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第38話 「生存」

ロード 「終わりだな…」

敵の指揮官が槍を掲げ力を放とうとする。

悠 「…こうなったら!」

レイナ 「待って悠! あれは!?」

レイナが指差す方を俺たちは見つめる。

ロード 「!?」

キュン! ヒュン!

ズバァ! ドシュッ!!

兵士 「ぐわぁ!」

飛竜 「ギャアス!!」

突然敵の後ろから真空波のようなものが放たれる。
それに当たり、飛竜が次々と落ちる。

悠 「な、なんだ…?」

ロード 「何者だ!!」

敵の指揮官が力を背後に放つ。
すると、真空波はやみ、沈黙が訪れる。

バル 「く…船は完全にダメだ」

シオン 「フィリアさん! 無事ですか!?」

フィリア 「お前こそ、鎧を脱がねえと沈んじまうぞ!!」

ネイ 「うぷっ、しょっぱ〜…」

レイナ 「まさか…」

レイナは何やら微笑む。
その視線の先には何やら沢山の影があった。

ユミリア 「……?」

ロード 「ほう…まさか、こんなところで会うとはな」

シーナ 「魔竜王ロード・ドラグーン! なぜ、あなたが邪神の言いなりになるのです!?」

悠 「シーナ、ちゃん…?」

見ると、かっこいい白の鎧を纏い、風槍グングニルを構えるシーナちゃんがいた。
そして、その後ろには飛翼族の兵士達が数十人はいる。
これがヴェルダンドの軍…。

ロード 「…答える必要はない」

シーナ 「ならば、ここであなたを倒します!!」

サリサ 「(シーナ様…やはり何かが違います)」

シーナ 「(どういうこと?)」

サリサ 「(私の知っているロード様は、少なくともあんな目はしていませんでした…)」

シーナ 「目…?」

ロード 「……?」

シーナ (あの目…烈が襲ってきた時の目に)

ロード 「全兵士! ヴェルダンドの軍を叩き潰せ!!」

敵兵 「はっ!」

指揮官の号令で、残った数十機の竜騎士はヴェルダンド軍に向かっていく。

シーナ 「…甘いわ」

ブンッ…!!

敵兵A 「うっ!?」

ズバァ!

敵兵B 「な、何だ!?」

突然敵の兵士のひとりが切り刻まれ、海に落ちる。

ロード 「…真空壁か」

シーナ 「ご名答…ヴェルダンドの魔導師軍をなめないことね」

ロード 「つまらん芸当だ…ならば、このゲイボルグの力の前にひれ伏すがいい!!」

敵の指揮官が槍を構えシーナちゃんに突っ込む。

シーナ 「受けて立つわ! このグングニル、全力で使わせてもらうわ!!」

シーナちゃんは翼を羽ばたかせ、グングニルで指揮官を攻撃する。

ガキィ!

火花が散り、閃光が煌く。
力は、互角…。

ロード 「むぅ…!」
シーナ 「くぅ…!」

サリサ 「今の内に、海に落ちている仲間を助けるのよ!!」

その号令と共に、ヴェルダンドの兵士達は一斉に俺たちの元に降りてくる。

レイナ 「皆…」

サリサ 「レイナ様、ご無事で」

レイナ 「ありがとう…あなたたちがいなかったら今ごろ」

サリサ 「ふふ、シーナ様の勘はよく当たるようです」

レイナ 「?」

味方兵A 「大丈夫か!?」

悠 「ふぅ…助かった」

ネイ 「う〜…」

味方兵B 「さぁ、掴まれ!」

バル 「よし…!」

味方兵C 「シオン王子! フィリア王女!」

シオン 「すまない…」

フィリア 「助かったぜ…」

味方兵D 「ユミリア様も早く…!」

ユミリア 「ええ…ありがとう」

見ると、どうやら他の部隊も全員無事のようだ。


アリア 「全員無事?」

ゾルフ 「うむ…見事な手際じゃ」


シェイド 「危なかった」

ウンディーネ 「まったくや…」


ロード 「できるな…子供がここまでやるとはな」

シーナ 「はぁ…はぁ…」

さすがに強い…。
まだ、向こうは余裕があるの?
私は、サリサの方を見る。

サリサ 「!!」

サリサはOKサインを出す。
救出は完了。

ロード 「ふ、時間稼ぎのつもりか…?」

シーナ 「!? 何、このパルス?」

ロード王のパルスの質が変わる…?
見ると、ロード王は小刻みに震えだす。

バゴッ!

