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第3話 「第二次美少女コンテスト」

ユウ 「今日も快晴だな…」

現在、1001年4月8日午前7時。

ネイ 「…一緒のクラスになれるかなぁ?」

俺の隣で一緒に歩いていたネイがそんなどこの誰でも言ってそうな言葉を言う。
ネイは普段かなり寝起きが悪いらしく、いつも朝は辛いと言っているが…。
今日は俺と同じ時間に起きている。

ユウ (…無理してるんじゃないのかな?)

よく見ると、ネイはかなり眠そうではある。

ネイ 「ふぁ…」

ユウ 「やっぱり無理してるだろ…?」

ネイ 「え? ううん! 大丈夫だよ!!」

ネイは明るく振舞う。

ユウ 「……」

俺はこの際。気にしないことにする。
ネイがそうしたいのなら、何も言う必要はないだろう。
俺たちは特に会話もないまま学校についた。


ユウ 「ふう…さてと」

俺は周りを見渡すが誰もいない…。
現在時間7時30分。
まさに人がいない。

ユウ 「どこでクラス公開されてるんだ?」

ネイ 「う〜ん…」

とりあえず、色々見てみるがどこにもない。

ユミリア 「あら、早いわねふたりとも…」

突然上から呼ばれる。
すると、ユミリアさんが2階校舎の窓から顔を出していた。

ユウ 「ユミリアさん…おはようございます」

ネイ 「おはようございます」

ユミリア 「ええ、おはよう…クラスのことでしょ? 中央校庭まで来なさい」

俺たちは言われて中央校庭まで行く。
この学校は初、中、高、専の学問があるので、確かにかなり広い空間でないと人で押しつぶされることになる。
中央校庭は、テラ・フォースの文字通りど真ん中にある校庭で、普段は昼飯などを食うときや、休憩でくつろいだりする場所だ。

ユウ 「えっと…」

見渡すと、かなり大きい紙が目に付く。
1年前に見たことがある風景だ。

ネイ 「あっ、あったー! ユウと一緒だー!!」

ユウ 「どこだ?」

ネイ 「Cクラスだよ♪」

ユウ 「おおっ、確かに…えっと他の奴らは」

ネイ 「う〜んと」

自分のクラスだけ確認すると、一緒の奴はガイ、ジェイク、レイラが一緒だった。

ユウ 「ってことは…他の奴らは」

ネイ 「別のクラス…だね」

ユウ 「まぁ、仕方がないな」

俺たちは確認を終えると、早速自分のクラスに向かう。

………。

やはり誰もいない。

ユウ 「まぁ当然だよな…」

俺はとりあえず1番前で1番扉に近い席に座る。

ネイ 「…どこでもいいの?」

ユウ 「ああ、この学校は座席なんて好きなところで構わないぜ」
ユウ 「毎日違う席でもいいし」

ネイ 「そっか♪」

何だかネイは嬉しそうに俺の左隣に座る。
俺の右隣は扉だからな。

ネイ 「……」

ユウ 「……」

しばらく無言が続く。
そして、20分ほど経ったかと思うと。

ガチャ…

静かに扉が開き。

ネイ 「あっ」

レイラ 「…おはよう」

レイラが入ってきた。

ユウ 「よっ、今日から同じクラスだな」

ネイ 「よろしくね〜」

レイラ 「………」(こくり)

