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ポケットモンスター エメラルド編


第11話 『博物館襲撃、アクア団の狙いとは…?』




ようやくカイナに上陸した俺。
そしてデボンの荷物をクスノキかんちょうという人に届けるという仕事。
と言ってもかんちょうって官長か、館長か、艦長か、独裁政治のような感じの人ならおっかないな…。
カイナシティを歩いているとこんな看板を見つけた。

『クスノキ造船所』

ここの長であるなら艦長か?
造船所というのなら船を造っているに違いない。
その船の艦長候補というのかもしれない。
もしくは既に決定済みか。
どっちにしろ入らないと話にならない。

ガガガガ、ギギギギ、ガギガギ、ゴゴゴゴ!

どうにもうるさい音が聞こえてくる。
外からは何も聞こえなかったから防音性の壁か?
まぁそういうことはおいといて…。

?「君! ここは部外者は立ち入り禁止だよ!」
?「すぐに出て行きなさい!」

初っ端から怒られる。

ヒトシ「失礼ですがあなたがクスノキ艦長ですか?」

?「ん? 私はクスノキさんではないが…あ! それはデボンの荷物!」
?「困ったな…今は出かけているんだ」
?「すまないがカイナを探し回ってくれ」

ヒトシ「はぁ…わかりました」

と言ったもののカイナって相当な広さだぞ…。
探せって言われても…。
まぁとりあえず探すか…。

ヒトシ「とりあえずあの博物館に行ってみるか」

艦長兼館長というのもありえる。
入場料が50円というので安く入れたはいいが。

ヒトシ「ま、まさかの遭遇ですか…」

なんとあのコスプレ集団、アクア団が大勢。
デボンの荷物がここに来ることを嗅ぎつけやがったか。
まぁ子どもが持っていることは気づかないだろう。
1階にクスノキ艦長らしき人はいないので2階に言ってみる。
すると白衣の男性がいた。

ヒトシ「あの、失礼ですがクスノキさんはあなたでしょうか?」

俺はこの白衣の人に尋ねてみる。
違ったら50円が無駄という事になるが。

?「? いかにも私がクスノキだが…あ! それはデボンの荷物!」
クスノキ「良かった…これで調査に行ける」

どうやら正解のようだった。
とりあえずはアクア団の野郎にバレず…。

?「そこまでだ!」
?「その荷物をわたしてもらおうか!?」

クスノキ「な、なんだね!? 君達は!?」

に…とは行かないようだった…。
仕方ない…いっちょやったりますか…。

ヒトシ「クスノキさん、下がっていてください」

俺はクスノキさんに下がるように言う。
隙を狙って逃げるようにも指示しておいた。
とりあえず右のアクア団をAとしよう。
両方下っ端だと思うが。

下っ端B「あんだ?てめぇ? アクア団に逆らおうってのか!!??」

ヒトシ「勿論そのつもりですが何か?」

下っ端A「おい! 待て! こいつブラックリストのヒトシだ!」
下っ端A「ここは俺が相手しよう! いけ! ズバット!」

ズバット「ズバ…」

どうやら俺はブラックリストに載ってしまっているようだ。
というかポケモンバトルか。
んで、このポケモンは…。

ポケモン図鑑『ズバット こうもりポケモン』
ポケモン図鑑『真っ暗な洞窟で生活しているうちに両目がふさがり見えなくなってしまった』
ポケモン図鑑『超音波で障害物を探知する』

つまり目が見えない代わりに超音波で辺りを探知ということか。

ヒトシ「マリル! 速攻で終わらすぞ!」

マリル「リル!」

下っ端A「ヒーロー面するんじゃねぇ! ズバット! 『つばさでうつ』!」

ヒトシ「マリル! その場で『ころがる』! 指示があるまで動くな」

マリル「マーリマリ!」

ズバット「ズバ!!」

ズサ!