シーナ 「!?」「

ロード王の鎧が突然はじけ飛ぶ。

レイナ 「な、何…?」

ユミリア 「いけない…シーナ、離れなさい!!」

シーナ 「!?」

私はその言葉を聞いて、咄嗟に後ろに後退する。

ロード 「!!」

ギュンッ!

シーナ 「は、早…!」

ドガァ!!

レイナ 「シーナーーー!!」

シーナちゃんは指揮官の攻撃を受けて海に突っ込む。

ザッパーーーンッ!!

サリサ 「シーナ様!!」

ロード 「くっくっく…しぶといな」

ザバァ!

シーナ 「く…何なの?」

シーナちゃんは海から抜け出し、低空飛行で後退する。

ロード 「逃がさん…」

シーナ 「え…?」

見ると、ロード王は飛竜に乗っていない。
自分の翼で飛んでいる。
ううん…むしろ、姿そのものが変わって…。
黒い鱗のような皮膚に、鋭い爪、角まで…まるで、魔竜。
ユミリア 「竜化よ…あれがロードの本性」

レイナ 「本性!?」

ユミリア 「竜族の中でも位の高いものは、人と同じ姿をしている」
ユミリア 「だけど、その中でも選ばれた者は竜に変身して力を解放することができる」
ユミリア 「ロードのそれは人型のまま、より戦闘向きな竜に変身するのよ…」

シーナ 「な、なんて力なの!?」

パワーが違いすぎる、このままじゃ勝てない。

レイナ 「今動けるのは私だけ…!」

悠 「レイナ! 無茶はするなよ!?」

レイナ 「ええ!」

私はバルムンクでロード王に切りかかる。

ガキィ!!

レイナ 「そんな! 素手で!?」

ロード王は左手一本でバルムンクの剣撃を受け止める。

ロード 「ククク…」

ドガッ!

レイナ 「ぐぅっ!」

私はロード王の蹴りを腹部にくらい、落下する。

ロード 「もろいな…飛翼族は所詮この程度だ」

シーナ 「このおぉ!!」

私は全力のグングニルでロード王を攻撃する。

ガガァッ!!

だけど、ロード王はゲイボルグでそれをいなす。

シーナ 「!!」

ロード 「ふははははっ!!」

レイナ 「全力でしとめる! ホーリー・ブラスターーー!!」

私は光の翼を解放し、全力で最大の攻撃魔法を放つ。

ギュアアアアアアアッ!!!

ロード 「ぐおっ!!」

ロード王はそれをゲイボルグのシールドで耐える。

シーナ 「これなら、どう!?」

私は無防備のロード王の背後から攻撃する。

ロード 「!?」

シーナ 「セイント・ディザスターーー!!!」

私はグングニルの力を全て解放し、編み出したばかりの大技を仕掛けた。

ズギャギャギャギャッ!!!

無数の光が真空波と共にロード王の体を切り裂く。

ロード 「がああっ!!」

ロード王はそのまま姉さんの魔力に耐え切れずに魔法に押しつぶされる。

ギュアーーー!!

