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POCKET MONSTER RUBY



第81話 『タッグトーナメント開催! 戦うものたち!!』




『4月12日 時刻14:00 ポケモンセンター・待合室』


ハルカ 「…はぁ」

ノリカ 「あれ? ハルカさん…どうかしたんですか?」

思わずため息を吐いた私…そこへ、たまたまやって来たノリカが気づく。
ポケモンセンターはこの時間、人で賑わっており、大勢のトレーナーやら何やらがいた。

ハルカ 「…ノリカってさ、夢とかある?」

私は自分でも?が浮かぶほど、馬鹿な質問をしたと思っている。
さすがにノリカ位の小さな子相手に夢があるかは無いだろう…

ノリカ 「う〜ん、私の場合はもう叶っちゃいましたから! 無いと言えば無いかも…」

ノリカは後頭部で両手を組み、たはは…と笑う。
叶ったって…まぁ想像はつくか。
でも、それならそれで次の質問を私はする。

ハルカ 「…じゃあ、叶った今は何を目指してる?」

ノリカ 「何をって…そりゃあもちろんトップコーディネイター!!」

と言ってノリカは私の目の前にVサインをする。
何て言うか…単純と言うか、馬鹿と言うか。
素直に、真っ直ぐね。

ハルカ (そりゃそうか…ノリカ位の年だと、夢も希望も溢れてるもんね)
ハルカ (私は…どうしたいんだろう?)

私は無言で俯き、考える。
私は強くなりたかった…今でもそう思ってる。
強くなって、ポケモンを守りたい…それは今でも変わらない。
でも…これは、あくまで私の最大目標であり、多分永久に叶うことの無い夢。
一生追い続ける覚悟で、私は突っ走っている。

ハルカ (問題は、その道中…)

私は天井を見上げ、更に考える。
ポケモンセンターの丸いライトが眩しかったので、すぐに正面を向く。

ハルカ (ポケモンリーグで優勝…何て、正直考えたことも無い)
ハルカ (キヨミさんと戦えるように頑張る…って言っても、後一回勝てたら叶ってしまう)

もちろん、『勝てたら』の条件付だ。
今回ばかりは、敗色濃厚だし。
とはいえ、もし仮に勝てたとしたら…?

ハルカ (…もし、優勝したら?)

私はどうすればいいのだろう…。
どれだけ考えても、この答えが出なかった。

ノリカ 「ハルカさん…何をそんなに悩んでるんですか〜?」

ノリカが心配そうに私の顔を覗き込む。
私は、右手で頭を抱え、更に悩んだ。

ユウキ 「…どうせ、これからどうすればいいのか?とか、思ってんだろ?」
ユウキ 「わかりやすいよ…お前は」

ハルカ 「…余計なお世話よ、かったるい星人」

私は前触れもなく、唐突に現れた先輩に向かってそう言い放つ。
すると、先輩はやや不機嫌そうな顔で。

ユウキ 「…それは、どこのどいつのことだ」

ハルカ 「どっかの誰かさんよ…別にあんたは気にしなくてもいいわ」
ハルカ 「で? 今日は何なのよ…今度はバトルの予定なんてないわよ?」

ユウキ 「別に、お前のバトルを見たくて来るわけがないだろうが」
ユウキ 「たんに暇だっただけだ…こっち来てからと言うもの、どこでもバトルばっかで、見ていて飽きる」
ユウキ 「で、ここに来たら面白そうに悩んでるお前がいたと」

ユウキはさも楽しそうにそう言う。
コイツ…蹴り倒してやろうかしら?

ハルカ 「…はぁ」

ユウキ 「本当に面白いな」

ハルカ 「うっさいわね…本気で悩んでるのよ」

ユウキ 「まっ、お前の悪い癖だな…悩んでも無駄だってことに気づいてない」

ハルカ 「……」

私は黙る。
あながち間違いではない。
悩んでも悩んでも、結局はいつも通りのやり方になるのだから、結局行き当たりばったりだ。
臨機応変に対応はしている物の、やや遠い先を見据えると、どうしても悩んでしまう。

ユウキ 「大体何を考えてるかは想像つくが、悩むなよ」
ユウキ 「お前は、いつも通りでいい…少なくともポケモンリーグが終わるまではな」

ハルカ 「…結局、我武者羅か」

ユウキ 「そう言うことだ」

仕方が無いと言えば仕方が無い。
ポケモンリーグの後のことなんて、考えても出て来ない。
結局、今を精一杯か…

ハルカ 「…さて、んじゃまたバトルでもしに行きますかね」

ノリカ 「おおっ、ハルカ様が始動ですね!? 不肖、このノリカがお供いたします!!」

ノリカはビシィ!と敬礼をして、そう言う。
まぁ、別に着いて来るのはいいんだけどね…。
問題は、相手か…。
考えも見れば、ここまで強敵を相手にばかり戦ってきた…そして、ネタが尽きた。
もう三日しかないけど、異様に長く感じる。

ハルカ 「どうしよっかなぁ…さすがに手当たり次第ってわけには」

ユウキ 「下手に格下の相手と戦っても、勘が鈍るだけだ、止めとけ」

ハルカ 「でしょうね…」

長い期間のリハビリでやるならともかく、3日先に迫っている、キヨハさんとの想定戦ではお話にならない。
とはいえ、相手になりそうなトレーナーは軒並み倒してしまった。

ハルカ (いや、まだゴウスケさんとかミクさんはいるけどね…)

あのふたりを相手にするのは、どうにも怖い。
勝てる気がしないと言うのもあるけど、ここに来て怪我はしたくないしねぇ。

ジェット 「あ、いたいた! おーいハルカちゃん!」

リベル 「ハルカさーん!」

ハルカ 「およ、ジェットさんにリベルちゃん」

考えていると、ふたりが私たちに向かって駆け寄る。
このふたりがセットで来ると言うのは一体?

