ポケットモンスター サファイア編




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第33話 『空腹こそが最大の敵なり』





『11月27日:午後8時 天気研究所』


ポワルン 「ポワワ〜♪」

研究員 「ポワルン、今日も調子がいいね」

ポワルン 「ポワ〜♪」


ここは天気研究所。
ここでは文字通り天気が研究されていた。
そして、ここにはポワルンと呼ばれる、天候に深く関わるポケモンがいた。

ポワルン 「ポワ、ポワワ〜」

研究員 「おっ、『ひでり』だね」

ポワルンは様々な天候変化技を使いこなす。
そして、それと同時にポワルンは。

ポワルン(日) 「ワルン! ワルル!!」

ポワルンは天候よってその姿を変えるのだ。
今は日照り状態。
明るい性格のポワルンになっている。

研究員 「はははっ、ちょっと暑いな…」

ポワルン(日) 「ワールン!」

研究員 「ん? あれは…?」

普段は曇っている空もポワルンの日照りによって雲が吹き飛び、空には大きな月が明るく輝いた。
そして、月を横切る何か…。

ポワルン(日) 「ワル〜?」

研究員 「近づいてくる…?」

バシュゥー! バシュゥー!!

研究員 「わっ!? なんだ!?」

ポワルン(日) 「ワルンッ!?」

突然の硝煙。
周りが一気に白くなる。

研究員 「ゲホッ! ポ、ポワルン、急いで所長に!」

ポワルン(日) 「ワ、ワルンー!」





…………………。





『同日:某時刻 118番道路』


ユウキ 「キンセツから苦節9日…ついに天気研究所に到着…」

と、いってもあと3キロほど…。
最短5日、普通6日の所、遅くなることを予想して8日分食料を用意していたが予想を大きく上回ってしまった。
118番道路長すぎ…(俺が遭難するから悪いんだが…)。
当然、昨日のうちに非常食までなくなり、本日はまだ何も口にしていない。
はっきり言って腹ペコ君である。
当然ポケモン達も。

グゥゥ…。

唐突に腹が鳴る。

ユウキ 「気合入れていくか…」

気力1の声で天気研究所を目指す俺。
腹減った〜…。



…………。



アクア団員A 「なぁ…もう、作業は終わったかな?」

アクア団員B 「さぁな…シャドウさんは送り火山に向かったそうだぜ?」

アクア団員A 「あ〜あ、こんな所で見張りじゃなくてもっと大きな仕事したいよな〜」

アクア団員B 「全くだ」

アクア団員A 「ん? なんだあいつ…」

アクア団員B 「こっちに近づいてくるぞ…」

それはユウキだった。
ユウキは疲れた顔で天気研究所に近づいていた。
当然、見張りの二人は気付く。
そして、当然二人はユウキに近づくのだった。

アクア団員A 「おい! ちょっと待て!」

アクア団員B 「ここは立ち入り禁止だ!」

ユウキ 「……」

しかし、既に虚ろな瞳のユウキには聞こえているようには見えない。
多分、聞いていない。

アクア団員A 「おい…? 聞こえているのか?」

ユウキ 「…るな」

アクア団員B 「あん? るな?」

ユウキ 「邪魔をするなー!!!!」

アクア団員A 「ゲフゥ!?」
アクア団員B 「ブギャァ!?」

ドカァ!! バキィ!!

瞬間二人は問答無用の一撃でノックアウトされる。
腹の減ったユウキは強かった…。

ユウキ 「人が腹減ってイライラしている時に…変なちょっかい出すな…」(怒)

アクア団員A 「な、なんで…」
アクア団員B 「こ〜なるの…」

ザッザッザッザッ…。

まさに無人の野を行くか如く…。





ユウキ 「シメシメシメシメシメシメシメシメシメシメシメシメシメシメシメシメシメシメシメシメシメシメシメシメシメシメシメシメシ…」(狂)

アクア団員C 「きゃあ!? なんか廃人みたいなの来たわよー!?」

アクア団員D 「な、そ、外の二人は何をしていたんだ!?」

アクア団員E 「と、とにかく侵入者だ!!」

アクア団員CDE 「でろ! お前達!!」

うるさい…。
何騒いでんだ…。
人を妖怪みたいに扱うな…。

アクア団員E 「おい! これ以上近づくんじゃねぇ!」
アクア団員E 「俺のヘイガニが泡吹くぜ!?」

ユウキ 「その言葉は使い方を間違えている…」(ボソッ)