ロード 「がはっ…!」

ロード王は変身が解け、力なく海へと落下していく。

レイナ 「くっ!」

パシッ

私は海に落ちる前にロード王を捕まえる。

シーナ 「…他の兵は?」

サリサ 「大丈夫です…竜騎士団は殲滅いたしました」

シーナ 「そう…よかった」

私は気が抜けると、サリサにもたれかかる。

サリサ 「シーナ様!?」

シーナ 「大丈夫…いきなり力を使い果たしちゃったから」

サリサ 「ゆっくりお休みください…」

私はその言葉に甘え、少しの間眠りにつく。

レイナ 「…サリサ! どこへ行くの!?」

サリサ 「皆さんを連れて、ソルジネスに非難します!!」

こうして、第1戦は幕を閉じた…。



悠 「…まさか、ここで足止めとはな」

俺たちはヴェルダンドの人たちが用意してくれたベースキャンプで、夜を明かすことになった。
場所は森の中で、簡単には敵には見つからない

バル 「それよりも、ロード王のほうが心配だ」

悠 「まさか、竜族が攻めて来るなんてな」

バル 「それだけじゃない…恐らくロード王は操られていた」

悠 「確信はあるのか?」

バル 「それをユミリアさんのところに確認しに行く」

バルはそう言って医療班の所へ向かった。
俺もその後に着いていく。

兵士A 「あたた…」

兵士B 「ありがとうございます、セリス様…」

悠 「こうしてみると、かなりの人が怪我してるな」

バル 「ああ、むしろ生き残っただけでもたいしたものだ」

セリス 「あら、あなたたちも治療?」

バル 「いや、ユミリアさんに用があって」

セリス 「そう、テントの中でロード王の治療をしてるわ」

俺たちはテントの中に入る。

ユミリア 「かなり強力なやつね…」

アリア 「どうにかなる?」

ゾルフ 「副作用ばかりは無理じゃ」

レイナ 「悠?」

レイナが気づき、俺たちは挨拶をする。

ユミリア 「あら、何か用?」

バル 「ロード王の様子を…」

悠 「俺は付き添いで…」

ユミリア 「そう…見ての通りよ」

見ると、ロード王は全身傷だらけではっきり言ってボロボロだった。

悠 「レイナとシーナちゃんが全力で攻撃すると竜王様も形無しだな…」

ユミリア 「それだけじゃないわよ…竜化は確かに強力な姿だけど、反動も激しいのよ」

悠 「というと?」

ユミリア 「元々、竜化は自分の体を完全に竜とし変化させ、竜の力を引き出すのが普通なの」
ユミリア 「だけど、ロードは人型のまま、より戦闘向きな竜化を行うの…」
ユミリア 「つまり、実際は無理な変身だってこと…」

悠 「俺の翼と似たような物ですか…?」

ユミリア 「スケールはあなたの方がはるかに大きいけどね…あなたの場合は死ぬ可能性があるから」

悠 「……」(汗)

バル 「エビル・プリズナーの副作用は?」

ゾルフ 「何らかの形で、現れるじゃろう…今は何ともな」

アリア 「ごめんなさい、後は私に任せて…」

アリアさんがなにやら思いつめたような表情で俺たちにそう言う。

レイナ 「そんな、私たちも…」

ユミリア 「レイナ! 行くわよ?」

レイナ 「ユ、ユミリアさん…?」

ユミリアさんはレイナの手を引いて強引に連れ出す。
俺たちもならってその場を離れた。


レイナ 「ユミリアさん…」

ユミリア 「アリアと、ロードね…実は元恋人同士なのよ」

悠 「マジで!?」

バル 「……」

ゾルフ 「うむ、じゃが前回の戦争でふたりは敵同士となった。それ以来、ふたりは会うことすらなかったよ」

レイナ 「…どうして、ロード王は敵に?」

ユミリア 「前回では少なくとも妹を人質に捕われていたわ」

悠 「きったねぇ…」

バル 「ゼイラムらしいやりかただ」

レイナ 「妹さんは助け出されたんですか?」

ユミリア 「…生死不明のまま、戦争は終わり。今もまだ見つかってないわ…」

悠 「じゃあ、ゼイラムが隠したままってこと!?」

ユミリア 「そう考えるのが妥当ではあるわね…」

バル 「いや、少なくとも以前に聞いたロード王の言葉からそれは推測できん」
バル 「ロード王は自由になっていた」

ユミリア 「いつ会ったの?」

バル 「アイズが、ユミリアさんの病院を襲う前です」

悠 「懐かしい話だな…」

ユミリア 「…まぁ、エビル・プリズナーで強攻策にでたようだけど」

ゾルフ 「むぅ…やはり、生きてはおるまいか?」

レイナ 「…ロード王は、300年もその苦しみに耐えてきたのですね」

ユミリア 「そうね…」

悠 「でも、これからはこっちの味方してくれるんじゃないのか?」

バル 「だといいんだがな…」

悠 「んだよ…何かあるのか?」

バル 「いや…深い意味はないんだが」

レイナ 「大丈夫。ロード王から邪気は消えたわ、少なくとも意識が戻れば普段通りのはず…」

悠 「それよりもアリアさんだよ!」

ユミリア 「アリアはあの性格だからね…辛いなんて一言も言わないし、気丈に振舞って」

ゾルフ 「お前とは違うということじゃ…」

ユミリア 「どうせね…」

悠 「………」

戦争でも、やっぱ恋ってするもんなんだな。
ユシルさんはセイラさんが好きで…。
セイラさんはユシルさんが好き。
ユミリアさんはユシルさんが好きで。
アリアさんとロード王は恋人同士。

