ポケットモンスター サファイア編




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第64話 『それぞれのバトルその2』






『3月1日 時刻13:50 第3小スタジアム』


実況 『さて、ここ第3小スタジアムにて注目の一戦が始まろうとしています…』
実況 『Uブロック予選第2回戦サティ選手VSペル選手』
実況 『なんと両者とも一回戦では対戦相手をあっという間に撃破、圧倒的な速度で勝利を収めました』
実況 『それでは入場してもらいましょう、まずはレッドサイドから入場する選手『サティアーラ』選手!』

サティ 「絶対に勝つかしらー!」

実況 『続いてペル選手!』

ペル 「……」

実況 『勢い良いよくバトル場に出てきたのはサティ選手、勢いあまって空回りしように』」

サティ 「余計なお世話かしらーって、あらーっ!?」

ドッシャアアア!

実況 『おーと! 勢いあまってすっころんだぞー! 大丈夫かー!?』

サティ 「痛いかしら〜、でもこのポケモントレーナー1の頭脳派サティはこれくらいじゃくじけないかしらー!?」

ペル 「……」

実況 『さて、対照的なペル選手、落ち着いた物腰でトレーナーサイドに立ったぞ!』

審判 「これよりUブロック予選2回戦をはじめます!」
審判 「使用ポケモンは2体、ダブルバトルで行います!」
審判 「図鑑の使用は閲覧のみ、道具の使用は無しとします!」
審判 「それでは両者不正のないよう正々堂々とバトルを!」
審判 「両者ポケモンをバトルフィールドへ!」

サティ 「行くかしら! ドードリオ! キマワリ!」

ドードリオ 「ドードーリオ!」

キマワリ 「キマ〜♪」

ペル 「ぺラップ、ドダイトス」

ぺラップ 「はぁい♪ お・ま・た・せ〜♪」

ドダイトス 「ダイ!」

実況 『さぁ! ついに両者のポケモンが出揃いました!』
実況 『サティ選手のポケモンはドードリオ、キワマリ! ペル選手のポケモンはぺラップ、ドダイトス!』
実況 『ペル選手のぺラップ第一回戦ではお騒がせしたポケモンだ! ここで始まる前にプレイバックです!』
実況 『第一回戦、ペル選手VSジャギ選手の試合をどうぞ!』



『ここからは前回のバトルです↓』


実況 『さぁ、始まりましたUブロック予選、ペル選手VSジャギ選手の試合だー!』
実況 『ペル選手、出したポケモンはぺラップ、ドラピオン』
実況 『ジャギ選手は、ジュカイン、サイドン』
実況 『両者、どう攻めいるのか!? バトルスタートです!』

ジャギ 「サイドン! 『ロックブラスト』!」

サイドン 「サイ!」

実況 『先制を取ったのはジャギ選手! サイドン、攻撃の姿勢に…!』

ペル 「ペラップ、『おしゃべり』」

ペラップ 「!”##$$$%%%&&’’(())==〜〜||」(自主規制)

サイドン 「!?」
ジュカイン 「!?」

ジャギ 「!?」

実況 『な、なんだーっ!? ペラップ物凄い音量で何か喋っています!』
実況 『おーと! こ、これは…!?』

サイドン 「サイ〜??」

ジュカイン 「ジュカ〜??」

ジャギ 「???????」

実況 『なんとー!? トレーナーも含め、ジャギ選手のポケモン混乱しているぞー!?』
実況 『いや! よく見るとこの第3小スタジアムで戦っているポケモン全員混乱状態だー!』
実況 『なんという破壊力! これはまさに音と言う名の凶器か!?』

ペル 「ドラピオン、『じしん』」

ドラピオン 「ドラー!!」

ズドォン!!

サイドン 「サイーッ!!?」
ジュカイン 「ジュッカー!!?」

実況 『なんと、ドラピオン強烈な『じしん』! サイドン、ジュカイン耐えられずたまらずダウンです!』
実況 『この時点でペル選手の勝利! なんと所要時間15秒!』
実況 『圧倒的な強さです!』

ジャギ 「ば、馬鹿な…」

実況 『ジャギ選手もあまりのことに呆然だーっ! おおっと! ポケモンリーグ運営委員会からなにか報告があるようです!』
実況 『読みます、えーと、ペラップの『おしゃべり』についてですが効力の範囲の問題から使用禁止の報告がでました!』
実況 『さすがに自分の試合はともかく他の人の試合まで影響を与える技では仕方がないのかもしれません! ともかくペル選手完勝です!』