ジェット 「ハルカちゃん、『タッグバトル』をやらないか?」

ハルカ 「タッグバトルゥ?」

リベル 「はい! 今日と明日で2日間、サイユウシティの第0スタジアムで行われるんです!」
リベル 「誰でも出場できるらしいですし、どうせなら知り合いが多い方がいいかなと思って」

ハルカ 「でも…それって、12、13日でやるってことだから…」
ハルカ 「15日は本番だしねぇ、決勝進出者は出てくるのかしら?」

ユウキ 「まず、出ないだろうね…探る気なら無駄だろ」
ユウキ 「1日じゃ、ポケモンの疲れが抜けない可能性もあるしな」
ユウキ 「決勝トーナメントは全試合フルバトルだ、控えに余裕がないとまずいだろう」

ユウキが簡単にそう言う。
確かにその通りだ…しかし、裏を返せば。

ハルカ 「私は控えに余裕があると言えばあるし、出てみようかな」

ジェット 「おっ、さっすがハルカちゃん! じゃ、早速行こう!」

リベル 「パートナーは抽選で決まるそうですから、その時までわからないんですよ!」

ハルカ 「よっし! んじゃあ善は急げ! 行くわよノリカ!」

ノリカ 「了解であります司令! ではこのノリカも参加いたしまする!!」

ユウキ 「面白そうだな…俺も出てみるか」

こうして、私たちは急遽、タッグバトルの大会に出ることになったとさ…





………………………。





『時刻15:00 サイユウシティ・第0スタジアム』


ザワザワザワッ!!

ハルカ 「うわ…結構多いわね〜」

ノリカ 「はい、参加するのは128名だそうですよ!」

ユウキ 「かなり多いな…ってことは、他のスタジアムも同時に使うってことか」

ジェット 「8つのブロックに分けられて、予選をやるってことらしい! 要はポケモンリーグと同様、トーナメントで勝ち続ければいいってことだ」

リベル 「まずは、抽選ですよね…ワクワクします!」

ハルカ 「他に知り合い来てないのかな? 128人もいると、ちょっと探し辛いけど…」

私は人ゴミの中を目視で探してみる。
すると、面白そうなふたりを発見した。

ハルカ 「わぁお! あなたたちも出るの?」

ミツル 「あ、ハルカさん! ハルカさんも出るんですか!?」

ヤエコ 「あなた…決勝前にこんなイベントをこなすつもり?」

そう、何と私にやられたふたりがこれに出るらしい。
これはこれで面白い、共に実力はあるトレーナーだ。
私のレベルアップにも丁度いいかもしれない。

ハルカ 「とはいえ…これだけ人数いると、当たるとは限らないか」

ミツル 「そうですね、でも勝ち続けていたら、いつか当たると思います!」

ヤエコ 「そうね…負けるつもりはないし、そっちがコケなければいつか当たるかもしれないわね」

ハルカ 「相変わらずの憎まれ口…まぁ、その方がヤエコらしいけど」
ハルカ 「んじゃ、まずは抽選ね! そろそろ始まるみたい!」

私たちが、いっせいに注目する中、ひとりの男が壇上に上がった。
そして、ざわめいた声が一気に静まり返り、男は高らかに叫ぶ。

コトウ 「さぁ、皆様! ついに、ポケモンタッグトーナメント・サイユウ大会が始まります!!」

ワアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァッ!!

今の第0スタジアムは、天井が開いており、暑い太陽の日差しが注いでいる。
4月とはいえ、サイユウは真夏同然。
そんな中、試合の実況もこなすコトウさんが、抽選会の説明を始める。

コトウ 「まずは、お手持ちの抽選券を確認してください!!」
コトウ 「これより、あの電光掲示板に組み合わせが表示されるので、それを参考にパートナーを探していただきます!!」

そう言って、コトウさんは、巨大な電光掲示板を指差す。
そこにはすでに組み合わせが表示されており、128名、8ブロックのトーナメント表が表示されていた。
私はまず自分の番号を見る。
番号は77…ラッキーセブンだ。

ハルカ 「ノリカは何番?」

ノリカ 「私は3番です! あう、ハルカ様じゃない…」

ジェット 「おっ、俺はリベルちゃんとか」

リベル 「ジェットさん、よろしくお願いします!」

どうやら、早速向こうは決まったようだ。
んじゃ、こっちは…?

ユウキ (89番か…この辺にはいないか?)

