ポケットモンスター パール外伝




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外伝第2話 『ノモセへ挑戦!』




ノモセシティ:ノモセジム前



ジュン 「ここがノモセジムか…」
ジュン 「ヒカリちゃんやコウキがこの街にいる手前、負けるわけには絶対いかねぇよな…おし!」
ジュン 「たのもーっ!」

ウィィィン。

俺はシャッターを潜りノモセジムへと入る。

男 「おーっす、未来のチャンピオン!」

ジュン 「うお!? ま、またアンタ!?」

これで5度目だぜ…トバリでも現われたと思ったが…。

男 「じゃ、いつも通り解説いくぞ!」
男 「ここのジムリーダーマキシさん…いや、マキシマム仮面は水タイプの使い手!」
男 「水タイプのポケモンに炎や地面タイプで戦うのはいい度胸と言えるだろうな!」
男 「その辺りはお前に任せるぜ! じゃ、いいファイトよろしくな!」

ジュン 「ま、セオリーなら、草か電気だわな…」

俺の手持ちはムックル、ブイゼル、ロゼリア、モウカザル…もう一匹なにか欲しいところだけまぁ、しかたがないか。

ジュン 「あの、ジム戦の申し込みに来たんすけど」

俺は受付のところでジム戦の申し込みをする。
受付にいたのはガタイはいいが、まぁ割と普通のスーツ姿の男性だった。

受付 「使用ポケモンは3匹、道具の所持および使用は禁止、交換は挑戦者のみとなります、よろしいですか?」

ジュン 「ういっす、素人でもないんで大丈夫っす」

受付 「では、あちらの通路から中へとお進みください、すでにジムリーダーは待機しています」

ジュン 「え? もう?」

受付 「ええ、通報受けていましたので」

通報って…。

男 「にひ…♪」

ジュン (まぁ…いいけどさ)

何者か知らないが俺を未来のチャンピオンという謎の男。
ジムへ来る度に待ち構えており、そしてアドバイスを出す。
俺を買ってくれているようだが…何者なんだ?

ジュン (師匠…俺のこと、見てるかな?)

いや、さすがにそれはないか。
師匠は今、必死でギンガ団を追っている。
本当は俺も一緒に着いて行きたいけど、俺の実力じゃ足手まといにも程がある。
強くならなきゃ…一刻も早く!

ジュン (ヒカリっちやコウキに不安な思いはさせられねぇ…なんとしても強くなってギンガ団の野望を阻止するんだ!)

ヒカリちゃんやコウキは何も知らない。
いや、知らなくていいんだ…知らないまま事が終われば…それでいい。
そのために俺は強くなるんだ…誰よりも!

俺は決意を固め、ジムの花道へと進む。
そして花道を歩き終えると…。

マキシ 「よぉーく来た、チャレンジャーよ!」
マキシ 「俺様がノモセジムのジムリーダー!! マキシマム仮面ッ!!」

ジュン 「フタバタウンからきたジュンだ! ジム戦に来たぜ!」

マキシ 「ふふ、勇ましいな! では勝負だ!」

審判 「それではこれより、ノモセジム、ジム戦を開始します!」
審判 「使用ポケモンは3匹、ポケモンの途中交代は挑戦者のみ有効!」
審判 「道具の使用及びポケモンの所持は無しとします! 先制はジムリーダー!」
審判 「それではジムリーダー、最初のポケモンを!」

マキシ 「いくぞ! ギャラドス!!」

ギャラドス 「ギャラーッ!!」

ジュン 「! でけぇ!? これがギャラドスか!」

『ギャラドス 凶悪ポケモン』
『高さ 6,5 重さ 235,0kg』
『争いの起こった村を焼き尽くしたという記録が古文書に残されている』

ジュン 「さっすがジムリーダー…すげぇポケモン使うな…だけど、いくぜ、ブイゼル!」

ブイゼル 「ブーイー!!」

俺はギャラドス相手にブイゼルを出す。

ジュン 「ちなみに、ひとつ聞くけどこのフィールドはどうなってんだ!?」

これから俺達が戦うフィールド。
そこはなんとも奇妙なことに水浸しの迷路のようなフィールドだった。
迷路というのは見た目だが、迷路の壁の上に立っている感じだ。
ちなみに水浸しというのは迷路が水没しているからだ。
ちなみに不思議なことに迷路の壁は3種類に別れている様だ。
それぞれ、背の高い壁、低い壁、中位の壁。
1メートル刻みで変わっているようだが。

