ポケットモンスター サファイア編




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第62話 『予選開幕、勝ち残るのは!?』






『3月1日:時刻12時00分 サイユウシティ本スタジアム』


実況 『さぁ、ついにホウエン地方ポケモンリーグ開催の時がやってきました』
実況 『現在このサイユウスタジアムには10万人の観衆と105名に上る参加者が集っています!』
実況 『そして、今予選の組み合わせが発表されようとしています!』


ミツル (…初めての舞台…初めての大会…気分は落ち着いている、あとはなるようになれか…)
ミツル (Luck…そしてPluck…見ていてください、シタッパさん!)

リュウト (ついにやってきたポケモンリーグか…これまで苦戦続きだった…だが、俺は勝ってきた)
リュウト (最後に勝つのは…俺だ)

シズク (私にとって2度目のポケモンリーグ…一度目はベスト8だった)
シズク (今度はどこまでいけるのかな…私はあの人に追いつけるのかな?)

イブ (この国の大会…オーレと違ってとても気持ちのいい風が吹く…)
イブ (初めてかもしれない…犠牲の無い戦いをするのは…この大会悔いは残さない!)

ヨー (俺はとても才能が無いトレーナーだった…でも努力すれば何だってできるんだ)
ヨー (俺みたいなトレーナーでも頑張れば優勝だってできる! 絶対に勝つんだ!)

アルタ (言葉の喋れない僕…キルリアやホワイトボードが無ければコミニケーションは決して取れない)
アルタ (オーレでの生活はまるで地獄だった…だから僕はこの小さな島国に来た)
アルタ (僕は…ここで新たな僕を見つけたい…キルリア、頑張ろうね?)

ケン (ワイは戦いたくて戦うんやない…ただ、見てみたい)
ケン (ワイは…ホンマにデンリュウと結束繋がっとんのか…これは絆をかけたワイのサバイバルや!)

イヴ (かつて…俺はカントーチャンピオンとしてあの表彰台の上に立った…だが、あそこには何も無い…ただあるのは絶望だけだった)
イヴ (だから俺は偽名を使い、ただの一トレーナーとしてスタートを切った)
イヴ (ポケモンもすべて一新した、俺は…イヴだ!)

アスカ (二人の四天王と関係を持つあたし…そりゃ誰だってあたしを四天王と比較する)
アスカ (はっきり言って嫌だった、だけど、今回はそんなの無視してあたしのバトルをする!)
アスカ (あたしはあたしなんだから! 同じ人間なんていないんだからあたしはあたしの色を見せるわよ!)

ペル (私にとって興味はユウキ以外にありえない…こんな大会くだらない…)
ペル (でも、あの人にとってはそれは意味がある…だから、私も感じてみたい)
ペル (かつて私はザンジークだった…いえ、今でもザンジーク…たとえユウキに殺されてもいい…愛されたい)

チカ (最初はシンオウリーグのシロナに圧倒されてレベルの低いというこのホウエン地方に着たけど…)
チカ (論より証拠とはよく言ったものだわ…実際にはシンオウリーグと負けず劣らずレベル高いじゃないのよ…)
チカ (はぁ…とんだ貧乏くじね…でも、出ると決まったからには、結果を出さないとね)

ユウキ (はじめはただ、ポケモンをもらっただけで、ポケモンリーグに参加する気も無かった)
ユウキ (だけど、いろんなトレーナーやジムリーダーたちと戦い、その気持ちを受け取った)
ユウキ (今、俺がここにいるのは俺が背負ってきたもののためだ…そして、ポケモンたちが望んでくれたから…それに応えるため)
ユウキ (俺は戦おう…それが望まれるなら!)

ユウキ 「さぁ、祭りの始まりだ!」

実況 『今、このサイユウスタジアムは不思議な物静かさに包まれいます…』
実況 『すでに、参加者たちには戦いの火花は切られていると言って過言ではない』
実況 『そして今、予選の組み合わせが発表されようとしています!』
実況 『メインスクリーンを見てください、今回の予選はA〜Zの26ブロックに分かれて行われます』
実況 『一ブロックにつき4〜5人のグループに別れ、そのブロック内で総当り戦を行います』
実況 『その中でポケモンバトルを行い、バトルに勝ち残り、なおかつ審査員の目に留まり認められた28名が本戦へと駒を進めます』
実況 『本戦への参加は君たちの実力しだいだ! 負けても実力あれば本戦へ出られるぞ!』
実況 『さぁ、生き残るのはどいつだ!? そして今、その組み合わせが発表されようとしています! まずはAブロック!』


