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FC学園



第3話外伝3 『FC学園、模擬戦…魔王軍 VS TeamAbyss』




『魔王軍用・選手控え室』


セリア 「サーちゃん、そろそろ時間ですよ。まだ、順番は決まりませんの?」

サタン 「……むぅ、相手が相手だからな」

俺はまだ悩んでいた。
相手は事もあろうに『アビス』どもだと言う。
奴らには多少因縁もあるからな……できれば完全勝利と行きたいところだ。

シーザー 「しかしながら、このままでは時間切れで失格になってしまいましょう……」
シーザー 「恐れ多くながら、この私が決めてもよろしいでしょうか?」

と、シーザーが俺に進言してくる。
ふむ……確かに俺よりある意味適任か。

サタン 「……お前たちはどう思う?」

アンダイン 「別に、どうでもいいわよ……任せるわ」

スケルトン 「自分……」(以下略)

ヴァルキリー 「サタンちゃんに反論するような不届き者はここにはいないわよ♪」
ヴァルキリー 「いたら、お姉さんが成敗してあげる☆彡」

全員 「………」

と、ヴァルキリー様のブラックジョークが決まってしばし静まり返る。
洒落に聞こえんな……。

サタン 「とりあえず任せる……」

シーザー 「はっ! お任せあれ!!」



………1分後………。



セリア 「それじゃあ、これでいいわね?」

サタン 「うむ! さすがはシーザー! これはさすがに相手も読めまい!!」

シーザー 「いえ、所詮は一兵卒の考え。それゆえに相手は深読みしてくれることでしょう」

アンダイン 「でも、本当に面白そうね……あいつら戸惑うんじゃない?」

スケルトン 「自分、馬鹿……」(以下略)

シーザーのオーダーはまさしく相手の『意表』を突くオーダーだった。
全員が一致で賛成。
目指すは完全勝利だ。

セリア 「それでは提出してきますわ」

ヴァルキリー 「ああ! 待って私が行くわ!!」

そう言ってヴァルキリー様はセリアから表を取り上げた。

セリア 「あっ! ヴァルキリー様?」

ヴァルキリー 「こう言うのは私の仕事♪ それにセリアちゃんがひとりで行くと不吉だしね……」

そう言ってヴァルキリー様は軽快に部屋を出て行った。



………。



アンダイン 「サラリと怖いことは言うわね……」

シーザー 「むぅ……確かに」

セリア 「……前例があるだけに仕方ありませんわね」

サタン 「ちょっと待て……もしかして俺がイジめられてないか!?」

ルシファー 「はははっ、わかってるなら突っ込まない方が傷が浅いよ♪」

全員 「ルシファー(様)!?」

突然我々の背後に現れたルシファーが微笑んでいた。
相変わらず神出鬼没な奴だ……。

サタン 「と言うかどっから沸いてきた……わざわざ転移魔法使ってまで忍び込むな!」

ルシファー 「ははっ、まぁ折角だしね♪ 僕も一応登録されてるんだし」

シーザー 「まずは一番手……いきなり相手の出鼻を挫かせてもらいましょう!」





………………………。





『チームアビス 選手控え室』


パランス 「さ〜て、折角の祭りだし楽しませてもらおうかな♪」

マジック 「ったく、遊び好きだねぇ……そういうのは女遊びだけにしときなさい!」

チャリッツ 「……どうでもいい。強い奴と戦えるなら俺は満足だ」

ファント 「……で、誰が出る? 俺は暇になるなら帰るよ」

フール 「………」

ルーヴィス 「で……何故俺がここにいる?」

気がつけば控え室。
確か俺は元々魔王側にいたはずだが?

