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<ボクはゾンビのお嬢さまですぅ!>
(簡略版)

学校から電車でうちへ帰る途中…(2000年4月29日)

ころころ、ころころ…

(この雑誌はだんだんくそ雑誌になってるな…いや、もうなったかもしれん。香港に合格のゲーム雑誌はないか、ちくしょう…)

ころころ、ころころ…ぎぇぇぇぇ!

「きゃ!」(そばの女子集団の声)

けきっ!(右手の肘が鋭い鋼鉄に猛打する声)

(いたっ! …くそぉぉ…なかなか深い怪我じゃないか、こりゃあ…いっ…とにかく、左手で怪我を…)

(一分半くらい後)

(状態をちょっと見てみよう。うっ! 手のひらは真っ紅…くっ…血の量は普通じゃないよ、どうしよう?)
「あの…ティッシュを借りたいですが…」

おじさんA 「え? ええ」

ティッシュを渡りながら、おじさんAはボクのティッシュを受け取る左手と、血が床までたれる右手の肘を見る。
同時に、おじさんBはボクに二枚の挫傷膏(?<ー日本語でどういうと確定しないです)を申し出す。

「あ、ありがとう」

(ティッシュと挫傷膏を渡った直っ後)


おじさんA(びっくりで) 「こりゃあ非常事態だ。はやく救命センターに行く方がいい」

「救命センター?(大袈裟だよ)」

おじさんB(さらにびっくりで) 「こりゃあ無理だ。傷はすごく深い。挫傷膏は無理だ。病院にいこう」

電車の中で、さわさわの声が始まる。


アナウンス 「ただいま火炭駅に到着しました」

何人かの女子集団は露骨に嫌う顔でボク(とボクの血)を見ながら、ボクのそばから離れて電車を降りた。

アナウンス 「つぎの駅は沙田駅です…」

(くそ…血が止まる気はぜんぜんしない…)

おじさんA 「駅にも救急センターがあるらしいから、一発で行ってくれ」

「え、ええ。目的地の駅で」

おじさんA 「そうだな」

(血がばらばら…まだ3駅、待てるかな…)

ボクは、だんだん不安になっている。
周りはボクの意志を無視して、無機質になっていて虚しく映している。
存在感がないのは周りという環境か、ボクという人間の意識か。混乱している。
視界に染みる傷口の、手のひらの、床の血が、焦りを苛立てている。

おじさんB 「運転者でも呼ぶ方がいいんだ」

「え、この…」

次の一刻…

(!? 視界が! う、うそだろ!?)

さわさわの中で、ボクは視力が失っている。
視界は1から2分の1へ、2分の1から4分の1へ、4分の1から0へ失っていく。
10秒もかからず、視界は真っ暗になっている。目が開く、なのになにも見れない。まるで、みさき先輩のような…

「なにも…見れない…?」

独り呟のように、ボクは自分の恐慌をそばの人間に伝う。極度の恐慌で、もうなにも考えられない。

「お、おい! うそだろ!?」

どこかのおじさんがそう叫ぶ。
そして、ボクの恐慌を具現化するように、眩暈感が襲う。『こわい』という気持ちが、『死の恐怖』になっている。

「ふらふらになってる…」

また恐怖に気圧される独り呟だ。

「まずい! 大丈夫!?」

「大変! 運転者を!」

大丈夫わけないって思いながら、誰かが次の一秒にでも倒れそうなボクに扶持するのを感じて、電車の外に出て行くみたいだ。

「大丈夫ですか?」

おそらく、運転者だろう…。

「傷を…負う。ふらふらしてる…なにもみられない……」

運転者 「駅長を呼びますから、ここで待ってください」

「す、すみません」

ころころの声が聞こえる。ボクは金属感のものに身体をもたれる。

(はぁ…はぁ…はぁ…苦しい……天はなんて酷いことを…はぁ……悪夢に返せ…はぁ……この怪我で…これだけの怪我で……死ねる…?)

そばにだれもいない。ボクは何も見れない。ただ、不明な物体に身体を任せて、全身は嫌な感じがする。冷汗だ。髪から足下までを濡らしたのは…。
本当に、死の恐怖を明確に感じる。明確すぎるほどだ。
死…? いや! 死ぬのは嫌よ! みさき先輩はまだ強く生きてる。見れなくても、力が欲しい…みさき先輩! みさき先輩! みさき先輩! みさき先輩!!
なにも考えない。考えるのは無理だ。ただ、無我夢中にみさき先輩を思ってる。心の中に叫ぶ。真っ暗視界の中に、みさき先輩の容姿…あのいつもの容姿が、浮いていってる。
同時に、光が少しずつ帰ってる。半分くらい帰った時…