もはや大声出すのも疲れる。
向こうはポケモンを出して俺の飯を妨害するらしい…。

ユウキ 「上等だ…でろ」

サーナイト 「うぅ…お腹すいた〜…」

俺はサーナイトを出す。
サーナイトはお腹を押さえていかにも弱そうな雰囲気をかもし出していた。

アクア団員C 「な、何…?」

アクア団員D 「弱っているのか?」

アクア団員E 「そんなやつ一撃だ! ヘイガニ! 『はさむ』攻撃!」

ヘイガニ 「ヘイヘイ!」

サーナイト 「わぁ!?」

サーナイトは成す術なくヘイガニの攻撃を受けてしまう。
しかし、それでサーナイトに火は付いた。

サーナイト 「この…」

アクア団員E 「よーし! そのまま『バブルこうせん』だ!」

ヘイガニ 「ヘイヘイ!」

アクア団は調子に乗っている。

サーナイト 「お腹空いている時にちょっかい出すな馬鹿ーっ!!」

ヘイガニ 「ヘイィ!?」

サーナイト 「この!」

ヘイガニ 「ヘィィィー!?」

ドカァ!!

ヘイガニはサーナイトの『サイコキネシス』で身動きがとれずそのまま宙に浮き壁に叩きつけた。

アクア団員E 「こいつ『サイコキネシス』を使いやがる!?」

アクア団員C 「私に任せて! 行きなさいキバニア!」

キバニア 「キバッ!」

アクア団員C 「キバニアにエスパー技は効かないわよ!?」

サーナイト 「そんなのっ!!」

バチィン!!

キバニア 「キィバ〜…」

キバニアは感電した魚のようにぴくぴくしている。
いや、感電した魚か…。

アクア団員C 「そ、そんな〜…」

サーナイト 「お腹すいているんですから邪魔しないでください!」

アクア団員D 「それでも邪魔しないといけないのが下っ端なのさ!」

ポチエナ 「ワンワン!!」

ユウキ 「サーナイト! もう一度『10まんボルト』!」

サーナイト 「はぁ!」

バチィッ!!

ポチエナ 「キュ〜ン…」

ポチエナはサーナイトの『10まんボルト』で宙を舞い、感電による硬直をしている。

アクア団員D 「ギャーッ!! 何もする前に一撃!?」

ユウキ 「こら…アクア団、イチイチ俺の行く所に現れやがって…何やっているんだ?」

アクア団員D 「う、な、何って…」

アクア団員C 「ちょ、ちょっと待って! コイツってもしかして…!?」

アクア団員E 「いや、間違いない…あの白髪…」

アクア団員C 「まさか、ユウキ!?」

ユウキ 「おうおう、俺も有名になったものだな」

いかにも俺がユウキだ。
どうやらアクア団のブラックリストに登録されているようだな。

アクア団員E 「まさか、あの煙突山作戦の失敗の大本!?」

アクア団員C 「私、急いでイズミさん知らせに行くわ!」

アクア団員D 「お、俺も!」

恐れおののいたか一目散に上の階に上る二人。

アクア団員E 「あ、お前らー!!」

遅れて残りひとりも逃げ出した。

ユウキ 「……」

当然その場にはアクア団はいなくなった。
まぁ、別にいいんだが…。
でも、上にはまだアクア団の連中がいるんだろうな〜…。

ユウキ 「…かったる」

正直そう思った。
腹減っているから速攻で終わらしたい。

ユウキ 「まぁ、アクア団は水タイプを主体にしているしサーナイトで問題ないだろう」

サーナイト 「思った以上に僕の『10まんボルト』が効いていますからね」

さて、なんでサーナイトが『10まんボルト』を使ったかというと、説明するのは簡単である。
テッセンさんに貰った『10まんボルト』の技マシンを使ってサーナイトに覚えさせたのだ。
思いの外有効だ。
サーナイトの高い特殊攻撃力も相まって電気タイプの使う『10まんボルト』並みの威力がある。

少年 「すごい! すごいよおにいちゃん!」

ユウキ 「あう?」

どこから現れたのか目の前に小学生くらいの少年がいた。

ユウキ 「君…どこから…?」

少年 「僕、そこのベット寝てたんだ!」
少年 「でも、気がついたらあのへんな奴らにこの研究所が占拠されちゃって僕怖くて隠れていたんだ!」
少年 「お願いおにいちゃん! 所長たちを助けて!」

