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OPERATION Nine 『エグザイル』




エグザイル…。
新世歴312年に出来た非合法組織だ。
エグザイルは武力によって世界の平定を求む組織で、そのため全世界へ宣戦布告をした。
現在それより6年、東アジア、南アメリカ、東南アジア、オーストラリアを手中に収め今なお猛攻を続けている。
それはひとえ年号も変わった今になっても未だに戦争を続ける国家に対しての戒めだった。
いつまでも続く泥沼の戦いに終止符を打つのは最も強い武力。
それを主眼に多くの者が『世界征服』という言葉に荷担している。
いまや、エグザイルに敵う戦力を有する国家は存在しない。



『フリーダム艦内 ブリッジ』


クレス 「…以上、エグザイルの大まかな説明だ」

俺はブリッジでフリーダムの乗組員ほとんど(デルタも含む)にエグザイルの話をしていた。
発案者はマリアだ…。
なんでも『記憶取り戻したのならエグザイルのこと詳しくみんなに教えてくれない?』ということだった。

グレッグ 「頂点にいる、大将が全てを統括しているのか?」

グレッグは静かに手を上げて質問してくる。
ちなみに今は俺が中央にいて、その周りをサナリィの皆さんが丸く囲んでいる状態だ。
デルタは…ブリッジの端っこでちょこんとしている。
放っておくと空気のような存在だからな…。

グレッグ 「クレス…?」

クレス 「あ、すまない、頂点にいるのは大将じゃない…いわゆる現人神(あらひとがみ)だ」

マリア 「アラヒトガミ? なにそれ?」

カルタ 「現人神…言ってみれば神に見立てた人物…というところでしょうか?」

クレス 「うむ、そう言うことだ」

カルタが簡単にそしてわかりやすく説明してくれる。
俺はそれに軽く頷く。

グレッグ 「ということは、その神がいて、大将がいて、下々に繋がるのか」

クレス 「すまない、そういう組織構成はいちから説明した方が良さそうだな」

どうも説明不十分だったようなので俺はコホンと咳払いして、説明を始める。

クレス 「まず、一番上にいるのがエグザイルの神、『リィナ ディッセ エグザイル』」

ガンス 「リィナ? 女性なのか?」

かなり後ろの方からガンスの声が聞こえる。

クレス 「…そうだ」

マリア 「女…ねぇ、どんな女なの?」

クレス 「身長は…俺が知っている頃で160cmくらいだったな」
クレス 「髪の毛は俺と同じブロンドのヘアーだ、俺と同じようにストレートで伸ばしている」
クレス 「少し垂れ目で輪郭は俺と似ているかもしれないな…目のカラーは同じ青だ」

シュウイチ 「…なんか聞いているだけだったら兄妹のようですね」

グレッグ 「兄妹なのか?」

クレス 「いや…他人の空似だ」

俺は特に感情を込めずそう言う。
もし、兄妹だといったら混乱を生んでいたかもな。

マリア 「ふ〜ん、クレスとはどんな関係なの?」

クレス 「? 神に当たるが?」

マリアは突然訳のわからない質問をしてくる。
一体何を聞きたかったんだ?

マリア 「いや、もっとこう…その…」

グレッグ 「恋人か…? とマリアは聞きたいみたいだな…」

マリア 「ちょ!? グレッグ!!」

そんなやり取りをやると周りは少し和んで笑い声が出てくる。
マリアはそれに赤面して戸惑っていた。

クレス 「ふ…そんな関係はないさ」

俺は少し笑いながらそう言う。

マリア 「もう…」

カルタ 「その下からは大将、中将、少将ってなっているんですか?」

クレス 「いや、ここがもうひとつ特殊な所だ」
クレス 「エグザイルの下に今度は統治者(メンバー)がやってくる」
クレス 「統治者は10人いて、それぞれ北アメリカ、南アメリカ、東アジア、東南アジア、中央アジア、中東、ヨーロッパ、アフリカ、オーストラリア、南極を統治している」

マリア 「しつもーん! それが大将に当たるわけじゃないの?」

クレス 「いや、そうでもない。実際俺は統治者だが階級は大佐だ」
クレス 「統治者は完璧な実力主義だ、階級は関係ない」
クレス 「それゆえに、軍全体を指揮している者もいれば、俺のように1兵士の振りをしている者もいる」