パランス 「ああ、ムーンがちょっとリタイアしたので帳尻に♪」

マジック 「って、それでいいのあいつ? 別に『こっち』じゃ問題ないはずだけど……」

パランス 「ああそこ! 妙なツッコミを入れない! とりあえず、ムーンはもろもろの理由で再起不能(リタイア)!」
パランス 「で、代わりにデスに出てもらうから♪」

ルーヴィス 「ふざけるな! だったらお前が出ればいいだろうが!!」

俺は全力でツッコム、するとパランスはさも当たり前のように。

パランス 「だって、俺は非戦闘員だし♪」

ルーヴィス 「誰が信じるか! 俺は帰る!」

と、俺が部屋を出ようとすると。

パランス 「ちなみに魔王側はもうメンバー決まってるみたいだし、行くところはないよ?」

マジック 「それに……私たちは賞金に興味ないし、優勝したら金はあげるわよ?」

ファント 「俺はどっちかと言うと金目当てだけどね……○フオクでいいカードあるんだよな〜」

チャリッツ 「……ヤ○オクかよ」

フール 「……どうでもいい」

ルーヴィス 「……金か」

密かに心を動かされる自分が情けなくも思う。
しかしながら、賞金が魅力なのは確かだ。

ルーヴィス (行ってみたいんだよなぁ……ギ○ナ高地)

密かな野望だ……天然自然の産物を是非記録したい。
しかし、行くには金がかかるらしい……旅費だけでも相当だ。
そして、どうせ記録するなら最新のデジカメとやらも欲しい!
ハンディカムとか言う、すごく小さくて高性能な記録装置があるそうだ……むぅ。

パランス 「悩む位なら出なよ〜……とりあえず強いのは魔王軍位だろうし、最初勝ったら後は楽だって♪」

ルーヴィス 「適当なことを言うな……相当の猛者が出ているのは、前の試合で明白だ」

いくらなんでも、簡単に勝てるとはとても思えない。
やり損だけは御免だ。

ファント 「どうでもいいけど、そろそろ時間だぞ〜?」

パランス 「おっと、いけない! とりあえずもうオーダー決まってるから行ってくるね♪」

ルーヴィス 「ちょっと待て! 俺はまだ……」

タタタタタタッ!!

と、俺が止める前にパランスは青いハリネズミ並みの速度で逃げる。
くそ……否が応でも出なければならんじゃないか!

ルーヴィス (でもまぁ……買ったら賞金だしな)

この際勝つことだけを考えることにした。
とりあえず勝てばいい……勝てば、うむ。





ワアアアアアァァァァ!!


ウォーズ 『さぁ、いよいよ始まります第3試合!! 今大会の優勝候補である魔王軍チームの入場です!!』
ウォーズ 『さすがにそうそうたるメンバー! 生半可なチームではありません! 果たして打倒できるチームはいるのか!?』
ウォーズ 『対するチームは謎多きアビスチーム!! 詳細は不明で実力も未知数! 果たしてどれほどの実力を持っているのか!』


オオオオオオオォォォッ!!

サタン 「やれやれ……せいぜい消化試合にさせてもらうか」

パランス 「ほう……ずいぶん自信があるようだね? だけど甘く見ていると痛い目を見るよ」

俺たちは互いに視線をぶつけ、相手の感情を読む。
もとより甘く見るつもりはない、完全勝利で勝たせてもらう!

パランス 「ふっ……それじゃあ先発は任せたよファント! まずは君が突破口を開くんだ!!」

ファント 「はいはい……まぁ最初だしどうせたいした奴は来ないだろ。で、誰だ? トカゲか骨辺りか?」

サタン 「貴様の目の前にいるのがそうだが?」

ファント 「ん? 目の前って……どこに――」

ウォーズ 『さぁ互いのオーダーをここで発表!!』
ウォーズ 『先鋒サタン選手対ファント選手!』
ウォーズ 『次鋒! ルシファー選手対マジック選手!』
ウォーズ 『中堅! アンダイン選手対フール選手!』
ウォーズ 『副将! スケルトン選手対チャリッツ選手!』
ウォーズ 『そして大将はシーザー選手対ルーヴィス選手!!』
ウォーズ 『これはのっけから急展開!! いきなりの魔王登場だー!!』