『Aブロック』

ユウキ
リュウト
タケヤ
ノリコ


ユウキ 「!」
リュウト 「!」

ケン 「まじかよ…いきなりあの二人が予選であたるんかいな…」

ヨー (こういう場合どっちを応援するべきなのかしらね…)

リュウト (ユウキ…君か…ルネでは完敗だったな…どうやら思ったより早くリベンジできるらしいな…)

ユウキ (笑うも泣くも…か、まぁ、俺は俺らしくやりますかね…)

実況 『続いてBブロック!』


『Bブロック』

シズク
ナミ
コトネ
リフィーネ


シズク (Bブロック…よく知らない人だらけ…)

イブ (リフィーネ? まさか、あのバトル山の…?)

アルタ (…オーレ地方の実力者リフィーネ…かな?)
アルタ (でも、彼女は今消息不明…まさかホウエン地方に?)

実況 『そしてCブロック!』


『Cブロック』

タクマル
ジュウベイ
ソウマ
レン


ユウキ (レン…だと?)
ユウキ (まさか…あいつがこっちに…いや、あいつの性格ならありえるよな…シンオウからでも…来かねないし…)

チカ (あら? レン…まさかレン君? でも…いえあの子の性格ならこっちに来ても不思議じゃないけど…)

ヨー 「タクマル…珍しい名前だな…俺が知る限りではエンジュのガキンチョ位だけど…」
ヨー 「あいつならシロガネリーグに出ているだろうし…同名…かな?」

実況 「さぁ、次はDブロックだ!」


『Dブロック』

ホシアキ
ヨー
カイ
ゴロウ


ヨー 「おっと、俺はDか…なんか嫌な響きだな〜Dって…」

ケン (あいつ大丈夫かな? あいつガッツは認めるけど実力的には格下やしな…)
ケン(いや! あいつなら必ず上がってくる! それよか自分の心配せえへんと)

実況 『次はEブロック!』


『Eブロック』

セイジ
ナツキ
ケン
コゴロウ


ケン 「て、いきなりワイか…まぁええわ、やったろうやんけ!」

ミツル 「ナツキって女性かな? 男性かな?」

ヨー 「むさそうなブロックね…」

実況 『続いてFブロック!』


『Fブロック』

アンナ
レイ
レツ
アリス


ユウキ (Fブロックは知らない奴ばっかりだな)

ケン (レツってーの以外は間違いなく女やんな? 華あってええな〜)

実況 『Gブロックは!?』


『Gブロック』

アキラ
キジ
サクラ
ショウコ


実況 『お次はHブロック!』


『Hブロック』

ススム
イブ
ユリカ
トウジ

イブ (! Get set ready…)

アルタ (イブさんもついに…)

シズク 「頑張って…イブさん」


実況 『Iブロック!』


『Iブロック』

アキハ
シオ
シロウ
リュウジ


実況 『続いて10つ目のブロック、Jブロックは!?』


『Jブロック』

ゴウ
マサシ
ソウジ
トウガン


実況 『Kブロック!』


『Kブロック』

アルタ
トガシ
ナナコ
ネイ


アルタ (Kか…)

シズク (アルタさんも決まりましたか…)

イブ (彼の戦うところって見たこと無いけど…大丈夫かな?)

実況 『まだまだいくぞ! Lブロック!』


『Lブロック』

シンク
コテツ
ルミナ
ミツル


ミツル 「僕…か、よし!」

イヴ 「ミツル君か…まだ未知数だが恐らく問題あるまい」

ユウキ 「心配するだけ無用…やってくれるさ…ミツル君なら」

実況 『折り返し地点Mブロック!』


『Mブロック』

リュウ
コウヘイ
ミズキ
タロウ


実況 『次はNブロック!』


『Nブロック』

アスカ
コウ
ミソラ
ニーナ


アスカ 「あたしだ…よぉし、頑張るわよ!」

実況 『残りは49名! Oブロック!』


『Oブロック』

ヤス
レイジ
カガヤ
ザラ


実況 『さぁ、次はPブロックだ!』


『Pブロック』

ムサシ
チカ
トモエ
レンジ


チカ 「あら? 私はPブロックなのね…ふふ、まぁ予選は楽しませてもらおうかしら?」

ユウキ (ふ〜ん、あの娘はPブロックか、後出ていないのはペルとイヴさん位か)