マキシ 「ウチの自慢のフィールドだ! 時間によって水位は変わる! 見ろ!」

ジュン 「! 水位が下がって中段の高さまで現われた!?」

マキシ 「壁が3種類に別れていることには気付いたろう!? あれは水位の変更時3種類に別れることを指している!」
マキシ 「水位も一番下まで行けば背の低い壁の上も陸上になる、ただし水がなくなることは無い! またフィールド全体が完全に水没することも無い!」
マキシ 「さぁ、そろそろ攻めさせてもらうぞ! ギャラドス、『りゅうのいかり』!」

ギャラドス 「ギャアアッ!!」

ジュン 「ブイゼル! かわして『ソニックブーム』!」

ブイゼル 「ブーイー!」

ズバァン!!

ギャラドス 「ギャラッ!?」

ブイゼルはギャラドスの口から放たれる『りゅうのいかり』を回避して、そのまま『ソニックブーム』をぶち当てた。

マキシ 「なんの! 負けるなギャラドス! 『かみつく』攻撃!」

ギャラドス 「ギャラー!!」

ジュン 「全然効いてないね、しょうがない! ブイゼル、『スピードスター』!」

ブイゼル 「ブーイー!!」

ビビビビビビ!!

ギャラドス 「!? ギャラーッ!」

ブイゼルの尻尾から『スピードスター』が放たれるがそれもギャラドスには怯む程度だったようだ。
思ったより頑丈だ…だが!

ジュン 「ブイゼル、右へジャンプだ!」

ブイゼル 「ブイ!」

バッシャァァン!!

ブイゼルは迷わず左へ飛ぶ。
すると迷路の下へ落ちるわけだ。
現在水位は低位。

ジュン 「ギャラドスみたいなでかいポケモンじゃ、このフィールドは戦いにくいだろ!」

マキシ 「案外そうでもないさ…ギャラドス!」

ギャラドス 「ギャラー!!」

ジュン 「お…お!?」

ギャラドスはマキシの一声でなんと宙に浮かび始める。

マキシ 「ギャラドスは飛行タイプでもあるのだぞ!? そのまま『りゅうのいかり』!」

ギャラドス 「ギャラー!!」

ゴオオオオッ!!

ブイゼル 「ブーイー!?」

ジュン 「ブイゼル!」

ブイゼルはギャラドスの攻撃を直撃してしまう。

ブイゼル 「ブイ…ブーイー!」

ジュン 「『りゅうのいかり』は『ソニックブーム』同様固定ダメージだぜ!? 見た目は派手だが威力はそこまでだ!」

マキシ 「ふ…そうかな?」

ジュン 「?」

マキシ 「ギャラドス! 『しおみず』!」

ジュン 「! ブイゼル、『でんこうせっか』で回避だ!」

ブイゼル 「ブイー!」

ブイゼルはその場から素早く『でんこうせっか』で迷路を駆け巡り、ギャラドスの放った『しおみず』から逃れる。

ジュン (やべぇな…『しおみず』は相手の体力が半分以下なら攻撃力が2倍になる技だ…『りゅうのいかり』と組み合わされたらかなわねぇ!)
ジュン 「戻れ、ブイゼル!」

マキシ 「ほう! ポケモンを戻すか! 次は何を出す!」

ジュン 「でてこい、ロゼリア!」

ロゼリア 「ローゼー!」

マキシ 「ほう! 水タイプには草タイプということか! だがギャラドスは飛行タイプでもあるぞ!?」

ジュン 「関係ないね…なぜなら…ギャラドスには飛行タイプの技はねぇ!」

マキシ 「ほう…どうしてそう思う?」

ジュン 「いや…訂正するわ、ギャラドスは飛行タイプの技は覚えねぇんだよ!」

マキシ 「! ほう…たいした知識だ…その通り、ギャラドスは飛行タイプの技は覚えない」
マキシ 「飛行タイプのおかげでギャラドスは草技は威力半減だぞ!? ギャラドス、『りゅうのいかり』!」

ギャラドス 「ギャーラー!!」

ゴオオオッ!!