…………。



実況 『これが第一試合の模様です、続いてサティアーラ選手の試合のプレイバックを!』



…………。



実況 『さぁ、さっきの圧倒的なバトルが目から離れない中、Uブロック続いてサティ選手VSバキ選手の一戦が始まろうとしています』
実況 『果たしてこのブロック、ペル選手に対抗できるだけの選手はいるのか!? ある意味注目の一戦です!』

サティ 「行くかしら! プクリン! メガヤンマ!」

プクリン 「プック〜♪」
メガヤンマ 「ヤンヤン!」

バキ 「頼むぞ! マッスグマ、マルマイン!」

マッスグマ 「グマ!」
マルマイン 「マル!」

実況 『両者、一斉にポケモンを出した! バトルスタートだぁ!!』

バキ 「マルマイン! メガヤンマに『10まんボルト』!」

サティ 「受けて立つかしら! メガヤンマ、『むしのさざめき』!」

マルマイン 「マルマッ!」

メガヤンマ 「メガガガーッ!」

バチィン!

実況 『メガヤンマ、マルマインの『10まんボルト』が直撃! 効果は抜群だ!』
実況 『対してマルマイン、『防音』の特性でダメージを受けない!』

サティ 「むっ!? だったらこうかしら! プクリン、マルマインに『れいとうビーム』!」

プクリン 「プクプクー!」

バキ 「マッスグマ、こっちも『れいとうビーム』で相殺だ!」

サティ 「それ待っていたかしら! メガヤンマ、『シグナルビーム』かしら!」

メガヤンマ 「メガー!」

実況 『なんとー!? 速い! メガヤンマ『加速』の特性ですでに次の攻撃に入っている!』
実況 『『シグナルビーム』はマッスグマに直撃! そのまま後ろにいたマルマインにぶつかったーっ!!』

サティ 「これで終わりかしら! プクリン『すてみタックル』かしら!」

プクリン 「プックリーン!!」

ドカァ!!

マッスグマ 「グマーッ!?」
マルマイン 「マーイーンッ!?」

ズシィン!!

実況 『プクリン! まとめてぶつかったー! 強烈な一撃にたまらずダウンです!』

バキ 「く…もどれ、マッスグマ、マルマイン」

サティ 「ポケモントレーナー1の頭脳派サティには予選くらい楽勝かしら〜♪」



…………。



実況 『以上、両者のプレイバックでした』
実況 『両者実力は十分、どれほどのバトルを見せてくれるのか注目を集めています!』
実況 『さぁ、先に動くのはどっちだー!?』

サティ (なんか、すっかり目の前のバトルを忘れていたかしら…)

ペル 「……」

サティ 「…まぁ、とりあえず行くかしら!」
サティ 「ドードリオ、ドダイトスに『ドリルくちばし』かしら!」

すっかり、忘れていたけど一応バトル中だったかしら!
とりあえずまずはあのゲタハキから叩かせてもらうかしら!

ペル 「ペラップ、『ハイパーボイス』」

ペラップ 「めんどい〜、ドダにやらせなよ〜」

実況 『おーっと! ペラップいきなり命令無視だ! どうするペル選手!?』

ペル 「…ドダイトス、『まもる』」

ドダイトス 「ドダッ!」

ピキィン!

実況 『ドダイトス、すんでのタイミングで『まもる』に成功! ドードリオの攻撃を防いだぞ!』

サティ 「む! なかなか反応早いかしら!?」

サティのドードリオの一撃は見事に止められてしまったかしら。
けれど、これはまだ始まりのゴングかしら!?

サティ 「攻めてもだめならこうかしら!? キマワリ、『くさぶえ』かしら!」

キマワリ 「キマ〜マ〜マ〜♪」

ペラップ 「おっ、結構いい声ね、でもでもそれじゃまだまだね」
ペラップ 「Y=2X+4ーっ!!!」

ズドォン!!

サティ 「意味不明かしらー!?」

ドードリオ 「ドー!?」
キマワリ 「キママー!?」

実況 『これは『ハイパーボイス』かーっ!? 物凄い威力だー!!』

突然ペラップが意味不明なことを言ったかと思うと衝撃波が襲ったかしら…。
かなり強烈でキマワリの『くさぶえ』がかき消されたかしら…。

サティ (うう…頭がガンガンするかしら〜…やっぱりあのペラップは要注意かしら〜…)

ペルペルって怖いかしら〜…。
で、でも、負けられないかしらー!

ペル 「ドダイトス、『かみくだく』」

ドダイトス 「ドダー!」

サティ (あう〜…ペルペルったら相手指定しないから厄介かしら〜…)

これじゃ、すぐに反撃の対応はできないかしら〜。
あ、手の内を読ませないためか〜なるほど〜。
て、感心している場合じゃないかしら〜!?