ユウキ 「はぁ…また面倒なこって…」

サーナイト 「マスター?」

ユウキ 「腹減っているから速攻で終わらせるぞ…」

サーナイト 「はい…」

グゥゥゥゥゥ…。

ユウキ 「……」
サーナイト 「……」

鳴らなくてもいいのに鳴ってしまう腹の音。
空腹感で限界か…。

ユウ&サー 「はぁ…」



…………。



アクア団員F 「き、来たぞ!?」

アクア団員G 「落ち着け! 二人がかりなら何とかなる!」

アクア団員F 「くっ! いけ、ヘイガニ!」

アクア団員G 「頼むぞ! ズバット!」

ヘイガニ 「ヘーイ!」

ズバット 「ズバッ!」

ユウキ 「……」

サーナイト 「……」

二階に上がるや否やいきなりアクア団の篤い歓迎を受けてしまう。
おこがましいとも言うが…。
正直、かったるい。

ユウキ 「リリーラもでろ」

リリーラ 「……」

俺は新たにリリーラをボールから出す。
相変わらず無口な奴だ。
しかし、心なしか腹が減ってそうに見えなくもない。

アクア団員F 「ヘイガニ! 『バブルこうせん』だ!」

アクア団員G 「ズバット、『ちょうおんぱ』!」

ユウキ 「サーナイトはズバットに『サイコキネシス』…」
ユウキ 「リリーラはヘイガニに『あやしいひかり』」


あやしいひかりは怪しい光。
なんだかよくわからないが、黒い光で相手を包み、必ず混乱状態にする技だ。
結構、強力。


ズバット 「ズバッ!? ズバ〜…」

ズバットは『サイコキネシス』一撃でダウンする。
弱い…。

サーナイト 「きゅう…?」

しかし、代償として『ちょうおんぱ』により混乱した。

一方リリーラとヘイガニは?

バシャア!!

リリーラ 「…リ」

当然動けないリリーラは『バブルこうせん』直撃だ。
避けるという項目がないのは悲しいな…。

ヘイガニ 「ヘイヘイ〜??」

しかし、代償としてヘイガニは混乱している。

アクア団員F 「ヘイガニ! しっかりしろ!」

ヘイガニ 「ヘイ〜イ〜??」

しかし、トレーナーの声はヘイガニには届かない。
ヘイガニはわけもわからず自分を攻撃した後、フラフラとリリーラに近づいた。

リリーラ 「……」(キラーン!)

その時、リリーラの目が怪しく光った!

リリーラ 「…!」

ヘイガニ 「ヘイ〜??」

パクッ!

アクア団員F 「ああ…!!」

ユウキ 「あ…」

リリーラ 「……」(モキュモキュ)

ヘイガニ 「……」

一瞬…そう地球が静止したかと思った…。
そう、さすがは古代ポケモン…。
まさに弱肉強食だ…。

ユウキ 「て、ヘイガニを食べるなー!!」

アクア団員F 「あわわっ! ヘイガニ、戻れ!!」

相手トレーナーは慌ててヘイガニをモンスターボールに戻す。
恐るべきことにリリーラはヘイガニを丸呑みしようとしたのだ。
こいつ…実は恐るべき捕食者ではないのだろうか…?

リリーラ 「…リ」

リリーラは小さく声を上げた。
『残念…』って感じだろうか?

アクア団員G 「イズミさん駄目です! 抑えられません!」

アクア団員F 「噂どおりの強さをしています!」

二人が奥にいるイズミというお偉いさんに報告すると、そのイズミっていう人はやって来た。

イズミ 「オーホッホ! 我々アクア団の邪魔をしようというの!?」

ユウキ 「…かったるい」

随分高飛車な性格のようだ。
口調からでもよくわかる。
年齢的に言うと24か…。
相手にするだけ疲れそうだ…。

イズミ 「噂じゃ、ウシオ倒したって話だけどこんな子供とはね!?」

ユウキ (ウシオって…誰?)

