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beatmaniaUDX The ANOTHER Story


22th STAGE 『忘れられぬ想い』

ナイア 「ハッチ開いて! カタパルト準備!! one or eight出撃するわ!!」

カタパルトに乗ると、私は加速で一気に宇宙に出る。

ナイア 「!!!」

私は加速で、気を失いそうになる。
忌まわしい機体…乗り手のことを全く無視した、私の汚点とも言えるスペック。
だけど、今はそれに頼らざるをえないなんて…。


セリカ 「あ、あれは!?」

ギュンッ!!!

茶倉 「な、何て加速で突っ込むのよ!?」

エレキ 「で、でけぇ…」

リリス 「ナイアさん…?」

REINCARNATIONの前方で交戦中だった私たちを無視して、巨大な機体が信じられない速度で、敵の真っ只中に突入する。


ナイア 「…!!」

このままじゃ私の体が持たない…。
狙うのは敵艦のみ!
奴らはあくまで無人機、統率されていないと動くことはままならないはず!
私は目の前の人型を全く目にかけないまま突っ込む。

ドガァッ! バキィッ!! ガシャアッ!!!

ぶつかった衝撃で、人型が何体も吹っ飛ぶ。
こちらの機体は損傷なし。
特殊エネルギーフィールド『outer wall』のおかげで、この機体はダメージを軽減できる。
そして、遥か後方の敵艦3つをモニターに捕らえる。

ナイア (…持って2太刀! せめてそれだけは決める!!)

私は加速で軋む体を無理に動かし、攻撃態勢に入る。
速度はもちろん落とさない、このまま切る!
刃渡り25メートル、柄から下も含めれば約35メートルの巨大な剣。
通常のブレードのようにエネルギーやヒートで焼ききるのではなく、鋭さで叩き切る。
名前なんて考えてないけど、艦を一刀両断にするための剣!
私はそれを加速に乗ったまま、正面の艦に見据えて振り下ろす。

ガキャアァッ!!!

とてつもない衝撃が前進を貫く。
一撃目の時点で私は気を失いかけた…。
だが、まだ討てる…!
正面の艦は艦首が真っ二つに裂け、落ちる。
私は加速でそのまま前方に流れるが、勢いを殺さずに左翼の艦を狙う。

ナイア 「はああああああああぁぁぁぁぁっ!!」

ズバアアアアアアァァァァァァァンッ!!!!

今度は艦を側面から切りつける。
側面から綺麗に両断された艦は、いとも簡単に沈む。
私の意識も…そこまでだった。



………。



リュウ 「………」

エリカ 「………」

トラン 「……」

私はリュウさんとエリカさんを見ていた。
リュウさんは目覚めることなく、眠り続け。
エリカさんは、微動だにすることなく、その場を見守っていた。
エリカさんは…リュウさんが目覚めるのを待っている。
自分を失って…自分を思い出して…そしてまた失った。
エリカさん…忘れられないんですね、リュウさんのことを…。

トラン 「リュウさん…」

私は、ただ祈ることしか出来なかった。

エリカ 「……」

カタッ

トラン 「…?」

突然エリカさんが立ち上がる。
そして、何もなかったかのように歩いていく。
Pandoraで着せてもらったのか、見たこともないデザインの黒い服が妙に悲しい…。
まるで…エリカさんの心を表しているように。
エリカさんはそのまま部屋を出てしまった。

トラン 「…リュウさん」

ここを離れていいのかどうかがわからなかった、でも…私はエリカさんを追った。
リュウさんならきっと追えと言ってくれる気がしたからだ。
エリカさんはおぼつかない足取りで、格納庫を目指しているようだった。

トラン 「エリカさんっ」

私はエリカさんの黒い服の袖を掴む。
エリカさんはまるで気づいていないように、そのまま歩き続ける。
私は無理にでも引っ張った。

ズデンッ!

