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第34話 「王女」

………。
……。
…。


レイナ 「……」

静かだった。
ただ、戻ってくることになったのだ。

シーナ 「……」

シーナも言葉が出ないようだった。

レイナ 「行きましょう」

私がそう言うと、シーナは少し遅れて頷く。


ヴェルダンド王国。
かつて、平和の象徴である白き翼を誇りに大空の下で邪悪と戦った英雄の作った国。
だけど、今は邪神軍の手によってその配下になってしまった国。
信じたくないけれど、私とシーナの祖国。

シーナ 「……」

レイナ 「怖いの? シーナ」

シーナ 「……」

シーナは何も言えなかった。
ただ、俯いて何かに怯えるように口を閉じていた。

ノーム 「シーナ姉ちゃん…大丈夫だって!」

ドリアード 「そうですよ! きっと何とかなります」

ふたりは根拠などないのだろう、月並みな激励を送った。

シーナ 「……」

それでも表情すら変えないシーナの肩に、ぽんと手を置いてクルスが言葉を発した。

クルス 「…心配するな、シーナは俺が守る」

シーナ 「…信じていいんだよね?」

ようやくシーナが口を開く。
そして、クルスはシーナの前を歩きながら振り向かずに。

クルス 「ああ」

そう答えた。
それを聞くとシーナは、何かを吹っ切るように。

シーナ 「行こう! 姉さん」

私は頷き、王国に足を踏み入れた。


ノーム 「でも、どうやって城まで?」

シーナ 「私と姉さんとクルスで空から潜入するの」

レイナ 「ノームとドリアードは城下で待機しておいて…もしもの時は退路を確保してほしいの」

ノーム 「わかったよ! 任せといてくれ」

ドリアード 「了解です」

城下町の門の前でふたりと別れ、私たち3人は空に飛び上がった。

周りの木々に身を隠しながら、私たちは城に近づく。

シーナ 「警備の穴があればいいんだけど…」

見たところ、どの角度からも進入できそうにはなかった。

クルス 「……」

クルスが突然消えたかと思うと、城の側までたどり着く。

警備兵 「!? なっ」

クルス 「……」

ドガッ!

