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ポケットモンスター エメラルド編


第1話 『ファーストポケモン』




俺は車(トラック)の中にいた。
トラックの中には椅子、机、ソファなどの生活必需品の入った段ボール箱が積まれていた。
他は…俺、ヒトシ15歳、ジョウト地方から父さんのいるホウエン地方へ引っ越す途中だ。
これから行くのはミシロタウンというところだが父さんはトウカシティにいる。
俺は、車酔いしないほうなのだがこんなに長い時間だとさすがに酔いそうだ…。
そうこうしているとスピードを落としていく音が聞こえる…着いた?

ヒトシ「うっ…」

そしていきなりトラックの扉が開く。
外の光が俺の目に差し込んでくる。
長時間くらいところにいたのでこの光は今の俺にとっては辛かった。 とりあえずトラックを降りた。

?「ヒトシ、お疲れ様」

ヒトシ「母さん!?」

母さん「長い間トラックに揺られて大変だったでしょ?」

そう思うのならこうしないでくれ…と言いたいところだが引っ越し初日から親子喧嘩したくないので我慢する。

母さん「どう?ここが『ミシロタウン』よ」
母さん「そしてここが私達の新しいお家」

そう言って母さんは新しい自宅らしき建物を指で指す。

母さん「今度はヒトシの部屋もあるのよ」
母さん「さぁ、中に入りましょう」

マジか? 実は自室が15歳にもなって初めてであった。
俺は母さんに連れられて家に入る。

母さん「ほら、お家の中も素敵でしょ?」

ドアを開けると従業員のポケモンが荷物を運んでいた。
確か『ヤルキモノ』って言ったけ?

母さん「引越しの手伝いは引越し屋さんのポケモンがやってくれるから楽チンね♪」
母さん「さぁ、2階のヒトシの部屋へ行ってごらん」
母さん「父さんが引越しのお祝いに買ってくれた時計があるから時間を合わせておいで」

おれは母さんに背中を軽く押されて2階に上がる。
2階には時計、テレビ、ベッド、パソコンが置かれていた。

ヒトシ「この時計か」

俺は言われたとおりに時間を合わせると母さんは待っていたかのように上がってきた。
この人なら本当に待ってそうだが。

母さん「どう? 新しいお部屋は」

ヒトシ「うん、イイ感じだよ」

母さん「そう、よかった」
母さん「1階はもう片付け終わっているわ」
母さん「ポケモンがいると本当に楽ね」

早っ、もう片付いたのか!? 1分位しか経ってないぜ!?
その後はテキトーにくつろいだ。

ヒトシ「1階に下りるか」

1階に下りたらなにやら母さんなにやらテレビに見入っていた。

母さん「あっ! ヒトシ! ヒトシ! 早くこっちにいらっしゃい!」
母さん「トウカジムが写っているわ。父さんが出るかもよ!?」

なぁにぃ!? それは早く見なければぁ〜。

アナウンサー「…以上、トウカジム前のからでした!」

母さん「あらら…、終わっちゃった…」
母さん「父さんが出ていたみたいだったのに残念ね…」

母さんは残念そうに言った直後に思い出したかのように…。

母さん「あっ! そうそう! この町にはオダマキ博士って言う父さんのお友達がいるの」
母さん「博士の家お隣だからきちんと挨拶してくるといいわ」

なるほど、行って見ようか。

ヒトシ「そういうことなら行ってくるよ、じゃあ、行って来ます」

隣の家には40秒もしないうちに着いた。
俺はインターホンを鳴してすぐに誰かが出てくる。

隣の人「えーと、どなたかしら…」

ヒトシ「あっ、自分は今日隣に引っ越してきたヒトシと言います」

俺がここまで来た経緯を伝えた。

隣の人「そうか! お隣に引っ越してきたヒトシ君ね!」

隣の人は思い出したかのように言う。

隣の人「うちにもあなたと同じ年頃の娘がいるのよ!」
隣の人「『新しいお友達ができる!』なんて言ってとても楽しみにしてたの!」

ヒトシ「そうなんですか。だったら会っていっていいですか?」

隣の人「ええ、もちろん」

俺はそう言われると2階に上がったが真ん中にモンスターボールが置かれているだけだった。

?「えっ…!? あなた、だれ…なの?」

ヒトシ「あっ、俺は今日隣に引っ越してきたヒトシだけど」

?「あなたがヒトシ君…そっか、今日引越しだったんだ…」

ん? なにか不満でも? もしかして勝手に入られたから?