ミツル 「…14番、ヤエコさんは?」

ヤエコ 「50ね…お互いに違うようね」

どうやら、皆まだ探すのに苦戦しているようだ。
私は、パートナーになる66番の相手を探した。



………。
……。
…。



ハルカ 「…あれ〜? 一体どこにいるのよ〜」

? 「…あなたが77番?」

ハルカ 「おっ、ついに発見かー!? って、何ーーー!?」

私はようやく相手を見つけたのはいいが、思いっきり驚く。
何せ、絶対出ないと思ってた選手が…

ミカゲ 「…何をそんなに驚いてるのよ」
ミカゲ 「まぁ、いいわ…相手が誰でもさして変わらないわ」

ハルカ 「…あなた、決勝前に参加しても大丈夫なの?」

ミカゲ 「何を言っているのよ? あなたもそうでしょう…」
ミカゲ 「別に…この手のイベントなら、疲労にもなりはしないわ」

ミカゲは相変わらずのビッグマウス。
しかし、それがまかり通るだろうから、この娘は怖い。
ただ、タッグとして機能するのか〜?

ハルカ (絶対無理ね…)

下手すると、何もしなくても終わるかもしれない。
そんな予感と共に、不安のタッグトーナメントは幕を開ける。



………。
……。
…。



『時刻15:30 サイユウシティ・第1スタジアム』


実況 「さぁ、興奮の覚めやらぬ中! 第1ブロックの決勝戦が行われようとしています!」
実況 「何と、この決勝戦に出ている1チームは、リーグの予選決勝まで食い込んだふたり組みです!」



ジェット 「ジェッツ『はかいこうせん』!」
リベル 「ファイッ『マッハパンチ』!!」

ジェッツ 「ピジョーー!!」

ドギュアアアアアアアアアァァァァッ! ドッゴォォンッ!!!

ファイッ 「ガサー!!」

ドギュンッ! ドッガァァッ!!

プクリン 「プク〜…」
ゴーリキー 「ゴー…」

ドササッ!!

審判 「プクリン、ゴーリキー戦闘不能! よって勝者…ジェット、リベル・ペア!!」

空中からの『はかいこうせん』と地上からの『マッハパンチ』
相手は幸いスピードの遅いポケモンで、一気に火力で押す作戦は見事にヒットした。
ジェッツの『はかいこうせん』がゴーリキーを捕らえ、リベルのファイッがプクリンを仕留める。
ここまでは、さして苦戦も少なく、トーナメントとしては比較的楽なブロックだったかもしれない。

実況 「決まったー!! 『はかいこうせん』と『マッハパンチ』のダブルアタック!」
実況 「プクリンとゴーリキーはそのままダウン! 第1ブロックでの本戦出場はジェット、リベル組だーー!!」

ワアアアアアアアアアァァァァッ!!

ジェット 「よっしゃぁ! まずは、予選通過!」

リベル 「これで明後日は本戦ですね!!」

俺たちは、掌をぶつけ合って、喜びを分かち合う。
知ったトレーナーと戦わなかったのは、運が良かったな。



………。
……。
…。



『同時刻 サイユウシティ・第2スタジアム』


実況 「さぁ、ここでの決勝戦もついに大詰め! 果たして本戦に出場するのはどちらのチームだぁ!?」



ミツル 「よし、未だサーナイト! 『サイコキネシス』!

サーナイト 「サー」

ドギュゥゥンッ!!

カイロス 「カ、カイーー!!」

ドッシャァッ!!

審判 「カイロス戦闘不能!!」

男 「くそっ! このまま終わるか! ドンファン『じしん』だ!!」

ゴウスケ 「ブニャット『さいみんじゅつ』」

ブニャット 「ブニャ〜」

フォンフォンフォン…

ドンファン 「ZZZ…」

サーナイトがカイロスを倒し、ドンファンが一気に全体攻撃を仕掛けた瞬間、パートナーのゴウスケさんが止める。
それも、かなり的確なタイミングで、ブニャットは『さいみんじゅつ』を放つ。
この人、相当なトレーナーだ…

実況 「ここで、眠ってしまったーー! ドンファン絶体絶命!」

ミツル 「サーナイト! 『サイコキネシス』!!」

サーナイト 「サー!」

ドッギュゥゥンッ!!

ドンファン 「!?!?」

ズゥゥンッ!!

眠っているドンファンに向かって、サーナイトの『サイコキネシス』が直撃する。
残った体力では耐えられなかったようで、ドンファンはそのままフィールドに沈んだ。

審判 「ドンファン戦闘不能! よって、勝者! ミツル、ゴウスケ・ペア!」

ワアアアアアアアアアァァァァァァッ!!

女性A 「きゃーーー! ゴウスケ様ーー!!」
女性B 「素敵ーー!! 本戦も頑張ってくださいねーー!!」
女性C 「キャーキャーーー!!」

ミツル 「す、すごい声援ですね…」

ゴウスケ 「はははっ、まぁいつまで経っても慣れへんわ」
ゴウスケ 「それより、いい筋しとるで坊ちゃん! サーナイトとのコンビネーションもバッチリや!」
ゴウスケ 「これなら、本戦でも優勝狙えるかもしれへんな!」

そう言って、ゴウスケさんは会場を出ようと歩き始める。
僕は軽く頷いて、その後を追った。

ミツル (この人…何か隠している気がするなぁ)

それは、ささやかな疑問だった。



………。
……。
…。



『同時刻 サイユウシティ・第3スタジアム』


実況 「さぁて! ここでは異例のペアがタッグで登場!」
実況 「果たして、コーディネイターがポケモンバトルでどう戦うのか! いざご覧あれ!」



サヤ 「カクレオン『れいとうビーム』」

カクレオン 「クレーー!!」

コォォォキィィンッ!!