実況 『ドダイトス、ドードリオに一直線! そのまま大きな口でぇ…!』

サティ 「サンクス実況かしら! ドードリオ、『こらえる』!」

ドードリオ 「!! ドードー!!」

実況 『ドードリオ! なんとか持ちこたえた!』

サティ 「チャンス到来かしら! ドードリオ『じたばた』!」

実況 『サティ選手、反撃! どうするペル選手!?』

ペル 「…ペラップ、『ちょうおんぱ』」

ペラップ 「ペーラペラペラペラペラペラー!!」

ドードリオ 「ドーッ!? ド〜ド〜!?」

サティ 「ああ、しまったかしら!?」

なんと、ドードリオが混乱してしまったかしら!?

ペル 「ペラップ、『ハイパーボイス』で終わり」

ペラップ 「もう! せっかちなんだから…WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!!!」

ドードリオ 「ドーッ!?」
キマワリ 「キマワーッ!?」

実況 『決まったー! ペル選手の『ハイパーボイス』! サティ選手のポケモンもさすがにダウンかー!?』

サティ 「ドードリオ! キマワリ!」

ドードリオ 「ド〜…」
キマワリ 「キママ〜…」

審判 「ドードリオ、キマワリ戦闘不能!」

実況 『決まったー!! ペル選手、サティ選手も下し2勝目! 本戦出場は確実か!?』
実況 『しかし、まけたサティ選手も実力は十分! これからが楽しみだ!』

サティ 「うう…負けちゃったかしら〜…」
サティ 「ペルペルったら容赦なしかしら〜…」

ペル (ユウキ…今頃どうなっているかな…?)



…………。
………。
……。



『同日:時刻17:20 第1小スタジアム』


アンナ 「アンノーン、『めざめるパワー』」

アンノーンZ 「アンノー」
アンノーンP 「アンノー」

トドゼルガ 「ゼガー!?」

レイ 「トドゼルガ!?」

審判 「トドゼルガ、戦闘不能!」

実況 『決まったーっ!! アンナ選手全ての試合をアンノーンのみで勝利!』
実況 『使用した技は『めざめるパワー』だけだ! しかも一匹もやられず全勝! これは本戦出場確定でしょう!』

ユウキ 「そうか…あのアンノーン少女、全勝か、圧倒的強さだな…」

どうやら、この第1会場でのバトルはAブロックの試合だけとなったようだ。

審判 「これより、Aブロック予選、最終試合を行います!」
審判 「ユウキ選手、リュウト選手フィールドへ!」

ユウキ 「やれやれ…かったるいな」

リュウト 「……」

俺は面倒ながらもトレーナーサイドに入った。
そして、反対側のトレーナーサイドに立っているリュウトさんを見定める。

ユウキ (これまで俺もリュウトさんも2勝、これに勝てばおおよそ本戦出場は確実)

だけど、負ければ1敗という痛い箔がつく。
負ける気はないし、負ける気もしない。
それはリュウトさんも同じか。
ただ、冷静になれている俺に対してリュウトさんは少し気合が入りすぎているようにも見える。

リュウト 「……」

大きな闘志を必死に隠して俺を睨みつける。
ルネシティで俺に負けているからな…しかも、向こうにとっては少し屈辱的な形で。
今回はそのリベンジと言うことになる。

ユウキ (だけど、やっぱり負ける気がしない)

リュウトさんには悪いが、まだリュウトさんは俺に勝てるほど成長はしていないと思う。

リュウト (やはり…気の昂ぶりは抑えられないな…)
リュウト (恐らく向こうも気づいているだろう…だが、それでいい)
リュウト (レベル差を補い…一枚上手の相手に勝つにはこのテンションを維持する!)

ユウキ (飲み込まれるなよ…俺、飲まれたら終わりだ、相手がヒートするならクールになれ俺…)

審判 「両者、ポケ…!」

リュウト 「でろ! カイリュー、メタング!」
ユウキ 「ラグラージ、チルタリス!」

俺たちは審判が言葉を放つと同時にポケモンをバトルフィールドにだした。
審判の言葉なんて待っていられないというのはどうやら同じらしい。
だが、ここからが俺とリュウトさんの相違点始まりだ!

実況 『おおーっと!? なんとAブロック審判の宣言を無視して、ポケモンを繰り出した!』
実況 『この第一会場も残すところあのAブロックの試合を残すのみ!』
実況 『シメのバトルはデッドヒートかーっ!?』

リュウト (注目なんて関係ない…俺は勝つ!)