?「あっ、あたしハルカ! よ、よろしくね」

ヒトシ「ああ、よろしく」

ハルカ「あたし…世界中のポケモンと友達になるのが夢なの…」
ハルカ「で、でね、お父さん…オダマキ博士からヒトシ君のお話聞いて、あたしヒトシ君ともお友達になれたらなあ…なんて思ってたの…」

いきなり何を言っているんだこの人は?

ハルカ「あっ、あたしったらヒトシ君と初めてお話してるのに何言ってるんだろう…てへへ…」

うん、確かに何言ってるんだと思った。

ハルカ「あっ! いけない! あたしお父さんのお手伝いで野生のポケモン捕まえに行くところだったんだ! 出かける支度するからヒトシ君、また後でね」

だったらこのモンスターボールはハルカのか…出かけるんだったらさっさと帰るか。

ヒトシ「んじゃ、俺帰るよ」

ハルカ「わかった。またね」

俺は帰ることにした。するとなにやらパニくってる子どもを見かけた。
とりあえずその先に言ってみることにした。

?「たっ、助けてくれ〜」
?「お〜い!そこの君!助けておくれ〜」

そういうのは警察呼べ…そう思ったがまぁ帰るのもたち悪いし、やってやるか…。

ヒトシ「どうすればいいですか?」

?「そこにあるカバンにモンスターボールが入っている! そのポケモンでこのジグザグマと戦ってくれ!」

なるほど、そういうことならとりあえず一番左のを…。

ヒトシ「いけっ! 何か!」

?「キャモ!」

おじさん「キモリか! がんばれ!」

キモリって言うんだな! OK!

ヒトシ「キモリ! ジグザグマに『はたく』!」

キモリ「キャモ!」

本当は『でんこうせっか』か『すいとる』を使いたいのだがそこまでレベルが達していない気もしたので無難にこれにした。
むこうは『たいあたり』をかましてくる。

キモリ「キャモ…」

ヒトシ「大丈夫か?」

キモリ「キャモ!」

キモリは大丈夫! というような仕草を見せる。
そうするうちにジグザグマが『たいあたり』をしに走ってくる。

ヒトシ「キモリ! 『はたく』で向かい打て!」

キモリ「キャモ! キャモ!」

ジグザグマ「ジグー」

ジグザグマ、戦闘不能。

?「はあ、はあ…野生ポケモンを調査しようしたら突然ポケモンに襲われて…とにかく助かったよ…ありがとう!」
?「ん!? 君はヒトシ君じゃないか!」

ん…? ポケモンの調査? もしかしてこのひと…。

ヒトシ「オダマキ博士ですか!?」

オダマキ?「そうだよ? 私はオダマキだけど」

ヒトシ「やっぱり…」

オダマキ博士「こんなところではなんだからちょっと研究所まできておくれ」

ヒトシ「はい!」

そうして俺とオダマキ博士は研究所へと移動した。

『同日 オダマキポケモン研究所』

オダマキ「…さて、ヒトシ君! 君の事はお父さんからいつも聞かされていたよ!」

父さん口軽いなぁ。

オダマキ「君はまだ自分のポケモンを持ったことが無いんだって? それにしてはさっきの戦いぶり、なかなか見事だったよ! やはり君にはお父さんの血がながれているんだな!」

ヒトシ「いやぁそれほどでも」

オダマキ「そうだ! さっき助けてくれたお礼にキモリは私から君へのプレゼントにしよう」

ほう…どうやらさっきのキモリをプレゼントしてくれるらしい。って、え?