イヴ 「……」

実況 「さぁ、残りは10組だ! じゃんじゃいくぞ!? Qブロックだ!」


『Qブロック』

サキ
チアキ
ドウ
サトル


実況 『Rブロック!』


『Rブロック』

ヤマト
アサキ
ツカサ
イサオ


実況 『Sブロックは!?』


『Sブロック』

サワタ
トウジ
ケイナ
ワカバ


実況 『お次はTブロックだ!』


『Tブロック』

カラクサ
イッポ
ラオウ
アミバ


実況 『さぁ、次はUブロック!』


『Uブロック』

サティアーラ
ジャギ
ペル
バキ


ペル 「……」

ユウキ (ついにペルの名前も出たか…)

リュウト (あの仮面のか…一体どれほどなのか…)

実況 「さぁ、残るはV,W,X、Y、Zの5ブロックだぞ! 次はVブロックの発表だ!」


ユウキ(ここまで大分人数が出た…残るはイヴさんだけ…)

俺は後は半分流しながら聞き、イヴさんの名前が出るのを待っていた。
そして、それはZブロックで出る…。


『Zブロック』

イヴ
カナ
ジョウスケ
ロハン


イヴ 「……」

リュウト 「これで…」

ユウキ 「全部だな…」

ついに、全105名の名前全てが電光掲示板に表示される。

スタッフ 「予選は1時30分から行います! A、F、K、P、Zの出場選手は第一小スタジアムへ時間までに移動してださい!」

ユウキ (さて…てことで行きますか)

俺は第一スタジアムへ向かうことにする。
ちなみにBGLQは第二小スタジアム。
第三がCHMRUWで第四はDINSX。
最後に第五小スタジアムがEJOTVだ。



『同日:時刻12:30分 第一小スタジアム』


ユウキ (…しっかし、メシはどうするかね…)

あと一時間で予選が開始される。
幸い会場の近くにはいくつか屋台があったからそこでメシを取るのも一興。
とりあえず昼飯だな。

リュウト 「ユウキ君、みんなで昼飯を食べないかという話があったんだが来るか?」

ユウキ 「みんなで? まぁ、いいですけど…」

ちょっと悩む、リュウトさんはなんせこの先予選で戦わないといけない相手だ。
果たしてここで一緒に食べるのはいかがなものか?

ユウキ 「ま、いいか」

結局一緒に食べることにする。
別に気にしなくてもいい気がしてきた。
別世界のハルカと違って俺ってばそこら辺アバウトだからなぁ〜。

リュウト 「では、行こうか」

ユウキ 「ええ、ん?」

俺はリュウトさんと一緒に行こうかとした時、ある人物が目に映る。
誘ってみるか?

ユウキ 「おーい、そこの彼女」

チカ 「あら? なにかしら?」

俺はチカを見つけて声をかける。
まぁ、これも何かの縁というやつだろう。

ユウキ 「メシがまだなら、これから一緒にどう?」

チカ 「あら? もしかしてナンパのつもりかしら? だったら…」

ユウキ 「心配しなくても、それだったらもっと可愛い子を誘う、で、どうする?」

チカ 「…いいわよ、ちょっとむかつくけど一緒に行ってあげるわよ…」

ユウキ 「ん」

リュウト 「……」

俺はチカを誘うことに成功する。
まぁ、同じ会場で戦うし、いいだろ。

チカ 「それで、どこで食べるの?」

ユウキ 「そうだな、どこなんです?」

リュウト 「広場で食べると言っていたが…」

ユウキ 「広場ね…」

広場というのはこの近くにある公園のことだろう。
かなり大きい公園で多くの参加者がくつろいでいるらしい。
まぁ、順当か。



…………。



ケン 「おお来たか! まっとったでー!」

ヨー 「来たみたいね」

イヴ 「……」

広場に行くと、真ん中の大きな木の下で大きなビニールシート2枚を敷いて待っている集団があった。
まずはおなじみ150センチパワーズの2人とイヴさん。

ペル 「…ユウキ」

ユウキ 「ペルも来てたのか」

そして、ペル、正直この娘が来ていたとは意外だ。

シズク 「リュウトさん、待っていました」

イブ 「どうも、お邪魔していますです」

アルタ 「……」

さらに、見たこと無い3人組、リュウトさんの知り合いらしい。

アスカ 「さ、これで食べられるのよね?」

さらに、知らない娘、誰なんだろうか。
そして、まだ知らない奴がひとりいた。

? 「ふぅ、お腹空いたかしら?」

ユウキ (金髪でおかっぱ頭?)