ファント 「……は?」

サタン 「耳が遠くなったか? 貴様の相手は俺だ」
サタン 「わざわざ俺が直々に相手をしてやると言っているのだ…さっさと得意のカードとやらを出してみろ」

ファント 「ふ、ふざけたオーダーを組みやがって! やってられるか!!」

そう言ってファントは早々に背を向ける。
まぁ気持ちはわからんでもないが……。

サタン 「逃げるのか臆病者め……そんなに俺が怖いか?」

ファント 「ふん、俺は負けるとわかっている戦いはやらないだけだ!」

サタン 「戦わずして負けを認めるとは……情けないやつめ」
サタン 「いいだろう! 折角の余興だ! この戦い、貴様の得意なカードバトルで戦ってやる!!」

ファント 「何だと!? お前がカードで?」
ファント 「ふざけるのもいい加減にしろ! 付き合っていられるか!!」

サタン 「ほう…? 余程俺のデッキが怖いと見えるな」

バラララッ!!

俺はそう言って手に取りだしたデッキを見せる。
それを見た瞬間、ファントは目の色を変えた。

ファント 「……いいだろう、カードバトルなら退くわけにもいかない!」
ファント 「相手をしてやる! 後悔するがいい!!」

バババババッ!!

ファントはやる気になってカードを構える。
さて、ここまでは予定通り……。
次は舞台演出と行くか。

サタン 「ならば! 俺の魔法によってこのバトルを演出してやる!!」
サタン 「○リッドヴィジョン!! ON!!」

ブォォンッ!!

俺が叫ぶと途端にフィールドは仮想空間に包まれる。
さながらそこは中世の決闘場だ。

ファント 「こ、これはっ!?」

サタン 「これで互いのカードはルールに基づき、具現化される!!」
サタン 「そのルールとは……」

ファント 「説明の必要はない! 面白くなってきた!!」

俺たちは互いに笑みを浮かべカードを手に取る。
そして同時に俺たちは叫んだ。

サタン 「決闘(デュエル)!!」
ファント 「決闘(デュエル)!!」


ピピッ!  サタン LP4000 ファント LP4000


ファント 「先行は俺が貰う! ドロー!!」

ファントは叫び引いたカードを見る。
そしてまずは定石の行動を取った。

ファント 「俺は『ドラゴンパピー』を召喚!!」

パアァッ……。

ドラゴンパピー 「クアァッ!」  攻撃力1200 守備力800

まずはモンスターを召喚、先行はバトルを行えないため、まずは守りを固める必要がある。

ファント 「更に! 手札から魔法カード! 『火炎弾』!!」
ファント 「俺は『ドラゴンパピー』を墓地に送り! 相手ライフに1000ポイントのダメージを与える!!」

ドラゴンパピー 「クアァッ!!」

パアァッ……。

ドラゴンパピーは墓地に送られると同時、そこから巨大な火炎弾が俺を襲った。

ゴオオオオォッ!!

サタン 「……」 LP3000

俺は初回からいきなりのダメージを浴びる。
だがこの位は想定内だ……。

サタン 「ふんっ温いわ! この程度の炎、微風も同然!!」

ファント 「そう言っていられるのも今の内だ……俺はカードを2枚伏せ、ターンエンドだ」

ファントはそう言ってターンを終える。
2枚の伏せカード……カウンター系のカードと言った所か。
奴の手札はいきなり3枚。
どう攻めてくるか……。

サタン 「俺のターン! ドロー!!」
サタン 「出でよ! スケルトン!!」

パアァッ……。

スケルトン 「……」 攻撃力2000 守備力0

ファント 「アンデッドか! 魔王軍ならではと言ったところか?」

俺が出したスケルトンは確かに魔王軍のスケルトンと同じ。
だが、あくまでこれはカードのスケルトン。
本物ではない。

サタン (もっとも……能力は本物同然だがな!)
サタン 「バトルだ! スケルトンでプレイヤーにダイレクトアタック!! ボーンバイツ!!」

スケルトン 「……!!」

ドドドドドッ!!

