう気分じゃないんだ。」
深紅:「じゃ何なんだ?」
ハル:「お前の妹がこの先で眠っていたのを発見した。殺してもよかったが俺は女を手にかけるのは嫌いだ。」
深紅:「それはどうも。で、捕まえたのか?」
ハル:「捕獲しようにも、この先は石室・・・。噂では近づく者は呪い殺されるようだ・・・。」
ハル:「その石室の魔方陣の中心にある、棺の中で眠っているようだ。」
深紅:「魔方陣か・・・。近づけば厄介な事になるかもしれないな。」
ハル:「フ・・・、多分そうだろうな。」
ハル:「とにかく、今日は見逃してやる。妹を連れ出したら即刻、立ち去れ。」
深紅:「言われなくてもそうする・・・。」
タッタッタッ・・・
ハル:「フッ・・・。無愛想な男だ・・・。」
石室
深紅:「ここか・・・。」
広い部屋だった。
俺が正面を見ると祭壇と奇妙な形をした十字架があった。
いや、十字架の左右の棒が下に下がっている。
あれだと余計に気味が悪い・・・。
地面には部屋いっぱいの魔方陣があった。
深紅:「これか・・・。」
深紅:「何が起こるかわからないが・・・進んでみるか。」
タッ・・・
魔方陣の中に入った。
・・・・・・・・・・・
何も起こらない。
深紅:「呪いを信じたのがバカだったな・・・。」
深紅:「・・・・・・・。」
コンコン・・・
俺は石で出来た棺をノックした。
燈:「・う・・・うん・・・・?」
深紅:「燈!?大丈夫か!?」
燈:「うん!大丈夫!!ちょっと寒いしお腹減ったけどね・・・。」
深紅:「そうか・・・。あとでおごってやる。」
燈:「それホント?」
深紅:「ああ。」
別に今のところ金には困っていない。
というか、あとでおごらされる。
深紅:「とにかく、黙ってろ・・・。」
深紅:「う・・・!」
深紅:「ダメだ・・・。ビクともしない。」
燈:「アタシ・・・、ずっとこのまんまなの?」
深紅:「さすがにそれは・・・。」
ギギギギ・・・ジジジ・・・
深紅:「!?」
深紅:「な・何だコイツはっ!?」
体長が約2メートルぐらいある怪物がいた。
まるで、小さなメリーゴーランドの中に巨人がいるような怪物だった。
戦闘開始
謎の怪物
HP:?
深紅:「近づいたらヤバイだろうな・・・。」
深紅:「シャドウ・モーション!!」
ゴォォォォッ!!
バシュンッ!!
深紅:「弾かれた!?」
「シャドウ・モーション」は硬い敵などに効果がある技だ。
なのに、何故コイツには効かない!?
何か弱点は・・・!?
?:「プリフィケイション。」
シュー・・・・
深紅:「消えた・・・?」
戦闘終了・・・?
?:「あやつには弓も剣も効かぬ。」
深紅:「お前・・・!楓か!?」
楓だ。
燈とよく似ているのに変わりは無いが、腰から下は黒い布を巻いていて、上は黒いキャミソールみたいな物を着ていた。
黒くて長い髪は邪魔にならないように整えられている。
それより、何故はっきりと見えるんだ・・・?
初めて楓を見たときはうっすらでよく見えなかった。
楓:「何故そのような顔をする?」
深紅:「いや・・・。」
楓:「申し送れた。我が体を見つけたぞ。」
深紅:「我が体?」
楓:「聞かなかったかな?カナに話したはずなのだが・・・。」
楓:「まあよい。これで残るは一族の復興のみ!」
深紅:「おい。燈を助けろ。」
楓:「承知した。」
ゴゴゴゴゴ・・・
深紅:「大丈夫か?」
燈:「服がボロボロ〜・・・。でも、大丈夫だよ。」
黒い上着の所々に穴が開いてしまっている。
深紅:「楓。何で燈の服がこんなになっているんだ?」
楓:「狭き洞窟を移動している際、どこかの角で衣服が引っかかってしまった。」
燈:「あともう少しで見えるとこだった〜。」
深紅:「あとで服も買わないとな・・・。」
マーベスタウンゲート前
燈:「う〜ん・・・。やっぱり太陽っていいね。」
深紅:「俺はあまり好きじゃない・・・。」
楓:「我は太陽光の下で舞うのがいい。」
深紅:「とにかく、町に戻るぞ。攻撃されてないか心配だ。」
燈:「そーだね!」
?:「待て。」
深紅:「・・・またお前か・・・。」
ハル:「フ・・・。何度も悪いな。」
燈:「な・何この人!?」
深紅:「俺にもよくわからないが・・・、あの会社の兵士だ。」
ハル:「下級な兵士と一緒にしてもらいたくはない。」
深紅:「アイツらの仲間なら誰でも下級だ・・・。」
ハル:「そう思っているがいい・・・。」
深紅:「で、何か用か?」
ハル:「気が変わった・・・。決着をつけるぞ!!」
深紅:「不意打ちかっ!!」
剣を抜いても間に合わない!!
ヒュンッ!!