ユウキ 「かったる…」

今までは同時5試合がこの会場で行われていた。
そのなか、注目のカード、期待のダークホース、など様々な理由から視線はばらついていた。
だが、最後の試合だけは他に見る場所がない以上この試合に注目が集まる。
かったるいが、この状況でやらないといけないのな。



イヴ 「……」

チカ 「はぁい、お兄さん、調子はどう?」

イヴ 「…チカ選手か、全勝おめでとう」

チカ 「あら、ありがとうでも、あなただって全勝だしねぇ…」

イヴ 「全勝といえば…」

アンナ 「…どうも」

チカ 「! あら、あのアンノーン使い」

イヴ 「さっき、終わらせたばかりだろうに…」

アルタ 「……」

アンナ 「別に、私のアンノーンたちはダメージは受けていないし…」

イヴ 「そう言う問題でもないだろう…しかし、この会場で全勝した4人が揃うとはな」

これまで全勝したFブロックのアンナ。
Kブロックのアルタ、Pブロックのチカ。
そして、俺Zブロックの俺だ。

イヴ 「…そして、ここで互い全勝をかけてぶつかる2人か」

俺はそう言ってAブロックの試合場に目を移す。
面倒そうな顔をするユウキ君に今すぐ戦いたいといった感じのリュウト君。

チカ 「ねぇ、お兄さん、あなたどっちが勝つと思う?」

イヴ 「Aブロックか…ユウキ君は今だなおその爪を隠している」
イヴ 「対して、リュウト君はその全ての引き出しをさらけ出してしまった」
イヴ 「単純に考えればユウキ君が有利だが、トレーナーとしての歴はリュウト君の方が長い」
イヴ 「だが、それでもリュウト君がユウキ君に勝つにはこの戦いの中でレベルアップして追いつくより他ないだろう」

チカ 「ふぅん…で、予想は?」

イヴ 「3:1でユウキ君だ」

チカ 「じゃ、わたしはリュウトね、お二人は?」

チカはそう言って他の二人を見た。

アンナ 「…よく知らないけど、知識のあるほうが有利だし、ユウキさん…かな?」

アルタ 「……」(僕もユウキさんだと思います)

チカ 「…3:1の賭け、面白くないわね」

? 「プテラ、降りて!」

イヴ 「!?」

プテラ 「プテー!」

突然、真上に大きな影が現れると、その上から3人の影が降りてくる。

シズク 「…ありがとう、戻ってプテラ」

プテラ 「プテー!」

降りてきたのはなんと第2会場で予選を行っていたはずのシズクちゃん、リフィーネさん、ミツル君だった。

イヴ 「もう、終わったのか?」

シズク 「おもったより早く終わったので…」

リフィーネ 「ミツル君がちょっと時間かかっちゃったから間に合うか心配でしたが間に合いましたー!」

ミツル 「よかった、まだユウキさん試合終わってない」

チカ 「…ちなみなあなたたち、戦績は?」

シズク 「それは…」

リフィーネ 「シズクちゃんは全勝、私は2勝で〜す、で、ミツル君はなんとか全勝です!」

チカ 「あら、あなただけ1敗? お気の毒ね」

リフィーネ 「仕方ないで〜す…光あれば影もあるもので〜す」

チカ 「さて、それじゃ注目の一戦をみましょうか?」

アルタ 「……」(コクリ)

シズク 「…あの、イヴさん、少しよろしいですか?」

イヴ 「? どうした?」

シズク 「…少し、お話があります」
シズク 「場所を離れますが、よろしいですか?」

イヴ 「ああ…構わない」

俺はそう言うと、シズクちゃんは会場の外へと歩き出した。
俺はその後ろを追うのだった。



リュウト 「まずは先制は俺がもらう! カイリュー、チルタリスに『りゅうのいぶき』!」

カイリュー 「リュー!」

チルタリス 「さってどうするっす?」

ユウキ 「回避しろ、なんならラグの後ろに隠れてもいい」

ラグラージ 「ラグッ!?」

チルタリス 「了解っす!」

俺がそう言うとチルタリスは本当にラグラージの後ろに隠れた。
当然、カイリューは首を回してラグラージの方に『りゅうのいぶき』を放つ。

ラグラージ 「ラグッ! ラージ!」

実況 『ラグラージ! すんでで『まもる』を使用! さぁ両者どうする!?』

ユウキ 「チルタリス、『れいとうビーム』!」

チルタリス 「チェストー!」

チルタリスはラグの後ろから『れいとうビーム』を放つ。
いちいち標的は命令しない。
てか、言わなくても狙う相手くらいわかるだろ…。

リュウト 「メタング、『れいとうビーム』を受け止めろ!」

メタング 「メッター!」

ユウキ 「まず、一匹ラグラージ『じしん』!」

ラグラージ 「ラグ! ラージ!!」

リュウト 「! しまった!?」

ズドォン!