ヒトシ「えっ!? いいんですか!? ありがとうございます」

俺は無意識にお礼を言ってしまう。
まぁ礼を言うのは当たり前なんだけど…もしかしてオダマキ博士は最初からこうするために…いやっ、さすがにそれはないか。

オダマキ「これからさらに経験を積んで行けばいいトレーナーになれそうだ!」
オダマキ「ちょうどうちのハルカも私を手伝いながらポケモンの調査をしているんだ」
オダマキ「ヒトシ君、一度会いに行ったらどうだろう?」

ヒトシ「はい、そうします」

オダマキ「そうか! それはハルカも喜ぶぞ!」

さて、それはどうかな?

オダマキ「トレーナーがどんなものか教えてもらうといいぞ!」

ヒトシ「分かりました。では、行ってきます」

そうして俺はポケモン研究所を出るのであった。

『103番道路』

俺は野生のポケモンを突破しながら進んでいた。

ハルカ「103番道路にいるポケモンはあれとあれね…」

ハルカは103番道路のポケモンの分布を調べていたが俺はハルカに声をかけてみる。

ヒトシ「よっ!」

ハルカ「うひゃら!? ヒトシ君!? あら…お父さんにポケモンプレゼントしてもらったのね!」

ヒトシ「まぁ〜な♪」

ハルカ「折角だからポケモンバトルしましょうよ」

ヒトシ「え?」

ハルカ「ポケモントレーナーがどんなものか教えてあげるから」

なるほど、確かオダマキ博士も『トレーナーがどんなものか教えてもらうといいぞ』って言っていたな。

ヒトシ「わかった。やるからには全力でやらせてもらうぞ」

ハルカ「決まりね」
ハルカ「いけ! アチャモ」

アチャモ「チャモ!」

ヒトシ「いけ! キモリ!」

キモリ「キャモ!」

相性が悪いが生憎『キモリ』しかいないからキモリで戦うしかない。

ヒトシ「キモリ! 『はたく』!」

ハルカ「かわして『ひっかく』攻撃!」

アチャモ「チャモ…チャモ!」

キモリは『ひっかく』をもろに受けける。

ハルカ「もう一度『ひっかく』よ!」

ヒトシ「キモリ! かわして『はたく』」

キモリ「キャモ!」

ハルカ「アチャモ! 『なきごえ』!」

アチャモ「チャモ〜」

アチャモは『はたく』を受けるがダメージが少ない。
『なきごえ』は相手の攻撃力を和らげる技だからキモリの攻撃力が下がったのだ。

ヒトシ(さすがに一筋縄にはいかないか…)
ヒトシ(だったら…)
ヒトシ「キモリ! 『にらみつける』!」

キモリ「キャモ!」

キモリはアチャモを『にらみつける』。

アチャモ「チャモ!? チャモ〜…」

『にらみつける』で防御力を下げた。

ハルカ「気にしないで! アチャモ『ひっかく』!」

ヒトシ「かわして『すいとる』!」

キモリ「キャモ! キャモ! …キャモ〜」

ちなみにこの『すいとる』は101番道路で覚えたものだ。
相手に与えたダメージの半分を回復する。

ハルカ「くっ…アチャモ! 『なきごえ』!」
ヒトシ「キモリ! 『はたく』!」

同時に指示がでる。
『なきごえ』により攻撃が甘くなったが『すいとる』のダメージもあったので…。

ハルカ「アチャモ…戦闘不能ね…」

ヒトシ「キモリ! よくやったぞ」

キモリ「キャモ♪」

キモリは俺の周りを周って喜ぶ。
キモリも相当嬉しいのだろう。

ハルカ「ヒトシ君強いじゃない!! お父さんがヒトシ君に注目するのも分かる気がする」
ハルカ「だって貰ってすぐのポケモンがあなたに懐いているし」

そっか…キモリはもう俺に懐いているのか…。

ハルカ「それじゃあ研究所に帰ろう」

そう言ってハルカは先に研究所へ戻る。

ヒトシ「ああ、ちょっと待ってくれ〜」



…To be continued




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