ドゴーム 「ゴ…!?」

カクレオンが放った『れいとうビーム』がドゴームを凍らせる。
そして、狙い済ましたコンビネーション・タイミングでノリカが攻撃を指示する。

ノリカ 「ルカリオ! 『はどうだん』!!」

ルカリオ 「バウゥッ!!」

ドギュンッ!! ドガッシャァァァンッ!!

ドゴーム 「…ゴ」

ズンッ!

審判 「ドゴーム戦闘不能!」

凍りついたドゴームに『はどうだん』が炸裂して、氷を粉砕する。
『はどうだん』特有の青白い気が氷に反射し、鮮やかな色を魅せた。

実況 「これは美しい! 氷のオブジェと化したドゴームは一瞬にして美のアートと化しました!」
実況 「『はどうだん』の美しい光が、氷の塵に反射され、青白く輝く!」
実況 「さぁ、これで相手ペアに残ったのは、サワムラーのみ! 巻き返しがあるのかぁ!?」

男 「くっ! サワムラー『インファイト』!」

サワムラー 「サワワッ!!」

サヤ 「ノリカ…任せます」

ノリカ 「合点承知! ルカリオ『サイコキネシス』!!」

ルカリオ 「!!」

キュィィンッ! ドギュンッ!!

サワムラー 「ムラーー!!」

ドザザァァッ!!

無防備に突っ込んできたサワムラーは『サイコキネシス』の直撃に倒れる。
ルカリオの賢さをこれでアピール、さすがはノリカね。

審判 「サワムラー戦闘不能!! よって勝者、サヤ、ノリカ・ペア!」

ワアアアアアアアアアアアァァァァァッ!!!

実況 「これで試合終了! 勝ったのはコーディネイターのタッグペア! サヤ選手とノリカ選手!!」
実況 「コンテストで磨いた技が実戦のバトルでも通用すると言うことを実証しましたーー!!」

ノリカ 「うっし! これで本戦出場だね! 目指せ優勝!」

サヤ 「うん」

私たちは、勝利にしばし酔いしれる。
最初、ノリカが出ていたとわかった時は驚いた。
私が出ていることでノリカも相当驚いていたけど、今回の優勝商品を考えれば、納得とも言える。

ノリカ 「いや〜、正直商品目当ての出場じゃなかったけど、いざ商品を知ると欲しくなっちゃうね〜」

サヤ 「そうね…ノリカのポケモンも、そろそろ時期が来た頃だし」

ちなみに、商品は何と、進化アイテムセット。
『れいかいのぬの』や『プロテクター』、『りゅうのウロコ』に『あやしいパッチ』
他にも、各種進化の石が勢ぞろいと、かなりの商品価値がある。
私のポケモンには、今の所必要な物じゃないけれど、新しいポケモンには興味があるので、もっていて損は無い気がした。

ノリカ 「う〜ん、エネコはそのままでもコンテストで通用するけど、サマヨールやロゼリアは確かに進化させてもいいかも」
ノリカ 「コンテストは見た目も重視だから、迷うけどね〜」

サヤ 「でも、コンテストバトルのことも考えたら、決断することも重要ね」

ノリカ 「そうそう! 何だかんだで最後に物を言うのは戦闘力の時があるし!」

私たちはこの後もコンテストのことを想定した、進化論に着いて語り合った。
結局、その後もノリカは迷っていた…



………。
……。
…。



『同時刻 サイユウシティ・第4スタジアム』


コトウ 「さぁ、ここ第8スタジアムでは、最後のバトルが始まろうとしております!」
コトウ 「そんな中、バトルに向かう選手は、この4人!!」

ワアアアアアアアアアアァァァァァァッ!!

ハルカ 「さってと…まぁ、苦戦は無しで行きましょうか♪」

ミカゲ 「冗談を言わないで…あなたが邪魔をしなければ1分で十分よ」

ハルカ 「はっはっは…それじゃ、私が暇だから突っ込むけどね!」

ミカゲ 「…突っ込むのは勝手だけど、対放射戦上に出るのは止めなさい」
ミカゲ 「今度やったら、構わず撃つわよ?」

ミカゲはそう言って注意する。
そう、ここまでの戦いで私たちは相手を圧倒するも、コンビネーションは皆無だった。
思いの外、ミカゲが遠慮してくれたおかげで、大事には至らないものの、私のポケモンは集中攻撃でボロボロと言うのがほぼ毎回。
元々、ミカゲのポケモンが異常に強いので、負けることはほぼ皆無だった。
今回の相手も、特に聞いたことも見たこともなさそうな相手だし、大丈夫だろう。

ハルカ 「とりあえず、今回は突っ込めないポケモンで行くわ」

ミカゲ 「そうしなさい、あんな戦い方だと、固定砲台の方がマシよ」


コトウ 「ハルカ選手とミカゲ選手、コンビネーションこそは滅茶苦茶ですが、ポケモンの強さも滅茶苦茶!」
コトウ 「圧倒的なポケモンのパワーでここまでの相手を圧倒して来ました!」
コトウ 「とはいえ、決勝も同じ戦いが通用するのか!?」
コトウ 「いよいよ、決勝戦の始まりです!!」


男 「行け、『フシギバナ』!」
女 「頼むわよ『ギャロップ』!!」

ボボンッ!!