ペルと並んで奇妙なやつがいた。
それは120センチ以下と思われる超ちびっ子体型で恐らく年齢的にはぎりぎり10歳くらいか。
金髪のわりに何故かちび○る子のような頭が違和感をかもし出している。
何者だ?

ケン 「お、あんたチカっちゅう奴やったな、よう来た! 歓迎するで!」

チカ 「…どうも」

チカはやや苦手としているのか微妙な挨拶だった。

ケン 「さて、みんな食事の前に知らへんもん同士やしまずは自己紹介といきましょか! ワイはケン、ジョウト地方アサギシティ出身のポケモントレーナーや!」
ケン 「ちなみに年齢は15歳、相棒はデンリュウ!」

そう言ってケンはヨーに手を回す。

ヨー 「…ヨー、こいつと同じくジョウト出身でヒワダタウン出身のポケモントレーナー」
ヨー 「あんまりバトルの才能はないけど、人一倍努力しているつもりだ、ちなみに女だからお前ら勘違いするなよ!? 年齢は15!」

そして、その隣に座るイヴさんが自己紹介する。

イヴ 「イヴだ、出身はカントー地方ヤマブキシティ出身、年齢は21」
イヴ 「子供たちばかりのようだが、まぁよろしく頼む」

そして順にその隣もまた自己紹介を始めた。

アスカ 「あたしはアスカ、一応ジョウト地方のチョウジタウン出身なんだけど、兄貴がホウエン出身だから実際のところこっちの生活の方がわりと長いんだよね」
アスカ 「あ、年齢は15歳で悪タイプを主軸に戦うよ、みんなよろしくね!」

シズク 「シズクです、12歳でイヴさんと同じくカントー地方出身です、出身都市はトキワシティ」
シズク 「前年度はカントーリーグでベスト8まで上れました、今回はこのホウエンリーグに参加した次第です」
シズク 「みなさん、よろしくお願いします」

イブ 「えと、私はイブと言います、My name is EVE」
イブ 「そこのイブさんと名前が似ていますけど発音が違いますから間違えないでくださいね?」
イブ 「みなさんなじみ無いと思いますけどオーレ地方アゲトビレッジが私の出身地です」
イブ 「年齢は14歳でまだ日本に慣れていませんけどどうかよろしくお願いします」

アルタ 「……」

続いて、更にその隣にいた少年。
少年はまずボールを手に取った。

ボフゥン!

キルリア 「……」

ユウキ 「キルリア?」

アルタ 「……」
キルリア 「初めましてアルタです、僕は言葉が話せないのでこうやってキルリアに代弁してもらっています」
キルリア 「僕もイブさんと同じようにオーレ地方出身フェナスシティの出身です」
キルリア 「年齢はイブさんと同じ14歳で、趣味はオカリナを吹くこと」
キルリア 「まったく言葉を話せませんが、どうかみなさんよろしくお願いします」

ペル 「…ペル、よろしく」

? 「ちょっとちょっと! いくらなんでも短すぎるかしらー!?」
? 「もうちょっと喋ったらどうかしら〜!?」

ペル 「……」

となり女の子はペルのあまりに簡潔な自己紹介に不満を爆発させる。
しかし、当のペル無言で少女を睨む…ように見えた。

? 「う、わ、わかったかしら…私はサティアーラかしら!」
サティ 「愛称はサティ、とりあえず遠いどこかから来たと言っておこうかしら!」
サティ 「10歳だけど、このポケモントレーナー1の知能派サティを甘く見たら怪我するかしら!」

ユウキ 「サティね…まぁ突っ込みどころ満載だがとりあえず次は俺だな、俺はユウキ」
ユウキ 「ジョウト地方コガネシティ出身だが、今はミシロタウン在住だ」
ユウキ 「年齢は15歳、まぁ見た目はアレだがとりあえず適当によろしく頼むわ」

俺はそう言って次にリュウトさんに回す。

リュウト 「リュウトだ、ホウエン地方トウカシティ出身だ」
リュウト 「この面子ではまぁ年齢は高い方の18だ」
リュウト 「ここまで何とかこれた、このメンバー全員がライバルだがよろしく頼む」