ハル:「ちぃっ!!」
光の弓矢が飛んできた。
ハルは間一髪で避けた。
ハル:「今のは!?」
楓:「先ほどから見ておったが!卑怯ではないか!?」
楓:「汝は正々堂々戦えぬのか!?」
ハル:「ちっ・・・俺も少し早まりすぎた・・・。」
ハル:「気分が変わった・・・、さらばだ・・・・。」
深紅:「待てっ!!」
タッタッタッ・・・
楓:「深紅様!!」
深紅:「・・・・・・。」
楓:「深追いは禁物であるぞ!」
深紅:「・・・ちっ・・・!」
マーベスタウン
深紅:「・・・・・・・・。」
燈:「アニキ〜。何怒ってんの〜?」
楓:「怒っていない。どうやら、あやつのやり方が気に入らぬようだ。」
燈:「あの人って一体何なの?」
深紅:「あの会社の最高ランクの幹部であり、暗殺者の一人だ・・・。」
燈:「暗殺者だったらあんな事してもおかしくないよ?」
楓:「いや・・・。あやつの心は闇に染まっておらぬようだ。」
楓:「どちらかと言えば、あやつは操られている・・・いや、そのフリをしているようだ。」
深紅:「フリ・・・?何故だ?」
楓:「我にもよくわからぬ。」
深紅:「調べたほうが良いかもしれない・・・。だが、どうやって調べれば・・・?」
ドォーーーーンッ!!
深紅:「!!!?」
燈:「あああーーっ!!?」
楓:「我がゆりかごは消えてしまったか・・・。」
我が生まれた場所は爆音と共に消え去った。
何者かが仕込んだようだ。
深紅:「これで紛争は終わった・・・。いや、まだ終わっていないな・・・。」
燈:「何で?」
深紅:「これはまだヤツらの一角に過ぎない。俺たちがあてもない旅をしている途中に見つけることが出来るかもしれない・・・。」
燈:「じゃ・・・。」
深紅:「すべて破壊するぞ!!」
深紅:「燈。いきなりで悪いが、町に残っている敵兵を全部始末してきてくれ。」
燈:「うん!」
タタタタタタ・・・
楓:「我も・・・。」
深紅:「いや。楓は待て。」
楓:「しかし・・・。」
深紅:「燈は少しお前を頼りすぎて弱くなっているかもしれないんだ。もしもの場合なると大変だ。」
深紅:「安心しろ。俺は燈と対決した事はあるが、見事に全敗だった。」
楓:「あの・・・・。」
深紅:「燈は子どもの頃から恐ろしく強いからな・・・。」
楓:「我の話を聞け。」
楓:「燈様の衣服があのままでは裂けてしまうぞ。」
深紅:「・・・・・・。」
深紅:「何とかなるだろ・・・。」
多分・・・何とかなるはず・・・と思う。
病院
深紅:「・・・・・・・・。」
病院の中は徐々に明るくなってきた。
死にそうになった人も、重病を患った人も、皆奏の看病のおかげで完治した。
しかも、死人は0。
全員助かったらしい。
でも、安心できない。
何故なら、燈がまだ帰ってきていない。
いや、まだ考えるのは早い。
燈は今まで多くの修羅場を越えてきたんだ。
だから、あんなに強くなったんだ。
・・・絶対に死ぬはずがない!
楓:「やはり我が側にいなければならぬな・・・。」
燈:「アタシは楓がいなくたって大丈夫だよ〜。」
深紅:「燈!いつの間に?」
燈:「う〜ん。目標3分以内だったんだけど〜・・・、1分オーバーしちゃったね。」
燈が余裕の笑みを見せた。
深紅:「大丈夫か?」
燈:「別にケガなんてしてないし、別になんとも無いよ。上着は完全に破れちゃったけどね。」
深紅:「アンダーシャツ、着といてよかったな。」
燈:「これ。確かアニキがくれたんだよね。」
燈:「アニキ守ってくれたんだよね。」
確かに、お守りと言ったほうがいい。
不思議な事に、ゴム製のアンダーシャツは傷一つ付いていないからだ。
運が良いにしては少々出来すぎている。
燈:「ありがとね。これ、あげるよ。」
燈が使っている短剣をくれた。
深紅:「いいのか?これってお前の武器だろ?」
シュッ!!
燈の足が俺の横をかすった。
燈:「アタシには、これがあるから。」
深紅:「はは・・・。そうだったな・・・。」
俺から言うのも難だが燈は胸は大きいし可愛いから、今まで何度も襲われた事はある。
だが、襲ったヤツは皆、返り討ちに遭うらしい。
まさに「綺麗なバラには棘がある」だ。
忍術が燈の最大の武器だ。
だが、もう一つ怖いのは足技だ。
大人を5人まとめて蹴り飛ばしてしまうほどの威力を持っている。
燈:「じゃ、アニキ。約束どおりおごって。」
深紅:「・・・仕方ない・・・。」
奏:「あ!燈ちゃん!服破れてるっ!!服治してあげる!!」
ガシッ!!
燈:「ちょちょちょっ!!」
バタンッ
深紅:「・・・・ふぅ・・・・。」
奏に感謝したくなってきた。
深紅:「そういえばジュザーは・・・?」
クスカ:「アイツなら墓場だぜ。ここから出て、すぐの丘だ。」
深紅:「ありがとう。」
To be continued・・・
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