スケルトンは走って相手に向かっていく。
だがファントは顔色ひとつ変えずに対応する。

ファント 「リバースカードオープン! 速攻魔法『竜の魂』!!」
ファント 「俺はデッキよりレベル4以下のドラゴン属モンスターを選択し、フィールドに特殊召喚する!!」
ファント 「現われろ! 『ドラゴンゾンビ』!!」

パアァッ……。

ドラゴンゾンビ 「キシャアァッ!」 攻撃力2100 守備力500

サタン 「ち……攻撃力は相手の方が上か」

ファント 「返り打ちだ! ドラゴンバイツ!!」

ドラゴンゾンビ 「シャアァッ!!」

スケルトン 「自分、馬鹿ダカラワカリマセーン!」

ドオォンッ!!

サタン 「……」 LP2900

俺はスケルトンを失い無防備となる。
通常召喚は1ターンに一度のみ。
まぁこれも想定内だがな。

ファント 「はははっ! 不様だな! その程度か?」

サタン 「この程度でもう勝ったつもりか? だとしたら笑わせる!」
サタン 「勝負とは、最後にフィールドに立っていた者が勝者だ!!」
サタン 「魔法カード! 『死神の選別』!!」
サタン 「俺は、デッキよりモンスターカードを3枚選択し、それらを墓地へと送る!」

俺はそう言って墓地にモンスターを送った。
そして次の行動に入る。

サタン 「俺はカードを3枚伏せ、ターンエンドだ」

ファント 「ふっ…何をする気か知らんが、守りの戦術か……」
ファント 「この瞬間、ドラゴンゾンビはモンスター効果により、墓地送りとなる」

パアァッ……。

ファントのモンスターは墓地へと送られる。
成る程、あのレベルでこれほどの攻撃力……。
1ターン限りのモンスターと言うことか。

サタン 「ここで墓地に存在するスケルトンの特殊効果発動!」

ファント 「何っ!?」

サタン 「スケルトンが墓地に存在する時、スケルトンはエンドフェイズ時にフィールドへ特殊召喚できる!」
サタン 「蘇れ! スケルトン!!」

パアァッ……。

スケルトン 「……」 攻撃力2000 守備力0

サタン 「更にスケルトンの効果発動!」
サタン 「スケルトンが墓地より特殊召喚された時! 互いの墓地に存在するモンスターの数×100を攻撃力と守備力に加算!!」

スケルトン 「……!」 攻撃力2500 守備力500

ファント 「!! 攻撃力2500だと!?」
ファント 「モンスターを墓地に送ったのはそのためか…!」

サタン 「さぁ見せてもらうぞ、貴様のタクティクス!」

ワアアアアアァァァァ!!


ユウキ (やれやれ、今回は勝手にやってくれてるから楽なもんだ)
ユウキ (しかし、何ともまぁ面倒なバトルになったもんだ…)


ファント (攻撃力2500……レベル4以下のモンスターでこの性能…確実に何かしらのデメリットが存在するはず)
ファント 「俺のターン!! この瞬間リバースカードオープン!!」

サタン (!? ドローフェイズで発動のカードだと!)

ファント 「罠カード! 『籠城』!!」
ファント 「俺はこのターン、メインフェイズとバトルフェイズを放棄する代わりに、手札を全て墓地に送り! デッキからカードを7枚ドローする!!」

サタン (手札増強! 仕掛けてくるか!!)

ファントは手札を全て墓地に送り、デッキからカードを7枚ドローした。
だがこのターン、奴は召喚もバトルもできはしない。
伏せカードのセットもできないまま、奴のターンは終わりを告げる。

ファント 「……これでターンエンドだ」

サタン (これで奴のフィールドはがら空き……モンスターも伏せカードも無い)
サタン 「俺のターン! ドロー!!」
サタン 「この瞬間……スケルトンのモンスター効果発動。スケルトンは守備表示となり、このターン攻撃表示にはできない」