知らない名前が出てくる。
ウシオって誰だろう…。
妙に気なるが相手の話は終わってなさそうだ…。

イズミ 「言っておくけど、私をあんなぶ男と一緒にしないでよ!!」

名前どおりの人物なんだろうか…ウシオって…。
海坊主みたいなのを想像したぞ…。
なお、○ティーハ○ターの海坊主では無いぞ。

ユウキ 「なんでも良いからさっさと始めようぜ…」

イズミ 「もう怖い物知らずと言おうか、ただの愚か者と言おうか…」
イズミ 「可愛すぎて憎らしくなっちゃう! やっつけてあげるわね!」

そう言ってアクア団の幹部と思われるイズミはキバニアを出してくる。

ユウキ 「リリーラ、サーナイトは戻れ」

リリーラ 「……」
サーナイト 「??」

俺は二匹を強制帰還させると別のモンスターボールを取り出す。

ユウキ 「いけ、ラグラージ」

ラグラージ 「ラグらージ…」

イマイチ覇気の無いラグラージ。
お前も腹減っているんだな…。
俺もそうだ…。

イズミ 「オーホッホ! 何そのラグラージ!」
イズミ 「全ッ然、弱そうじゃない!」

イズミはそれはもう腹のそこから高笑いしてくれる。
しゃーないやん…腹減ってるんだから…。

アクア団員D 「イズミさん油断しないでください!」
アクア団員C 「顔に似合わず、結構強いんですよ!?」

イズミ 「オーホッホ! この私がこんなボウヤに負けるわけがないじゃない!」

高飛車と自信過剰はセットだな…。
とりあえずあの長っ鼻、へし折ってやるか…。

ユウキ 「ラグ! 『マッドショット』!」

ラグラージ 「ラージ!」

イズミ 「キバニア! かわして『かみくだく』!」

キバニア 「キバッ!」

キバニアは素早く跳ねてラグの『マッドショット』を回避し、そのままラグに噛み付いてくる。


かみくだくは噛み砕く。
かみつくの上位技で、悪タイプの技の中でもかなり強力な技だ。
時々、特殊防御力が低下することもある。

ユウキ 「振り払え!」

ラグラージ 「ラグッ!」

イズミ 「『いやなおと』よ!」

キバニア 「ガキガキガキガキガキガキガキガキ!!」

キバニアは歯を激しく当てて、嫌な音を出す。
確かに不快だ…。

ユウキ (思ったよりやるな…こりゃ)

どうやら、裏づけの無い自信ではなかったようだ。
たしかに、強い…。
下っ端よりは…だがな。

ユウキ 「ラグ! 『だくりゅう』!」

ラグラージ 「ラグー!!」

イズミ 「きゃあ!?」

アクア団員 「うわーっ!?」

キバニア 「バニっ!?」

ラグラージの『だくりゅう』はキバニアを飲み込む。
水タイプ相手にはあまりダメージは高くないが、ダメージが無いわけじゃない。
まぁ、こいつは牽制の意味を込めて、だが。

イズミ 「オッホッホ! 憎たらしいわね!」
イズミ 「キバニア! もう一度『かみくだく』!」

キバニア 「キバッ!!」

ユウキ (予想通り…)

イズミは予想通りもう一度『かみくだく』をさせる。
しかし、今度はこっちが後手だ。
キバニアは大きく跳ねて、ラグラージに食いかかる。

ユウキ 「ラグ、『マッドショット』!」

ラグラージ 「ラージ!」

バシャア!!

キバニア 「キバァ!!?」

イズミ 「むぅ!? やるわね! だったら次はこの子よ!」
イズミ 「行きなさい! グラエナ!」

グラエナ 「ガーウ!!」

キバニアのやられたイズミは次にグラエナを出してくる。

グラエナ 「ガルルッ!」

ラグラージ 「らぐ…」

とりあえず、グラエナの『威嚇』…。
ラグが弱気になるとは思えないが、攻撃力が低下してしまう。
まぁ、それなりに鍛えられたグラエナのようだな…。

イズミ 「グラエナ! 『とおぼえ』よ!」

グラエナ 「ガルル…ウォーン!!」

グラエナはその場で高らかに吼えて、意識を高揚させる。
攻撃力アップだ。

イズミ 「よーし! 『シャドーボール』よ!」

ユウキ 「…!」

イズミは珍しい技を宣告する。


シャドーボールはシャドーボール。
ゴーストタイプの技で黒い球体を相手に直接ぶつける技だ。
やはり特坊が下がることがある。

ユウキ (タイプ一致のゴーストタイプが使うならともかく…)

グラエナ 「ガーウー!!」

グラエナは口元に黒いバレーボール位の球体を作り出しラグラージに放つ。

ユウキ 「弾け」

ラグラージ 「ラグ!」

バァン! ドガァン!!

ラグラージは命令どおりグラエナの『シャドーボール』を左手で弾く。
弾いた『シャドーボール』は天井に当たった。
当たりはキャッチャーフライだな。

イズミ 「なっ!?」

ユウキ 「『みずでっぽう』!」

ラグラージ 「ラージ!!」

バシャアア!!

グラエナ 「キャウン!!?」

グラエナは一撃でダウンする。
急所に当たったか…。

イズミ 「オーホッホ! 強くて憎らしくなっちゃうわ!」

負けても高笑い…。
この一貫した性格は見習うべきだろうか…?