メタング 「メタ!?」

カイリュー 「リュ、リュー!?」

ユウキ 「!? おいおい…」

実況 『おおーっと! カイリュー、メタングを持ち上げて空に投げた! しかし地に足を着いたカイリュー『じしん』のダメージを受ける!』

ユウキ (中々、根性見せてくれるよ、詰め将棋しようとしたら盤ごとひっくり返された気分だな)

リュウト (今だ! タイミングは少し早いがこれを逃がしたらもう勝つ機はない!)
リュウト 「カイリュー、チルタリスに『ドラゴンダイブ』!」

カイリュー 「リュー!」

チルタリス 「!? やばっ!?」

ユウキ 「ちぃ! 受け止められるかチルタリス!?」

チルタリス 「やるだけやるっきゃねーっす!!」

ラグラージ 「ラーグ!」

実況 『おーっと! ラグラージ、カットに入ったー!』

リュウト 「そう、くると思ったさ! メタング、ラグラージに『サイコキネシス』!」

ラグラージ 「ラグッ!?」

実況 『おーっと、ラグラージのカットをメタングが阻止ー! 戦術面でリュウト選手がひとつ上をいったぞー!』

ユウキ 「ち、そうきたか…!」



…………。



ワァァァァァァッ!

イヴ 「…歓声か、予選なんてそう時間のかかるものでもないし、案外終わったのかもな…」

シズク 「……」

俺はシズクちゃんに連れられて会場の外にいた。
シズクちゃんは俺に何を話そうとしているのか?

シズク 「…まさか、あなたがホウエンリーグに参加しているとは思いませんでしたよ…元チャンピオン…いえ」

イヴ 「ストップ…ふ、やっぱりシズクちゃんには隠せんか」

シズク 「……」

イヴ 「去年のカントーリーグ以来か」

俺は眼帯を久しぶりに外して、シズクちゃんを見る。

シズク 「よく、眼帯をつけただけで今まで正体を隠せましたね」

イヴ 「案外ばれないものだぞ、これでも一応一度はポケモンチャンピオンになった身だがな」

シズク 「…現在カントーリーグのチャンピオン席は空白、加えてあの『マサラ』の3人は参加していません」
シズク 「あなたの実力なら十分チャンピオンになれたと思いますが?」

イヴ 「多分、向こうでリーグに挑戦しなかったのは君と同じ理由だ」
イヴ 「『彼ら』がいなければ優勝できる、だがいなければ優勝しても意味はない、そうだろう?」

シズク 「…そうですね」

しかし…もう1年か。
当時カントーリーグに出場し、オーキド博士に見込まれ、選ばれたトレーナーの一人シズク。
トキワシティ出身の天才トレーナーであり、あのロケット団を壊滅に追い込んだ人物の一人とされている。

イヴ 「そういえば、『彼ら』はどうしているんだ? 君なら知っているんじゃないのか?」

シズク 「ナナシマ、という場所をご存知ですか?」

イヴ 「ああ、7つの島で構成されるカントーから南に下った島々だな」

シズク 「そこで、ナナシマで会いました」
シズク 「そこでロケット団の残党がおりました」

イヴ 「ロケット団!? しかし残党か…」

シズク 「…残党と言えど侮れません、何をしようとしているのかはわかりませんがロケット団は今潜伏期間にあるようです」
シズク 「まぁ、あなたやこちらの地方では関係はないでしょうけど」

イヴ 「そうだな…」

シズク 「…『彼』はナナシマでオーキド博士から別任務を受けています」
シズク 「デオキシスというポケモンと共にデオキシスの目的をさぐっているようですね」

イヴ 「デオキシス…? なんだそのポケモンは?」

シズク 「これです…」

ポケモン図鑑 『デオキシス:DNAポケモン』
ポケモン図鑑 『高さ:1.7m 重さ:60.8Kg タイプ:エスパー』
ポケモン図鑑 『宇宙から誕生したポケモン』
ポケモン図鑑 『知能が高く超能力を操る』
ポケモン図鑑 『胸の水晶体からレーザーを出す』