スケルトン 「自分馬鹿ダカラワカリマセーン」

ファント 「やはりな……デメリットがあったか」
ファント 「ククク……折角の攻撃力もこれでは無意味だな!」

サタン 「……ふんっ、だが通常召喚は残っている!」
サタン 「モンスター召喚! 『ゲートキーパー ペティ』!!」

パアァッ……。

ペティ 「サタン様のためなら……!」 攻撃力0 守備力500

ファント 「攻撃力0だと? バカにしているのか……そんな雑魚モンスターで!」

サタン 「俺のデッキに雑魚などいない! バトルだ!!」
サタン 「ペティでプレイヤーをダイレクトアタック!!」

ファント 「血迷ったか!? 攻撃力0で何が……」

サタン 「リバースカードオープン! 罠カード、『軍の絆』を発動!!」
サタン 「バトル宣言時! 自分フィールドにモンスターカードが2体以上存在する時!」
サタン 「バトルを行うモンスターに自分フィールド上のモンスターの攻撃力を加算することができる!!」

スケルトン 「自分馬鹿ダカラワカリマセーン!」

ピピピピピッ!

ペティ 「!!」 攻撃力2500

ファント 「何だと!? こんなコンボが……!!」

サタン 「行けペティ!! スネイルスラッシュ!!」

ペティ 「え−いっ!!」

ファント 「ちっ! 速攻魔法『服従の代償』!!」
ファント 「相手プレイヤーにカードを2枚ドローさせる代わりに、このターンのバトルフェイズを終了させる!!」

ペティ 「!!」

ファントのカードによりペティは攻撃できずに終わってしまった。
さすがにそう容易くはいかんか……。

サタン 「カードを2枚ドロー……ターンエンドだ」

ファント 「ククク! おしかったな! 折角の奇襲だったのに」
ファント 「お前が俺のデッキに恐怖するのはこれからだ……ドロー!!」

ファントは不敵に笑い、カードをドローする。
籠城の効果はもう無い……どんな戦術を仕掛けてくる?

ファント 「『クイックドラゴン』を召喚!」

パアァッ……。

クイックドラゴン 「グォゥ!」 攻撃力1200 守備力1000

サタン 「機械属モンスターか……」

ファント 「まずは目障りなモンスターを消してやる!!」
ファント 「クイックドラゴンでスケルトンを攻撃! クイックアタック!!」

クイックドラゴン 「グォゥ!」

スケルトン 「自分馬鹿ダカラワカリマセーン!」

ドオォンッ!!

クイックドラゴンの攻撃で守備表示のスケルトンは破壊される。
ダメージはないが、これで残ったのは攻撃力0のペティのみ……。

ファント 「クイックドラゴンは1度のバトルフェイズで2回攻撃できる!! ゲートキーパー ペティを攻撃!! クイックアタック第2打ァ!!」

クイックドラゴン 「グォゥ!」

ペティ 「きゃあぁっ!!」

ドオォンッ!!

サタン 「ちぃっ……!」 LP1700

ファント 「ハハハッ!! どうした? 雑魚はいないんじゃなかったのか?」
ファント 「残りライフもそろそろ少なくなってきたようだ…対してこっちはノーダメージ」
ファント 「所詮、カードで俺に勝てる道理など無かったようだ……」

サタン 「……御託はいい、さっさとフェイズを進めろ」
サタン 「この程度のダメージなぞ、無いも同然!!」

ファント 「ふん……カードを1枚伏せ、ターンエンドだ」

サタン 「この瞬間! スケルトンの効果発動!!」
サタン 「蘇れスケルトン!!」

パアァッ……。

スケルトン 「……」 攻撃力2000 守備力0

ファント 「いい加減そいつは見飽きた!! 永続罠発動! 『暗黒竜の儀式』!!」
ファント 「これはモンスターが特殊召喚された時のみ発動可能!」
ファント 「特殊召喚されたモンスターをゲームから除外!!」

スケルトン 「自分馬鹿ダカラワカリマセーン!」

バアァンッ!

スケルトンは出た途端にゲームから除外されてしまう。
こうなってはさすがのスケルトンも復活はできない……。
だがそれだけの効果カードか?

