Menu | |
Back | Next |
ク:「だから離れろ・・・!!傷口に響く・・・!!」
パ:「何でさ?今必死に看病してやってるのに。」(シュルシュル・・・)
パトラは、首に巻きつけてあった薄い布をクロウの腕の傷口に巻いた。
ク:「こんな傷くらい何とかなる・・・。」
パ:「痛がってたくせに。」
ク:「まさか俺の許婚がお前になるとはな・・・。」
パ:「なんか不満でも?いいじゃん。アタシは嬉しいんだけどねぇー・・・。」
ク:「俺は嬉しくない・・・!!」
パ:「アタシはねゼウスにこっぴどく言われてたんだよ。しつこいったらありゃしない・・・。」
ゼ:「クロウ・・・。お願い・・・。パトラちゃんと結婚してください・・・!!」
ク:「俺にもそれなりの覚悟っていうのがあるんだ・・・。考えさせてくれ・・・。」
パ:「考えなくても結論は付くじゃん。」
ゼ:「考えさせておきましょう・・・。」
ウ:「パトラさーんっ!!」
ウンディーネが後から追ってきた。
パ:「んあ?」
ウ:「パトラさん!!大変大変な事になっちゃったの!!今すぐ手術するから!!」
パ:「ちょっと!!そんな急にいわれてもねー・・・。」
ウ:「あと、一時間もすると心臓が動かなくなっちゃう!!」
パ:「何でわかるのさ!?」
ウ:「いろいろ調べてみたんだけど昔、私が治療した船員がいて体全体が火傷してて心臓が止まりそうだったの!!
だから、手術して治したんだけど後から焦げた部分にがん細胞が大量に出来て死にかけになったケースがあったの!!」
パ:「がん!?がはっ!!」
パトラが咳き込んだ。
パ:「うわーっ!!」
手には大量の血が付いていた。
ウ:「早くこっちへ!!」
ウンディーネが水で作った部屋にパトラを案内した。
パ:「ケホケホ!!」
ク:「・・・・・・・。」
クロウは黙っていた。
ゼ:「クロウ・・・。話があるんだけど・・・。」
ク:「何だ?」
(三十分後・・・)
パ:「治ったーっ!!」
パトラが部屋から出てきた。
この調子だとおそらく完治したのだろう。
ウ:「大きいがん細胞が心臓付近にあったけど、なんとか取り除けたよ。」
ク:「・・・・・・・。」
クロウは、腕を組みじっとパトラの顔を見ている。
パ:「何だい?アタシに何か言う事あんの?」
ゼ:「クロウ・・・。」
ク:「・・・・・大丈夫か・・・・?」
クロウはぎごちなくパトラに言った。
パ:「あ・・・?大丈夫だけど・・・?」
パトラは変わったクロウにビックリした。
ク:「・・・・そうか・・・・。」
今度は聞こえないほど小声になった。
ウ:「治ったからって無理しないでね。」
パ:「大丈夫!!クロウがいるからねー。」
クロウの腕抱きついてパトラが言う。
ク:「・・・・俺が守ってやる・・・・。」
パ:「あはは。さすがアタシの婿だねぇー。」
ク:「は・は・ははははは・・・。」
顔と笑い声があっていない。
ゼ:「それでいいです・・・。では、話のとおりあれをやってください。」
ゼウスがクロウの後ろで言った。
ク:「はぁー・・・・。」(ガシッ)
パ:「?」
クロウがパトラの肩を掴んで顔と顔をあわせるような体勢をとった。
まさか・・・!!
パ:「!!」
クロウが顔を近づけキスをした。
ク:「・・・・・・・。」
パ:「・・・・・・・。」
どちらも目をつむって黙った。
ク:「・・・・悪かった・・・。」
パ:「あ・はははは・・・。ファーストキスだよ・・・。」
?:「よぉ!!見させてもらったぜ!!」
パトラが振り向くと八百屋さんっぽい服装のいかついじいさんがいた。
パ:「あ、コマジジイ!!」
コ:「聞いたが、パトラの婿さんはその蒼白顔の男だな!!いい男を持ったなパトラ!!」
コマじいさんが威勢のいい声で言った。
コ:「ついに婿さんまで盗み出したか!!」
パ:「ははは。やっぱ、盗んじまった!!」
ク:「おい。こいつらお前を殺そうとしたんじゃ?」
コ:「殺す?変な言いがかりはよしてくれよ!!あれは、演技だ!!」
パ:「それにしてもコマジジイ!!アタシの腕を撃つのはやめてほしかったね!!」
コ:「いやー、射撃の名手だから腕をかすらせたが痛かったか?」
パ:「ちょっとね。」
コ:「悪いな!!じゃー、パトラに婿さんが出来た事とクソ野郎が出て行ったことを祝って、大酒でも飲むか!!」
パ:「酒だーっ!!」
ク:「お前、飲んでいいのか?」
パ:「何でそんな事聞くのさ?アタシは、こんないい体でまだ15歳だよ!!」
ク:「未成年じゃないか!!」
15歳とは思えない。クロウは、「とんでもない嫁を持ったものだ・・・。」と後悔した。
ウ:「私はお酒はちょっと〜・・・。」
パ:「まぁ、飲みなって!!」
ク:「俺も飲むか・・・。200年ぶりだしな・・・。」
Menu | |
Back | Next |