クルスは手早く警備兵を気絶させる。
さすがに暗殺術を心得てるからこれぐらいはできるのね。

シーナ 「行きましょう! 今がチャンスよ」

私とシーナは他の警備に気づかれないよう城の背後から潜入する。


レイナ 「どう?」

クルス 「…中の警備はそうでもないな」

クルスに先導してもらい、私たちはいとも簡単に城の中心部まで入り込めた。
中には兵士はおろか、人がほとんどいない状態だった。

レイナ 「妙ね…ここまで人がいないなんて」

シーナ 「…うん」

クルス 「罠か…」

だけど、もたもたしていても意味がない。
私たちはまずお父様の部屋に向かうことにした。

シーナ 「ここね」

レイナ 「……」

私が近づこうとすると、クルスが手で制する。

クルス 「……」

レイナ 「……?」

クルス 「…中には人はいないようだな」

気配を探っていたのね…。
私たちは部屋に入った。

中は閑散としているが、まとまってはいた。
よく手入れされており、国王の寝室だと言うことがわかる。

レイナ 「……?」

私は、そこでひとつの写真を見つける。

シーナ 「それは…」

レイナ 「……」

まだ、翼が生える前の私。
今でも記憶にある優しかったお父様とお母様。

シーナ 「こんな写真があったなんて…」

クルス 「……」

レイナ 「でも、バルムンクはどこに?」

国王の部屋にないとすれば、宝物庫?
私はさすがにこの城にそこまで詳しいわけではない。

シーナ 「バルムンクは城のどこかにあるはずだけど…」

クルス 「…人が来る」

レイナ 「えっ?」

すると、足音が部屋の前で止まる。

シーナ 「!?」

そして、部屋のドアが開けられる。

ガチャ…

レイナ 「!? 待ってクルス!!」

相手がこちらを認識する前に気絶させようとしたクルスを私は止める。

クルス 「!? 何…?」

レイナ 「…モフ?」

入ってきたのは老人だった。
でも、どことなく見覚えがある。
モフ。
その名前が記憶に残っていた。

老人 「…? あなたは…?」

レイナ 「モフ、でしょ…? 覚えていますか? レイナです…」

老人 「!?」

老人は驚いたように私の顔を見る。
そして、すがるように私の方に寄って来る。

老人 「…おお」

レイナ 「モフなのね…」

老人 「はい…レイナ様……お美しゅうなられましたな」

モフは私の手を握りながら、涙した。

シーナ 「……?」

レイナ 「シーナ?」

シーナ 「誰なの? この人」

レイナ 「誰って…知らないの?」

モフ 「シーナ様も元気そうで何よりです」

シーナ 「……」

モフ 「私はレイナ様が国を追放されてすぐに牢に閉じ込められました」

レイナ 「!? ではどうやってここへ…?」

モフ 「ひとりの女性に助けられました、名は…サリサ・シオーネと名乗っておりました」

クルス 「サリサ…?」

シーナ 「知ってるの?」

クルス 「…聞いたことがあるだけだ。女性ながらヴェルダンドの指揮官をしていたと聞く」

レイナ 「していた?」

クルス 「…今は違う、ということだ」

シーナ 「でも、そんな女性が何故?」

モフ 「…それはわかりません。ただ、ここから逃げよ、と…」

レイナ 「では、何故あなたがここへ?」

モフ 「…国王様の部屋に来れば、何かがわかると思ったのです」

レイナ 「……?」

モフ 「…国王様は変わられた」

レイナ 「……」

モフ 「王妃様も…同様に」

クルス 「悪いが、グズグズしていられるわけじゃない、話は後だ」

レイナ 「そうね、他の兵士に見つかるわけにはいかないわ」

モフ 「…姫様たちは何故ここに?」

レイナ 「バルムンクを取りに…」

モフ 「!? あれは…」

レイナ 「場所を知っているのなら教えて!」

モフ 「…わかりました。お教えしましょう、バルムンクは地下室の一室に保管されております」

レイナ 「ありがとう!」

それを聞いた私たちが走り出そうとすると、クルスが立ち止まる。

クルス 「!!」

シーナ 「見つかった…?」

レイナ 「……」

私が気配を探ると、数人のパルスを感知できた。

モフ 「…私が足止めします、姫様たちはバルムンクを」

レイナ 「モフ!?」

モフ 「早く!!」

私がためらうと、モフは強く言い放つ。
厳しいところも、変わってない…。

シーナ 「姉さん! 囲まれるかもしれないわ!!」

レイナ 「モフ…生きて、また」

モフ 「はい…」

モフが笑ってそう答えると、私は一気にそこから走り去った。


兵士 「む? あれは、牢にいるはずの!!」

モフ 「……」

兵士 「貴様! どういうつもりだ!?」

モフ 「…レイナ様、シーナ様。最後におふたりの成長した姿を見ることができて、モフは幸せ者にございました…」

兵士 「な、何をする気だ!?」

モフ 「このモフ、最期まで姫様たちのお役立てること、悔いはありません!!」

兵士 「!?」



ズドオオオオオォォォォンッ!!!


レイナ 「!? モフ!!」

爆音が聞こえた。
そして、何が起こったのかもわかった。

シーナ 「姉さん…」

レイナ 「……くっ」

私はすぐに振り向き、地下を目指した。
泣いている暇なんてない。
戦争なのだから…。


シーナ 「この先が地下よ!」

クルス 「人の気配はない」

レイナ 「行くわよ!!」

私たちはそのまま地下室に突っ込んだ。


レイナ 「…無警戒ね」

バルムンクのような武具を保管してあるのなら、もっと厳重に管理されていてもおかしくないはず。

シーナ 「罠なの?」

クルス 「有りうるな…バルムンクは餌になる」

レイナ 「何が起きても、越えてみせるわ…」

モフの死を無駄にはできない…何があっても乗り越えてみせる!!