そして最後は。

チカ 「ふふ、チカよ、このホウエン地方では珍しいでしょうけどシンオウ地方のカンナギタウン出身よ」
チカ 「あまり馴れ合う気はないけど、まぁ顔は覚えておいてくれれば十分よ」
チカ 「年齢は15歳」

これで全員終了か。

ケン 「さぁて、後は飯を食うだけ…」

ヨー 「ちょっと、誰か忘れてない?」

リュウト 「誰か?」

ユウキ 「まだ誰か来るのか?」

俺はそう思ったとき…。

ミツル 「あ、ここにいたんですかー!」

ユウキ 「…なるほど、ミツル君か…て、え?」

後ろからミツル君が現れる。
だが、更にその後ろには…。

女性 「おおー! ここで皆さんご飯を食べるんですかー!」

まず、160センチ大の黒人女性。
暑い陽気の性かパラソルを持っていた。

少年A 「なんで僕こんなところまできているんだろう…」

少年B 「おお、一杯いるなー!」

僕と呼称する少年。
スーツ姿で7:3の髪型が特徴的。
背は低く150以下位。
お坊ちゃん系に見えるが何故こんな場所に?

そしてさらにオイラと自分を呼称する少年。
短パン小僧といった風貌の少年だ。
スーツの少年より更に一回り小さい、130センチ大だな。

ユウキ 「つかぬ事聞くがミツル君…その方たちは?」

ミツル 「えと…この人たちは…」

女性 「OH! 私はリフィーネいいます! オーレ地方からきましたけどー、今ミナモ在住でーす!」

少年A 「僕はカラクサさ、一応この街は僕の地元だ」

少年B 「オイラはタクマル! 今日は食事のお誘いを受けたから来たんだ!」

ユウキ 「ほう、ミツル君も人を誘うまでに…」

ミツル 「いえ…僕が誘ったのはこのリフィーネさんだけだったんですけど…」

リフィーネ 「はぁい♪ 誘ってもらいましたー♪」
リフィーネ 「でも旅は道連れ世は情けいいますね! この二人も誘いましたー!」

カラクサ 「かなり強引だったけどね…」

タクマル 「オイラは賑やかな方が好きだけどね!」

どうやら、それぞれ理由は様々なようだ。
どちらにしても…。

アスカ 「でも、このメンバーでも大きめのブルーシート2枚でちょっと窮屈なのにそれにさらに4人足すとなると…」

ケン 「もう一枚いるな」

サティ 「じゃ、こういう時はもう一枚かしら?」

イブ 「でも、どこに用意があるの?」

ユウキ (なくはないけど…あれ一人用だからな…)

俺は一応一人用のを持ってはいる。
が、4人は絶対無理だし。

リフィーネ 「ノープログレム♪ ちゃんと用意ありまーす♪」

そう言って黒人女性リフィーネは背中のバッグからビニールシートを取り出す。

リフィーネ 「外で食べるのはおいしいでーす♪ だからちゃんと用意していまーす♪」
リフィーネ 「備えあれば憂いなしでーす!」

リフィーネさんはブルーシートを連結させると自分のブルーシートの上に腰を下ろしてパラソルを閉じる。
ミツル君たちもそれにならって座った。

ケン 「それじゃ改めて!」

全員 「いただきます!」

こうして俺たちは予選に備えた昼食を食べ始める。
戦う相手と交流を深めるのもポケモンの醍醐味かね?



ユウキ 「ふ〜ん、シズクちゃんは結構早くに到着していたんだな」

シズク 「……はい」

イブ 「ユウキさんもすごいですよ! 半年でここまで到達するなんて!」

ユウキ 「俺はシズクちゃんの余裕の方がすごいと思うけどな…」


リフィーネ 「OH! この卵焼きおいしいで〜す♪」

アスカ 「あ、それアルタ君が作ったんですよ」

アルタ 「……」

サティ 「卵焼き〜、幸せかしら〜♪」

アスカ 「サティちゃん卵焼き好きなの?」

サティ 「もちろんかしら! これさえあればご飯十杯は楽勝かしら!」

アスカ (僕には絶対に無理だな…)