ジュン 「馬鹿のひとつ覚えみてぇに! ロゼリア、『しびれごな』!」

ギャラドス 「ギャラッ!?」

ギャラドスはロゼリアに『りゅうのいかり』を放つが、ロゼリアはその小さな体を活かして簡単にギャラドスの『りゅうのいかり』を回避する。
そしてそのまま、ギャラドスに『しびれごな』を使い、ギャラドスは麻痺状態になった。

マキシ 「ぬぅ! 『しびれごな』か!」

ジュン 「よし、ロゼリア、『どくびし』!」

ロゼリア 「ローゼー!」

ロゼリアはフィールドに『どくびし』をばら撒く。
これで次にフィールドに出てきたポケモンは『どくびし』を踏んでしまい、毒状態になるぜ。
もっとも飛行タイプや浮遊の特性のポケモン、それに鋼タイプと毒タイプには通用しないんだがな。

マキシ 「うごけ! ギャラドス、『りゅうのいかり』!」

ジュン 「もう、遅いぜ! ロゼリア、『エナジーボール』!」

ロゼリア 「ロー!!」

ギュオオオッドカァァァン!!

ギャラドス 「ギャーラーッ!?」

バッシャァァァン!!

ギャラドスはロゼリアの『エナジーボール』を受けて、その巨体をやっと沈めた。
ふぅぅ…ここまで持ってくるのに随分苦労したぜ。

マキシ 「戻れ! ギャラドス!」
マキシ 「はっはっは! やるなチャレンジャー! 楽しませてくれる!」
マキシ 「戦略も度胸も、ポケモンの実力もいうこと無しだ!」

ジュン 「そりゃどーも」

マキシ 「さぁ、次はお前だ! フローゼル!」

フローゼル 「フロー!」

ブスッ!

フローゼル 「フロッ!?」

フローゼルは『どくびし』を踏み、毒状態になった。

ジュン (正直、いい目をしたフローゼルだな…こりゃ一筋縄じゃ行きそうにない)

フローゼルは正に漢といった感じだった。
ギャラドスに比べ、こっちの方がかなりマキシさんの目をしているように感じた。
もしかしなくてもこいつぁ…。

マキシ 「俺様の相棒だ! このフローゼルは!」

ジュン 「やっぱり…」

だろうなとは思った。
しかし、3体戦にもかかわらずもう投入してきたか。
つまるところ、強敵と判断! てことかな?

マキシ 「いくぞフローゼル! 『こおりのキバ』!」

フローゼル 「フーロー!!」

ジュン 「戻れ! ロゼリア!」

俺は瞬時にロゼリアをボールに戻した。
正直、物凄いスピードで突っ込んできたフローゼルにビビッたが、ボールには戻せた。

ジュン 「出番だぜ! モウカザル!」

モウカザル 「キッキー!」

フローゼル 「フローッ!」

ガブリッ!

モウカザル 「キィッ!?」

ジュン 「慌てんな! 『かわらわり』だ!」

モウカザル 「モウーキー!!」

ドッカァァ!

フローゼル 「!? ゼル!」

フローゼルはモウカザルに噛み付いてくるが、とっさに上から頭部を思いっきり叩いた。
モウカザルの『かわらわり』だ、さすがのフローゼルもそれには口を開いて距離を離してきた。

マキシ 「ほう! 水タイプのジムに炎タイプか!? なかなか…」

ジュン 「いい度胸だ! だろ!?」

俺はマキシの次の台詞を読んで、先に言う。

マキシ 「ふ…その意気やよし! だが! 水タイプのジムが炎タイプのポケモンに負けるわけにはいかん!」
マキシ 「フローゼル、『しおみず』だ!」

フローゼル 「フローッ!」

ジュン 「モウカザル、『かえんぐるま』!」

モウカザル 「ウッキー!」

バッシャァァ!!

マキシ 「!?」

モウカザルはフローゼルの『しおみず』が直撃する。
しかし、マキシさんの顔は思いのほか暗いようだ。
なぜなら…。

バッシュウウウウッ!!