シーナ 「姉さん…」

私は、精神を集中させる。

レイナ 「………」

感じる…。
脈動のようなものを…。
大きなパルス。
あそこにバルムンクがある。

レイナ 「こっちよ!」

私は多くの部屋の中からパルスを感じ取り、バルムンクのある部屋に入る。

レイナ 「……」

シーナ 「あれが…」

クルス 「………」

レイナ 「バルムンク」

やや細身で、男なら片手でも軽いぐらいだろう大きさだった。
私は精神を集中させ、剣を引き抜く。

レイナ 「……」

それはいとも簡単に抜けた。
そして、軽かった。
まるで、鳥の羽のような軽さ…。

声 (私の…声が聞こえますか?)

レイナ (バルムンクから…声?)

声 (ああ…私の声が聞こえるのですね)

レイナ (あなたは、バルムンクの…)

声 (私は、天空神ウラヌス…このバルムンクの力の源です)

レイナ (ウラヌス様…)

ウラヌス (もう、何百年という月日が流れました…)
ウラヌス (ようやく、私の声が聞けるものに出会えました…)

レイナ (ウラヌス様…どうか力をお貸しください)

ウラヌス (…その前にひとつだけ聞かせてほしいのです)

レイナ (…はい)

ウラヌス (あなたは、その命を捨てて、大切な物を守る意志がありますか?)

唐突な質問だった。
だけど、私は迷わずに。

レイナ (命を捨てる気はありません…。私は生きて、そして大切な物を最期まで見届けます)

ウラヌス (……)

レイナ (ウラヌス様、私は一度死んだ身です、自分の命は安い物だと思っています)
レイナ (でも、そんな安い命でも、大切に想ってくれる人がいます…)
レイナ (そんな人のため、私は生きてみたいのです)

ウラヌス (わかりました、あなたに託します)

バルムンクから光が放たれ、私の体に吸い込まれていく。
そして、全ての光が消えた後、私は自分の体に力を感じた。

レイナ 「……」

シーナ 「姉さん?」

レイナ 「行きましょう…次はお父様とお母様を救いに!」

シーナ 「うん!」

クルス 「…了解した」



レイナ 「………」

モフと別れた場所。
私は少しの間そこで立ち尽くした

シーナ 「……」

レイナ 「行きましょう…お父様とお母様が待ってるわ」



そして、大広間の前に私たちは立っていた。
この先に、力を感じる。

ギイイイイィィィ…
扉はゆっくりと開き、私たちは足を踏み入れる。

レイナ 「……!」

そして、目の前のひとりの人物を見た。

男 「…よく来たな、娘よ」

レイナ 「お父様」

シーナ 「お父さん…」

父 「呪われた子よ…死にきれなんだか」

レイナ 「!!」

父 「だが、私がもう一度天へ返してやろう…」

お父様は槍を構え、力を解放する。

レイナ (あれは、グングニル!)

風神オーディンの力を宿す槍。
バルムンクと同様に、この国の伝説の武具としてまつられていた。

父 「さぁ、運命を受け入れよ!!」

ガキィン!!

私はバルムンクでそれを止める。

父 「むぅ?」

レイナ 「…あなたは、私の知っているお父様じゃない」

父 「……?」

レイナ 「あなたはもう、私たちのお父様じゃない!!」

バキィンッ!!

私は力任せにグングニルの上から切りつけた。

父 「!!」

レイナ 「シーナ! 私はお父様を殺します!!」

シーナ 「姉さん!?」

レイナ 「…わかってとは言わない、私はお父様がこれ以上苦しむ姿を見たくないのっ!!」

私は泣いた。
お父様は苦しんでる。
生きながら地獄を味わっている。
私を殺したときもそうだった…。

レイナ 「お父様…黒い翼の運命は、私が変えます!!」
レイナ 「平和を愛するヴェルダンド王女の名にかけて、あなたを討ちます!!」

私は全力で突っ込んでいく。
そして、上空から切りかかる。

父 「!?」

レイナ 「やああああああっ!!」

ドガアァッ!!