レイラはそう言って、その場で立ち尽くす。

ユウ 「…どうした?」

レイラ 「…どこに座ればいいの?」

俺はああ、答え。

ユウ 「どこでもいいぞ」

それを聞くと、レイラは俺の後ろに座る。

ユウ 「……」

それからすぐに、他の奴らも連ねて入ってくる。
しばらく経つと、すでに談話モードに入ったようだ。

ガイ 「また同じクラスか〜! よろしくな」

ジェイク 「まぁ、退屈はしなさそうだな」

ユウ 「おうよろしく!」

ネイ 「うん、よろしく!」

レイラ 「…よろしく」

ユウ 「他の奴らはどうなったんだろうな?」

ガイ 「ミル、エイリィはAだな。バルはBだったぜ」

ユウ 「調べたのか?」

ガイ 「ああ…んで、レイナとルーシィがDだ」

ユウ 「なんだ…結構バラバラだな」

ネイ 「じゃあ、このクラスは意外と多いよね」

ユウ 「そうだな」

確かに他のクラスに比べると5人が身内は多いな。
そして…。

声 「はーい、静かにーー!」

先生の声が聞こえ、場が静まる。

ユウ 「うお…」

ネイ 「わ…」

俺たちは先生を見て驚愕する。

ユミリア 「はーい、今日から1年間このクラスの担任をすることになった、ユミリア・デミールよ!」

ユミリアさんは何やら、明るく、可愛げにそう振舞う。
そんないかにも可愛い仕草がクラスの男子連中どもに馬鹿受けし、騒ぎだす。

男A 「うおおおお!!」
男B 「このクラスでよかったーーー!!」

知らぬが仏…。
俺は語らずにそう心の中で思った。

ユウ (確かにユミリアさんって微妙に童顔だからな…)

馬鹿な男は一瞬で騙される。
俺のユミリアさん第一印象は『怖い』だったが…。

ユミリア 「それじゃあ、簡単に自己紹介でもしてもらいましょうか〜」

ユミリアさんがそう言うと、当然端っこに座っている俺が指名される。
わざとじゃねえだろうな…?

とりあえず、仕方なく俺はその場で立ち上がり。

ユウ 「ユウ・プルートです。よろしく」

俺はそれだけを言って座る。

ユミリア 「何よ普通ね…」

普通じゃない自己紹介って何だ?