フローゼルの『しおみず』は炎で体を包む、モウカザルの『かえんぐるま』の前に威力を半減させてしまう。

ジュン 「水は100度を越えると蒸発するんだぜ!? 一概炎が水に弱いってぇのは間違いみたいだな!」

マキシ 「やるな! 全身防御とも言える『かえんぐるま』ならどんな方向から水攻撃がきてもある程度防げるな!」

ジュン (ま…完全遮断じゃないのは確かだけどな…)

いくらなんでも敵の攻撃を0にするなんてのは無理だ。
あくまで受けるダメージを軽減しただけだ。

ジュン 「お返しだ! モウカザル、『マッハパンチ』!」

モウカザル 「キキーッ!」

マキシ 「フローゼル、『スピードスター』!」

フローゼル 「フローッ!!」

ビビビビビッ! バッキィィィ!!

モウカザル 「キキッ!?」
フローゼル 「フローッ!?」

互いの攻撃が同時にヒットする。
必ず先制できる技と必ず当たる技の対決か…互角のようだな!

マキシ 「フローゼル、もう一度『しおみず』!」

ジュン 「モウカザル、『かえんぐるま』!」

モウカザル 「ウッキーッ!!」

バッシュウウウッ!!

モウカザルは相手の水攻撃を炎で半減する。

マキシ 「…う〜む、どうにもおかしいのぅ、モウカザルの速度なら回避した方が速いと思うのだが、なぜわざわざ『かえんぐるま』でダメージを半減してまで防ぐのか?」

ジュン 「!」

さすが、ジムリーダー、もう気付きましたか。
そうなるとこっちの手口も読まれたかな?
いや、さすがにそりゃないか。

ジュン (まだ、読まれてたまるかよ!)

マキシ 「なら、これならどうかな!? フローゼル、『アクアジェット』!」

フローゼル 「フローッ!」

フローゼルは水を纏ってモウカザルに突撃してくる。
ダメージは…強烈だな!

ジュン 「モウカザル、フローゼルの動きをよく見ろ!」

モウカザル 「ウキ!」

俺はフローゼルの接近を見る。
後はモウカザルを信じるか!

ジュン 「今だ! モウカザル屈め!」

モウカザル 「! ウキ!」

フローゼル 「フロッ!?」

俺はフローゼルがモウカザルにぶつかる瞬間、モウカザルを屈ませる。
するとフローゼルの『アクアジェット』は見事にはずれ、モウカザルの後ろに出た。

マキシ 「いい反応だ! ああされるとこちらは攻撃を当てようが無いな!」

とはいえ、あれより遅かったら直撃クリーンヒットだし、早かったらフローゼルに反応されてやっぱり直撃だったろう。
『回避』するにはあれしか思いつかなかったからな。

ジュン 「さぁ、お返しだ! もういっちょ『マッハパンチ』!」

モウカザル 「キキー!」

バッキィィ!

フローゼル 「!?」

マキシ 「ちぃ! フローゼル、『かみつく』攻撃!」

フローゼル 「! フロー!」

ガブリッ!

モウカザル 「ウキッ!?」

フローゼルは怯まずモウカザルに噛み付いてきた。

マキシ 「よし! あと一息だ!」

ジュン (そう、あと一息だよなぁ…だけど!)
ジュン 「今だ、モウカザル、『オーバーヒート』!」

マキシ 「しまった! 『もうか』…!?」

モウカザル 「ウーーキーーーッ!!」

ドッカァァァァァァン!!

モウカザルを中心に物凄い爆発が起きる。
ウチのモウカザルの『オーバーヒート』はシンオウ地方じゃ珍しいインパクトタイプだ、接触しなけりゃ力を発揮しない。
『もうか』つきだ! さすがに効いたろう!?

マキシ 「フローゼル、『しおみず』!」

バッシャァァッ!!

ジュン 「なっ!?」

モウカザル 「ウキ〜…」

審判 「モウカザル、戦闘不能!」

ジュン 「やれやれ…戻れ、モウカザル!」

フローゼル 「フロ…フロ…」

フローゼルもかなりダメージを受けている…。
しかし、恐ろしいのはマキシさんか…まさか姿確認せずに攻撃命令を出してくるなんて。
やられてないって確信してたわけね…。

ジュン 「でてこい、ブイゼル!」

ブイゼル 「ブーイー!」

フローゼル 「フローッ!」

フローゼルは自分に喝を入れるように毛を逆立てて吼える。
熱いやつだぜ…だが、弱っているのは確か!

