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ポケットモンスター エメラルド編


第16話 『ココドラ離脱…ヒトシの気持ち…』




前回キンセツジム戦により負傷したココドラ。
話によると相当な重症らしい。
あの物凄く硬い体がどうやってそんなことになるのかわからないがとにかくやばいらしい。

…………。

ヒトシ「………」

俺はココドラの治療の終了を待っていた。
俺のせいで…俺のせいで…。

(テッセン「ビリリダマ!『じばく』じゃ!」)
(ココドラ「ココー!?」)

ヒトシ「!」

俺は無意識にもあの悲劇を思い出してしまう。

カッ!

ヒトシ「!」

治療中のライトが消えたのに気付くとすぐドアと向かい合う。
すると白衣を着た男性が出てきた。

ヒトシ「あの、ココドラは?」

男性「命に別状はないけど…」

ヒトシ「? けど?」

男性「君のココドラは…もう戦えないかも知れない」

……今…なんと?
もう戦えない?
俺が黙り込んでいると男性は続ける。

男性「100%じゃないよ?ただ、若干だめな方の確立が高いだけ」
男性「あとは…ココドラの意志次第だね」

ヒトシ「……分かりました」

モンスターボールに入れるのは問題ないらしいので俺はココドラを入れて受付に行く。
受付に聞くと入院が必要らしい。

ヒトシ「! そうだ、オダマキ研究所って治療できるんですかね?」

ジョーイ「? 出来るらしいけど…」

ヒトシ「少し電話借ります!」

俺は電話が並んでいるところに向かう。
電話といっても、ポケモンセンターのは特別だ。
画面つきであってそのまま画面に相手が出てくるのでそのまま話が出来る。
家庭のパソコンでもそれは可能だが通話料が莫大にかかるので使われる事は少ない。
そして俺はオダマキ研究所につなぐ。

<助手「はい、オダマキ研究所です」>

ヒトシ「すみません、オダマキ博士はいらっしゃいますか?」

<助手「ああ、オダマキ博士はフィールドワークでお出掛けになっているね」>
<助手「君はヒトシ君だよね?今連絡するけど、用件いってくれない?」>

ヒトシ「はい、実は……」

………説明中………
……説明中……
…説明中…

<助手「そうか…それは残念だね…今連絡するよ」>

ヒトシ「お願いします」

俺は連絡を待つ。
その間、電話から音楽が流れる。
5分ほどすると、助手さんが出てくる。

<助手「お待たせ!許可が取れたよ!」>
<助手「いつもならお金取るけどヒトシ君は特別だって!>
<助手「じゃあモンスターボール送ってきて!」>

俺は言われた通りにココドラ入りモンスターボールを送る。
大丈夫、ジョーイさんの許可は取っている。

ヒトシ「それじゃあお願いします」

<助手「うん、ポケモンリーグには間に合うように努力するから」>

ヒトシ「はい…」

俺は別れが惜しいがのないようにすぐに分かれた。
ポケモンリーグ…間に合うだろうか?

ヒトシ「大丈夫!あいつなら!」

…………。

ヒトシ「…ずいぶん時間食ったな…」

ココドラの事もあって今日もキンセツ止まりであった。
今の時間帯は5時半、今出発して無駄な野宿になるのは嫌なのでキンセツにいることにした。
てなわけでキンセツの町を探索していたところに見つけた一軒の店。

ヒトシ「『サイクルショップガゼノ』?」

サイクルショップってことは自転車屋か?
自転車を買うほどの金はないが暇なので入ってみる事にした。

店員「いらっしゃいませ!!」

ヒトシ「あ、どうも」

俺はつい一礼して店内をうろつく。
そしたら店長らしき人物が俺に話かけてきた。

店長「あれ?君のランニングシューズボロボロだけど…何処から来たんだい?」

ヒトシ「コ…ミシロタウンです」

俺は危うくコガネシティの名を出しそうになった。
コガネシティと言ったらどういう反応されるか分からないからな…。

店長「ミシロタウン!?ずいぶんと遠くから来たんだねぇ…」
店長「うちの自転車に乗っていれば風を感じられながら旅ができるだろうに」

ヒトシ「ははは…」

どうにもこういう形の会話は苦手だ。
もう笑うしか選択肢がなくなる。

店長「そうだ!!うちの自転車をタダでさらに無期限で貸してあげるよ!!」

どうやら自転車を貸してくれるようだ…って、はい!?

ヒトシ「マ、マジっすか!?!?」

この店長…人がいいにも程がある。
見ず知らずの人に自分の店の品物を貸すなんて…しかもタダ…無期限…。
まあいくらなんでも冗談だと思うが。

店長「さあ、選びたまえ!」

どうやら冗談ではないらしい。
そう確信した俺は自転車を選び出す。
このチャンスを逃すわけには行かない。
時間を少しでも短縮したいからだ。

店長「あ!忘れてた!『マッハ』と『ダード』の2種類あるんだった!」
店長「この2種類から選んでくれないかな?」

ヒトシ(普通自分の店の商品のこと忘れるか?)
ヒトシ「じゃあ…ダード…」

店長「ダード自転車ね!また新しい種類に変えたくなったらいつでも来て!」

ヒトシ「ありがたく貸していただきます」

俺はそういって店を出た。
驚いたことにこの自転車はモンスターボールの原理を利用していてスイッチを押すとモンスターボール同様収縮したり拡大したりする。
とりあえずは乗って行くので拡大し、自転車にまたがる。
そして俺は自転車に乗ってポケモンセンターに戻るのであった。