ユミリア 「んじゃ、次はその後ろね。後は順番」

すると、俺の後ろの席のレイラが立ち上がる。

レイラ 「…レイラ・ドラグーンです。よろしく」

それだけを言って席に座る。
明らかに俺の自己紹介とパクリだ…。
よくわからないもんだから、俺のを参考にしたな…。

ユミリア 「何よ平凡ね…もうちょっとキャピー♪とかした自己紹介はないの?」

一言多いって…。

そのまま、一列目が『平凡』に終わると、次の列の先頭。
つまりネイに回ってくる。

ガタッ

ネイ 「えっと…ネイ・エルクです」
ネイ 「特技は食べることぐらいですけど、仲良くしてください…」

そう言って、ぺこりとお辞儀をする。
その仕草があまりに可愛らしいため、ま〜た男子連中が騒ぎだす。

ユミリア 「はいはい♪ 騒がない騒がない…それじゃあ次の人」

ガイ 「俺か…? えっと…」
ガイ 「ガイ・グラトンです。まぁ、よろしく…」

ガイはそれだけだった。
まぁ、普通だよな。

ジェイク 「ジェイク・ストローグです。よろしく」

こいつも普通だな…。
つーか、盛り上がらねえ…。

後は本当に平凡な自己紹介が過ぎるだけだった。

ユミリア 「何よ盛り上がらないわね…。もうちょっと期待してたのに」

どんな、自己紹介を期待してたんだ。

ユミリア 「まぁ、いいわ♪ これから勉強に、スポーツにと色々頑張ってね!」

ユミリアさんは最後にそう締める。
んで、まーた男子連中が騒ぎだす。

ユミリア 「はいはい、騒がない! それじゃ体育館まで移動よ! 校長スピーチが待ってるから」

俺たちはダレながらも移動を開始する。


………。


校長 「…で、あるからして」

去年と変わらず、無駄に長い校長のスピーチが続く。
まぁ、校長は大らかで、すさまじく温厚な人だ。
気が付くと、スピーチも終わり、解散となる。



ユウ 「ふう…」

レイナ 「ユウ!」

突然後ろから声をかけられる。

ユウ 「おおレイナ…。どうだった? 新しいクラスは」

レイナ 「うん、こっちの担任はアリアさんだったわ」

ユウ 「そうだったのか…こっちはユミリアさんだよ」

レイナ 「…楽しそうね」

ユウ 「…そっちは大人しそうだな」


………。


ユウ 「そうか、ルーシィが一緒だもんな」

レイナ 「ええ、彼女は今年も生徒会で頑張るそうだから」

ユウ 「そっか…レイナは何か部活はやるのか?」

レイナ 「え? ううん…考えてないけど」

ユウ 「そうか…」

一瞬うちに来ないかと言いそうになったが止めておく…。
ろくでもねえ…。

ユウ 「んじゃ、ルーシィによろしくな…」

レイナ 「ええ、それじゃ」

ユウ 「……」

レイナの後姿を見てふと見とれてしまう。

ユウ (馴染んでるな…)


………。


それから自分たちの教室に戻り、担任の『ありがたい』お言葉を聞いて今日は解散となった。

ユウ 「さて、帰るか…」

ガイ 「ちょっと待てユウ!!」

ユウ 「あん? まだなんかあるのか…?」

ガイ 「…今日の17時に中央校庭に集合だ!」

ユウ 「はぁ、何で…?」

当然の疑問だろう。

ガイ 「くくく…よく聞いてくれた」

ガイは不適な笑みを見せ、腕組をして答える。

ガイ 「去年に引き続き、今日は美少女コンテストの日だ!!」

ユウ 「………」

一瞬沈黙。

ユウ 「で?」

ガイ 「お前も来い!!」

ユウ 「何で!?」

ガイ 「馬鹿野郎! もしネイが一位になったりしたらどうするんだ!?」

ユウ 「知るかっ!!」

ガイ 「なぁ〜、そう言うなって…俺とお前の仲じゃねえか」

ユウ 「俺にメリットがない」

ガイ 「…そうだな、じゃあ昼飯1回おごりでどうだ?」

ユウ 「乗った!」

俺は即答する。
我ながら飯のおごりには弱いなぁ…。



んで、17時。

ユウ 「いきなり時間がすっ飛ぶなぁ…」

ガイ 「作者の陰謀だろ」

ユウ 「で、結局何で俺の力が必要なんだ?」

ガイ 「いや、治安を守るためにな」

ユウ 「治安?」

ガイ 「そっ、去年もあっただろ…校庭爆破」

ユウ 「……」

俺は去年の映像を繋ぎ合せてみる。


………。


ユウ 「成る程な」

確かに、暴動やらなんやらで校庭が吹っとんだっけ…。

ユウ 「まぁ、部活の一環としておこう」

ガイ 「頼むぞ! 俺はこのコンテストを楽しみにしているんだ!!」

ユウ 「あのな…俺だけか?」

ガイ 「いや、バルにも連絡は入れておいた」

ユウ 「手回しがいいな…わかったよ」

俺はとりあえず、巡回を始める。
ルールは単純で19時から審査が開始する。
要するに、今からその間は人気投票やらの第一次審査だ。
学校中にいる美少女たちに問いかけ、反応などを見て評価が決まる。
俺の役目は(バルもか)その間巡回して暴動などが起きないようにすることだ。