マリア 「…てことは、頭を潰すのは大変そうね」

クレス 「ああ、だが、向こうも不利になれば統治者が出てきて、指揮を始めるだろう」

グレッグ 「ちなみに、クレスの担当エリアはどこだったんだ?」

クレス 「…中東だ」

マリア 「うわ…暑そう…」

マリアはそれを聞いて、うげっと言った顔をした。
てっきり中央アジア(ここは西アジアだがエリアは一緒だ)かと思っただろうか?
まぁ、このエリアはアストラのエリアだからな。

シュウイチ 「ということは中東のエグザイルは大変でしょうね」

クレス 「そうだな…サナリィに負けているかもしれないな」

マリア 「呑気な元エグザイルもいたものね」

クレス 「…以上で質問は終わりか?」

おれはある程度の区切りでそう皆に問う。
そう言うと、みな少し考えるが、内容で意見は出てこない。

マリア 「あ! そうだ、じゃあその『エグザイル』の居場所はどこなの?」

マリアは思いついたようにそう言う。
リィナの居場所か…。

クレス 「真上だ…」

カルタ 「…え?」

グレッグ 「…真上だと?」

俺がそう言うと、周りは不思議な顔をする。
さすがに信じられないと言った所か。

マリア 「…クレスも冗談言えたんだ…」

マリアに至っては冗談と思ったようだ。

クレス 「冗談ではない…」

ガンズ 「…まさか、空中要塞?」

ガンズはメカニックらしくなかなか確信に迫る。

クレス 「その通りだ、エグザイルは高度10000kmで人工衛星と共に地球を周っている」

カルタ 「それじゃ…空中に要塞なんて聞いたことがないわけだ…」

シュウイチ 「ちなみに、規模はどれ位?」

シュウイチは恐る恐る聞いてくる。
俺は特に隠すこともないと思い、素直を答える。

クレス 「たしか、円形の形をしていて、直系14kmの円盤状の要塞だ」
クレス 「規模はユニットだけでも400は硬いだろう…」

マリア 「……」

さすがにマリアも唖然としている。
しかし実際にはもっと多いかもしれない。
如何せん規模が規模だからな…。

カルタ 「御大将を倒して一気に勝利という方法は取れないということか…」

クレス 「だが、エグザイル自身を倒さないことには勝利はない」

これは事実だ。
実際そのため、エグザイルは今も存在して、猛威を振るっているのだから。

グレッグ 「しかし、とすればどうするのだ?」

ガンズ 「高度10000kmにいける戦艦もなければ戦えるユニットもないからな…」

当然だろう。
そのためにそんな高度まで打ち上げたのだから…。

クレス 「だが、それでは統治者も要塞に行けない」

マリア 「ま、当然よね…」

クレス 「そこで、統治者はある『アイテム』を持っている」

シュウイチ 「アイテム?」

クレス 「エグザイルの超巨大空中要塞を高度11kmまで降ろすことができるアイテムだ」

マリア 「なんだ、そんな便利なアイテムがあるんじゃん」

マリアはホッとしたような顔をする。
ことはそんなに簡単じゃないんだがな…。

クレス 「当然、それらは10個全てないと意味はない」

マリア 「がくっ! やっぱり?」

マリアは思いっきり項垂れるがとりあえず無視する。
ここからが重要だからな。

クレス 「統治者は必ずメンバーキーと呼ばれるアイテムを持っている」
クレス 「俺の場合はこの腕時計、アストラはこのカードだった」

俺はそう言うと前回の戦闘で運命か因果か手に入れたカードを見せる。

シュウイチ 「凄いですね…」

クレス 「10個全て集めないといけないがな…」

それはつまり地上にいるエグザイルを全て掃討しないといけないということだ。
出来たとしても何年かかるか…。

マリア 「でも、統治者を全滅させればいいんでしょ? だったら何とかなる気がするわ!」

マリアは簡単にそう言ってしまう。
まぁ…その勢いがマリアのいいところかもな。

グレッグ 「では、これからの進路は統治者の撃破?」

クレス 「ああ、それは当然だが、それには協力が必要だ」

カルタ 「協力…ですか?」

クレス 「世界の、だ」

シュウイチ 「世界…」

クレス 「今世界中の国々がエグザイルの攻撃を受けている」
クレス 「まずはこの国、ハッテンの開放だ!」
クレス 「サナリィの力は微力だが、世界各国と繋がれば戦える!」

グレッグ 「しかし、この前のオぺレーション・カオスでこの国は完璧にエグザイルの占領下になった」
グレッグ 「開放といっても一筋縄にはいかないぞ?」

クレス 「言ったろ? 世界の協力が必要だって…」
クレス 「ひとつひとつこなしていれば、そのうち何とかなるさ!」
クレス 「カルタ! ここから一番近い基地はどこだ?」