マキシ 「フローゼル、『スピードスター』だ!」

ジュン 「こっちも『スピードスター』だ! ブイゼル!」

フローゼル 「フローッ!」
ブイゼル 「ブイーッ!」

ビビビビビビッ! ズバァァァン!!

ブイゼル 「!?」

ジュン (ち! やっぱ攻撃力は進化形のフローゼルの方が高いな! 相討ちになってない!)

僅かだが火力不足の性でブイゼルの方がダメージを被っている。

ジュン (同じ手札をだしたら、必ず負けるってことか…同種族の進化形と進化前だからな…)

マキシ 「フローゼル、『アクアジェット』だ!」

フローゼル 「フローッ!」

ジュン 「悪いけど、今度は素直に付き合わないぜ!? ブイゼル、『ソニックブーム』!」

ブイゼル 「ブーイーッ!」

バッシィィン!

フローゼル 「!?」

バッシャァァン!

フローゼルはブイゼルの『ソニックブーム』に打ち落とされて水中に落ちる。

ジュン 「ダメージがでかい! 今のフローゼルは『ソニックブーム』程度のダメージで突進を止められちまうのさ!」

確信を得た、遠距離攻撃はいなし、接近戦を挑んできたら迎撃する!
これでもうフローゼルは落ちる!

マキシ 「フローゼル、負けるな! お前の得意技見せてやれ! 『しおみず』!」

フローゼル 「フローッ!」

ジュン 「ブイゼルはまだ元気だぜ!? そんなんじゃ落ちない! 『スピードスター』だ!」

ブイゼル 「ブーイー!」

ブイゼルは『しおみず』を尻尾で弾いて、そのまま『スピードスター』をフローゼルに放つ。

マキシ 「うおおおっ! フローゼル、『アクアジェット』だ!」

フローゼル 「フーローッ!」

バッシャァァァ! ドカァァッ!

ブイゼル 「ブイーッ!?」

ジュン 「なにっ!?」

なんとフローゼルはここに来て被弾覚悟でブイゼルに突っ込んでくる。
フローゼルは『スピードスター』を被弾しながらも止まらず、ブイゼルに『アクアジェット』を決めてきた。

ジュン (おいおい冗談だろ!? あいつ不死身かよ!?)

マキシ 「フローゼル、そのまま…!?」

フローゼル 「フロ…」

ドサァ!

審判 「フローゼル、戦闘不能!」

ジュン 「最後の気力を使い果たしたか…」

マキシ 「…もどれ、フローゼル!」

フローゼルは最後の『アクアジェット』を期に、ぷっつりと倒れてしまう。
さすがに強敵だったが…俺の勝ちだな。

マキシ 「わっはっは! さすがだ挑戦者! だが俺様もジムリーダー! 負けるとわかっていても試合は投げん!」
マキシ 「なぜならば、負けることは恥でないからだ! 戦わないことが恥なのだ!」
マキシ 「さぁ、最後のポケモンだ! いけ、ヌオー!」

ヌオー 「ヌオ〜」

ジュン 「ヌオーか、なるほど、道理でロゼリアの時、先に真打のフローゼルを出したはずだぜ!」

ヌオーは水タイプの他に地面タイプも持っている。
水タイプの弱点のひとつである電気が消える代わりに草タイプの攻撃には極端に弱くなる。

マキシ 「では、最後の戦い、いくぞー! ヌオー、『どろばくだん』!」

ヌオー 「ノォー!」

ジュン 「かわせ、ブイゼル!」

ブイゼル 「ブーイー!」

ヌオーはゆっくりとした動きで、口から泥の塊を放ってくる。
ブイゼルは素早く身を翻してそれをを回避するが、『どろばくだん』は着弾するとドバシャァっと大きく弾けた。

ジュン (『どろばくだん』か…いい技使うな)

ロゼリアに交換するか?
ヌオーは『どくびし』で毒状態だ、放っておいてもいつか倒れる。
ここはブイゼルでやれるところまでやるべきか!

ジュン 「ブイゼル、『スピードスター』!」

ブイゼル 「ブーイー!」

ビビビビビッ!

