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ポケットモンスター エメラルド編


第15話 『ココドラの悲劇、ヒトシの過去とは…?』




ヒトシ 「最後だ! ジュプトル! タネマシンガン!」

ジュプトル 「ジュ…ジュプー!」

ライボルト 「ライ!?!?」

審判 「ライボルト! 戦闘不能!」

テッセン 「ご苦労じゃった、ライボルト」
テッセン 「お前が最後じゃ! レアコイル!」

レアコイル 「PPPP」

ヒトシ 「? コイル3匹?」

ポケモン図鑑 『レアコイル 磁石ポケモン 特性:磁力or頑丈』
ポケモン図鑑 『高さ:1.0m 重さ:60.0kg タイプ:電気・鋼』
ポケモン図鑑 『3匹のコイルが磁力でつながっている』
ポケモン図鑑 『強い電波を出しているため半径1kmの範囲では気温が2度あがる』

は、鋼タイプっすか!?
ジュプトルの技全て半減じゃん!

ヒトシ (ジュプトルのダメージも限界)
ヒトシ (技も全てあまり効かないのならイシツブテに引き継がせるようにしたほうがマシ…かな?)
ヒトシ 「ええい! 当たって砕けろ! ジュプトル! 『いやなおと』!」

ジュプトル 「ジュ、ジュル…」

ヒトシ 「動けない!? …麻痺か!」

ジュプトルの体は弱い電気で覆われていた。
麻痺状態の1つの症状だ。

テッセン 「これはチャンスのようじゃな、レアコイル! 『ソニックブーム』じゃ!」

レアコイル 「PGPGPG」

シュッ! ザシュッ!

ジュプトル 「ジュ、ル…」

審判 「ジュプトル! 戦闘不能!」

ヒトシ 「ご苦労だった、ジュプトル、休んでいてくれ」
ヒトシ 「お前がアンカーだ! イシツブテ!」

イシツブテ 「イシ!」

テッセン 「地面タイプか…よく相手するタイプじゃな」

やはりそうだろう。
電気タイプの弱点は地面タイプの技しかない。
それゆえに対策はしているだろう。

ヒトシ 「一気に畳み掛ける! イシツブテ! 『マグニチュード』!」

テッセン 「ビンゴじゃ! レアコイル! 浮くのじゃ!」

レアコイル 「PGPGPG」

そうだった…確かレアコイルは磁力の力で浮く事が出来る。
だから直接『マグニチュード』や『じしん』を食らわすのは不可能なのである。
だが相手には『ソニックブーム』しか攻撃手段が無い。
ノーマルタイプの攻撃だからあまりダメージが無いはず…。

テッセン 「ちなみに言っておくが『ソニックブーム』は固定ダメージだぞ」
テッセン 「レアコイル! 『ソニックブーム』じゃ」

ヒトシ 「嘘! イシツ…」

イシツブテ 「イ、イシーー!?」

ありゃま…遅かったか…。
固定ダメージと言う事はタイプは関係ないか…。
なにか対策は…せめてレアコイルを浮けないようにすれば…。

ヒトシ (! そうだ! レアコイルの体は磁石で出来ている…)
ヒトシ (それに浮く事が出来る要因は磁力、それを遮れば、レアコイルは浮けない!)
ヒトシ 「イシツブテ! 『どろあそび』だ! ありったけばら撒け!」

イシツブテ 「イシッ! イシッ!」

レアコイル 「PPP〜」

テッセン 「!? なんと!?」

レアコイルは予想通り、墜落した。
これでレアコイルは動けない。

ヒトシ 「これでこっちのもんだ! イシツブテ! 『マグニチュード』!」

イシツブテ 「イシー!」

ドドドド!!

レアコイル 「PG………」

審判 「レアコイル! 戦闘不能!」
審判 「よって勝者、ミシロタウンのヒトシ!!」

ヒトシ 「よし!! 勝った!」

テッセン 「ヒトシ君、おめでとう! このジムに勝った証、ダイナモバッジじゃ」

ヒトシ 「ありがとうございます!」

テッセン 「まさか『どろあそび』をあのように使って来るのは初めてじゃった」

ヒトシ 「そうですか? レアコイルは磁石なんで、どうかな? って思っただけです」

テッセン 「そうか…まぁとにかくおめでとう!」

ヒトシ 「はい!」

この出来事を胸にし、ポケモンセンターにポケモン達を回復させに行く。

……………。

ヒトシ 「は?」

ジョーイ 「ですから…あなたのココドラ…ケガが…」

ヒトシ 「…で…治るんですか?」

ジョーイ 「正直…難しいかと思います」
ジョーイ 「出来る限りの手は尽くします、どうしますか?」

ヒトシ 「……とりあえずここに残ります…」

まさかこんなことになるなんて…。
『じばく』の直前…あのときに『てっぺき』を指示していれば…こんなことにはならなかったのかもしれない…。
まさか、あのときの絶望をまた味わうとは…。

………1年2ヶ月前………。

俺がまだミシロタウンに引っ越しはしておらず、まだコガネシティにいたころ…。
俺はPCS(完璧養成学校)の野球部に所属していた。
この学校は国が認める唯一の飛び級可能の学校である。
ここの卒業生であれば、年齢関係なく仕事の資格習得可能である。
卒業条件は何らかの資格を1つ習得し、社会に貢献できる状態となれば卒業可能である。
この学校は小学校〜高校が一貫なのだが高校卒業の前に上の文の通りになればその年度で卒業となる。
スポーツも盛んで、ここの野球部は全国中学軟式野球大会…高校で言う甲子園の常連校でもある名門校だ。
俺はそこで2年にしてエースを務めていた。
このような学校ではよくある事だ。
準決勝での試合、相手はシンオウ地方のヨスガ北中学。

点数は0対0、9回裏のノーアウト1塁、2塁の状態だった…中学野球は通常は7回…延長戦なのである。

シュ! パシィ!