カルタ 「ハッテン特殊陸軍基地です」

クレス 「ナイトメアを開発したあそこか!」

グレッグ 「やれやれ、よし! 進路ハッテン特殊陸軍基地!」

カルタ 「了解!」

グレッグのその一声により、ブリッジに集まっていたメンバーはみな持ち場へと戻る。
これからは今までのサナリィと同じ戦い方は出来ない。

クレス 「俺にとってはサナリィとしての…初陣か」



……………
…………
………



『ハッテン特殊陸軍基地』


ハッテン兵 「基地を占領され、2週間…我々どうなってしまうのでしょうか…中佐殿」

ガルム 「今は耐えるしかない…生き残った我々にも必ずチャンスはやってくる…」

ハッテン兵 「しかし、エグザイルは強力すぎます…本国も大丈夫か…」

ガルム 「……」

しかし、実際エグザイルの猛攻は熾烈を極めた。
いくら、一度ナイトメアに攻撃を受けたとはいえ、こうもあっさりエグザイルに占領されるとは…。
突然、エグザイルが大艦隊を連れて襲撃した時、こちらの戦力でも十分戦えるはずだった…。
それはおごりだったのか…我々は1日と持たず、基地を放棄して逃げ延びた。

ガルム (我々はなぜ、こうも無意味なのだろうか?)

エグザイルは枠を越えすぎている…。
今や、アレに勝てる国など…存在しないだろう…。




…………
………
……




『フリーダム ブリッジ』


カルタ 「エグザイル巡洋艦級戦艦2隻…あ〜あ、見事に占領されていますね」

グレッグ 「うむ…戦力はどれ位あるだろうな…?」

カルタ 「…ハッテンの抵抗はほとんどなさそうですし…少なくともこちらよりは多いでしょうね」

カルタはそう言っておおよその予想戦力を述べる。

グレッグ 「やはり…そうだろうな…だが、やらねばならんか…」

カルタ 「場合によってはハッテンの方も現れる可能性ありますから」

グレッグ 「…ユニット隊、準備はいいか?」

クレス 『問題ない、いつでも出撃出来る』

マリア 『こっちもOKよ、あなたの一言でいつでも出撃できるわ』

グレッグ 「よし! ユニット隊降下開始!」



クレス 「了解だグレッグ! これよりハッテン特殊陸軍基地周辺に降下後、基地の攻略を開始する!」

マリア 『マリア・レウス 一番手レフトハンドで行くわよ!』

まずはマリア、マリアは戦艦後部のハッチから出撃する。

デルタ 『デルタ・メラス…ホワイトウインド…行きます…』

シュウイチ 『シュウイチ・ミクラ、ピースメーカ−行きます!』

ついでシュウイチとデルタも出る。
デルタはユニットの性能もあって基地へ直接降下する。

クレス 「クレス ナイトメアで行く!」

最後に俺が出る。
勝つにしろ、負けるにしろこの戦いは大きな意味を持つ。
この戦い必ず『成功』させる!


カルタ 「全機出撃しました」

グレッグ 「フリーダムより各機へ!」
グレッグ 「本作戦は当基地のエグザイルからの解放である!」
グレッグ 「ハッテン軍がいた場合、攻撃は行うな! 以上、健闘を祈る!」


…………
………


ハッテン兵A 「なんだ…戦闘か?」

ハッテン兵B 「味方の援軍が着たのか!?」

ハッテン兵A 「…いや、あれはサナリィだ…」

ハッテン兵C 「どうしますガルム中佐? この戦闘に乗じて奪い返しますか?」

ガルム 「……」

たしかに今ならそれも可能かもしれない。
しかし、生き残りは我々5名のみ。
しかも、ユニットはわずか3機。
はたして、この戦力で奪還できるだろうか?

ハッテン兵A 「行きましょう中佐!」

ハッテン兵B 「どうせ、このまま待っていても仕方ありません…行きましょう!」

ガルム 「…そうだな、よし! 出撃だ!」

ハッテン兵達 「おおーっ!!」

どのみち…いかざるをえないのだ…ならば、ここを死場としようではないか!