マリル「リールリル!!」

下っ端A「嘘だろ!? まるで効いていない!?」

それもそのはず、俺のマリルはずぶとい性格。
それゆえに防御が上がり安い。(多分)
ころがるで回り続け防御を少しでも一時的に上げた。

ヒトシ「クスノキさん…今です…」

俺は小声で指示する。

クスノキ「ああ…」

下っ端C「おっと! 逃げないでね♪」

ヒトシ「チ…クスノキさん! 荷物をこっちに!」

クスノキ「ああ!」

俺はデボンの荷物をキャッチする。

ヒトシ「でろ! ジュプトル! あの不細工女にはたく!」

下っ端C「カチン! よくも…! ゴフ!?」

とりあえずクスノキさんの救出は完了。

下っ端A「くそ! もう1度『つばさでうつ』!」

ズバット「ズバ!」

ヒトシ「……」

マリル「リルリル!!」

下っ端A「『つばさでうつ』!」

ヒトシ「もういいだろう! そのまま『ころがる』攻撃!」

ズバット「ズバ!」

マリル「リル!!」

ドカァ!!

ズバット「……ズバ…」

下っ端A「ああ! ズバット」

カァァァ!

ヒトシ「!?」

この光りはもしかしなくても!

マリル?「マーリルーリー」

ポケモン図鑑『マリルリ みずうさぎポケモン マリルの進化系』
ポケモン図鑑『1日のほとんどを水の中で暮らす』
ポケモン図鑑『体の色と模様は水中で敵に見つかりにくくするためのカムフラージュ』

ヒトシ「とうとうこいつもきたーーー!」

下っ端B「次は俺だ! いけ! ズバット! キバニア!」

ズバット「ズバ!!」
キバニア「キバ!」

ポケモン図鑑『キバニア どうもうポケモン』
ポケモン図鑑『集団で船を静めてしまう』
ポケモン図鑑『とても凶暴なポケモンと言われているが1匹になるととたんに逃げ出してしまう』

ヒトシ「戻れマリル…じゃなかった、マリルリ」
ヒトシ「2対1のつもりか?」

下っ端B「そうだ! 卑怯と言うかもしれないがアクア団にルールは関係ないのだ!」
下っ端B「ハハハハハ!!!」

ヒトシ「言ったな?」

下っ端B「ハハハ! 言ったさ! お怖きついたか?」

ヒトシ「ふ…笑っていられるのも今のうちだ!」
ヒトシ「全員出ろ!」

ボン×5

ラルトス「は〜い♪」
マリルリ「リル…」
スバメ「スバスバ!!」
イシツブテ「イシ!」
ココドラ「ココ!」

下っ端B「な!? お前! 卑怯だぞ!?」

ヒトシ「あ〜れ〜? おかしいな〜? 『アクア団にルールは関係ない』って言ったの誰だっけぇ〜?」

と俺は挑発気味に言う。

下っ端A「馬鹿野郎! あいつは何匹持っていると思ってんだ!」

下っ端B「い、1匹…」

下っ端A「ふざけんな!!」

下っ端は仲間割れに入る。
俺はすかさず…。

ヒトシ「ジュプトル! タネマシンガン! ラルトス! ねんりき!」
ヒトシ「マリルリ! みずでっぽう! スバメ! つばさでうつ!」
ヒトシ「イシツブテ! いわおとし! ココドラ! ずつき!」

ジュプトル「ジュール!!」
ラルトス「はぁ!」
マリルリ「リル!!」
スバメ「スバー!!」
イシツブテ「イシー!」
ココドラ「ココー!」

下っ端A&B「やな感じーー!」

キラーン

某二人組み悪役のお決まり台詞を吐いて飛んで行った。

?「荷物を奪うのにどれだけ時間がかかったかと思ったらこんな少年に邪魔されていたのか!」

ヒトシ「!?」

俺は見たとたん、この男性は明らかに風格が違うと思った。
ていうか、隊長格?
違うとしても今戦っても勝てない気がした。

?「私はアオギリ、アクア団の団長だ」
アオギリ「それにしてもあいつらは何処行った?」

下っ端C「は! そこの空へ飛んでいきました!」

アオギリ「そうか…君、アクア団の目的を知りたいか?」

ヒトシ「ああ」

そもそも知らないとどうにもならない。
下手すれば俺が悪者だし。

アオギリ「我々生命は全て海から生まれた」
アオギリ「我々はその生命を増やすために海を増やそうとしているのだ」

ヒトシ「それが正義だと思うならお笑いだな」

下っ端C「あなた! アオギリ様に何を!」

アオギリ「……」

アオギリは左腕を下っ端の前に出し止める。

アオギリ「まぁいい、子どもにはわからない事だ」
アオギリ「我々はここで退却する」

下っ端C「どうしてですか!? アオギリ様が戦えばこんな奴…」

アオギリ「うるさい! とにかく引くぞ!」

下っ端C「…はい」

下っ端は納得行かないという顔だった。

下っ端C(どうして…)

