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罪と罰

女の子 「じゃあねぇ、小暮く〜ん」

小暮 「うん、バイバイ」

と言って、女の子達に手を振り教室を出てきたのは、主人公であろう小暮という名の男。
彼はどっちかというとあまり男らしくはない男だ…。
つまり、いつもニコニコで、いつも女の子と間違えられる中背の、優しくおとなしい男の子だ。
それゆえ、彼の周りには自然に女の子が集まる…。

男A 「遅いぞ小暮…」

男B 「そうだ、一人だけもてやがって」

男C 「それは遅いとは関係ない…」

小暮 「ああ、ごめん…」

教室の外で彼を待っていたのは、小学校からの仲良しで、Aは徳峰、Bは永田、そして一番の仲良しであるCは桜井。

徳峰 「早く帰ろうぜぇ〜」

小暮 「そうだね」

こんな小暮の友達(ここにいる徳峰)は、見た目も中身も不良で、彼が小暮と一緒にいるだけで女の子達は小暮に寄り付かない…。
永田は見るからにお調子者で、なぜか頭がいい…。なのにこいつも徳峰とつるんで不良をしている…。
桜井はこの2人とは対照的で、友達も多いし勉強もできる。そしてあまり大きな声でしゃべることを嫌う男だ。たぶんそこら辺が小暮と一番合う所だろう。

小暮 「はぁー、やっぱりゆっくり歩いて帰るっていうのがいいなー、落ち着く」

徳峰 「ふっ、お前らしいな…」

桜井 「はは、俺はお前を見てると落ち着くよ」

小暮 「ほぇ?」

3人 「はっはっはっ!!」

こんな他愛もない話をしながら4人はいつも帰る。
この時だけは徳峰も永田も、自分が泣く子も黙る美馬西中学の番格であることを忘れるのであった…。
そして、学校から大分離れてから…。

小暮 「あっ、いっけない…」

永田 「ん?」

桜井 「どうした?小暮」

小暮 「スケッチブック忘れてきた…!」

徳峰 「なにぃ?宿題かぁ?」

小暮 「うん、うちのクラス明日までなんだよ。…取りに戻るよ」

徳峰 「…しゃあねえ、待っててやるから、早く行ってこい」

小暮 「うん、ごめんね!」

そう言うと、彼は走って元来た道を引き返した。

永田 「はぁ〜あ」

桜井 「………」

徳峰 「……」

永田 「…誰か喋れよ」

………。
……。
…。

小暮 「はあっ!はあっ!はあっ!」

小暮は走る!学校へ向かって一直線だ!

小暮 「はあっ!はあっ!はあっ!さっ早く戻らないと…」

女の子 「あっ、小暮君まだいたんだあ、バイバーイ!」

小暮 「あ…うん、バイバイ」

適当に手を振り、学校を後にする。
その途中…。

高校生 「よう、少年」

小暮 「……?」

誰かに呼びとめられた小暮は立ち止まり、声のしたほうを見る。

小暮 「イー、リャン、サン、スー…」

高校生 「なんで中国語?」

小暮 「いえなんとなく…」

高校生 「お前、ここの生徒だろ?3年の徳峰っていうやつしらねーか?」

小暮 「……」
小暮 「(こいつらは高校生、そして格好からして不良で7人)」
小暮 「(その上、徳峰を探してるとなったらもう喧嘩しかない…)」
小暮 「(前に彼にやられたんだな?)」
普通ならここで「知らない」そう言うだろう…。自分の友達が狙われたんだから…。
しかし彼はそんなことはしなかった。逆に「知っている」と言ったのだ。