主審 「ストライク! バッターアウト!」

前の打者が三振をする。
見逃し…うちの監督が一番嫌う結果だ。
今三振したのが、キャッチャー、コウさんだ。

コウ 「すまない…点取ってやれず…」
ヒトシ 「大丈夫です。僕が取ってみせます」

コウ 「すまないな。じゃ、監督に怒られてくる」

ヒトシ 「ふ…気をつけてください」

そして打席が7番の俺に回ってきた。
相手ピッチャーの肩はそろそろ限界…俺もそうなのであった。

ヒトシ (恐らく盗塁を警戒している…)
ヒトシ (まずは外角高めのボールだな…)
ヒトシ (一球目は見逃しでOK)

シュ!

ヒトシ 「!」

ボールは俺の足元を通過し、更にキャッチャーも通過して行った。
この場面で内角低めに投げてくるのはあまり望まれない。
コントロールがついてないな…球速は相変わらずだが。
これで2,3塁…チャンスだ!

ヒトシ (しっかし危なかったな…)

あれでデットボール…恐ろしいにも程がある。
次は内角高めのストレートってところか?

ヒトシ (さぁ…来い!)

シュ!

ヒトシ 「!?!?」

ドカァ!

ヒトシ 「くっ…」

コウ 「! 大丈夫か!?」

ヒトシ 「はい…うっ!」

俺は1塁ベースに向かおうとするが肩が異常な程痛い。
ピッチャーの命とも言える場所にデットボールが当たったのだ。

コウ 「やっぱり無理だって! 誰かコールドスプレー持って来い! …とりあえずベンチへ」

ヒトシ 「……はい…」

俺は止む終えずベンチに戻る。

監督 「大丈夫か!? とりあえず医務室へ」

ヒトシ 「はい…」

応援 「ブーブー!!」

応援席からはブーイングが飛び交う。
俺も何度か受けたな…。

……………。

ヒトシ 「は?」

医者 「あなたの怪我は脱臼…それもかなり複雑です」

ヒトシ 「…で、野球は? 治るんですよね?」

医者 「残念ながら…野球はもう出来ないでしょう」
医者 「投げる事は愚か、走っただけでも衝撃が走りますので…」
医者 「とりあえず、入院して頂きます」

ヒトシ 「…………」

医者 「お気持ちは分かりますが、今治療して頂かないと大変な事になります」
医者 「入院、よろしいですね?」

ヒトシ 「…はい…」

……数日後……。


監督 「お前の怪我、聞いたぞ…」

ヒトシ 「!? …それは…」

監督 「野球できないそうだな…」

ヒトシ 「…はい…」

監督 「すまなかった!!!!」

ヒトシ 「!? か、監督!?」

監督 「あの試合に勝つことしか考えず…お前の温存を考えなかった…本当にすまなかった!」
監督 「もう、どう謝罪したらいいか…」

ヒトシ 「いや…監督が勝つことを考えるのは当たり前ですよ」
ヒトシ 「監督は悪くありません」
監督 「いや…そうかもしれないが大半は私に責任がある」
監督 「お前を野球のできない体にしてしまった事を本当に申し訳く思う」

ヒトシ 「……」

監督 「そのかわり、お前のこれからは全力でサポートしたい」
監督 「まずは、選手ではなくて、マネージャーになってくれないか?」

ヒトシ 「…野球部にいていられるのなら構いません…」

とは言ったものの、本心は納得していなかった。
3月の下旬になったら卒業しようと思っている。
医師免許と教師の資格をとりあえず持っているからだ。
俺にも兄貴がいるのだが、俺は名前も顔もわからない。
2年前にジョウトを出て行ったが合ったことが無い。
向かった先はホウエン地方。
卒業したら…兄貴探しでもしようかな?


……6ヵ月後……。

先生 「卒業NO26、ヒトシ」

ヒトシ 「はい」

先生 「卒業おめでとう。2年間で卒業なんて2人目だな」

ヒトシ 「え? そうなんですか?」

先生 「ああ、2年前にな、確か君と同じ白髪だった」

ヒトシ 「!? それって…」

先生 「? どうした?」

ヒトシ 「いや、何でもありません」

先生 「そうか、とにかく卒業おめでとう」

2年前の白髪の卒業生…。
確信したわけではないがもしかしたら兄貴…?
兄貴がホウエンに向かったと思われる年と合致する。

ヒトシ 「すみません、その卒業生が卒業した年の卒業アルバムを見せてもらえませんか?」

先生 「? どうしてだ?」

ヒトシ 「あ、いや…どういう顔か見てみたくて」

先生 「ああ…そういうことか、それならこっちだ」

…………。

先生 「うい、これだ」

ヒトシ 「ありがとうございます」

ペラペラペラ…。

俺は卒業写真のページを探す。
今思えば目次見ればいいと思ったがそのときの俺の心はそんな余裕はなかった。

ヒトシ 「!? 俺と似てる?」

白髪であるところは勿論、目の細さなど俺と似ている部分が多かった。
その名も…。


ヒトシ 「卒業NO6…『ユウキ』…」



…To be continued




 
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