フシギバナ 「フッシーー!!」
ギャロップ 「ギャローップ!!」

ミカゲ 「出なさい『マニューラ』」

ハルカ 「行くわよ『ホエルオー』!!」

ボボンッ!!

マニューラ 「…マニュ」

ホエルオー 「ホエ〜」


コトウ 「これで、両者のポケモンが出揃いました!!」
コトウ 「しかし…これは異様な光景! ハルカ選手のホエルオー、圧倒的な大きさで他のポケモンが小さく見えます!」
コトウ 「さすがは見つかった中では最大のポケモン! 果たして勝負はどうなる!?」

審判 「それでは、試合始め!!」

男 「先手は任せる!」

女 「ギャロップ、『さいみ…」
ミカゲ 「『ちょうはつ』」

マニューラ 「ニュッ!」

ギャロップ 「ギャ、ギャローー!!」

ハルカ 「もらった! ホエルオー、ギャロップに『みずのはどう』!!」

男 「フシギバナ『まもる』で止めろ!!」

ホエルオー 「ホエ〜!」

ドギュッバァッ!!

フシギバナ 「フシー!」

ピキィィィンッ! バッシャァンッ!!


コトウ 「最初から、いきなりの攻防! まずは状態異常を狙ったのか、ギャロップは『ちょうはつ』で動きを止められました!」
コトウ 「続いて、絶妙の『みずのはどう』、これまた絶妙の『まもる』で、状況は5分と5分!」
コトウ 「目が離せないバトルになりそうです!」


ハルカ (思ったよりも、相手の動きが速い…ホエルオーじゃ、先手を取るのは無理か)

ミカゲ 「マニューラ『れいとうパンチ』!」

マニューラ 「ニュラ!」

女 「止める! ギャロップ『メガホーン』!!」

ギャロップ 「ギャローー!!」

ドドドドドッ!!

ハルカ 「ホエルオー『しおふき』よ!!」

男 「フシギバナ『はっぱカッター』!!」

ホエルオー 「ホエ〜〜!!」

フシギバナ 「フシ〜!」


コトウ 「互いのポケモンが一気に動き出す!」
コトウ 「遠近の攻撃技を持って、ぶつかり制するのはどちらだ!?」

マニューラ 「!!」

ギャロップ 「ギャローーー!!」

ヒュンッ!!

女 「そんな!?」

マニューラはギャロップとぶつかろうかと言う一瞬、ジャンプしてギャロップを飛び越す。
完璧に回避されたギャロップはそのまま目標を見失って混乱する。
そして、攻撃態勢に入っているフシギバナ目掛け、マニューラは技を繰り出す。

マニューラ 「ニュラ!」

コキィィンッ!!

フシギバナ 「バナーーー!!」

フシギバナは一気に大ダメージ。
倒れることは無かったものの、確実に動きは鈍らせた。
そして、ホエルオーが一気に溜めた力を解放する。

ホエルオー 「ホエーーーーーーーーーーー!!」

ゴゴゴ…! ドバッシャアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァンッ!! バシャシャシャシャシャッ!!!

ギャロップ 「ギャローーーー!!」

フシギバナ 「フッシーーー!?」

マニューラ 「マ、マニュ!?」

ギャロップ、フシギバナを対象にした『しおふき』は一気に降り注ぐ。
ちなみに、攻撃後、近くにいたマニューラもついでにダメージをこうむった。
さすがのミカゲも眉を震わせている。

ミカゲ 「あなたねぇ…もうちょっと考えなさいよ!」

ハルカ 「め、面目ない…まさか全員に当たるとは」

『しおふき』が広範囲技だって言うのは理解してたけど、マニューラがギャロップ飛び越すなんて想定してなかったし…。

ギャロップ 「……」
フシギバナ 「……」

審判 「ギャロップ、フシギバナ戦闘不能! よって勝者はハルカ、ミカゲ・ペア!!」

ワアアアアアアアアアアアアァァァァァァァッ!!!

ハルカ 「ま、まぁ、勝ったんだから結果オーライ?」

ミカゲ 「…はぁ、何でこれと組むことになったのか。戻りなさい『マニューラ』」

マニューラ 「…マニュ」

シュボンッ!!

ミカゲは愚痴りつつも、追求はしなかった。
何だかんだで、ちゃんとポケモンのこと考えているのは、ある意味好感が持てる。
詰まる所、ミカゲは単に口が悪いだけなのだ…多分。

ハルカ 「こっちも戻って『ホエルオー』」

ホエルオー 「ホエ〜」

シュボンッ!!