ファント 「ククッ……これで俺のフィールドにダークカウンタをひとつ乗せる」

サタン (カウンタだと? 一体どんな効果が……)

ファント 「ちなみに、『暗黒竜の儀式』は、モンスターが特殊召喚されるごとに使用者のフィールドにダークカウンタを追加していく」
ファント 「俺の勝利はもうすぐだ……サレンダーするなら今の内だぞ?」

サタン 「ふんっ! 貴様が何を企もうが、所詮弱者の足掻きに過ぎん!!」
サタン 「俺のターン! ドロー!!」
サタン 「手札より魔法カード! 『転送陣』発動!!」
サタン 「この効果により、俺はデッキからレベル3以下の通常モンスターをフィールドに特殊召喚する!!」
サタン 「出でよ!! 『王女セリア』!!」

パアァッ……。

セリア 「あら、出番ですの?」 攻撃力100 守備力1000

ファント 「また雑魚モンスターか…」
ファント 「この瞬間! 『暗黒竜の儀式』が発動! 特殊召喚されたモンスターを除外!!」
ファント 「そして俺のフィールドにダークカウンタをひとつ追加する!!」

セリア 「あら……ごきげんよう〜」

バアァンッ!

サタン (これでカウンタはふたつ……一体何が起こる?)
サタン 「俺は更に手札からモンスターを召喚! 出でよ『巫女リリス』!!」

パアァッ……。

リリス 「どうもこんにちわ〜」 攻撃力500 守備力500

ファント 「どの道クイックドラゴンの攻撃力は越えていない」
ファント 「次のターンで終わりになりそうだな……」

サタン 「……ターンエンドだ」

ファント (まだ伏せカードは2枚か、どこまで粘れるかな?)
ファント 「この瞬間、『暗黒竜の儀式』に維持コストを支払う! 俺は手札からモンスターカードを1枚除外!」
ファント 「そしてダークカウンタを追加……3枚目だ」

サタン (維持コストにモンスターカードを除外か……随分厳し目のコストだな)

ファント 「俺のターン、ドロー!」
ファント 「手札より『魔竜の生け贄』を発動!!」
ファント 「この効果により、俺の墓地にあるドラゴン属モンスターを好きなだけゲームから除外!」
ファント 「俺はドラゴンパピーとドラゴンゾンビを選択! これによりダークカウンタを更に2枚追加!!」

サタン (5枚目! そろそろ何か起こるのか?)

ファント 「ククク……お楽しみはまだ先だ」
ファント 「もっとも、このターンを乗り切れればの話だがな!」
ファント 「行けクイックドラゴン! 巫女リリスを攻撃!! クイックアタック!!」

クイックドラゴン 「グォゥ!」

リリス 「や〜ん!」

ドオォンッ!!

サタン 「……!」 LP1000

ファント 「ふん……これで終わりのようだな! クイックドラゴンでダイレクトアタック!! クイックアタック第2打ァ!!」

サタン 「リバースカードオープン!! 『勇者の心得』!!」
サタン 「自分フィールドにモンスターが1体も存在しない時、デッキよりレベル4以下の通常モンスターを守備表示で召喚する!!」
サタン 「来い! 『勇者レオン LV1』!!」

パアァッ……。

レオン 「俺に任せろ!!」 攻撃力800 守備力800

サタン 「レオンの効果発動! 勇者レオンは特殊召喚された時、レベルアップできる!!」
サタン 「現われろ! 勇者レオン LV2!!」

レオン 「はあぁっ!!」 攻撃力1000 守備力1000

ファント 「バカが! 暗黒竜の儀式を忘れたか?」
ファント 「特殊召喚されたモンスターはゲームから除外!!」

レオン 「くっ!?」

バアァンッ!