すると、いとも簡単にエリカさんは前のめりに倒れた。

エリカ 「…! ……!」

エリカさんはただ前を見ていた。
その先にはエリカさんの機体がある。
私はこのまま行かせていいのか迷った。
せめて、私も一緒に行こう…そう思った。



ダルマ 「…くっ、大丈夫なのかよ!?」

整備士 「艦自体は損傷がそんなにない、敵機もどうやら大分大人しくなったようだ…チーフがやったらしい」

ダルマ 「ナイアさんが出撃なんて…何かあったら修理はどうすんだよ!?」

ダルマさんが頭を抱えながらそう唸っていた。

エリカ 「………」

エリカさんは、そんな様子をまるで気にしないで、白い機体の前に立つ。

ダルマ 「って、エリカさん!? まさか出撃するんすか!?」

トラン 「…ダルマさん、私が一緒に行きます」

ダルマ 「って、トランに何かあったらどうすんだよ!? REINCARNATIONは動けないんだぜ!?」

ダルマさんが必死にそう説得してくる。
だけど、私はもう決めていた。

トラン 「ツガルさんがSOS信号を出してくれています…戦いが終われば、誰かが助けてくれます」

ダルマ 「マジかよ…本気なのか!?」

エリカ 「………」

トラン 「ごめんなさい…リュウさんが目覚めたら、そう伝えてください」

私はエリカさんにしっかり捕まって一緒にその機体に乗り込んだ。



………。



トラン 「…これが、エリカさんの機体。DoLL…? それがこの娘の名前?」

サブディスプレイにそう書いてあった。
そして、乗った時にわかった。
この娘は生きている…。
普通の機体じゃない。

エリカ 「………」

そして、次の瞬間に宇宙に出ていた。

トラン 「きゃあっ!」

エリカ 「……?」

私が加速で飛びそうになると、エリカさんが受け止めてくれる。

トラン 「あ、ありがとうございます…」

エリカ 「……?」

だが、助けてくれた当のエリカさんはまるで自分が何をしたのかわからないと言った風に戸惑っていた。
ただ、私の手をずっと握って離さなかった。
私はそれでやっとわかった…。
エリカさんは今、ふたつになってる。
私たちと一緒に戦っていたエリカさん。
そして、DoLLに乗って私たちと戦うエリカさんのふたり。
今は、その間でずっと彷徨っている。
どちらにもなりきれずに…ただ、しがみついてるようにも感じた。
まるで、子供のように…どちらも捨てきれない。
そんな様子が感じられた。
だけど、今は戦闘中。
そんなこととはお構いなしに前方では戦闘が続いている。



………。



士朗 「ば、馬鹿な…何と言う常識外れな機体だ!」

茶倉 「残念だったわね…これでそっちの戦力は7割程低下したみたいね」

私は士朗の機体を見据えてそう言う。

セリカ 「姉さんは、返さないわ!」

セリカが今度はそう言って、私の横に並ぶ。

士朗 「…エリカは返してもらう、元々こちらの戦力だ」

エレキ 「ふたりとも、そいつは俺がやる!!」

突然上方からエレキのB4Uが突っ込んでくる。
私とセリカは共に退がる。

士朗 「……!」

エレキはブレードで、士朗機に切りつける。
士朗もブレードでそれを受け止めた。


エレキ 「…うおおおっ!」

士朗 「エレキか…俺に刃を向けるとはな!」

兄貴は俺のブレードを弾き、後ろに退がる。

エレキ 「…あんたには言いたいことが山程あるんだ!」

俺はライフルを構えて、兄貴に向けて撃つ。

ギュンッ! ギュウゥンッ!!