コトウ 「またもや圧倒的! 最初は5分と思いきや、次の指示で一気に持っていかれました!!」
コトウ 「さすがは、ポケモンリーグ決勝トーナメント出場のふたり! コンビネーションは滅茶苦茶でも、実力の高さが伺えます!」



こうして、私たちの初日は終わった。
私たちは、他の試合を見ることができなかったけど、多分上がってくる8ペアはどれも強敵揃いだろう。
明日は激戦が予想される…誰を使うか考えておかないと。



………。



『同日 時刻20:00 ポケモンセンター・食堂』


ハルカ 「…ふぅ、思ったよりも疲れたかも」

ノリカ 「同感であります! タッグ慣れしていないと、精神的には参りますよね〜」

サヤ 「でも、新鮮な気はします…私もあまり経験はなかったので」

ノリカとサヤちゃんは、堂々の勝ち残り組。
コーディネイター同士という事で、息の合い方もピッタリだろう…これは強敵になりそうね。

ユウキ 「よ、お疲れ」

ハルカ 「ああ…あんたも勝ち残った口?

ユウキ 「ああ、ち〜と面倒そうだが…な」

そう言って、ユウキは何やら顔をしかめた。
何かあったのだろうか? 少なくと、緊張するタイプじゃないと思うけど。

ユウキ 「…まっ、なるようになるさ」
ユウキ 「少なくとも、負ける気はしないね…パートナーを見る限りじゃ」

ハルカ 「……」

ユウキは、堂々と勝ち残りの私たちに向かってそう言った。
少なからず、サヤちゃんも表情を変える。
事もあろうに、ユウキは私たちに向かって勝利宣言をしているのだ。
これは挑戦と取ってもいい、相変わらず大胆不敵ね。

ハルカ 「大した自身だけど、こっちも負ける気はしないわ」
ハルカ 「どんなパートナーとくっついたかは知らないけど、こっちにだってミカゲがいるんだから!」

ユウキ 「…頭の中が単純で羨ましいよ」
ユウキ 「単にポケモンやトレーナーの強さだけで、タッグバトルは勝てるもんじゃない」
ユウキ 「まっ、明日になったら嫌でもわかるだろうさ…」

そう言って、ユウキは去っていく。
むかつく笑みね…

ノリカ 「むぅ…一体どんなパートナーが?」

サヤ 「…気にしたら負けね」

ハルカ 「同感…知らない相手のこと考えても空回りするだけ」
ハルカ 「明日になったら、見れるわよ…」

私たちは、そんなことを話しながら今夜の食事を終えたのだった。
ちなみに、私のパートナーであるミカゲはどこに行ったのか…影も形も見えやしなかった。

ゴウスケ 「よっ、お疲れさん!」

ハルカ 「あ、ゴウスケさん…もしかして、出てたんですか?」

ゴウスケ 「ははっ、おもろそうやから参加してみたんや! そしたら、この坊ちゃんがパートナーになってな」

ミツル 「どうも…」

ゴウスケさんは、いつもの気さくな感じで私たちに挨拶する。
そして、笑いながら後ろのミツル君を親指で指差した。
さすがのミツル君も、ゴウスケさんには坊や扱いか…まぁ本当に子供なんだけど。

サヤ 「…なるほど、そちらはそう来ましたか」

ミツル 「ハルカさん、無事に勝ち残れたようで安心しました」

ハルカ 「まぁね、ミカゲのおかげとも言えるけど」

ゴウスケ 「そういや、ミカゲちゃんはどないしたんや? 姿見えへんけど…」

ゴウスケさんはそう言って周りを見渡す。
当然ながら見つかるわけはない、今頃どこに行ってるのか…何となく想像つくけど。

ハルカ 「まぁ、明後日になったら戻ってくるでしょ」

ゴウスケ 「な、何や…危なげなタッグやなぁ」

それは激しく同意。
私もミカゲと組むとは思わなかったし…まぁ、あれがパートナーなら作戦も何も機能したもんじゃなさそうだけど、ね。
結局…その後もミカゲが食堂に顔を出すことはなかった。





………………………。





『同日 時刻21:00 ポケモンセンター・TVモニター』


ハルカ 「…あれ、今日の試合やってる」

見ると、ポケモンセンターに備え付けられている、TVモニターにて、今日の試合が放映されているようだった。
私は、さすがに興味をそそられ、除いてみることにする。
すると、私の姿に気づいた人間が声を放つ。

ノリカ 「あっ! ハルカ様! これこれ!!」

サヤ 「……」

ノリカはTVモニターを指差して、重要度をアピールする。
どうやら、見る価値が大いにありそうね!
サヤちゃんも、食い入るように見てるわ。

ジェット 「お、ハルカちゃんも来たか」

リベル 「凄いことになってますよ〜!」

アムカ 「ふみゅ…」

よく見ると、知った顔が5人固まってTVの前に立っていた。
他の観客もそこそこいる中、私は人ごみを掻き分け、皆の所にたどり着いた。
そして、私はモニターに映し出される選手を見て驚愕する。



実況 「さぁ、ここ第8スタジアムでは、強豪のふたりが早くも決勝です!!」


ユウキ (さ〜て、軽く流すかな)

キヨハ 「………」



ハルカ 「…なるほど、ね」

ノリカ 「ううむ…そういうことでしたか」

サヤ 「確かに…力押しで勝てそうにない相手ですね」

何と、ユウキと組んでいたパートナーはキヨハさん。
ユウキの余裕は間違いなくここからだ。
私はそう確信できた…とはいえ。

ハルカ (ユウキのポケモンがそこまで強くなっているのだろうか?)