ファント 「そしてダークカウンタを追加! 6枚目!!」
ファント 「無駄だったな! 終わりだ!!」

サタン 「速攻魔法! 『次元転移』!!」
サタン 「俺はライフポイントを半分にし、除外されたモンスターを好きなだけフィールドに特殊召喚!!」
サタン 「ぬうぅんっ!!」 LP500
サタン 「帰ってこい! レオン、セリア、スケルトン!!」

ファント 「無駄だ!! 暗黒竜の儀式は何度でも発動する!!」

サタン 「残りのリバースカードオープン! 『ラーの防御壁』!!」
サタン 「このターン、こちらのモンスターを対象にする効果及びバトルは全て無効化される!!」

ピキィィィンッ!!

ファント 「ぬぅ!? ここまで引っ張ったのは……このためか!!」

サタン 「レオンの効果発動! 勇者レオンはLV3にアップ!!」

レオン 「ふんっ!!」 攻撃力1200 守備力1200

セリア 「まだまだこれからですわ!」

スケルトン 「自分馬鹿ダカラワカリマセーン!」

これでこちらのフィールドは一気に増強。
バトルも無効なので、ファントはこのターン退くしかない。

ファント 「……ちっ! だがダークカウンタは追加される! 同時に3枚追加だ!!」
ファント 「更に! 維持コストでクイックドラゴンを除外!!」
ファント 「ついにカウンタが10枚溜まった!!」
ファント 「いよいよ貴様も終わりの時だ!!」
ファント 「俺は『暗黒竜の儀式』をゲームから除外し、ダークカウンタを全て消去!!」
ファント 「さぁ……今こそ姿を表せ!! 『タイラントドラゴン』!!」

ゴゴゴゴゴゴッ……!!

タイラントドラゴン 「ガアァァァッ!!」 攻撃力0 守備力0

サタン 「!? 勿体付けた割には攻撃力0だと?」

ファント 「くくくっ、タイラントドラゴンの攻撃力と守備力ははダークカウンタを消去した数×300の数値となる!」

タイラントドラゴン 「ガアッ!!」 攻撃力3000 守備力3000

ファント 「タイラントドラゴンの効果はまだある!!」
ファント 「自分のモンスターが除外された数×300の数値を更に加算!!」

タイラントドラゴン 「ガアァァァッ!!」 攻撃力4200 守備力4200

サタン 「4200!! さすがだな……」

あれが奴の切り札か……恐るべきカードだ、確かにな。
だが、このターンは終了……俺のターンから始まる。

サタン 「それでこそ倒し甲斐があるというもの!! 俺のターン! ドロー−!!」

ファント 「何をしようが手遅れだ! タイラントドラゴンを倒すことは不可能!!」

サタン 「ならば! このターンで貴様の自慢のモンスターを倒してみせよう!!」

ファント 「な、何だと!?」

サタン 「魔法カード!! 『不屈の起死回生』!!」
サタン 「勇者レオンが自分フィールドに存在する時に発動可能! 俺はフィールドに存在するレオン以外のモンスターを墓地に送り、その数×2枚のカードをデッキからドローする!!」
サタン 「俺はセリアとスケルトンを墓地に送り、カードを4枚ドロー!!」
サタン 「さぁ! 行くぞファント!!」

ファント (ここでカードを4枚ドロー!? 本気でタイラントドラゴンを倒す気なのか?)

サタン 「魔法カード発動! 『精霊契約』!!」
サタン 「この効果により、レオンのレベルは2アップ!!」

レオン 「!!」 攻撃力2000 守備力1800

サタン 「更に! 装備魔法『聖剣フランツェ』!!」
サタン 「これはレオンのレベルが5以上の時装備可能! これを装備したレオンが守備モンスターを攻撃した時!」
サタン 「攻撃力が守備力を上回っていれば、貫通ダメージを与えることができる!!」
サタン 「そしてレオンのレベルは更にアップ!!」

ファント (これでレベル6! まさかここまで引き上げてくるとは!!)