兄貴はそれをいとも簡単に回避する。

エレキ 「兄貴ぃ…!!」

俺は兄貴の機体を追って突っ込む。
機動力だけなら、そこまで劣っていない。

士朗 「機体の能力だけで、勝てると思うな!!」

兄貴はブレードで切りかかる。
俺はそれをブレードで受けるが、吹っ飛ばされそうになる。

エレキ 「ぐぅぅ…!! 俺はな…! あんたのこと尊敬してたよ!!」

俺はその状態で語りだす。
戦闘中とは言え、相手は兄貴だ、語らずにはいられなかった。

エレキ 「あんたと一緒なら、Vにも本気で勝てると思ってた!! だから俺はあんたのことを誰よりも信頼していたさ!!」

俺はブレードにより力を込める。
心なしか、兄貴の力が弱まったような気がした。

エレキ 「兄貴は言ってたよな…間違った世の中を変える為に戦っているって!! 俺も信じた! だから一緒に戦うって決めた!!」

俺はブレードを押し切り、兄貴の機体を後ろに退かせる。

士朗 「そうさ…俺は間違った世の中を変える。だから人類を滅ぼすと決めた!!」

俺は兄貴のその言葉を聞いて、より自分を奮い立たせる。

エレキ 「あんたのその行動と言葉が…すでに間違っていることに、気づかないのかぁっ!?」

俺はブレードで、兄貴に突っ込む。

士朗 「愚弟が…俺に説教すると言うのかぁ!?」

兄貴が怒り狂ったように俺を迎え撃つ。
互いにブレードでぶつかる。
鍔迫り合いになるが、俺は引かない。

エレキ 「…ぐうぅぅっ!!」



セリカ 「エレキ…」

茶倉 「セリカ! こっちは残りの敵艦を沈める!! そっちは任せるんだよ!!」

私は茶倉の言葉を聞いて、追う。
敵はまだ100機近く生きている。
敵艦を沈めれば、行動力を失うと言うことがナイアさんのおかげでわかった。
私たちは敵機を巧みにかわしながら敵艦を目指す。

リリス 『…後方支援、行きます…セリカさん、茶倉さん…気をつけて』

リリスからそう通信が入る。
私と茶倉は左右に分かれて放射線状から消える。
その際、敵機を固めるように誘導する。

ドギュアアアアアアアァァァァッ!!!

eraのエネルギーキャノンが敵艦に向けて放たれる。
敵機を撃破しながら敵艦に直撃する。

ズバァアアアアンッ!!!

大爆発が起き、敵艦が機能を停止する。
それに従って、敵機は全て行動を停止した。



士朗 「ちぃ…エリカがいないせいで、統率が取れん…!」

エレキ 「俺が片をつける!!」

俺はブレードでなおも兄貴を狙う。

士朗 「図に乗るな!!」

突然兄貴の機体が黒い霧に消える。
レーダにも写らない…ステルス!?

ドオンッ!!

突然B4Uが吹っ飛ぶ。
兄貴の攻撃!?

エレキ 「どうすれば…!!」

俺はこの時師匠の言葉を思い出す。

リュウ 『いいか、エレキ…宇宙戦では敵を見るのはモニターやレーダーだけじゃない』
リュウ 『宇宙の気流を見るんだ…敵が隠れたり、モニターやレーダーがやられたら、後はそれに頼るしかない』
リュウ 『お前ならできる…素質はあるさ』

エレキ 「……」

俺は装甲越しに気を集中させる。
あの時は、師匠だからできるんだと思っていた。
だけど、俺は素質があるって言われた、できるはずだ…!

ズドンッ!

今度は足を貫かれる。
いたぶっているのか? わざと外されたようにも思えた。
俺はより意識を集中させる。

エレキ 「…うおおおおおっ!!」

俺は後ろを振り返ってブレードを横薙ぎに振るう。

ズバァンッ!!

士朗 「馬鹿な…!?」

同時だった。
兄貴のブレードがB4Uの右腕を切り裂く。
それと同時に俺のブレードが兄貴の右腕を切り裂いた。
互いの右腕がブレードと一緒になくなる。
相打ちか…俺にはこれが限界だな。
さすがに、師匠のようにはいかない…だが十分だ。

士朗 「貴様までが、こんな芸当を…!」

思いの他兄貴は驚いていた。
俺は間髪いれず左手でライフルを構える。

士朗 「!?」

兄貴はかわせない、それがわかった。
一瞬の隙、それが命取りだ!

ドォンッ!!

直撃だった。
コクピットから炎が上がる。
これで…終わりだ。

士朗 「…!? エレキ…?」



トラン 「嫌ぁっ!!」

B4Uが燃えていた。
コクピットが焼かれ、爆発する。
感情が宇宙空間に流れ出る、エレキさんが…!