考えてもみれば、俺たちも結構そういうのあるのかもしれないな。

バルはどう見てもネイに気があるとしか思えん…バルは昔からネイと知り合いなわけだから、ネイが記憶を無くす前は恋人同士だった可能性がある。
ネイもバルに若干気があるようだし…。 レイナは断定できんな…俺だといいけどって、何考えてんだ俺!
ナルさんとシャインさんも結構いい感じだよな、喧嘩ももうしないし…。
ノームとドリアードちゃんはいつのまにか恋人同士になってるし。やるな…。
ウンディーネさんは未だによくわからない…最近は俺に構わなくなったし。
何気に烈さんの存在が気になるみたいだな…。
シャールはいつのまにか元敵のデルタにぞっこん…。
強引に婚約までしてやがるし…。
ウィルさん、はわからんな…恋とか興味なさそう。
ルナさんとジンさんは何気に両想いだったんだよな…想いが伝わる前に、ジンさんが死んじゃってルナさんが気の毒だけど。
シェイドさんもよくわからないよな…本人は興味ないってセリスさんにも豪語してるし。
姉さんはそう言えば降さんに気があるんだよな…。降さんが未来の兄貴か。
シーナちゃんはクルスが好きだった…クルスもきっと同じだったんだろうな。
サリサさんは氷牙って人と恋人だって言うし…。
シオンさんはフィリアさんに一目惚れ。でもフィリアさん本当は気づいてるんじゃないのかなぁ…?
ディオは…特になさそうだな、あえて上げるならナルさん辺りか?
セリスさんも無さそうだな…っていうかよく知らないしな。

そう言えば…ルーシィとかどうしてるかな?
ルーシィは…小さい頃俺のことどう想ってたんだろうか?
俺は…レイナと出会う前は、ルーシィが好きだった。
俺の初恋なんだよな…。
突然引っ越して、離れ離れになって…。
でも…。


レイナ 「悠?」

悠 「うわっ!?」

レイナ 「きゃっ!?」

気が付くと、目の前にレイナがいた。

悠 「あ、ごめん…」

レイナ 「うん、びっくりした…どうかしたの?」

悠 「え? いや、なんでもない、あはは…」

考えれば、これだけ出て来るなんて、案外幸せなパーティだな…。

バル 「……」

俺たちはそれぞれの寝床に戻った。


………。


アリア 「……」

ロード 「………」

私は何を考えているのだろう?
昔、恋人だったその人は今ここに横たわっている。
私は今でも想っているの?
昔、敵として戦いもしたこの人を…。

アリア 「あなたは、馬鹿よ…」

ロード 「ああ…そうかもな」

アリア 「!?」

ロードは目を覚ましていた。
目を瞑りながらそう答えたのだ。

アリア 「ロード…」

ロード 「すまなかったな…俺が馬鹿なばかりに、迷惑をかけてしまった」

アリア 「……」

私は必死に涙をこらえていた、肩を震わせながら。

ロード 「レイラは、もう死んだのかもしれない…」

アリア 「そう決まったわけじゃ…」

ロード 「確かにな…だが、もう忘れた方がいいのかもしれん」
ロード 「俺には、弱みにしかならない…。レイラが生きているのなら、また会えるだろう」
ロード 「俺はそう信じることが、大切なのかもしれん」

