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ウ:「う〜ん・・・。」

カ:「ランクどうり、難しいですね。」

ウ:「出来た!!」

カ:「もう出来たのですか!?」

カナは驚いた。

カ:「普通なら一年半はかかる作業が、わずか十二時間で・・・。」

ウ:「でも、ホントに出来たかどうかは試してみないとね。」

カ:「な・何をなさるんですか!?」

突然ウンディーネがワクチンを注射器に入れ、自分の腕に刺して注入した。

カ:「ウンディーネさん!!何してるんですか!?失敗作かもしれないんですよ!?」

ウ:「医者はね、常に患者と同じ立場で研究をしないといけないの・・・。」

カ:「だからといって、自分の体を使うのは!!」

ウ:「だって、自分が自信を持って安全を保障したワクチンだもん。」

カ:「あなたのやり方はよく分かりませんが、実力は確かです・・・。」

ウ:「失敗作は使えないものばっかりでもないの。ちょっと工夫すれば百薬の長にする事だって出来るんだよ。」

微笑みながら言う。

カ:「はぁ・・・。どうやら、あなたの実力はどうやら見直さなければならないようですね・・・。」

ウ:「え?」

カ:「あなたの実力は予想をはるかに超えたものです。あなたの助手になれて本当によかったです・・・。」

ウ:「そう思ってくれるとちょっと恥ずかしいなー・・・。」(ポリポリ・・・)

顔を赤らめて指で頬をかきながら言う。

カ:「では、効果はどうですか?ウンディーネさん?」

ウ:「特に副作用はないし、気分も悪くならないね。眠気も出てこないからほぼ完璧だよ。」

カ:「後はこれをどうやって培養するかですね・・・。」

ウ:「私は培養はあまりしたことがないの・・・。」

カ:「同じやり方で何度も増やすやり方ですね?」

ウ:「まぁ、そうなるね。」

カ:「私に任せてください。培養は得意ですから。」

細菌学の得意なカナにとって培養はおてのものだ。

カ:「BベースとDベースを組み合わせ、それを5〜6分置いて、残ったDNAベースをワクチンベースに加えれば・・・。」

ワクチンベースにDNAベースを入れた。

ワクチンはすごい速さで増えた。

カ:「これで増やす事が出来ます!!」

ウ:「カナちゃんってすごいね〜。」

カ:「ちゃん付けはやめてもらいたいのですが・・・。」

ウ:「だって、顔が可愛いもん。」

カ:「・・・・・・。」

顔を赤らめて下を向いてしまった。

カ:「と・とりあえず、培養は完了しましたから、あとは注入用にすれば完了です。」

ウ:「こんなにたくさんあったら、どれが失敗作かわからなくなっちゃうね。」

カ:「いくらなんでも、あなたのやり方では危険ですし・・・。」

ウ:「そうだ!!それなら、特別な人材がいるよ!!ちょっと・・・。」

ウンディーネがカナの耳に何かをささやいていた。

カ:「大丈夫でしょうか・・・?」

ウ:「大丈夫。死なないから。」

カ:「はぁ・・・。」

カナは研究所からでた。誰かを連れてくるようだ。

しばらくしてカナがクロウを連れて戻ってきた。

ク:「ううう・・・。」

頭痛を必死にこらえている。

ク:「俺に何か用か・・・?」

ウ:「ちょっとここに座って。」

ク:「?」

クロウは人一人が座れるソファーに座った。

ク:「一体何なんだ?」

ウ:「頭痛に効く薬をうってあげるね。」

ク:「そうか。悪いな・・・。」

ウンディーネがクロウの腕を消毒液のついた布で拭くと、注射器を刺した。

カ:「ウンディーネさん・・・。ちょっとまずいのでは・・・?」

ウンディーネの耳元でカナがささやく。

実は、クロウを実験体にするのだ。

頭痛に効く薬はクロウを騙すためのもので、実際そのような効果は無い。

ウ:「大丈夫。クロウは、簡単には死なないから。」

ク:「何を話している?」

ウ:「いや、何でもないよ。それよりも、頭痛は治った?」

ク:「変わらない・・・。もういい・・・。寝る・・・。」

クロウは、ソファーの上で寝てしまった。

ウ:「異常なしっと。」

カ:「これで、大丈夫ですね。」

ウ:「うん。でも、この量だと少なすぎるね・・・。」

小さなガラスケースの量では世界は救えないだろう。

ウ:「カナちゃんと私で協力して、何とかワクチンを作らないと。」

カ:「そうですね・・・。」

ク:「聞こえているぞ・・・。」

クロウは寝たふりをしていて話を聞いていた。

ク:「よくも俺の体を実験体として扱ってくれたな・・・。」

ウ:「あ・あの。だ・だからあのね。」

カ:「逃げましょう!!」

ウンディーネとカナは逃げた。

ク:「お・おい!!待て!!」

クロウは後を追った。

ク:「俺は実験体にされるほどの者じゃねぇーんだ!!」

カ:「ウンディーネさん!!クロウさん怒ってますよ!!」

ウ:「なんちゃってね。」

ク:「あ!!」

クロウの体がトランの体に変わった。

ク:「くそっ!!まだ、封印が解けていなかったのか!!」

ウ:「残念だね。」

トランの頭を(むしろクロウの。)なでた。

ク:「バカにするなーっ!!」(ポコポコポコ)

痛くない(いわゆる子供パンチ。)をくりだした。

ウ:「痛くないよ。」(グイッ)

ク:「やめろ!!おーろーせーっ!!」

クロウの両横腹を両腕でつかんで抱き上げた。

ク:「やめろ!!」

ウ:「やっぱりこどもはカワイー!!」

到底クロウはウンディーネに勝てないだろう。




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