エリカ 「……?」

撃ったのはエリカさんのDoLLだった。
でもエリカさんは不思議そうにその光景を見つめていた。

士朗 「…エリカ? お前が…?」

士朗さんの機体も呆気に取られたように動けなかった。

エリカ 「……? ……!?」

トラン 「!? これは…?」

私の顔に何か水滴が滴る。
私は真上にあるエリカさんの顔を見た。

エリカ 「………」

泣いていた。
声にも表情にも出さず、ただ…涙だけが流れていた。

エリカさんは動かなかった。
ただ自分の涙に困惑していた。

トラン 「エリカさん…どうして!? どうして悲しいのなら撃ったの!?」

私は無駄とわかっていてもそう問い詰めた。
言わずにはいられなかった。
エレキさんが死んだかもしれない…その事実がエリカさんの手で作られた。
ナイアさんの時も…何故撃ったの? その疑問だけが残っていた。

エリカ 「…リュ……ウ……? ワ・タ・シ・ノ………」

エリカさんは頭を抱えて、苦しんだ。
今の状態を全く理解できていない、ふたつの意思の狭間でぶつかっているようだった。

トラン 「エリカさん、全てを受け入れて!! 本当の気持ちを取り戻して!! こんな…こんなエリカさんはエリカさんじゃない!!」

私はエリカさんの体にしがみついて、そう叫んだ。
その瞬間だった。

ピッ…ピッ……

DoLL 『Input完了…目的変更……これよりREINCARNATIONに帰還します』

トラン 「え!?」

突然DoLLがその指示を出した。
すると、エリカさんの意思と無関係にREINCARNATIONに戻っていく。

エリカ 「……」

エリカさんは泣いていた…涙が止まらなかった。
まるで、糸の切れた人形のように…力なくシートにもたれかかっていた。



士朗 「エリカっ!?」

DoLLがREINCARNATIONに戻っていく。
エリカの記憶が戻ったのか!? それとも…これがPandoraの意思なのか!?
俺は状態が不安定になっていた。
残骸となったエレキの機体を眺めた。
もはや…生きてはいないか?
俺は無意識にエレキの機体のコクピットをこじ開けた。
すると…まるで奇跡か、エレキの体は無事だった。
多少パイロットスーツが焼けているくらいで、ほとんど無傷。
エリカが無意識に外したのか? それともDoLLが…?
様々なことが思えたが、それを確認できただけでもよかったと思った。
俺は追撃される前に帰還した。



セリカ 「姉さん…?」

明らかにB4Uを撃ったのは姉さんだった。
でも、REINCARNATIONに帰った。
一体どうなっているの?
状況が理解できなかった。

茶倉 「何やってるのよ!? 早く手伝いなさい!!」

茶倉が怒鳴る。
それもそのはず、ナイアさんの乗っているらしい巨大な機体が漂っているのだ…。
ナイアさんは気絶しているのか、全く反応がなかった。
仕方ないので、私と茶倉で引っ張った。


リリス 「…エレキさん、生きてますか?」

私は外部スピーカーを通して語りかける。

エレキ 「……」

軽く手を振ってくれた…大丈夫とのことらしい、私は回収してREINCARNATIONに帰還する。



………。
……。
…。



そして、医務室にて。

ナイア 「…はぁ〜全くきつかったわ…やっぱり無理するものじゃないわね」

エレキ 「…気絶するような機体作るからですよ!」

ナイアさんとエレキさんが、ベッドの上で言い合っていた。

ナイア 「うるさいわね…その内作り直すつもりだったのよ!」

ナイアさんは全身がかなりぼろぼろで、しばらくは安静と言うことだった。

ナイア 「大体、あんたそれ程やられてないじゃない…何で私の隣で寝てるのよ」

エレキ 「これでも、重体なんですけど…?」

エレキさんはコクピットを打ち抜かれたと思われたが、どうやらかろうじて直撃は外れていたらしく、骨折だけで済んでいた。
肋骨、右腕、左足がやられているようで、しばらくは安静…。