シズクはポケモン図鑑を取り出すとデオキシスのデータを見せてくれる。
なるほど…宇宙から来たポケモンということか。

イヴ 「相変わらず性能の高いポケモン図鑑だな、さすがオーキド博士のポケモントレーナー」

シズク 「話によると…こっちの地方でデオキシスが確認されたらしいです…」

イヴ 「! まさか…それを調べるために着たのか?」

シズク 「いえ、それはそれ、これはこれです」
シズク 「もしかしたらなにか知っているんじゃないかとおもったんですけど…」

イヴ 「悪いな」

シズク 「さて、今回の目的は一応あなたがあのチャンピオンか確認したかっただけです」
シズク 「そろそろ、戻りましょう…もしかしたらまだ戦っていますかもしれませんよ?」

イヴ 「そうだな…」

シズク 「あ、そうそう…以前の大会では直接対決はありませんでしたけど…私、負けませんから」

イヴ 「…気をつけよう、君は怖いからな」

俺は眼帯を付け直し、再び会場へと戻る。



…………。



ワアァァァァァッ!!

イヴ 「…状況は?」

ミツル 「えと…膠着状態です」

イヴ 「膠着状態?」

チカ 「あれをみればわかるんじゃない?」

チカはそう言ってバトルフィールドを指す。
俺はバトルフィールドに目線を移すと。

ラグラージ 「ラグ…ラグ…!」
チルタリス 「はぁ…はぁ…チ、チル…」

カイリュー 「リ、リュー…」
メタング 「メ、メタ!」

アンナ 「…状況を説明すると、ラグラージとチルタリスが攻めるも守るもうまくいかずに苦戦しています」

チカ 「だけど、カイリューは肝心のところで攻撃をカットされて、メタングはチルタリスの『りゅうのいぶき』で麻痺」

シズク 「なるほど…たしかに膠着状態みたいですね」

イヴ 「……」



…………。



ユウキ 「たく…どうっすかな…」

ダメージも結構溜まっている。
ちーっとばっかり今回は相性が悪いな。
ポケモンそのものの相性はそうでもないんだが、トレーナーの相性が悪いように感じる。

リュウト (ち…やはり基礎レベルが違うからか…攻めきれていない…)

ユウキ 「たく…世話かけてくれるよ、プロセスを6つも増やす羽目になってしまった」

チルタリス 「あ〜、早く休みたいっす〜…」

ユウキ (あの技、チルタリスにも出来るかもしれないが…一体どうなるか…)

俺は疲れてだれているチルタリスを見る。
リュウトさんのカイリューが使った技、『ドラゴンダイブ』。
チルタリス種は通常使うとは聞いたことはない。
だが、稀に卵から生まれるチルットが使うらしい。
はたして、使えるかどうかはいささか微妙だが…。

リュウト 「カイリュー! もう一度だ! 『ドラゴンダイブ』!」

カイリュー 「リュ、リュー!!」

実況 『カイリュー力を振り絞って、チルタリスに突撃! どうするユウキ選手!』

ユウキ 「一か八かだ! チルタリス『オウムがえし』!」

チルタリス 「やってやろうじゃないっすかー!!」

実況 『チルタリス、カイリュー同様突撃! バトルフィールド中央でぶつかる!』

ドカァァァッ!!

チルタリス 「いい加減リタイアーっす!」

カイリュー 「リュー!?」

実況 『両者激しくぶつかり合い、吹っ飛んだー! 立てるのかー!?』

審判 「カイリュー、チルタリス戦闘不能!」

ユウキ 「おっけ、上出来だチルタリス」

リュウト 「く…カイリュー、戻ってくれ」

俺たちはつかれきったドラゴンポケモンをボールに戻す。
あとは一対一、互いダメージがあり辛いところだが、相性上はこちらの方が有利。
有利…なのだが、どうしても有利になりきれない理由が中盤にあった。

実況 『鋼タイプを持つ、メタング、地面タイプを持つラグラージには不利だが、『でんじふゆう』によってそれを消された!』
実況 『一体どうするんだユウキ選手!』

ユウキ 「やるっきゃねぇよな…」

まれに鋼タイプの使う『でんじふゆう』、自分の弱点である地面タイプを消して、一時的に浮遊状態になる。

ユウキ 「いくっきゃない! ラグラージ『だくりゅう』!」

ラグラージ 「ラグッ! ラージ!」

リュウト 「メタング、『まもる』!」

メタング 「メタッ!」

メタングは『まもる』を使って攻撃を凌ぐ。
そこまでは折込済みだ! あとは伸るか反るか!

ユウキ 「ラグラージ! 『震貫』!」

ラグラージ 「ラグー!」

ラグラージは動きの止まっているメタングに接近する。
地面タイプの技が当たらないのは相手が地面に接していないからだ!
だが、体内に『じしん』をぶち込まれたら、そんなもの意味ないだろう!

リュウト (どうする!? どうすればいいんだ!? く…!?)