少なくとも、私の知る限りではミナモでのバトルが最後のバトル。
それ以降、ユウキがどうしていたかは知らないが、あれから私を超えるほどの特訓やバトルを繰り返していたとはとても思えなかった。
つまりは、ポケモンのレベルがどう考えても低い気がする。
トレーナーの実力ひとつで覆すことは可能とはいえ…果たして?



ユウキ 「よし…頼むぜ『チリーン』!」

ボンッ!

チリーン 「チリ〜ン♪」

ユウキが繰り出したのは、私が初めて見るポケモンだった。
可愛らしい風鈴の格好をしたポケモンで、宙に浮いている。
私は、久しぶりに図鑑を見てみることにした。
全国版になって、初めての参照だ。


ポケモン図鑑 『チリーン:ふうりんポケモン』
ポケモン図鑑 『高さ:0.6m 重さ:1.0Kg タイプ:エスパー』
ポケモン図鑑 『声を体の空洞に反響させる。怒った時の鳴き声は、敵を吹き飛ばす威力を持った超音波なるぞ』


ハルカ 「…風鈴、ねぇ」

ノリカ 「可愛いですよね〜、エスパーだから結構特殊能力もありますし」

サヤ 「…でも、レベルはそんなに高そうには見えませんね」
サヤ 「これまでのポケモンの方が、まだマシに見えます」

ハルカ 「他には何を使ってたの?」

ジェット 「…1回戦ではラグラージ、2回戦ではオオスバメだったな」

リベル 「どちらも、キヨハさんのポケモンに比べたら、大きなレベル差を感じましたよね…」

やはり。
ユウキのポケモンはあれからさほど強くなってはいない。
だけど、それを覆すトレーナーの力でユウキは勝ちあがったということ。
キヨハさんの力があってこそかもしれないけど…ね。

ハルカ (ユウキがポケモンの力を引き出す力に長けているのは、わかってる)
ハルカ (でも…それだけじゃない気がする。ユウキの力は)

あくまで勘だ…ユウキには何か秘密がある気がする。
ベテラン並とまで言われるトレーナーが、ポケモンリーグに参加したこともないとか、どうにも信じがたい。
仮に出ていなかったにしても、トレーナーの経験に比例して強力なポケモンが控えている気がする。
私が知っているユウキのポケモンはこれで5体目…残りの1体が強力なポケモンなのかも。



キヨハ 「『ネンドール』…」

ボンッ!

ネンドール 「ネンドッ!」


ハルカ 「うわ…何かインパクトの高いのが」

私は続けて図鑑を参照する。


ポケモン図鑑 『ネンドール:どぐうポケモン』
ポケモン図鑑 『高さ:1.5m 重さ:108.0Kg タイプ1:じめん タイプ2:エスパー』
ポケモン図鑑 『古代人の泥人形が怪光線を浴びて生命を宿したと言われている。空中に浮いて移動している』


ジェット 「ネンドールは耐久力の高いポケモンだ、並みの攻撃力じゃビクともしないだろうな」

リベル 「キヨハさんのポケモンなら、なおさらですよね…」

アムカ 「うう…微妙」

ジェットさんとリベルちゃんは、マジマジとキヨハさんのポケモンを観察していた。
アムカは…何も言うまい。

ハルカ (ネンドールか…確かフィーナちゃんが戦ったとか言ってたわね)
ハルカ (下手をすると…一瞬でケリが着くかも)

私はそんな予感を抱き、相手側のポケモンを待った。
ユウキたちの相手はエリート・トレーナーの格好をした男がふたり。
それなりに自信があるのか、気負った表情ではなかった。


エリートA 「いくぞ『ヘラクロス』!」
エリートB 「行けっ『ヤミラミ』!!」

ボボンッ!!

ヘラクロス 「ヘラクロッ!」
ヤミラミ 「ヤッミー!」

相手側が出したのは、ヘラクロスとヤミラミ。
虫・格闘と、悪・ゴースト…エスパーのユウキたちにはやや辛そうな相手ね。
とはいえ、キヨハさんがいるのだから負ける要素は低く感じる。
まっ、お手並み拝見ね…


審判 「それでは、試合開始!!」

エリートA 「先手はもらった! ヘラクロス『メガホーン』だ!!」

ユウキ (対象指定無しかよ…手当たり次第ってわけね)

キヨハ 「ネンドール『じしん』」

ネンドール 「ネンドッ!」

ドッガァァァァァンッ!!