「大丈夫か?」

誰かの声が聞こえる。

「右手の肘に深い傷が…」

「苦しそうだ、君」

「ええ。頭と目がおかしい…」

「駅のスタッフを呼ぶ方が…」

「もう呼んだ」

「そう…」

「きみは…さっきの電車の乗客か?」

「え? いや、さっき来たばかり」

「そう…さっきの電車、いきなり大きく揺った。そしてこの有り様に…」

「そうだったか。そこの椅子に座る?」

「これはありがたい…」

「肩を貸して」

「ありがとう」

………。

「これは何駅だ?」

「え?」

「大囲か沙田か?」

「沙田だけど」

「そうか、まだ沙田か。(まるで、長い間が過ぎた気が…)」

「あっ、電車が来る。じゃ、お大事に」

「はい」

いつの間にか、視力が元に戻った。でも、身体がまだ衰弱だ。ティッシュは赤に濡らされたが、まだまだ血を流している。
数分後、駅長はようやく来た。「救急隊はすぐにくる」と言っても、10分以上かかっても来ないから、駅長はボクに「自分で歩けるかい?」と聞いて、ボクは「多分…」を答えて、駅長は手を貸してと言いながらボクを立ち上がらせて、二人は救急センターに行った。
その中で簡単な手当てを受けたり警察の簡単な質問を答えたりして、アームチェアに座ってもらって駅の外の救急車に運ばれる。途中、いきなりカメラを持つやつを見る。記者だ。なんてナンセンスな記者だなって思いながら、自分のカッコわるさを気になる。はぁ…情けない。
救急車の中で…。

警察 「お前さんはなんで気を失ったか?」

(べつに気を失ったじゃないが…まっ、いいか)血が…」

警察 「そんなに血を失ったか?」

「(実はボクも気になる。たしか怪我は普通より深いから血が比較的に多く出たが、いくらなんでも人を眩暈に落として視界まで奪える量ではない。あっ、もしかして)寝不足で今朝、遅く起きて朝ご飯も食べずに試験に赴いたことのせいかも」

「一杯の血に驚かされたと思うが、そうだったかね?」

救急隊の一人だ。救急隊員Aにでもレーベルしよう。

「そんなこと…(ないと思うが、なんとなく言いにくい気がする)」

警察 「…お前さん、普段でも身体が虚弱じゃないか?」

「え、ええ?」

警察 「顔は青いし…」

「別にそんなに虚弱と思わないが…健康」

警察 「……」

警察はボクに疑問っぽい視線を投げている。

警察(多分あの救急隊員も) (こいつは本当に男か? 弱っちいぞ。まるで、ずっとお宅にいたお嬢さんのような…)

(なによぉ…)心の中で反論している。

警察は救急車を降りて、救急車は病院へ出発する。そういえば、血はまだ傷口から出てる。頭や目が大分よくなったが。

「あっ…救急隊員さん、家に電話したいが」

救急隊員A 「ま、もうすぐ病院に着くだからな」

救急隊員B 「それもそうか…ま、いいか。きみ、電話番号は?」

「にさんにいち…きゅうさんよれい」

「にさんにいち…きゅうさんよれい…よし、自分で言う」

どるるるるるる…どるるるるるるる…カラ

「はい」

『彼女』だ。どうでもいい、言いたいことを…。

「ボクだ」

「…なに?」

くそ…こんな露骨で不機嫌な声を出さないでくれ。

「病院にいく途中さ」

「はぁ?」

嬉しいみたいだ。たとえ彼女でも、すこし関心を示して欲しい。

「電車で損傷した。大きの。血がいっぱい出た。ふらふらしちゃった。だから、病院に行く。」

「そう…」

「すぐに帰るから。母とかが帰ったらボクがすぐ帰るって告げ」

「うん」

「じゃ」

「バイ」

すこしすっきりしたけど、すこし…悔しかった。

………。

病院に到着したとき、何人かの記者はボクを待っている。
はぁ、今日という日は…。
それにしても、あの記者たちは何を考えてるの? かれらの顔はなんにも写らない。ただ、ポーカーフェーズで、アームチェアを座ってるボクに向いて、写真を撮る。
かれらは毎日過酷なことを見てる。それこそかれらの日常だ。もしかしたら、本当にもうなにも感じられないかも知れない。
いや。毎日過酷なことを見てるこそ、ボクのケースはばかばかしいと思ってるかもしれない。ポーカーフェーズの下で、こんなのってどう客にアピールするか? もっと過激なのをくれ! って考えてるかもしれない。くそー、ついてないな、こんなちっちゃなやつに派出されたなんて、って考えてるかもしれない。なんのためにわざわざここにいったか?この野郎、ずいぶん元気的じゃねえか! くそ…健在してるなんて、甲斐性無し! 死んでくれよ、腕か足が一本か二本が失ってくれよ、脳みそを爆発してくれよ、この野郎! って考えてるかもしれない。
そう考えながら記者集団のそばに行かれてる。寒気が来る。他人にどうでもいいほどちっちゃなことかもしれないが、当事者のボクにはじゅうぶん過酷的なことだ。ボクはそんなに苦しいのに…そんなに恐かったのに…