メタング 「メタ…メター!!」

ユウキ 「ヲイ…マジスカ」

なんと、メタングが光を放ち始める。
いや、時期的にはカイリューがいるんだしありえるとはおもったけどさ…。

メタグロス 「メッター!」

ポケモン図鑑 『メタグロス:ポケモン』
ポケモン図鑑 『高さ:1.6m 重さ:550.0Kg タイプ:鋼 エスパー』
ポケモン図鑑 『2匹のメタングが合体した姿』
ポケモン図鑑 『巨体で獲物を押さえつけながらお腹にある大きな口で食べるのだ』

リュウト 「! メタグロス、『バレットパンチ』!」

実況 『リュウト選手、ラグラージの出鼻をくじく先制技だ!』

ユウキ 「判断ミスで勝利チャーンス! ラグ! 上からメタグロスを押さえつけろ!」

ラグラージ 「ラージ!」

実況 『ラグラージ、『バレットパンチ』を凌ぎきり、メタグロスの真上に乗った! ここからでるのはぁ!!』

ユウキ 「ラグラージ、『じしん』!」

ラグラージ 「ラグー!」

ズドォン!!

メタグロス 「メッター!!?」

リュウト 「メタグロス!?」

ラグラージはメタグロスの真上から『じしん』を放つ。
メタグロスには効果抜群だ、これで終わりだ!

メタグロス 「メタ…グロ〜ス…」

リュウト 「…くっ!」

審判 「メタグロス戦闘不能! よって勝者ユウキ選手!」

ユウキ 「ふぅ…おっし」

審判の口から俺の勝利が告げられる。
俺はそれでようやく一息つくことができた。

実況 『決まりましたー! これでこの第1会場の全試合が終了、あとは結果発表を待つばかりです!』
実況 『本日はみなさんお集まりくださいましてありがとうございます! そして健闘を見せてくれたトレーナーたちありがとう!』

ユウキ 「ふぅ、戻れラグ」

ラグラージ 「ラグ…」

俺はラグをボールに戻し、一息つく。
すでに全試合も終わり、観客たちもぞくぞくと会場を後にしている。
太陽も既に沈みつつあり、夕刻へと時を刻んでいる。

リュウト 「ユウキ君…また、負けたよ…」

ユウキ 「…まぁ、俺も負けるわけにはいかないっすからね」

1敗するとそれだけで途端に本戦出場は危うくなるからな。

リュウト 「やはり負けるのは悔しい…」

ユウキ 「勝者は何も語らず…帰りますよ…」

リュウト 「……」

俺はそう言って会場を後にする。
あとは…伸るか反るか。
本戦に出場できるだけの戦いはしたはずだけどね…。




ポケットモンスター第64話 『それぞれのバトルその2』 完






今回のレポート


移動


サイユウシティ


3月1日(ポケモンリーグ予選日一日目)


現在パーティ


ラグラージ

サーナイト

チルタリス

ユレイドル

ボスゴドラ

コータス


見つけたポケモン 65匹

メタグロス




おまけ



その64 「ポケモン劇団 ユウキ一座第3幕」





サーナイト 「ピンポンパンパーン!」
サーナイト 「さて、今日もご来訪いただき誠にありがとうございました」
サーナイト 「ポケモン劇団、ユウキ一座の劇をお楽しみください」
サーナイト 「なお、今回は本編とは全く関係がありません」



それはそれはある、不思議な異世界での物語である。
そこには一人の聡明で美しい姫様がいました。
その姫様はある日悪い悪の王に連れ去られたのです。
そして、姫様を救うため立ち上がったのは熱き血潮を持った勇者達であった。

ラグラージ 「いい加減にしろ! 同じネタは3度までだぞ!?」

チルタリス 「なお、今回はCASTが少し違うっす!」

ユウキ 「そう…なぜなら今回の俺たちトレーナーが主人公だ…かったるいことにな」

そう、今回の主人公は我らが主人公、ユウキです。
そう、今回の物語はトレーナーたち。
普段とはちがう一風変わった姿にこうご期待!