アリア 「…ロード」

涙は自然に頬を伝い、ロードの頬に落ちる。

ロード 「…また、泣かせてしまったな」

アリア 「……?」

ロード 「あの時も…泣かしてしまった。俺が馬鹿ばっかりに…」

アリア 「……!」

私は激しく首を横に振り、それを否定する。

アリア 「私が…私が弱いだけよ! ひとりの時は大丈夫なのに、あなたの前ではいつも…」

ロード 「……」

それを聞くと、ロードは小さく微笑んだ。

アリア 「ロード…?」

ロード 「ふ…要するにふたりとも馬鹿だってことだ」

その言葉を聞き、私も涙顔に微笑む。

アリア 「うん…」



悠 「これから、どうすんだ?」

俺たちは早朝、ミーティングを開いていた。

ユミリア 「海路からの侵入は厳しいわね…もう固められているわ」

サリサ 「ならば空から攻めますか?」

アリア 「方法があるの?」

サリサ 「飛空挺を使おうと思います」

ゾルフ 「なんと!? 飛空挺があるのか?」

サリサ 「ソルジネス大陸西部、ゲルティス遺跡の奥深くに眠っていると言われています」

ユミリア 「ここから近いの?」

サリサ 「ええ、ここはソルジネスの西部で海岸に最も近い森ですから」

ユミリア 「……」

ユミリアさんは口元に手を当て、考える。

ユミリア 「それじゃあ、5人程その遺跡に向かってもらうわ!」

レイナ 「5人ですか…」

シェイド 「動くメンバーとしては、最小限だな」

ユミリア 「行ってもらうメンバーは、シェイド、シャイン、ナル、悠、レイナの5人よ!」

悠 「ひえ〜…そうそうたる面子だな、全員伝説の武具持ちだぜ…」

ユミリア 「シェイドがリーダーとしてメンバーを引っ張っていって」

シェイド 「ですが、場所は…?」

シャイン 「その遺跡なら私が知っている…案内しよう」

ナル 「私も知ってるわよ、場所だけならね…」

悠 「俺は戦闘オンリーだな…つってもこのメンバーじゃそう簡単にはやられないと思うけど」

レイナ 「私は治療役かな…?」

シャイン 「悠の役目は、オメガへの対策だろう。あいつが出てくれば、他の人間には勝てん」

ナル 「レイナはその悠君のサポーターよ、力を使えば、消耗が激しいしね」

悠 「なるほど…」

レイナ 「確かに…」

ユミリア 「他のメンバーは全員このベースキャンプで待機! その際戦闘もあると思うから、心構えだけは忘れないで!」

一同 「はいっ!!!」


シェイド 「では、行こう…シャイン、ナル、頼んだぞ」

シャイン 「わかった」

ナル 「OK…」

悠 「レイナ…?」


ユミリア 「レイナ、これを…」

レイナ 「これは…首飾りですか?」

ユミリア 「ええ、レイナにあげるわ…」

レイナ 「えっ…でもこれ、ユミリアさんの…」

ユミリア 「いいのよ…あなたと悠君を守ってくれるはずだから」

レイナ 「…ユシルさんがユミリアさんにあげたものじゃ?」

それを指摘すると、ユミリアさんは少し顔を曇らせ。

ユミリア 「ご名答…。そうね、気が進まないのなら、悠君に渡して…」

レイナ 「悠に、ですか?」

ユミリア 「ええ、そしてこう伝えて…預かり物を返したわよ、って」

それを聞いて、私は微笑んで答えた。

レイナ 「…わかりました」

悠 「おーい、レイナ!!」

レイナ 「うん、今行くわ!!」

こうして、俺たちは5人の選出メンバーでゲルティス遺跡へと向かう。
俺は、ユミリアさんから返してもらった首飾りを見て、思う…。
ユシルさんは、どんな気持ちでユミリアさんにこれを渡したのかが、何故かよくわかる
ユシルさんと言う人のことも、よくわかる…。
これは、俺とユシルさんだけの繋がりなんだろう…。
だったら、この首飾りはきっと俺たちを守ってくれる…。
そう信じれた…。


…To be continued



次回予告

悠:ゲルティス遺跡の内部は複雑な迷路で、俺たちは行く手を阻まれる。
そして、俺とシェイドさんが罠にはまり、ふたりだけ別の場所に離されてしまう。
そんな時…俺はシェイドさんに母を見る。

次回 Eternal Fantasia

第39話 「母親の影」

悠 「母さん…」



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