リフィーネ 「でしたら、今度は私が甘ーい卵焼きを作ってきまーす♪」



イヴ 「どうだ、リュウト君、予選は抜けそうか?」

リュウト 「そんなものわかりませんよ、勝てなければ話になりませんがね…」

ミツル 「大丈夫ですよ、きっとなんとかなりますよ」

リュウト 「…一筋縄では…いかないだろうがな」



ペル 「……」

チカ 「……」

タクマル 「うわ…すっごい沈黙…」

カラクサ 「静かなほうがいい時だってあるさ」

ケン 「でも、ワイも賑やかな方が好きなんやけどな…」

ヨー 「たまには静かな時も必要なのよ」



…こうして試合を待つばかりの参加者たちは一時の休息をすごす。
そしてやってくる戦いの火蓋。
それをみな今か今かと待つのだった。



…………。



『同日:時刻13:30 第一小スタジアム』


実況 『さぁ、ついにこの第一小スタジアムで予選第1戦は始まろうとしています!』
実況 『Aブロック第一戦はユウキ選手VSノリコ選手の戦いだ!』
実況 『この次はリュウト選手VSタケヤ選手となっているがまずはこのバトルに注目してくれ!』

ワァァァァァッ!

ユウキ (予選でさえ、席は満席か…)

俺は左側トレーナーフィールドから空を見上げた。
フィールドは小スタジアムといいながらもかなり大きく、同時に5試合行うことができる。
席はおおよそ2万、それが満席になっていた。
どうやらよほど観衆はこのポケモンリーグを待ち望んでいたのだろう。
そして、どれだけポケモンリーグが活性化しているかがよくわかる。

審判 「ルールを説明します!」
審判 「使用ポケモンは2体のダブルバトル」
審判 「道具の使用は無しとし、図鑑の参照は閲覧のみとする!」
審判 「両者、不正のないよう正々堂々と戦うように! それでは両者ポケモンを!」

ユウキ 「いけ! コータス、グラエナ!」

コータス 「コー!」

グラエナ 「グルル…ワォォォン!!」

ノリコ 「頼むわよ! ハリテヤマ、ブーピッグ!」

ハリテヤマ 「ハーリッ!」

ブーピッグ 「ブーブー!」

俺が出したのはコータスとグラエナ。
コータスはまぁおなじみだし説明はいらないだろう。
で、とうのグラエナ、俺が初めて自分の力で捕まえたポケモンでパパとのジム戦までは常に前線で戦っていた相棒だ。
そろそろ、控えにいたポケモンたちも実戦訓練が必要かと思い、グラエナを臨時で呼んだのだ。

ユウキ (で、図鑑は閲覧のみOKだったな)

俺はそれならと遠慮なく見ることにした。

ポケモン図鑑 『ハリテヤマ:突っ張りポケモン マクノシタの進化系』
ポケモン図鑑 『高さ:2.3m 重さ:253.8Kg タイプ:格闘』
ポケモン図鑑 『太った体は筋肉の塊』
ポケモン図鑑 『ぐぐっと全身に力を込めると筋肉は岩と同じ硬さになるぞ』

ポケモン図鑑 『ブーピッグ:操りポケモン バネブーの進化系』
ポケモン図鑑 『高さ:0.9m 重さ:71.5Kg タイプ:エスパー』
ポケモン図鑑 『黒真珠を利用して不思議な力を使う時奇妙なステップで踊りだす』
ポケモン図鑑 『黒真珠は美術品の価値を持つ』

ユウキ (力士と豚…)

つまりどっちも太っている。
だが、そんなことはどうでもよくむしろまずいのは…。

ユウキ (どっちも『厚い脂肪』の可能性ありか…)

厚い脂肪というのはポケモンの特性だ。
炎と氷によるダメージを半減する。
コータスピーンチ。
加えてグラエナは格闘タイプに弱い。
まいったな…こりゃ。

ユウキ 「やるだけやりますか! グラエナ、ブービッグに『かみくだく』攻撃!」

ノリコ 「させない! ハリテヤマ! グラエナに『つっぱり』!」

グラエナ 「ガウウウッ!」

ハリテヤマ 「ハリ!」

グラエナは一直線にブーピッグに向かう。
そしてハリテヤマはそれを阻止すべく、グラエナに立ちはだかる。
さて、ここからがダブルバトルだ!

