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ポケットモンスター 水の街外伝



序章第12話 『CONTACT』





『1月3日 午前8時13分 アクアレイク 南西区』


シルク 「ふん〜っだ! 何よ〜…シースめぇ」

私は今膨れていた。
なんでこんなに怒っているかというとわけがある。
実はちょっと前まで私は店にいたんだけどその時…。



………。



『少し前 呑気屋』


シルク 「いらっしゃ〜い…て、シース?」

シース 「…おはよう、シルク」

シルク 「あんた、年下なんだからさんくらいつけなさいよ…」

シース 「ふん、そんなに偉くも無いだろうに」

シルク 「なによむかつくわね…で、一体何の用なの?」

私はシースの態度に気に食わないものを感じながらそう聞いた。
普段、この子がこの店に来ることなんてほとんどない。

シース 「…実に奇妙な占いが出たんでね…」

シルク 「占い? 嫌な予感…」

シースは13歳にしてこの街では知らない者はいないほど有名な占い師だった。
この子の占いは当ることで有名だからだ。

シース 「今日、君は果てしない旅に出るだろう…」

シルク 「はぁ? なにそれ…」

シース 「言葉どおりだ…信じる信じないは個人の自由だがな…」

シルク 「あはは! さすがにそれはないって! 馬鹿らし…あなたもヤキが回ったわね!」

私は思わず大笑いするのだった。
なんせ、シースはあまりにも突拍子もない事を言っているのだ。
いくらなんでもそれはないって!

シルク 「あっと!あとで中央区に行かないといけないんだった!」
シルク 「それじゃ折角伝えに来てくれて悪いんだけど私はもう行くわよ?」

シース 「ああ…あ、もうひとつ言い忘れてた」

シルク 「ん? なに? 多分当らないわよ?」

シース 「ふ…スカートが破れて後ろが丸見えだぞ…?」

シルク 「!!? も、もう! シースの馬鹿っ!!」



…………。



なーんてことがあって私は機嫌が悪いのだ。
まったく! あの子ったら可愛げがないんだから!

シルク 「いくらんでも今回のは突飛過ぎ…てぇ!?」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ!

突然、強烈な縦揺れがこの街を襲う。

シルク 「じ、地震!?」

な、なんでこの街で!?
この街で地震なんてまずないのに!?

ガラァ!

シルク 「えっ!? ひゃあっ!?」

突然、地面が崩れる。
よりにもよって私の下でですか!?

ドサァ!

シルク 「痛た〜…な、何が起こったのよ〜?」

私は地盤沈下して地面の下にいた。
地震はすでに無くなっている。
て、いうかいきなり強烈なのが襲ったと思ったらそのまま消えちゃんなんて…。

シルク 「んん?ここは…?」

私は自分の周りを見る。
よく見るとそこはなんだか変な模様の描かれた通路だった。
地下水路…じゃないわね。
むしろ遺跡のような感じだわ。

シルク 「床下8メートルはあるわよ…? こんな場所がアクアレイクの下にあるなんて初耳よ?」

そこはまるで不可思議だった。
青っぽいラインが無数に入った強大な通路がある。
まるでこの街全体に張り巡らされているかのよう…。
どうしよう…出口なんてあるのかな…?

シルク 「こんなの登れるわけないし…助けを待つより…動いてみた方がいいのかもしれないわね」

中は薄暗かった。
自分の落ちた穴から光が差し込んではいるが進めばそこはどんどん闇に沈んでいく。
しかし、不思議なことに無数に走った青いラインが淡く輝いているため真っ暗じゃない。
私は吸い込まれるように進んでいくのだった。
そして…。



…………。



シルク 「あ…」

ある程度進むとそこには強大なフロアがあった。
呑気屋の敷地よりも広いであろうそのフロアの中央には…ひとつの蒼い光を放つ強大な『門』があった。
それは…誰が通るための門なのだろうか?
横幅は4メートルほど、高さは12メートルくらいはある。
そして、もっとも不思議だったのはその門は渕の部分以外は水面(みなも)のように揺らいでいた。
まるで水のカーテン…。

どうして私はこれを…『門』と思ってしまったのだろうか?
それはまるで門とは遠いようにも思える。
しかし、私はそれを門と思ってしまったのだ…。

シルク 「……」

私はその神秘的な蒼い光に魅入られていた。
そして、無意識な内に私はその門へと誘われていた。
それは私の意志なのか、そうではないのかはわからない…。

ピチョン。

シルク 「!?」

私はいつの間にかその門に触れていた。
そして、その時水面に小石が投げ入れられたかのような感覚が起こり、私は自我を取り戻したような感覚で目を見開いた。
ほんの一瞬ぼうっとしていたのかしら?

キィィィ!

シルク 「て、ええ!?」

突然、門は光を強烈に漏らし始めた。
そして、吸い込まれるような感覚。
やばっ!? 本能的にやばっ!?

しかし、私って存在は非力なものでな〜んも出来ずに吸い込まれちゃうのだった。









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