Menu

Back





ポケットモンスター 水の街外伝



エピローグ 『春の季節』




『4月1日 時刻11:32 呑気屋』


シルク 「いやぁ〜、一時はどうなることかと…」

若菜 「でも、無事に済んでよかったね」

ガジ 「早速新聞にも載ってるぜ! 自警団所長逮捕! てな!」

シルク 「でも、グアリクス町長の濡れ衣も晴れてよかったよかった!」

ここは呑気屋。
アクアレイクを震撼させた、頑鉄事件は一般市民の起こした行動をきっかけに急速に終結へと向かったのだ。
時に4月の頭…ちょうどアクアレイクも春らしくなりはじめた頃だった。

シルク 「エイプリルフールか、まるで本当に嘘だったみたいよね…」

若菜 「そうね…」

私はこの4月1日というのに皮肉を感じた。
まさか、こんな日に事件が解決するなんて…。
これが嘘…何て言ったら、さすがに焦るわ。

シルク 「それにしても、これからさらに色々あるわよね〜…」

ガジ 「そうだな、自警団もこれから一体どうするのか?」

ララ 「心配要らないよ」

シルク 「ララさん!」

そこへ、店にララさんが入ってきた。

ララ 「自警団にはあの男が帰ってきたよ」

ガジ 「あの男…? まさか!」

ララ 「そう、いままで北方政府で出張交換していたあの男…ヤドキングのヨさ」

ヤ 「ヨが〜? 帰ってきたの〜?」

? 「その通り!!」

突然、大声で声が響く。
突然、店に入ってきたのは、頭に貝を噛まれたヤそっくりの男だった。

ヨ 「よう兄貴! 元気にしてたか!?」

ヤ 「ヨ〜、久しぶり〜」

ヨ 「相変わらずトロイな兄貴は!」

シルク 「ついにヤとヨの双子コンビが…」

ヤとヨは双子だった。
ただ、この兄弟あまりに性格が似ていない。
のんびり性の兄のヤさんと違いヨは自警団団長になるほどしっかりしている。
いままでその手腕を買われて北方政府で働いていたはずだけど、今回の事件を聞いて帰ってきたのね。

ヨ 「まぁ、この俺がいる限りもうこの街では悪党に好きにはさせん!!」

ヤ 「が〜んば〜れ〜」



…………。



エルフィス 「…そう、解決したのね」

カイ 「うん…よくわからないけど」

エルフィス 「何事もなかったのならそれでいいわ…この街は平和が一番似合うもの…」

私はカイさんと一緒に買い物に出かけていた。
今日は北側にちょっと向かっている。
春の日差しが気持ちいいお昼時、今日は外食かしらと思いながらカイさんとくだらない話に花を咲かせる。
そんな時…。

カイ 「? あれは…」

エルフィス 「え? どうしたのカイさん?」

カイさんは突然足を止めた。
私も釣られて足を止める。
よく見ると、正面に誰かが倒れているようだった。

エルフィス 「大変! 大丈夫ですか!?」

私は慌てて倒れていた人に近寄る。
目が悪いので近づくまでよくわからなかったがその人は男性でラグラージ種のようだった。
身長が高く、体つきもいい、旅行者には見えないけど…。

レイジ 「…は、腹減った…」

エルフィス 「え? お腹? 待ってて!」

私はその男性を背負う。
かなり重い、だけどこんなところに倒れていたら危ない。
私は頑張って自宅に連れて行くのだった。

カイ 「…私も手伝います」

エルフィス 「ありがとう、カイさん」

カイさんも一緒に背負ってくれる。
一人では大変でも、二人なら半分。
私たちはその男性を家に連れて帰るのだった。

時に4月1日。
まだ、春の陽気と冬の薄寒さをもった季節。
しかし、春の息吹をしっかりと感じる季節だった。
アクアレイクに春を代表する花はないけれど、優しい風が吹いた。

レイジ (…暖かい、助かった…?)

エルフィス 「待っててね…家に着いたらご飯の用意をするからね?」










END















作者後書き

Back

Menu

inserted by FC2 system