ユウキ 「コータス! 『えんまく』!」

コータス 「コー!!」

コータスは後方から『えんまく』を相手に放出する。
これで相手側のフィールドは煙幕に覆われて何も見えない。

ノリコ 「しまった!? く! ブーピッグ、『サイコキネシス』で『えんまく』を払って!」

ブーピッグ 「ブーピッ!」

ブーピッグはサーナイトでおなじみの『サイコキネシス』で『えんまく』を取り除こうとする。
しかし、それを行った時点ですでに積んでいる。
まぁ、予測不能の事態を除いたら…だが。

ユウキ 「コータス! 『のしかかり』!」

コータス 「コー!!」

ノリコ 「えっ!?」

コータスは一気にブーピッグに近づき、飛び上がってブーピッグに飛び掛った。

グラエナ 「がううう!」

そして、同時にハリテヤマの迎撃を潜り抜けたグラエナがブーピッグの背後に回り噛み付いた。

コータス 「コー!!!」

ブーピッグ 「ブヒーッ!?」

ズシーン!!

見事な連続攻撃…になったな。
ちょっと偶然入っているけど…。

審判 「ブーピッグ、戦闘不能!」

ノリコ 「く…戻ってブーピッグ」

ユウキ (おっし)

これで2対1だ。
相性はいいとはいえないが大分楽になるな。

ノリコ 「くっ! ハリテヤマ、『じしん』よ!」

ユウキ 「げっ!? コータスは『まもる』!」
ユウキ 「グラエナは…!」

ハリテヤマ 「ハーリテ!!」

ズドォン!!

ハリテヤマの『じしん』がフィールドを揺るがす。
相手は一気にこちらの殲滅にかかってきた。
コータスは無事だったが、グラエナが…。

ノリコ 「効いている! よし、もう一度よ! ハリテヤマ!」

ハリテヤマ 「ハーリ!」

ユウキ (やべぇ!? どうする俺!?)

コータスの技でハリテヤマを止められるとは思えないし、第一地面技は弱点だ。
グラエナはもう一撃食らうと確実にダウンしそうだ。
どうする!? どうするよ俺!?

ハリテヤマ 「ハー…」

ハリテヤマは四股を踏もうとする。
その動作が『じしん』を起こす。
やばい!!

グラエナ 「!! ガウウウッ!!」

ハリテヤマ 「ハリッ!?」

グラエナはハリテヤマが四股を踏むため片足を上げたところ軸足に体当たりした。

ユウキ (そうか! それならグラエナでも『じしん』を止められる!)

グラエナの行動は見事に的中し、ハリテヤマはバランスを崩して倒れた。

ユウキ (だけど、すでに攻撃モーションに入っていたのにグラエナの行動早すぎなかったか?)
ユウキ (『でんこうせっか』系の技は使えなかったはずなんだが?)

ノリコ 「ハリテヤマ! グラエナに『つっぱり』!」

ハリテヤマ 「ハリ!」

ハリテヤマは立ち上がり、グラエナに攻撃を仕掛けようとする…しかし。

グラエナ 「がう!」

グラエナの行動は早く、相手より先の攻撃を当てた。

ハリテヤマ 「は、ハリ!」

しかし、ハリテヤマにほとんどダメージはない。
どうやら効果は今ひとつのようだな。

ユウキ (ん? 今ひとつ? てするとあれは悪タイプの技?)

俺はふと思い出す。
そういえば、シンオウ地方のグラエナはある技を覚えるそうだ。
その名は『ふいうち』。


ふいうちは不意打ち。
相手が攻撃技を使用した時、必ずこちらの攻撃が成功する技だ。
つまり、ハリテヤマは攻撃しようとしていた、だからそれをふいうちで潰したのか。

ユウキ (まさか、グラエナがそんな技を使うなんてな! だが、これなら!)
ユウキ 「コータス! 『オーバーヒート』!」

コータス 「コーッ!!」

コータスは遠距離から『オーバーヒート』の炎でハリテヤマを攻撃する。
しかし、ハリテヤマはやはり『厚い脂肪』の特性のようで、オーバーヒートを耐え切った。

ハリテヤマ 「ハ、ハーリ!!」

ノリコ 「ダメージがある、これで決めないと! ハリテヤマ、 『じしん』!」

ユウキ 「させんなグラエナ! 『ダメおし』!」

グラエナ 「ガウウウッ!」

グラエナは最後の一撃をハリテヤマに浴びせる。
ただ、全力で相手に体当たりしただけだが、『ダメージのある』ハリテヤマは耐えられなかった。

ハリテヤマ 「ハ、ハリ〜…」

審判 「ハリテヤマ、戦闘不能!」
審判 「よって勝者ユウキ選手!」

ユウキ 「おっし!」

ちなみにさっきの最後の技、『ダメおし』。
ダメおしは駄目押し。
相手がある程度ダメージを受けていると威力が倍化する悪タイプの技だ。
まさに弱った相手への駄目押しというわけだな。

ノリコ 「ふぅ…参りました、強いんですね」

ユウキ 「いや、運が良かっただけだと思いますよ」

俺はバトルが終わると中央で握手を交わす。
まずは一勝!