………。
……。
…。


あれから1時間が経過。
とりあえず異常なしっと。

バル 「ユウ、そっちはどうだ?」

ユウ 「今のとこは問題ないな」

バル 「まぁ、十分に注意はした方がいいな」

ユウ 「ああ」

俺たちは再び巡回を続ける。


………。


ネイ 「あっ、ユウ! 聞いてよ!!」

ユウ 「どうしたネイ?」

ネイがいきなり駆け寄ってくる。

ネイ 「何か、色々起こってるみたいだよ? コンテストやらなんやら」

ユウ 「知ってる…」

ネイ 「それでねそれでね! 私も参加することになっちゃた…」

ユウ 「…まぁ、頑張れよ」

ネイ 「うう…それだけぇ?」

ユウ 「どんな言葉を期待していたんだ…」

ネイ 「せめて、励ましの言葉とか…」

ユウ 「言ったじゃねえか…」

ネイ 「うう…せめて心を込めてぇ」

ユウ 「まぁ、ネイなら普通にしてればベスト5には入るんじゃないか?」

ネイ 「ホント!?」

ユウ 「普通にしてればな…」

俺はそう言って巡回を続ける。


………。


レイナ 「ユウ、帰ったんじゃないの?」

ユウ 「部活だ」

レイナ 「あっ、そうだったんだ…私もユウと同じ部に入ろうかな?」

ユウ 「恐ろしいことを言うな」

レイナ 「え?」

ユウ 「い、いや…ろくでもない部だからな、止めた方がいい」

レイナ 「??」

俺は巡回を続ける。


………。


ルーシィ 「あら、ユウ…何してるの?」

ユウ 「ルーシィか、久しぶりだな」

ルーシィ 「…まさかとは思うけど」

ユウ 「じゃあな!」

ルーシィ 「あっ、ちょっと待ちなさい!!」

俺は足早に逃げ去る。
相変わらず勘のいい奴だ。
恐らく今俺の部活は生徒会に喧嘩売ってるんだろうな…。
生徒会非公認コンテストだからな…。
っていうか、去年もそうだけど考案者は誰だ?

ミル 「何やってるの? こんな所で」

ユウ 「おわっ、ミルか?」

ミル 「かくれんぼでもしてるの?」

ユウ 「いや、そう言うわけじゃない」

ミル 「ふうん…まぁいいや。私、コンテストに出るらしいから」

ユウ 「はぁ? お前もか!?」

ミル 「何? 他に知り合いが出るの?」

ユウ 「ネイがな…」

ミル 「あっ、そうなんだ♪ これは負けられないね…」

ユウ 「何が?」

ミル 「こっちの話っ、じゃあね♪」

ミルは足早に去っていく。

ユウ 「この調子だと…」

エイリィ 「…何?」

ユウ 「うわっ! 今度はエイリィかっ!?」

エイリィ 「ふふ…脅かして悪かったわね」

ユウ 「いや別にいいが…エイリィ、まさかとは思うが」

エイリィ 「自分の目で確かめればいいわ」

エイリィはそれだけ言って去っていった。

ユウ 「………」


………。
……。
…。


そして、ついに時計の針が19時を差した。

ユウ 「もう日が暮れたな」

バル 「ああ…何もなかったのが幸いだな」


突然、場が真っ暗になり、舞台の脇の辺りだけライトが当てられる。

司会 「レディィィィスッ! エンドォ!! ジェェェンットルメンッ!!」
司会 「皆さんお待ちかねえぇぇぇ!!」
司会 「第2回、テラ・フォースイベント部主催!! 美少女コンテスト本戦を開始します!!!」

そんな部もあったのか…。
うちと同じ位ろくでもねえな…。


司会 「それでは! 第1時審査で、見事本戦に残った美少女たちを紹介いたします!!」

司会が叫ぶと同時に、突然舞台の上からスポットライトが照らされる。

司会 「まず、エントリーNo.1!!」

そして、一番左側の人間がライトに照らされる。

司会 「かの、北の国からの王女!! レイナ・ヴェルダンドォー!!」

ユウ 「なぬ!? レイナも出てたのか?」

司会 「黒い翼なれど、その心は純白!! そして、何者にも負けぬ強き心で、今日の栄光を勝ち取るかぁ!?」
司会 「ちなみに選考理由は、主に優しい、健気、守ってあげたい等が多かった!」
司会 「さて、お次はぁ!?」

レイナの隣が照らされるとそこには…。

司会 「エントリーNo.2!! ミル・クレアーーー!!」

ユウ 「おっ、残ってるじゃねえか」

司会 「猫姿の獣人族で、スタイルも抜群! その陽気な性格で、今日の栄誉を勝ち取れるかぁ!?」
司会 「なお、選考理由は、明るい、一緒にいて楽しそう、スタイルの良さなどが上げられたぞー」
司会 「それではエントリーNo.3ーーー!!!」