…………。

キルリア「ココドラ…大丈夫ですかね?」

イシツブテ「はぁ〜唯一の同期だったのに…」

ジュプトル「ふ…俺はせいせいするけどな、あいつ少しやりにくいし」

スバメ「そんな〜少しひどくないですかぁ〜?」

マリルリ「そんなこと言って、実は少し寂しいんじゃないの〜?」

そうやってマリルリは俺(ジュプトル)を馬鹿にしてくる。

ジュプトル「そ、そんなことあるか!!」

正直言ったらそうなのかもしれない…というかそうだ。
あいつはこのパーティのムードメーカーだったかもしれないし…。

キルリア(やっぱり寂しいんですね♪)

キルリアが皆に聞こえない程度の小声で話しかけてきた。

ジュプトル(お前…心を読むな…)

俺も小声で返す。
キルリアに嘘は通用しないかもな…。
心読まれるし。

………一方ココドラは………。

ココドラ「うおお!宜しく頼むっす!!」

ワンリキー(こいつ怪我してるのになんでそんなに元気なんだよ…)

ズバット(まぁこういうやつも居るさ…ほら、もう仲良くなってるぜ?)

ダンバル「やぁ!宜しく!早く怪我治そうね!」

ココドラ「仲良くしてくれっす!!」

ワンリキー(まぁ…鋼タイプどうし気が合うって言うのか?)

ズバット(そういうことにしとこ…)

アッシ(ココドラ)が預けられたところは怪我ポケ専用みたいっすね。
ここ以外にも研究中のポケモンの場所は普通に野生と変わらないみたいっす。

オダマキ博士「やあ!怪我の調子はどうかな?」
オダマキ博士「あ!君はヒトシ君のココドラだね?」
オダマキ博士「話は聞いているよ。よろしく」

ココドラ「ココー!!」

オダマキ博士「お!元気いいね!!」

…………。

スバメ「まぁココドラさんの分まで頑張りましょうよ〜」

マリルリ「そうね…なんだか寂しいけど彼が戻ってくるときは心良く迎えましょう」

キルリア「それじゃあ景気付けに円陣組みませんか?」

イシツブテ「いいですね!!やりましょう!」

…………。

キルリア「よし、じゃあジュプトルさん、音頭執ってください!」

ジュプトル「え!?俺やるの!?」

マリルリ「当たり前じゃない!あなたがこのパーティのリーダーなんだから!」

ジュプトル「…分かった……気合入れてくぞ!!!!」

一同「おー!!」

…………。

『10月19日 午前6時30分 ポケモンセンターキンセツ支店前』

ヒトシ「全員でろ!」

ボン!×5

ジュプトル「ジュプ!」
キルリア「はい!」
マリルリ「リル!」
スバメ「スバ!」
イシツブテ「イシ!」

ヒトシ「えーコホンッ、みんなも知っていると思うが、ココドラが戦線を離れた」
ヒトシ「だけど、だからといってここで盛り下がっちゃだめだ」
ヒトシ「悔しいけど、下を向かずに頑張ろう!」

一同「〜〜〜〜〜!!」

俺が軽い演説をして「頑張ろう」というとみんな全力で答えてくれる。
語っている側としてはこれほど嬉しいことはない。
俺だけではなく、ポケモンたちも気持ちを切り替えている。
ここはココドラのためにも、盛り下がっちゃいけない。
ココドラもそれは望んでいないはず……。

…………。

午前9時、早朝トレーニングも終わり、朝飯も食ったところで俺はキンセツシティを去る。
いろいろ時間を食ってしまったため、トレーナーヒルとやらも、カチヌキファミリーとかいう人たちに声を掛けられたが、「急いでいるので」と言って断った。
え?手抜きだって?知らんがな…。

…………。

ヒトシ「新しいポケモンでも探そうかな…」

幸い自転車があるおかげで時間は短縮できた。
草むらもあるし、ここでポケモン探して見るのもいいかと。

?「メル〜」

ヒトシ「? あれは…」

ポケモン図鑑『ドンメル 鈍感ポケモン 特性 鈍感』
ポケモン図鑑『高さ 0.7m  重さ 24.0kg  タイプ 炎・地面』
ポケモン図鑑『背中のコブに煮えたぎるマグマを溜める』
ポケモン図鑑『100キロの荷物を運ぶ力持ち』
ポケモン図鑑『昔から人の仕事を手伝っている』

ヒトシ「炎タイプ! 少し欲しいかも!」

炎タイプ…こいつをゲットすればパーティのタイプバランスもよくなるか…。

ヒトシ「イシツブテ! ゴー!」

イシツブテ「イシ!」

ヒトシ「イシツブテ、『いわおとし』だ!」

イシツブテ「イシ!」

ゴロゴロゴロ!

ドンメル「メル…! メル!」

反撃にドンメルは『ひのこ』を放ってくる。

ヒトシ「突っ込め! 『たいあたり』だ!!」

イシツブテ「イシ!!」

ドンメル「メル!?」

ヒトシ「行け! モンスターボール!!」

ドンメル「メル!?」

コロッ、コロッ、コロッ、カチッ。

ヒトシ「…ドンメルゲット!」

…………。

ドンメル「ふつつか者ですがよろしくお願いします」

ジュプトル「ここのリーダーのジュプトルだ、よろしくな」

マリル「よろしくね、同じ♀どうしよろしく!」

キルリア「キルリアです、よろしく!」

スバメ「スバメです〜仲良くしましょうね〜」

イシツブテ「イシツブテです〜」

キルリア「イシツブテ? なんで泣いてるの!?」

イシツブテ「だって…後輩が出来たのが嬉しいんです〜」

マリルリ「なるほど…確か一番下だったわね」

ドンメル「どうも、仲良くしてください」

…………。

ヒトシ「さーて、フエンタウンへゴー!」

ドンメルを新たに加え、フエンタウンへ出発したヒトシ一行。
彼らにはどんな試練が待ち受けているのだろうか…。



…To be continued




 
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