リュウト 「ユウキ君が勝ったか…俺も続かないとな」



………。



ユウキ 「おっし、勝利っと」

俺は試合が終わると一旦観客席に戻った。
後はリュウトさんの試合でも見ますかね。

イヴ 「ユウキ君か」

ユウキ 「あれ? イヴさん?」

なんと観客席にはイヴさんもいた。

イヴ 「今、Fブロックでなかなか面白いバトルをやっているぞ」

ユウキ 「Fブロックで?」

イヴ 「ああ」

俺はそれを聞いてFブロックの試合の行われるバトルフィールドを見た。
すると…。

アリス 「ライチュウ! 『10まんボルト』!!」

Fブロックでは現在アリス選手とアンナ選手が戦っている。
アリス選手はすでにポケモンを一体失っており、ライチュウで戦っていた。
対するアンナ選手は?

アンナ 「アンノーン、『めざめるパワー』」

アンノーンE 「アンノーン」
アンノーンZ 「アンノーン」

ユウキ (アンノーン2体!?)

アンノーンはくるくる回りながら、周りに白い球体を無数に作り出し、それを周囲にばら撒いた。

ライチュウ 「ライーーッ!!!?」

ライチュウはアンノーンの『めざめるパワー』を食らってたまらずダウンする。

審判 「ライチュウ戦闘不能! よって勝者アンナ選手!」

アンナ 「……」

ユウキ 「同じポケモン…しかもアンノーンを使うのか…」

なかなか衝撃的だった。
アンノーンとは『めざめるパワー』という技しか使用できないポケモン。
あまり種族的に強くもなく、普通こういった舞台ではまず見かけないポケモンだ。

イヴ 「資料によると、アンナ10歳、ポケトピア在住」
イヴ 「所持ポケモンアンノーン、以上」

ユウキ 「アンノーンだけ!?」

イヴ 「ああ、アンノーンしか使わないらしい」

ユウキ (…なんていうか…世の中は広いな…)

アンノーンしか使わず、涼しい顔で相手を倒すアンナ…。
恐ろしい相手だな…。

ユウキ (見た目はポケトピアでは標準的なガールスカウトの格好だが…)

帽子に半袖スパッツ…元気すぎだぜ…。
かなり大人しそうな少女に見えたんだが…な。

ユウキ (今回のポケモンリーグ…いろいろと厄介そうだな…おい)




ポケットモンスター第62話 『予選開幕、勝ち残るのは!?』 完






今回のレポート


移動


サイユウシティ


3月1日(ポケモンリーグ予選日一日目)


現在パーティ


ラグラージ

サーナイト

チルタリス

ユレイドル

ボスゴドラ

コータス


見つけたポケモン 65匹

ハリテヤマ

ブーピッグ




おまけ



その62 「今回はお休みです」





あ、さてさて今回のおまけは…といいたいところですが。
今回は行数が半端じゃなくなってきたのでおまけ62はお休みとさせていただきます。

ユウキ 「んなこと言っていたらこれからずっと行数に困るんじゃないのか?」

リュウト 「…やれやれ」

イヴ 「……」

シズク 「だめだめです…」

『お前ら…言いたい放題だな』

アスカ 「おもいきってどかんと2000行位使ってみたら?」

アルタ (でも、サファイアの目安行数って800だし…)

サティ 「やはり、このポケモンサファイア一の知能派サティが活躍するべきかしら?」

『でこっぱちは引っ込んでろ』

サティ 「それキャラ違うかしら!?」

ペル (薔薇スイ…)

イブ 「そういえば、チカさんだけ姿が見えないけど…」

ケン 「ああ、あいつはいつも作者(かみ)に追いかけまわされとうからな〜」

『…てか、なんかおまけっぽくなってきたんすけど?』

ユウキ 「はぁ…かったる…じゃ、強制終了」

『え…ちょ…!? まってれぼっ!?』






おまけその62 「今回はお休みです」 完



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