イズミ 「本当イチイチ邪魔してくれちゃって…噂どおり目障りなボウヤね」

ユウキ 「どうする? チェックメイトだぜ?」

イズミ 「オーホッホ! そんなの決まっているじゃない!」
イズミ 「撤退よーっ!! オーホッホ! アクア団撤退ー!!」

アクア団員G 「あっ! 待ってくださいよイズミさん!?」

アクア団員E 「お、俺たちを置いてかないでくださいよー!」

アクア団員C 「あーん! なんでこんな失敗が起きちゃうのー!?」

ドタドタドタドタ!!

ユウキ 「……」

アクア団はいわゆる戦略的撤退を行う。
要するに逃亡だ。

ユウキ 「……」

所長 「どうもありがとう! おかげで助かったよ!」

気がつくと今度はここの研究員が近づいてきた。
なんか、気が抜けたから急に喋るのも辛くなった。

所長 「なんとお礼をしたらいいかわからないがとにかくありがとう!」

ユウキ 「……」

所長 「ん? どうしたんだい? なんだか顔色が悪い気が…」

グゥゥゥゥ〜…。

ユウキ 「腹減った…」

ラグラージ 「ラグゥ〜…」

そのまま俺達は限界点を突破した体を支えきれずに前のめりにぶっ倒れるのだった。




ポケットモンスター第33話 『空腹こそが最大の敵なり』 完






今回のレポート


移動


118番道路:天気研究所


11月27日(ポケモンリーグ開催まであと94日)


現在パーティ


ラグラージ

サーナイト

コドラ

コータス

チルット

リリーラ


見つけたポケモン 46匹




おまけ



その33「育て屋さん」




あ、さてさて今回は育て屋さんでの話。
育て屋さんに預かってもらったユウキのポケモン達。
さて、今頃何をしているのか?




ザァァァァァァ…。

グラエナ 「あ〜あ…暇だ、暇」

本日、キンセツ、カイナ、フエンは雨、シダケは曇り時々雨。
ここ育て屋さんのある117番道路も当然のように雨が降っていた。
この日、グラエナは雨のため、屋内で暇をもてあましていたのだった。

キノガッサ 「あんた、入院するような怪我?」

グラエナ 「ま〜、お前よりはマシだわな」
グラエナ 「大丈夫か? ポケモンリーグは?」

キノガッサ 「間に合わせる! それだけよ…」
キノガッサ 「それに…なんとか、数歩歩く位できるようになったしね」

キノガッサは全身の筋肉が動かなくなり、手術により神経をつないでいた。
今もずっと、キノガッサはまるで動こうとしない体を必死で動かそうと訓練をしていた。

対してグラエナはそこまで重体ではない。
すでに体は万全になっており、今は育て屋さんの元でノンビリ訓練をしている。

オオスバメ 「みなさん、おはようございます」

キノガッサ 「あら、おはようオオスバメ」

グラエナ 「まさか、お前までこっちに来ていたとはな…」

オオスバメ 「はい、おかげ様で」

キノガッサ 「『あいつ』はどうしたの?」

オオスバメ 「え? ずっと見ないけど」

グラエナ 「あいつか…」

三匹の言うあいつ…。
そいつは旧知の仲なのだが、最近知り合った仲という何とも奇妙な物だった。

ヌケニン 「おはよう〜」

オオスバメ 「うわっ!? どこから!?」

グラエナ 「まーた、壁抜けして…」

キノガッサ 「あんた、その現れ方心臓に悪いわよ…」

ヌケニン 「…?」

最後に現れたのはヌケニンだった。
ヌケニンはテッカニンと一心同体。
戦えないテッカニンはヌケニンとして生まれ変わったのだ。
よって、ここにいるヌケニンはテッカニンでもあるのだ。

グラエナ 「しかし、再起不能を喰らった最古参4人か…減った物だな」

ヌケニン 「昔は打倒ヌマ(現ラグ)を誓いましたね」

キノガッサ 「今更どうでもいいわよ、そんなこと」
キノガッサ 「あたしは必ず再起する! それだけよ」

オオスバメ 「おお〜…」

グラエナ 「変な所で意地張りやがって…」

ヌケニン 「なんとかなりますよ〜」

グラエナ 「コイツはコイツで呑気だし…」

オオスバメ 「まぁ、楽しくやりましょうよ♪」

グラエナ 「こっちは陽気…」

そんなみんなを冷静に観察しているグラエナがいたとさ。

グラエナ 「まぁ、なんとかなるわな…」



おまけその33 「育て屋さん」 完



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