シーナ 「姉さん!!」

クルス 「新手!?」

レイナ 「うう…」

私は吹っ飛ばされていた。
とてつもなく強い力。
前にも一度感じた力。

レイナ 「まさか!?」

声 「覚えていてくれたのか? 光栄だな…」

レイナ 「ゼイラム・ロトン・ブレスト…なぜここに?」

ゼイラムは闇を作り出し、その中から突如現れた。

ゼイラム 「ふふふ…やはりバルムンクを使えたか、ユシルめ…余計なことを」

レイナ 「!!」

ゼイラム 「貴様のその力は危険すぎるのだ…我々の存在すら脅かすほどにな」

レイナ 「お父様を…お母様を変えたのもあなたの仕業なのね!?」

ゼイラム 「そうだ、気に入っていただけたかな?」

レイナ 「よくも、そんなことを!!」

私は怒りをあらわにゼイラムに切りかかる。

ドガアァッ!!

レイナ 「あうっ!!」

またもや吹っ飛ばされる。
そこまで力の差があるの!?
修行もして、バルムンクも手に入れて…それでも勝てないの!?

ゼイラム 「どうした? 私が憎いのではないのか?」

レイナ 「く…あああああ!!」

シーナ 「姉さん!!」

私は何も聞こえなかった。
この男が憎い!
今まで人を憎んだことはなかった。
でも、私はゼイラムが憎い!
全てを変えてしまった元凶を!!

ゼイラム 「ふ…」

シーナ 「姉さん、ダメぇぇぇ!!」

レイナ 「うわあああああ!!」

私がゼイラムに切りかかろうとした時。

ゼイラム 「!? クルス!」

クルス 「……!!」

カッ! ドオオオオオオオオオォォォンッ!!!

レイナ 「えっ…?」

シーナ 「クル…!?」

突如私は光に包まれる、そして…。


・………。


声 「……ゃん!!」

声 「…ナさん!!」

ゆさゆさゆさゆさ。

声 「レイナ姉ちゃん!!」

レイナ 「はっ…!?」

私は目を覚ます。
そして、目の前にはノームとドリアードがいた。

レイナ 「…ここは?」

ノーム 「よかった、成功したのか」

レイナ 「どういうこと?」

ノーム 「よくわかんないんだけど、突然頭に声が聞こえて…レイナ姉ちゃんたちを助けろっ、て…」

ドリアード 「それで、魔石の力と私たちの力を使ってここに転送したんです」

レイナ 「誰かの声…?」

私はそこまで考えて、シーナのことを思い出す。

レイナ 「シーナ!?」

シーナ 「う…?」

よかった、目を覚ました。

レイナ 「大丈夫…?」

シーナ 「…姉さん? クルスは?」

レイナ 「え…?」

クルスの姿は見えなかった。
でも、これだけは記憶に残っていた。

クルスはもう…。

シーナ 「姉さん!! クルスは!?」

レイナ 「……」

シーナ 「嘘…嘘よね!?」

レイナ 「シーナ、ごめんなさい…」

私はそれしか言えなかった。

シーナ 「姉さん…?」

レイナ 「私が…もっとしっかりしていれば……私のせいで」

シーナ 「姉さん、どうして泣くの!? クルスは…?」

レイナ 「クルスは…私を止めるために、自爆をしてゼイラムを…」

それでもゼイラムはそれほどダメージを受けてはいないはず。
きっと、まだ生きてる。

シーナ 「自爆…? そんな!!」

ノーム 「ま、マジかよっ!?」

ドリアード 「そんな…クルスさんが」

レイナ 「…ごめんなさいシーナ……ごめんなさい」

私は謝ることしかできなかった。
自分が怒りに我を忘れてしまったから。

シーナ 「……クルス」

レイナ 「………」

ノーム 「レイナ姉ちゃん」

ドリアード 「……」

シーナ 「やめて姉さん!!」

レイナ 「!?」

シーナは私の肩を掴み、制する。

シーナ 「クルスは、無駄に死んだわけじゃないわ!!」
シーナ 「クルスは…私たちを助けるために死んだのよ!!」

レイナ 「でも…私が」

パシイッ!