彩葉 「そうですよ、ナイアさん…骨折は痛いです」

ナイア 「こっちは全身やられてるんだけど…」

リリス 「では、隔離しますか?」

リリスさんが軽くそう言ってくれる。
冗談、だと思うけど…。

リリス 「…本気ですよ?」

ナイア 「え、遠慮しとくわ…」

さすがのナイアさんもそれ以上は文句を言わなかった。

エレキ 「いやぁ〜彩葉に看病されるなんて、俺は幸せ者だ〜…」

エレキさんは感極まるといった感じで喜んでいた。
好きなんですね…彩葉さんが。

彩葉 「ふふ…大げさですよ、『仲間』ですから」

彩葉さんはさらりとそう言う…天然なのか、わざとなのか…妙に『仲間』が強調されて聞こえた気がした。

エレキ 「さ…さいですか……」



リュウ 「………」

エリカ 「………」

トラン 「………」

エリカさんはあれから何事もないようにまたリュウさんの側に戻ってきた。
でも私にはわかった。
エリカさんはリュウさんのことを覚えている。
心の狭間でしがみついているけど、きっとひとつになれる…それはいい方向だと予感できた。

ダルマ 「結局戻ってきたけど…エリカさん変わらないな」

ツガル 「うん…どうなっちゃうんだろう?」

トラン 「……」

DoLLのことはまだ話していなかった。
できればナイアさんかリュウさんに言うのが一番だと思うけど、今の状態だとためらわれた。

セリカ 「…姉さん」

セリカさんは、薄々気づいているようだった。

セリカ 「そういえば…これからどうするの? 当初の目的は達成したから、無理に進まなくてもいいんじゃ…?」

セリカさんがそう切り出す。
確かに。
エリカさんを取り戻すのが目的だから達成したことになる。
当のリュウさんがこのままというのも気になるけど。

ナイア 「そうねぇ…無理は出来ないわね、私がこれじゃ修理も進まないし、一旦近くの惑星に寄った方がいいかもしれないわ」

ツガル 「でも、ここはすでに外宇宙ですから、一切わかりませんよ?」

ナイア 「じゃあ、調べて…近くの惑星に行きましょう」

ツガル 「は、はいっ…!」

ツガルさんはそう言って、ブリッジに向かう。

トラン 「私も行きます…」

私はそう言ってツガルさんの後を追った。

ツガル 「あっ、トランも一緒に?」

ツガルさんは私に気づくと、そう言って、歩幅を合わせてくれる。

トラン 「…すみません」

ツガル 「え…何が?」

ツガルさんはわからないといった風にそう聞き返す。

トラン 「…いえ、いいです」

ツガル 「?」

ツガルさんは、人によく世話を焼こうとする。
無意識なのか、ツガルさんは常に他人を思いやって行動していた…ある意味セリカさんに似てるかもしれない。

ツガル 「そう言えば…地球の皆さん、どうしてるかなぁ…?」

ツガルさんがそう話を振ってくる。

トラン 「…さぁ?」

私がそう言うと。

クロロ 「にゃあ…」

クロロが足元に現れる。
私の足にじゃれつく。
私はクロロを抱えて歩き出す。

ツガル 「クロロも、地球が恋しいのかな?」

トラン 「そうでしょうか…?」

私は少し気になった。
クロロは地球で産まれた動物だから…。

ツガル 「ここから1番近い惑星が地球だったら面白いよね」

ツガルさんが冗談混じりにそう言う。
そしてメインブリッジに着くと、私たちは検索を開始した。

トラン 「えっと…今いる場所から1番近い銀河は……え?」

私はそれを見て目が点になる。

ツガル 「どうしたの…? って、あ…」

ツガルさんもそれを見て呆気に取られる。
そして同時に…。

トラン 「第7銀河太陽系…地球」
ツガル 「第7銀河太陽系…地球」

それが、今後の対策を練るに至っての方向だった。

…To be continued

ANOTHER


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