アオギリ(『イズミ』、ああいう目をしたやつは真っ向から当たってもだめだ)
アオギリ(お前にはもうすぐ幹部の座を渡すつもりだ)
アオギリ(そのくらい覚えとけ…)

イズミ(…肝に銘じておきます)

クスノキ「ありがとう! おかげで助かったよ!」

ヒトシ「いえ、あそこに穴を空けてしまいましたし…修理代を…」

クスノキ「いやいや! 君が居なければとっくに荷物が奪われていた」
クスノキ「それに比べればこんなのどうって事ないさ!」

ヒトシ「そう言ってもらえると気が楽になります」
ヒトシ「俺はこれで失礼します」
ヒトシ「みんなもど…ってん!?」

ポケモン図鑑『キルリア かんじょうポケモン ラルトスの進化系』
ポケモン図鑑『サイコパワーで出来た空間の裂け目から未来の出来事を見る力を持つ』
ポケモン図鑑『晴れた朝は気分良く踊ると言われる』

ヒトシ「お前…いつ進化した?」

キルリア「へ? ああ! キルリアになってたー!?」

どうやらこいつも気づいてなかったらしい。
ラルトス種は気付かぬ間に進化するのか!? そうなのか!?
まぁ進化したならそれでいいか。

キルリア「やった!! 僕もついに進化だ! 感激だ!!」

そんなに進化したかったのかキルリアは物凄い喜んでいる。
いい加減ポケモン戻そう。
折角金払っているんだ、博物館を見ていくか。

…………。

さて、丁度昼時。
さっさと昼飯食ってカイナをおさらばするか。

?「アクア団を蹴散らしたのは君かい?」

ヒトシ「? はい、そうですけど…」

なんかこのおっさん…見覚えがある。
水色の生地にモンスターボールが3つ並べられたような模様がついている服に白の短パン。
それにサングラスにポケナビを首にぶら提げたこの人…間違いない!
トウカシティで俺を呼び止めたあのおっさんだ!

?「すごいね! 君は! やっぱり君に注目して正解だったよ!」
?「あ!申し遅れたね! 私は『エニシダ』素質のあるトレーナーを求めて旅をしてるんだ」
エニシダ「ポケナビの番号を教えてもらえないかな?」

このエニシダさんって人は首に提げているポケナビを指差して言う。

ヒトシ「自分で良ければ…これ、番号です」

エニシダ「これは私のだ」

登録が終わり、エニシダさんと別れた。

…………。

キルリア「とうとう僕も進化ですよ!?」

ジュプトル「ほんとに今日進化しやがった…」

マリルリ「あたしもよん♪」

ジュプトル「まさかお前も進化するとはな…」
ジュプトル「俺はやっと『いやなおと』を覚えた」

スバメ「僕もやっと『かげぶんしん』覚えたところです〜」

ココドラ「自分も『てっぺき』覚えたとこっす」

イシツブテ「僕はまだ…」

ジュプトル「あ、そういや昨日あいつが寝言で『イシツブテ〜マグニチュード〜』って言ってたぞ?」

イシツブテ「え!? 本当ですか!? 良かった…気付いてくれてた…」

スバメ「まぁ新技組は気付かれてるかどうかですよね〜」

ココドラ「笑顔でそういうこと言わないでほしいっす」

ジュプトル「同感だ!」

スバメ「はうぅ〜すみませんです〜」

キルリア「僕ももうすぐでエスパータイプの技覚えそうなんですけど…」

マリルリ「『サイコキネシス』かしら?」

スバメ「『めいそう』ですかね〜?」

ジュプトル「『さいみんじゅつ』か?」

マリルリ「それはもっと後かと思います」

ジュプトル「そうなのか? こいつのポケモン知識並じゃねぇ…」

キルリア「マスターより上じゃないですか?」
キルリア「普通ポケモンはいつ何を覚えるか分からないですよ?」

イシツブテ「ヒトシさんより上…ありえますね…」

ココドラ「はうぅ…わからねぇっす」

ジュプトル「お前はもうちょい勉強しろ」

ココドラ「サー、イエッサー!」
ヒトシ「おーい! 昼飯だ」

ポケモンたちは俺が呼ぶとすぐに飯を食いに来た。



…To be continued




 
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