ヘラクロス 「ヘラッ!?」

ヤミラミ 「ヤッミーー!!」

いきなり、キヨハさんの指示で『じしん』が炸裂する。
ヘラクロスは突っ込んできた所にもらい、動きが止まる。
が、ダメージが思ったより低いのか、すぐに動き始めた。
後ろのヤミラミはダメージでひっくり返っていたが、ダウンと言えるほどではないようだ。
チリーンは浮いているせいか、ダメージ0…パートナーの特性も考えた上での技選択だわ。

実況 「先手を取ろうと大技を繰り出したヘラクロス! ネンドールの『じしん』で遮られたー!!」
実況 「だが、致命傷には程遠い! ヘラクロス、ネンドールに一直線だーー!!」

ユウキ 「『おどろかす』!」

チリーン 「チリリリリリッ!!!」

ヘラクロス 「ヘララッ!?」

ズテンッ!!

ユウキの指示で、チリーンはいきなりネンドールの下から顔を出してヘラクロスを『おどろかす』
虚を突かれたため、ヘラクロスは後ろに尻餅を着いて怯んでしまった。

実況 「チリーン、ここで絶好のフォロー! パートナーとの息もバッチリだ!!」

キヨハ 「いいわよユウキ君、よく相手を見ているわね」

ユウキ 「楽勝ですよ、これ位…次、来ます!」

エリートB 「ヤミラミ『しっぺがえし』!!」

ヤミラミ 「ヤッミ〜!!」

タタタッ

ヤミラミは、遅すぎる行動で技に入る。
だが、確か『しっぺがえし』は行動が遅い場合、威力が高まる技…悪タイプの技らしいから、食らえばダメージは大きい。

実況 「『あとだし』の特性で技を繰り出すヤミラミ!! チリーンとネンドールのどちらを狙っているんだ〜!?」


ハルカ 「『あとだし』…?」

サヤ 「ヤミラミの『とくせい』です、この特性を持つヤミラミは常に行動を遅らせて技を繰り出します」
サヤ 「デメリットの多い特性ですが、タイミングを上手く操れば、タッグでの効果は計り知れません」

ジェット 「確かに…ヤミラミは『ねこだまし』みたいな技もあるからな」

どうやら、そういうことらしい。
意味はわかったけど、あまりに玄人好みの特性…ベテラン並と言われるあのふたりにはちょっと荷が重そうね。


ユウキ (ヤミラミの移動速度じゃ、タイミングが合わない)
ユウキ (ヘラクロスへの追撃は無理か…ならここで止める!)
ユウキ 「チリーン、ヘラクロスに『サイコキネシス』!!」

キヨハ 「ネンドール『リフレクター』!」

チリーン 「チリ〜ン!」

ギュゥゥンッ! ドギャァッ!!

ヘラクロス 「ヘラーー!!」

怯みから立ち直ったヘラクロス目掛け、空間が歪んで『サイコキネシス』の衝撃が炸裂する。
ヘラクロスには大ダメージだが、代わりにヤミラミの攻撃が無条件で決まる。
だけど、キヨハさんがすぐにフォローを始める、『リフレクター』でダメージを和らげる作戦だ。

ネンドール 「ネンドッ!」

ピィィンッ!

ヤミラミ 「ヤッミーー!!」

ドギャァァッ!!

チリーン 「リリーー!!」

チリーンは『リフレクター』に守られながらも、ヤミラミの『しっぺがえし』で吹き飛ぶ。
ヤミラミの右爪が激しくチリーンを襲い、壁ごとチリーンを突き飛ばした。
だが、チリーンはまだ倒れてはいない。

実況 「ヘラクロスに、痛恨の一撃! ヤミラミの攻撃を受けた上でヘラクロスを持っていったー!!」

審判 「ヘラクロス戦闘不能!!」

エリートA 「く…戻れ『ヘラクロス』!」

シュボンッ!

エリートB 「ヤミラミ『シャドーボール』!」

キヨハ 「ネンドール『げんしのちから』」

ネンドール 「ネンッ!!」

ギュゥゥンッ! ドガガガガッ!!

ヤミラミ 「ヤッミーー!?」

ネンドールの目が怪しく光ると、自身の周りに無数の岩を集めた。
ここまでは私のアーマルドと同じ…だけどネンドールのはここからが違った。
ネンドールは岩を相手に向かって飛ばし、遠距離技として放つ。
力で押し付けるアーマルドとは、まるで違う使い方だった。
あれはまるで…特殊攻撃の様な。

実況 「ヤミラミここでダウン! 『あとだし』の特性が仇になったか!? カウンターで食らってしまったーー!!」

審判 「ヤミラミ戦闘不能! よって勝者! ユウキ、キヨハ・ペア!!」

ワアアアアアアアアアアアァァァァァァァッ!!

実況 「決まりましたー! このスタジアムでの本戦進出者はユウキ、キヨハ・ペア!」

ワアアアアアアアアアァァァッ!!



………。



ハルカ 「………」

ノリカ 「やっぱり、強いですね…」

サヤ 「ポケモンのレベル不足は、トレーナーの能力で補って余りある…と言った所ですね」
サヤ 「できれば当たりたくないペアですね」

ジェット 「だが、穴はある…明日も同じ様なポケモンなら勝機は十分だ」

リベル 「……」

アムカ 「…ZZ……ZZZ」

それぞれが明日への思いを秘めている。
どうなるかは蓋が開いてみないとわからない。
組み合わせは明日発表…果たして、どうなる?



…To be continued




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