次はその隣が照らされる。

司会 「ネイ・エルクーーーー!!」

ユウ 「おお、よく頑張ってるじゃねえか」

バル 「……」

司会 「地味と思われがちの人族だが、この少女は一味違う!!」
司会 「朝飯パン一斤は当たり前!! この食べっぷりは誰にも真似できない!!」
司会 「選考理由は、面白い、可愛い、頼られたいなどだ!!」

ユウ 「何か、ネイだけ変な紹介な気が…」

もはや気にしないが。
そうこう言ってると、次の選手が紹介される。

司会 「エントリーNo.4!! エイリィ・セルフォーゼーーーー!!」

ユウ 「うおっ、マジで出てたのか!?」

司会 「妖精族とのハーフで、かの『月光亭』のアイドル!!」
司会 「気さくで、思いやりのある彼女はかなりのポイントだーーー!!」
司会 「選考理由でもやはり、ご飯を作って欲しい、美形等が上げられる!」

ユウ 「…次は?」

司会 「エントリーNo.5!! ……」

ユウ 「?」

バル 「?」

ざわざわ…。

突然、司会が黙る。

ユウ 「何だ?」

司会 「し、失礼しました!! え〜っと」
司会 「エントリーNo.5は専門部所属のウィルさんだーーー!!!」

ウィル 「ちょっと待ちなさいよ!? 何であたしだけ省略されてるのよ!?」
ウィル 「ちゃんとフルネームで呼びなさい!!」

ユウ 「………」

バル 「もう何も言わん…」

司会 「し、失礼!! それでは…」

司会はこほんと咳払いをし。

司会 「エントリーNO.5ーーーー!! ウィル・オ・ウィスプ・セレーヌ・ソルファウス・スラン・ダイヤだーーーー!!」

ウィル 「アイリドンムが抜けてるわよ!!」


………。


司会 「彼女は今年専門部に入学した天才精霊だー!!」

ウィル 「無視したわね…」

司会 「文武両道に長けており、容姿も屈指!! 今回のダークホースは間違いない!!」
司会 「選考理由は、強い、楽しい、美人と3本拍子だーーー!!」

ユウ 「………」

そして、仕切り直しのようにライトが次を照らす。

司会 「エントリーNo.6ーーー!! ルーシィ・ティアーズ!!」

ユウ 「あにぃ!? んなあほな…」

かの生徒会長様だと…?

司会 「当然、学生なら誰もが知っている! かの生徒会長様だーーー!!」
司会 「今回の参戦には、我が部も誠に嬉しい限りです!!」
司会 「そしてぇ! 選考理由は、理知的、面倒見がよい、芸術の天才等だーーー!!」

ルーシィ 「………」

明らかに、恥ずかしがってるな…。
参戦自体かなり意外だ。

司会 「次はぁ! エントリーNo7!! ユミリア・デミィィーールッ!!」

ユウ 「あんだとう!?」

バル 「………」

司会 「当然、今年からテラ・フォースで新人教師として、我々学生を指導してくださる、現役魔王様だーーー!!」

ユウ 「どっから、そんなネタを…」

まさか、自分から魔王ってばらしてるんじゃ…?

司会 「選考理由は、童顔で可愛い! 頼りがいがある等が上げられたぁ!!」

ユウ 「……」

バル 「そうだ、何も言うな」

司会 「そしてぇ…! ラストNo.はこの人!! レイラ・ドラグーーーーンッ!!!」
司会 「今年高等部2年に突如入学した、謎の多い少女だがぁ!?」
司会 「その正体は何とぉぉ!! かのカイザードラゴンだというのだから、驚きだぁぁぁ!!!」
司会 「そしてぇ! 選考理由は!? 静かな娘、大人しい、守ってあげたい等だ!!」


こうして…一通りの紹介が終わった。

ユウ 「ふう…」

バル 「まだ始まったばかりだぞ?」

ユウ 「退屈はしなそうなメンバーだ」

バル 「確かに」

俺たちは遠い目をしながら、虚空を眺めた。


やがて、司会が進行する。

司会 「それではぁ! まずはそれぞれ自分をアピールしてもらいましょう!!」
司会 「1分以内に、自分を好きなだけアピールしてくれ!!」
司会 「それではレイナ選手どうぞ!!」

レイナ 「え、えっと…」

レイナは戸惑っている。

レイナ 「……」(汗)

レイナはよくわからないように羽をぱたぱたと羽ばたかせている。
しかし、意外にもそんな仕草が野郎どもには大受け。
中々のアピールだ。

ミル 「わっ、次私…? う〜ん」

ミルは考えている。

ミル 「ようし…」

バッ!