高校生 「そうか、なら呼んできてくれないか…?」

小暮 「案内するよ…そのほうが早いでしょ?」

高校生 「そうか?悪いな…」

そして、小暮は7人の高校生を引き連れて歩き出した。
10分ほど歩いたところで、もう廃れて使われていない工場に着いた…。

高校生 「…?こんな所に奴はいるのか?」

高校生 「もしかして、ここが奴らの溜まり場なんじゃ…?」

高校生 「ばか!何中学生にビビってんだ、しゃんとしろ。いくぞ!」

高校生達は1つの入り口から中に入ったが、意外に広く、2階や3階もあるため、2人1組になってバラバラに探した。

小暮 「……」

なんとその中に、小暮も入っていったのだった。不適な笑みを浮かべて…。

………。
……。
…。

徳峰 「…おそいなー、小暮」

桜井 「………」

永田 「あ、そういえばよぉ、知ってるか?なんか最近ここらの名のある有名番長たちが、次々に行方不明になってるって噂…」

徳峰 「ああ?なんだそれ?んなことあるわけねーだろ、バカかお前は」

永田 「いや、結構マジらしいぜ?なんか突然姿が消えるってもっぱらの噂
だぜぇ」

徳峰 「もっぱらって…江戸時代か?」

永田 「んなツッコミいらねーよ…」

徳峰 「ふん…もしそれが本当なら、いずれ俺たちも行方不明になんのかな?」

永田 「へへ、でもなんで俺たちが最初じゃないんだろうな?」

桜井 「…その話なら俺も知ってる、大体は高校生、しかも不良だ。だが、普通の一般市民も突然行方不明になっている…。」

永田 「な、なに…?」

徳峰 「ほんとかよ、おい…」

桜井 「お前等ニュース見ろよ。しかも何人かはバラバラ死体で見つかったんだって」

2人 「……」

………。
……。
…。

ゴツ…

高校生A 「…ん?」

高校生B 「あん?どうした?」

高校生A 「なんか今蹴った…」

高校生B 「あん?…ひっ!?」

高校生A 「うわあぁぁぁ〜!!」

小暮 「!?」

高校生が何かを見つけた。その瞬間隠れて見ていた小暮が険しい表情で、そいつ等の前に現れた。
…というか高校生達を後ろから襲いかかった!

高校生A 「ぐぇ…」

小暮は出てくると同時に1人の首を右腕一本で掴み持ち上げた。
すると…。

高校生B 「お前、さっきの…?はっ!じゃあもしかしてこれはっ…?」

小暮 「お前たちは見てはいけない物を見てしまった。よって、これからお前たちには罰を与える…」

高校生A 「げぇっ…!」

小暮 「お前たちにはこいつ等と同じ運命を辿ってもらう…」

高校生B 「本物かよ…?本物の、バラバラ死体…」

ドズゥッ!

小暮は手に持っていた釘抜きを、持ち上げているヤツの腹に突きたてた!

ブシュー!と血の吹き出る音が響きわたる。
そして、その辺り一帯を血が真っ赤に染める。
殺られた男は体をピクピクさせて、もう1人の男は腰を抜かして床に座り込んでいる。
しかし小暮はまだそいつの体を手放そうとしない。釘抜きも体に刺さったままだ。すると…。

グチャアッ!

小暮は刺したままだった釘抜きを、刺さったまま下に引き下ろした!!

高校生B 「ひっ!?」

ボドボド…

血の吹き出す音にまぎれてそんな音も聞こえる。
内臓の床に落ちる音だ。
さすがにもう1人は目を逸らす。小暮はそんなこいつの態度を見てニヤリと笑う。

小暮 「次はお前だ…」

高校生B 「ひぐっ…」

ゴッパァーーーンッ!!

………。
……。
…。

桜井 「…しかもどんなに組み立てようとも組み立てられないんだ。どうしてだかわかるか?…何者かに食われてたんだよ、その死体…」

2人 「……」

………。
……。
…。

小暮は2人の人間を、またここで殺した…。
彼はそのことに喜びと安心を覚えた…。

小暮 「ボクの友達には指一本触れさせないよ…」

すると、また別のところから悲鳴が聞こえた。

小暮 「また…見てはいけない物を見たな。奴らにも罰を与えなければ、絶対の安らぎは来ない…」

………。
……。
…。

徳峰 「遅いな…」

永田 「遅すぎる」

桜井 「………」

永田 「まっ、どうせいつも通りどこに置いたのか忘れて、今必死になって探してんだろうな…」

徳峰 「だが、もう2時間くらい経つぞ?あいつの足なら10分もかからないだろうに…」

桜井 「………」

永田 「あー腹へった!バーガーおごり決定!」

桜井 「…来た」

小暮 「ごめ〜ん。も〜どこに置いてたのかわからなくって…」

息を切らせながら小暮は走ってきた。そしていつも通りの言い訳。徳峰と永田はやれやれといった感じで溜め息をこぼす。

桜井 「…行こう」

小暮 「うんっ!」

そして4人はいつものように、何事もなかったように家路を帰る。

永田 「お前あんだけ待たしたんだからな〜、バーガーおごれよぉ〜?」

小暮 「うん、わかったよ。でもボクは食べないからね?」

桜井 「………」

永田 「あん?なんで?」

小暮 「お腹いっぱいだから」


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