レオン 「はあああぁっ!!」 攻撃力2200 守備力2000

サタン 「勇者の力はこの程度ではない……フィールドカード!! 『勇者の山』!!」
サタン 「このカードが墓地に送られた時、勇者レオンはレベルアップする」

ファント 「ふ……その程度ではまだまだだな! このターンでタイラントドラゴンを倒すんじゃなかったのか?」

サタン 「心配するな、その程度のモンスターは勇者の手を患わせるまでもない!」
サタン 「魔法カード!! 『究極魔法アルテマ』!!」
サタン 「自分のフィールド、手札、及び墓地に王女セリアと巫女リリスが同じ場所に存在していれば発動可能!!」
サタン 「この効果により、互いのフィールドに存在する全てのカードは破壊される!!」

キュイイイイイイイン!!

ファント 「そんな魔法でタイラントドラゴンは倒せん!!」
ファント 「タイラントドラゴンの効果発動!! 俺は手札からドラゴン属モンスターをゲームから除外し、魔法を無効化する!!」

サタン 「甘いわっ!! 速攻魔法『パラレルワールド』!!」
サタン 「このカードが発動された時、互いのプレイヤーは種族をひとつ選択!」
サタン 「そのターン間、互いのプレイヤーがコントロールするモンスターは相手が宣言した種族となる!!」
サタン 「俺は悪魔族を選択! よってタイラントドラゴンの効果は発動できない!!」

ファント 「ば、バカな…!?」

ドオオオオオオオオオオンッ!!!

アルテマが発動し、互いのフィールドは一掃される。
所詮タイラントドラゴンもモンスターカード……呆気ない物だ。

ファント 「お、俺のタイラントドラゴンが……!!」

サタン 「さぁ、今度は貴様が恐怖に怯える番だ!!」
サタン 「墓地に存在する勇者レオンの効果発動!!」
サタン 「自分フィールドにカードが1枚も無く、相手よりライフポイントが低い場合発動可能!!」
サタン 「勇者レオンはレベルを3アップし、墓地より特殊召喚できる!!」
サタン 「ただし、この効果は1デュエル中1度しか使うことはできない……」
サタン 「さぁ現われろ! 勇者レオン LV9!!」

レオン 「ふんっ!!」 攻撃力3000 守備力2500

ファント 「攻撃力3000!? だがまだ……」

サタン 「忘れたか? 勇者の山が破壊されたことにより、レオンは更にレベルアップする……」

ファント 「な……!?」

レオン 「うおおおおおおっ!!」 攻撃力3500 守備力3000

サタン 「レオンのレベルが10になった時、手札、フィールド、及び墓地に『聖剣フランツェ』が存在していれば、そのカードを除外することでデッキより『聖剣ゼウス』をレオンに装備させることができる!」
サタン 「終わりだ、ファント……俺のデッキを甘く見たお前の負けだ……」

レオン 「さぁ、これで終わりだぜ!!」 攻撃力4000 守備力3000

ファント 「こんな……こんなことがぁ!?」

ジャキィィィィィンッ!!

ファント 「ああああああああぁぁぁっ!!」 LP0

ビーー!

サタン 「ふ…さらばだ、余興にしてはまぁまぁ楽しめたぞ」


ウォーズ 「ついに決着!! 勝利したのはサタン選手!!」
ウォーズ 「ここまで引っ張りましたが、ようやく決着!!」
ウォーズ 「会場内の何人が着いてこれたかわかりませんが、とにかく終わりました!!」



………。
……。
…。



ファント 「……」

パランス 「むぅ……よくわからなかったが、とりあえず負けてしまった」
パランス 「とにかくこれ以上負けは許されない! 皆準備はいいかい!!」

ルーヴィス 「……」

パランス 「あ、あれ? 他の皆は?」

ルーヴィス 「飽きて帰ったよ……」

パランス 「……はぁ?」

ルーヴィス 「悪いがこれ以上は付き合えん、俺もオサラバする」

そう言ってデスまで去っていく。
こうして残ったのは、僕と燃え尽きたファントだけだった。
当然、僕らが不戦敗になったことは、言うまでもない……。





…To be continued




なお、ここから『おまけ…敗北者トーク』へ。




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