ミルはその場でバック転をしてみせる。
身軽さのアピールだ。
当然、場は盛り上がる。

ネイ 「…え? え?」

ネイは混乱している。

ネイ 「そうだ! こんな時は!!」

ネイは何やら懐から1Lのボトルを取り出す。
そしておもむろにそれの蓋を開けて。

バンッ!!

途端に爆発音に似た音が。
そして気が付くと、ボトルは空になっていた。
その間、約5秒。

ユウ 「間違いなく世界新だ…」

さすがに回りは唖然としている…。

エイリィ 「……」

バッ

エイリィは突然布を取り出しそれで手を包む。

エイリィ 「…1・2・3!」

バババッ!!

何と布を取ると、途端に鳩が3羽…。

ユウ 「…あんな特技もあったのか?」

そして…。

カアアアアアアァァァッ!!

突然閃光。
言うまでもない、彼女だ。

ウィル 「キャハハハハッ!! どうせやるならこれぐらいやらないとねえ!?」

お得意の光魔法でウィルさん自身が閃光のように輝く。
アピールとしては凄まじいが…。
当然時間ギリギリまでそのまま色んなアクションで楽しませてくれた。

ルーシィ 「……」

ルーシィはおもむろにヴァイオリンを取り出し、演奏を始める。

♪〜♪♪〜〜〜♪

途端に場が和む。
まさに完璧な妨害アピールだ。
これは高得点だろう…。
そして次が問題だ…。
何をしでかすやら。

ユミリア 「………」(にやり)

突然ユミリアさんは実験用具を取り出し、まさに一瞬でおかしな『物』(液体)を作り上げる。
そして、それをおもむろに足元に一滴足らす。

ボンッ!!

煙が上がったかと思うと、突然…。

ユウ 「ナヌ!?」

ユミリアさんがふたり…?
イリュージョンか!?

ユミリア 「この世で1番美しいのは誰?」

ユミリアさんは分身(?)に突然そう語りかける。

ユミリア(分身) 「それは、もちろんワ・タ・シ♪」

ユミリア 「何でやねん!」(ツッコミ)

そのツッコミで分身が消滅する。
笑う所なのか…?
とりあえず、沈黙しておく。

レイラ 「………」

最後のアピールだが…?

レイラ 「……」

一同 「……?」

レイラ 「…」

会場 「………?」

パアァンッ!

会場 「!?」

レイラ 「………」

レイラがしたアピールは。
ただ、クラッカーを鳴らしただけ。
だが、その場にいた全員が注目し、全員がかなり驚いた。
この審査…わからんな。


そして、集計される。

司会 「さぁてぇ、では現在の集計は!? 3位まで公開だ!!」
司会 「3位! エイリィ選手!! 2位! ネイ選手!! 1位ィ! ルーシィ選手!!」
司会 「しかしっ、これはかなりの僅差で、いつでも転覆が狙えるぞぉ!!」
司会 「さぁ、それでは次の審査を…」
司会 「次回までお楽しみにぃ!!!」


ユウ 「って!? 次回に続くのかぁ!?」



…To be continued



次回予告

司会:ついに大詰めのミス・コンテスト!!
波乱万丈のこの戦いに終わりはあるのかぁ!?
今、女たちの凄絶な誇りをかけたバトルがぁぁぁ、いぃまぁっ!! 始まるぅぅぅぅ!!!

次回 Eternal Fantasia 2nd Destiny
第4話 「ミス・ガイア」


司会 「それでは! 次回のEFでまた、お会いしましょう!!」



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