………



マリア 『この!!』

クレス 「…ちぃ!」

俺たちは基地を襲撃している。
しかし、したは良いがエグザイルの圧倒的戦力に少々押され気味だった。

クレス 『一体どれだけいるんだ!?』

既に俺だけでも7機は撃破した。
30〜40はカタイかもしれない。

デルタ 『大佐…戦力差がありすぎます…撤退すべきです』

そこへデルタから通信が入る。
確かに、戦力差がありすぎるのは確かだ。
口惜しいがここは退かざるをえんか…。

シュウイチ 『クレスさん! 何か近づいてきます!』

クレス 「なに!?」

シュウイチがそう言ってレーダーを見ると確かに北北東から3機ほどこの基地に向かってくるユニットが確認できた。

カルタ 『フリーダムから各機へ! ハッテン軍が出現しました! 注意してください!』

クレス 「やはり現れたか!」

フリーダムからの通信でハッテン軍が現れたことがわかる。
どうやらレーダーに写った三機がそれらしい。

マリア 『来たみたいよ!』

マリアの声と同時にモニターには煙を上げて基地へと近づいてくるユニットが見受けられる。
この状況、どう見るか!?

クレス 「ちぃ!」

ザシュウ!! ドォン!

俺はレーダーで確認しながら後から接近してきた敵機をヒートブレードで切り裂く。
俺はその後、ハッテンの機体に近づく。




ガルム 「ちぃ!!」

ドガァン!!

ガルム 「く!? やはりここが死に場所か!?」

いざ、戦場に入ってみるとそこは予想以上の乱戦状態だった。
しかし、実際はエグザイルの数が多すぎる。
このままではいずれやられる。

ガルム 「後!? しまった!?」

乱戦の中、後からエグザイルの機体の反応がする。
振り向いた時には既にブレードを上段に構えて、振り降ろそうとしていた。

ガルム 「!!?」

ドガァン!!

ガルム 「直接回線!? 誰だ!?」

後ろを振り向いた瞬間その機体は爆発を起こす。
人為的に撃破されたようだった。
それと同時に直接回線が開かれる。

クレス 『ハッテンの方、話があります!』

ガルム 「貴様は、あの時の!?」

通信の相手はナイトメアのパイロットだった。
たしか、元ハッテン軍開発部所属アルベルト・マーズアンだったな…いや、エグザイルのスパイと言うわけだし偽名か…。

ガルム 「なんのつもりだ…助けられる覚えもない! 通信を切れ!」

クレス 『そういうわけにはいかない…あなたとてただで死にに来たわけではないでしょう?』

ガルム 「何!?」

クレス 『この状況、特に飾る必要はないでしょう…勝ちませんか?』

ガルム 「…勝つというのは、『生き残る』ということかな?」

クレス 『それ以外、無いでしょう…!』

ズガァン!!

ナイトメアのパイロットは通信中にもかかわらず近寄る敵を見事に切り裂く。

クレス 『普通にやっていれば、どういう結果が待っているか…わかっているはずです』

ガルム 「……」

相手の言いたいことはわかる。
このまま三つ巴でやれば、間違いなく俺たちは全滅だ。
だが、ここでサナリィと手を組めばあるいは…。
しかし、それでは…。

クレス 『最後に言わせてもらいます…エグザイルには個人では勝てない…小さな力でも束ねられれば強大になる』

ガルム 「……」

…確かに、我々はエグザイルから見たらさも小さき物だろう…。
事実、この状況が語っている。
…倒すべきは…か。

ガルム 「俺の…いや、ハッテンの答えは…」

ズガァン!!

俺はナイトメアの後ろの敵機を切り裂く。

ガルム 「これだ…!」

クレス 『…よろしくお願いします』

ガルム 「詳しい話は奴等を追い出した後だ、その後協力するかどうかは決める!」

俺はそう言って強引に通信を切る。
倒すべきはエグザイル…!
今は、無駄な争いをすべきではないだろう!

ガルム 「ハードクラッシュから各機へ! これよりサナリィと共同戦線を張る! サナリィを攻撃するなよ!?」



クレス 「これで…勝てる!」

既に、戦力図はこちらが押し始めている。
物量ではなく、戦力で…。
少なくとも、士気の上ではこちらが圧倒的だ。



…………
………
……



『戦艦フリーダム艦内ーブリッジー』


グレッグ 「協力感謝します。ガルム・グレイド中佐」

ガルム 「サナリィ最高司令官グレッグ・フォスター大将ですな?」

戦闘終了後、ハッテン、サナリィ両名が揃ってフリーダムのブリッジにいた。

ガルム 「まずは基地奪還へのご助力感謝します」

グレッグ 「いえ、それこそが目的でありましたから」

ガルム 「ついては…」

グレッグ 「…母国奪還、協力させていただきます」

マリア 「……」

シュウイチ 「……」

パチパチパチパチパチパチパチ…

艦内から拍手の音が聞こえる。
音は最初は小さく、徐々に大きくなっていき、やがて艦全体を包むように拍手は広がった。
今はまだ小さな灯火にすぎないかもしれないが、やがてこれが大きな炎となってエグザイルに立ち向かうだろう…。
その予感は…十分感じ取れた…。