ヌオー 「ヌオッ!?」

マキシ 「負けるなヌオーッ! もう一度『どろばくだん』!」

ヌオー 「ノォーッ!」

ジュン 「それじゃ当たらねぇぜ! ブイゼル、かわしてもう一度『スピードスター』!」

ブイゼル 「ブーイー!」

ビビビビビビ!

ブイゼルに『どろばくだん』は当たらない、代わりにヌオーが『スピードスター』を被った。
パワーは完璧に負けているが、スピードは完璧に勝ってるな。

マキシ 「ヌオー、『たたきつける』!」

ジュン 「遠距離がダメなら接近戦か!? それならこっちも離れればいいこと!」
ジュン 「ブイゼル、距離を離して、『ソニックブーム』!」

ブイゼル 「ブイー!」

マキシ 「うおおおおおっ!! 負けるなーっ!! ヌオーッ!!」

ヌオー 「ヌーーーオーーーッ!!」

バッシィィン!!

ジュン 「!? と、止まらねぇ!?」

ヌオーはブイゼルの『ソニックブーム』を受けても全く怯まなかった。
そのままヌオーは射程距離に入り。

マキシ 「いけーっ!」

ヌオー 「ヌオッ!!」

ドッカァァァッ!!

ブイゼル 「ブイーッ!?」

ブイゼルはヌオーの大きな尻尾で地面に大きく叩きつけられる。
体重の乗った重い一撃だ…これは。

審判 「ブイゼル、戦闘不能!」

マキシ 「はっはっは! 見たか、俺様のヌオーの底力を!」

ジュン 「戻れ、ブイゼル」
ジュン (たく…無茶するぜ…あんな無茶をしたらヌオーも長くねぇぞ?)

毒のダメージだって馬鹿にはならない。
前進しながら攻撃を受けてんだ、普通よりダメージが肉体に残るぜ?

ジュン 「たく…どうなっても知らねぇぞ! でてこいロゼリア!」

ロゼリア 「ローゼー」

俺は最後にロゼリアを出す。

マキシ 「ヌオーッ! もう一度『たたきつける』攻撃だ!」

ヌオー 「ヌーオー!」

ジュン 「ロゼリア、『メガドレイン』!」

ロゼリア 「ローゼー!」

ドッカァァァァ!!

ロゼリアはブイゼル同様ヌオーの強烈な『たたきつける』攻撃をモロにくらってしまう。
しかし、実際ダメージを大きく被ったのはヌオーだ。

ヌオー 「ヌ…オォ〜…」

ドッシィィン!

ロゼリア 「…ロゼ」

ヌオーは目を回し大きな音を立てて倒れた。
ロゼリアは逆にゆっくりと起き上がるのだった。

審判 「ヌオー戦闘不能! よって勝者挑戦者ジュン!」

マキシ 「おわっちまったか! なんというか、もっともっと戦いたかった…そんな気分だ!」
マキシ 「いい勝負だったぜ! こいつを受け取れ!」

マキシさんはジムリーダーサイドからジムバッジを投げてくる。
俺はそれをキャッチして確認した。

ジュン 「たしかに…」

マキシ 「戻れ、ヌオー! お前との戦い、楽しかったぜ! またバトルしよう!」

ジュン 「戻ってくれ、ロゼリア」
ジュン 「まぁ、機会あったらな! あんがとよ!」

俺はジムバッジをバッジケースに収めるとジムを跡にした。
これでようやく半分…あと4つでシンオウリーグか!



…………。



ジュン 「げ…もう暗くなってんじゃねぇか」

俺はジムを出ると、外は暗くなっていた。
ポケモンも何だかんだでボロボロ、ポケッチアプリによると時刻はもう17時になっていた。
思ったより時間かかったな。

ジュン (時間かかりすぎか…これじゃまだまだだな)

ジム戦にこんなに苦戦しているようじゃまだまだ師匠の組み手相手なんて務まるはずが無い。
もっとだ…もっと精進しないと!

ジュン (俺にどれだけ時間が残されているかはわからない…ともかく一刻も早く強くなるんだ!)

俺は再びこの自分の胸に決意し、ポケモンセンターに向かうのだった。





ポケットモンスターパール編外伝 第2話 「ノモセへ挑戦!」 完







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