シーナが平手で私の頬をはたく。

シーナ 「しっかりして!! そんなことじゃ、ゼイラムには勝てないよ!!」

レイナ 「でも、私の力じゃ…」

シーナ 「勝てる! 姉さんなら!!」

レイナ 「…シーナ」

シーナ 「姉さんは、怒りに任せてバルムンクの力を引き出した」
シーナ 「それじゃダメよ!! バルムンクは姉さんの心に比例するのよ!?」

レイナ 「心に…?」

シーナ 「お父様を殺すなんて言わないで…そんなのは姉さんじゃない!!」
シーナ 「ゼイラムは、姉さんを引き込むつもりだったのよ」

レイナ 「どういうこと?」

シーナ 「姉さんを怒らせて、姉さんの中の邪悪な部分を引き出す…」
シーナ 「そして、姉さんの邪神因子を活動させるつもりだったのよ!」

レイナ 「…あの時と同じ」

ノーム 「暴走…」

ドリアード 「どういうことなの?」

ノーム 「一度、レイナ姉ちゃんは邪神因子のせいで暴走してるんだ…」

シーナ 「だけど、今はバルムンクが守ってくれるわ…お願い! 姉さんは一番自分らしい心を信じて!!」
シーナ 「クルスの死が…無駄にならないように!」
シーナ 「モフの死が…無駄にならないように!!」

レイナ 「……ごめんなさい、シーナ」
レイナ 「私がどうかしてたのね…知らず知らずの内に利用されてた」
レイナ 「私は、お父様とお母様を『救い』ます!」
レイナ 「その結果はどうなるかわからない…でも」

シーナ 「私もいるわよ!」

レイナ 「ええ…一緒に救いましょう!!」

ノーム 「でも…どうやって?」

ドリアード 「次はもう潜入が…」

声 「大丈夫です」

後ろから突然声。
私たちは振り向く。

すると、ひとりの女性が立っていた。
白い翼に桃色の長髪、白い服で正装した美しい女性だった。
腰には一振りの剣を下げ、見た目からして風格を感じさせる。

レイナ 「あなたは…?」

女性 「申し遅れました…私はサリサ・シオーネと申します」

レイナ 「あなたが、サリサさん!?」

サリサ 「はい…お初お目にかかります、レイナ様、シーナ様」

サリサさんはそう言ってその場で膝を突き頭を下げる。

レイナ 「顔を上げてください…私は王家を追い出された身です」

サリサ 「いえ、それは国王様がお変わりになられたからです」

レイナ 「ゼイラムが、操っていたのね」

サリサ 「はい…」

シーナ 「それよりも、潜入は…?」

サリサ 「はい…転送魔法で」

レイナ 「あなたが使えるの?」

サリサ 「いえ…私だけでは。先ほどのように、ノーム君とドリアードちゃんにも手伝ってほしいのです」

ノーム 「ってことは、やっぱりさっきの声はこの姉ちゃんが?」

ドリアード 「失礼よ! ノーム」

ノーム 「おっと…」

サリサ 「ふふ…いいですよ」

さらっと、笑顔で流す。
どことなく未知さんを彷彿とさせる。
笑顔で許すところがそっくりだ。

レイナ 「…わかりました。お願いします」

サリサ 「はい…急ぎましょう。恐らくここにも敵が現れます」
サリサ 「回復用の魔石があります。少しは楽になるはずです」

レイナ 「…ええ、ありがとう」

私とシーナは魔石の魔力を吸収し、体力を回復する。

シーナ 「今度は、大丈夫よね?」

レイナ 「大丈夫…シーナがいてくれる、きっと上手くいく」

もうこれがラストチャンス…。
ゼイラムは二度も失敗しないはず。
今度こそ、お父様とお母様を救ってみせる!

そして、3人の魔力と、魔石の力により、転送魔法は開始する。
光に包まれながら、私たちはお父様の姿を頭に浮かべた。



…To be continued



次回予告

レイナ:強大なゼイラムの力。
バルムンクの力を持ってしてもその力には対抗できない。
そんな時、私の中に眠るもうひとつの力が発動した。


次回 Eternal Fantasia
第35話 「光の翼」


レイナ 「私はこの国の王女です!!」



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