そして、その後…小さいなれど、奪還した基地を使い小さな祝勝会が開かれていた…。



マリア 「あ〜あ、こんなパーティもアリじゃない…てことかしらね?」

クレス 「これから先、パーティなどする余裕はより無くなる…小さいといえどマリアも今くらいは楽しめ…」

マリア 「なぁに言ってんの! クレス、あなたも楽しむのよ!」

クレス 「あ、おい…引っ張るな…」

マリアは何だかんだ嬉しそうな顔をでクレスの腕を引っ張っていた。
クレスはそれを苦笑しながら引っ張られていた。



シュウイチ 「まさか、エグザイルの戦艦が無傷で手に入るなんて思いもよりませんでしたね」

ガルム 「うむ、あれはこちら側が使わせてもらってもよろしいですかな?」

グレッグ 「どうぞ、こちらには戦艦はすでにありますから」

ガンズ 「ああ〜…でも、エグザイルの技術は気になるねぇ〜」

ガルム 「さぁ、それより、一杯どうぞ」

グレッグ 「ええ、いただきます」

シュウイチ 「僕は未成年なんで…」
シュウイチ (それにしても、カルタはどうしたのかな…姿見ないけど…)



…………



デルタ 「ジェネレーター問題なし…駆動部も大丈夫…」

カルタ 「…デルタさんですよね?」

パーティが行われている中、デルタとカルタはフリーダムのデッキにいた。

デルタ 「たしか、サナリィ通信士兼パイロットのカルタ・タイト少尉殿ですね…」

カルタ 「どうしたんです? 今くらいパーティに出席してもよろしいでしょう?」

カルタはデルタの口調を特に気にする様子もなく言った。

デルタ 「…少尉殿は冗談がお好きなようですね…」

カルタ 「…え?」

デルタ 「仮にもつい昨日まで私はエグザイルだったのですよ?」
デルタ 「あなた方とハッテンの方は考え方が違う…かつての戦友を撃った相手をどうして快く受け入れられましょう?」

デルタの言い方は皮肉めいた口調だったが、的を射ていた。
デルタは事実、この基地の攻略戦にも参加していた。
それ以外にもハッテン軍を撃ったことは数知れない…。
そしてなによりもエグザイルの『白き翼』の異名を持つほどの戦士であるデルタはハッテンやサナリィのみならず近隣諸国にも名を馳せていた。
当然、ここにいるカルタもそれを知っている。
カルタの言葉がデルタの思慮に欠けるものだった。

カルタ 「…でも、本当に信じあえるならそんなの謦咳だと思います…」

デルタ 「あなたは大きな方だ…あの方と同じように…」

カルタ 「あの方? …クレスさんですか?」

デルタ 「…大佐はとても大きい方だ、エグザイルにおいても高い地位を持ちながらこのサナリィにおいても重要な存在だ」
デルタ 「私は小さい…所詮ただの兵士だ…人前に出られるほど出来た存在でもない」

カルタ 「そんなこと無いですよ…デルタさんだって」

デルタ 「あるんだ…兵士は散り逝くのみ…私は、生粋の兵士だ」

カルタ 「哀しすぎませんか…それ?」

デルタ 「……」


こうして日は明ける。
朝、目覚めれば戦場の音が聞こえる…。
彼等は再び、戦いに身を委ね流れに乗る。
ある意味、サナリィとエグザイルの戦いはここから始まるのかもしれない。
そう、今まさにこの戦争は最後のステップに入ろうとしていた…。




…NEXT OPERATION A GO




Strategy of the following!


無事、戦いを終えたクレスたち。
しかし、次の日からはまた戦場へと赴く。
数々の戦いに勝利し、ハッテンの完全解放は目の前…。
残りはふたつ、ハッテン首都とハッテン最大の機械化混合陸軍基地。
クレスたちはこの基地の攻略に当たる。
そこで、クレスたちはたった一人に敗退を喫することとなる。
それは統治者(メンバー)の力を教えるものだった。

次回 UNIT

OPERATION Ten 『力』


クレス 「マリーナ…貴様が出てくるとはな!」




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