………。

病院に運び込ませたすぐ後で、おばさん+おにいさんの二人組がボクの血圧を測る。

「お、おい。ちょっと見よう、これを」

おばさんはいきなり素っ頓狂な声を上げる。

「なんだなんだ」

おにいさんはこれを軽く受け流した。

おばさん 「低すぎ、と思わない?」

おにいさん 「そうだなー。測量失敗か、こりゃあ。もう一度測って」

おばさん 「はいよ」

………。

おばさん 「お、おい、またかよ」

おにいさん 「わけないな、こりゃあ。もう一度」

おばさん 「はいよ…少年、リラックスして」

「うん」

………。

おばさん 「普通じゃないね…」

おにいさん 「どう思っても可能性ゼロだ」

おばさん 「でも、偶然は重ねすぎるじゃない?」

おにいさん 「そうだなあ。でも醒めてるよ」

苦笑しながらおにいさんはボクに視線を投げて、そう言ってる。

おばさん 「そんなに低いなら、醒めてるわけじゃないね。仮死よりも低い…」

おにいさん 「そういえばそうだなあ。昏睡状態か死ぬ寸前か…」

ボクは思わず血圧計のデジットを見る。どうやら、上は80くらいで下は40くらいらしい。あまり詳しくないがたしか相当的低い気がする。

おばさん 「痛みのせい? あの深い傷」

おにいさん 「なーに、痛いだったら高くなるさ」

おばさん 「そうね」

おにいさん 「まあ、僕に任せて」

おばさん 「はいよ」

おばさんはどこかに行った。

おにいさん 「な、君。普段、低血圧なのか?」

「違う(手と足は生れてからずっと冷たいが…たしか血圧はちょっと低いが、低血圧には入れないって、医者にいわれた)」

おにいさん 「おっかしいなぁ…もう一度」

そろそろ鬱陶しくなってる。
ボクとおにいさんは変わってるデジットを見てる。そして、デジットは止まった。前とはあまり違わない。

おにいさん 「はーぁ。なんでだ?」

「……」

おにいさん 「今度は右腕」

………。

今回、下のが50まで行くがまだ異常的に低いといいべきだ。

おにいさん 「しょうがない。レコードしよっか」

「はい」

おにいさん 「ははは…もしかしてゾンビじゃないかな、きみは。こんなケース、医術百科事典にも探せないよ」

「ははは、そうかも」

おにいさん 「よし、そこに行こう」

おにいさんはアームシェアをあるルームに推し込んだ。

おにいさん 「ここで手術室に入るのをちょっと待ってて」

そう言いながら行っちゃった。
ボクの場合はべつにどうでもいいが、仮にもそんな低血圧を持ってる病人がいたらちょっと介抱するほうが安全だ。ここ十年来「医務人員の怠慢さで彼は死んだよ!」って苦情が絶えないのが、納得した。
まあ、ボクには好都合だけどな。
手術室に入る前に、医者のおじさんはボクに話を掛ける。いきなり大学の教授の話題まで話すのが、ちょっと意外だけど。ボクを安心させる? べつに不安じゃないよ、縫合くらいって。それとも、かれの医者としての日常の退屈さと圧力からの息抜き? または、こんなことはもう日常になったか?


その後、ボクは低血圧のことを考える。もしかしたらボクはゾンビじゃなくて幽霊かもって、うちへ帰った後でショートストーリーでも書こうかって自分に冗談半分なことを言ってこの不幸な事件からすこし『甲斐』を探しながら、手術室からボクの名を呼ぶ。
結局、縫いは六つまでされた。
途中、ボクの傷を縫い合ってる看護婦はそういった。

「足でも負傷するの? アームチェアでここに行ったって」

「いや、そうじゃないよ」

「え? じゃあ、どうして?」

「気を失うそうだったからよ」

「そう…恐かった?」

「ええ。すごく」

あのとき、ある大事なことを思い出した。

「ここはいったい、どこ? いままで知らなかったままだけど」

「はぁ? …沙田ウェールズ親王病院よ。もしかして、まだ渋くないの?」

「い、いや…ウェールズと思ったけど確定できなかった。だれもボクに言ってなかったし」

「……」(<ー勝手訳 (呆けたわ…この程度で気を失ったって、今までボーっとしてたなんて。お嬢様じゃないの、この人)

(ゾンビのお嬢さんとか幽霊のお嬢様とかいいや! 今日からゾンビお嬢さんか幽霊お嬢さんで呼んでくれ!)

結局、そんな投げ言葉しか呟かなかった。

<ーー終わりーー>

作者あとがき



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