ユウキ 「つってもなにすりゃいいのやら…」

とりあえず、ダレてみる。
一応、上記の説明によると俺は勇者らしい。
てか、なんでいちいち勇者王なんだろうな…。

シズク 「……」

ユウキ 「…あん? て、シズクちゃん?」

シズク 「チリチリチリチリ…」

ユウキ 「て、いきなり毒電波かよ!?」

シズク 「電波はね、雨の日は地下の方がよく通るの…」

ユウキ 「お〜い、こっちの世界に帰ってこ〜い…」

とりあえず、いきなりアッチの世界に入ってしまっているシズクちゃんを元に戻す。
さすがに12歳の少女に18禁PCゲームネタはまずいだろう…。

シズク 「…電波感じたんでもう行きます…」

ユウキ 「あ、そう…」

『シズクは逃げ出した』

ユウキ (…敵キャラ扱いかよ、てかなにこの微妙なネタは…)
ユウキ 「つーか、ぶっちゃけ俺は何をすればいいわけ?」
ユウキ 「これではまるで星を○る人並みに最初がぶっちゃけてるんだが…」

チルタリス (しょうがない、そろそろ『コマンド』をだしてやるっすか)

『コマンド』

ユウキ 「ん? コマンド?」

 移動
 調べる
 話す
 アイテム

ユウキ 「…話す相手はいないし、アイテムは無意味だな、とすると…移動が順当か」

→移動
 調べる
 話す
 アイテム

移動場所

 ポケモンセンター
 ショップ
 本戦会場
 ○ルタロス

ユウキ (ん? ○ルタロス? なんだそれは?)

それはどっかのRPGのダンジョンでしょうか?
とりあえず、行ってみるか…?



『○ルタロス』


『影○間』


ユウキ 「うわぁ…本当に○ルタロスに着ちゃったよ…しかも、影○間って…ペルソナ召還しろってか?」

ペル 「……」

ユウキ 「て!? うおっ!? なんでペルが!?」

ペル 「…ペルソナだから…」

ユウキ 「…このままシャドウ討伐しろってか?」

シャドウ 「…やるなら容赦せんぞ」

ユウキ 「本当に出たよシャドウ…P3できちゃいそうだよ…」

ペル 「敵一体ラストです」

ユウキ 「いちいちアナライズせんでいいから…とりあえず逃げる!」

ペル 「……」

シャドウ 「…くだらん」

『ユウキは逃げ出した』


ユウキ 「…てか、何この話具体的には俺は何をすればいいわけ?」

ペル 「シャドウの掃討…」

ユウキ 「それはもういい…てか、なんでペルここにいるの…」

ペル 「…ついてきたであります」

ユウキ 「某戦闘車両の口調はいいから…可愛いのは認めるけど…」

最近ここの管理人が始めちまったからどうやらサファイアにまで影響が及んでいるようだな…。
次はどんなネタが出るんだ?

リュウト 「…ユウキ君か」

ユウキ 「て、リュウトさん?」

なんと、リュウトさんが現れた。
どうする?

『コマンド』

 たたかう
 魔法
 逃げる
 アイテム

ユウキ 「え!? なに、このコマンド!? リュウトさん敵キャラなの!?」

リュウト 「うむ、とりあえず敵だ」

ユウキ 「…かったる、とりあえず魔法はむりだから…」

ペル 「…!」

バッキャアアアッ!!

リュウト 「ごふっ!?」

ユウキ 「て、何やってんだペルーっ!?」

なんと、いきなりペルがリュウトさんに殴りかかった。
いきなりすぎるぞ!?

ペル 「敵は倒れました、総攻撃チャンスです」

ユウキ 「まだ引きずっていたんかいP3ネタ!?」

てか、リュウトさん顔面から血を流して倒れているけど…。

ペル 「普段どおりです…」

ユウキ 「…すいませんリュウトさん」

まぁ、これも生まれの不幸ということで…。

ケン 「やるな! リュウトはんを倒すとは! しかしこのワイが…!」

ペル 「…先制攻撃」

次に現れたのはケンのようだ。
しかし、いきなりペルは先制攻撃をしかける。
南無三…。

ケン 「疾風○雷脚!」

ペル 「!?」

ドカドカドカドカドカー!!

ユウキ 「なにぃ!?」

なんと、ケンのやつスーパーアーツを使い始めた。
あの技は発生が早すぎるので○空波動拳の発生と同時に放ってカウンターを取れる究極技…。
たしかに…ケンなんだが…。

アンナ 「敵ケン、HP20 格闘技を使うわ、精神攻撃でに弱いみたい」

ユウキ 「て!? アンナ!?」

アンナ 「…怪しい所を見つけたら教えて、調べてみるわ」

ユウキ 「…て、お前はぺーパー○リオかよ…」

どうやら今度はアンナ違いのようだ。
エマといった方がわかりよいか?

ユウキ 「ぶっちゃけ…」

ペル 「?」
ケン 「?」
アンナ 「?」

ユウキ 「かったるいんじゃ!! 俺は降りる! こんな下らんことやってられるかー!!」

『ユウキはログアウトしました』

ケン 「…ネットゲームじゃないんだから…」







おまけその64 「ポケモン劇団 ユウキ一座第3幕」 完



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