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ポケットモンスター エメラルド編


第23話 『勝つための努力』




ヒトシ「とうとう進化したか…」

さっきのトレーニング中、キルリアが見事にサーナイトへの進化を遂げた。
そろそろ進化してもいい頃だと思っていたが、こいつの進化は相当な戦力UPだろう。

ヒトシ「よし、今日のトレーニングは終了だ」
ヒトシ「みんなお疲れ!モンスターボールに戻ってくれ」

俺はトレーニングが終ったので、全員をモンスターボールに戻す。
明日も同じトレーニングをする事になるだろう。

…………。
………。
……。

『11月2日 午後3時 フエンジム』

今日のトレーニングは午前中だけにした。
今日は整理券番号1番の人がジム戦をする日だ。
観戦可能らしいので俺は客席に座っていた。
周りを見るだけでも10人くらいはいるだろうか。

審判「ジムリーダーアスナVS挑戦者!…始め!!」

なるほど、ジムリーダーはアスナと言うのか。

トレーナー「キャモメ!行くんだ!」

キャモメ「キャモ!」

アスナ「行って!マグマッグ!」

マグマッグ「マグッ!」

ポケモン図鑑『マグマッグ 溶岩ポケモン 特性:マグマの鎧or炎の体』
ポケモン図鑑『高さ:0.7m 重さ:35.0kg タイプ:炎』
ポケモン図鑑『火山地帯で暮らすポケモンの一種』
ポケモン図鑑『体が冷えると皮膚が固まってしまい動けなくなるためマグマの側で眠る』

マグマッグ…炎の抜け道で何度か見ている。
相手は水タイプ、相性上では挑戦者が有利だが問題はそんなことぐらいジムリーダーは百も承知であること。
どんな戦いかたをするのか…。

アスナ「まずは下準備よ!『にほんばれ』!!」

マグマッグ「マグ〜」

マグマッグは赤い球体を作り出し、それに向けて放出させる。
それによってひでり状態となる。
これにより炎技の威力は上昇し、水技の威力が減少する。
早速対策を出したわけか…。

トレーナー「! まずい、キャモメ!『みずでっぽう』だ!」

キャモメ「モメー!」

アスナ「遅いわよ!マグマッグ!『ひかりかべ』!」

マグマッグ「マグ!」

シャン!パシャァ…。

ヒトシ「これじゃあほとんど水技効かないな…」

トレーナー「く…キャモメ!『つばさでうつ』!!」

キャモメ「キャモ〜!!」

アスナ「焦っちゃだめ、『オーバーヒート』!!」

マグマッグ「マグーーー!!!」

ドカー−ン!!

キャモメ「キャモ〜」

審判「キャモメ!先頭不能!!」

トレーナー「く…ごめんね、キャモメ」

…………。
………。
……。

結局今日の挑戦者は負けてしまった。
なんとなく相手の戦略は掴めた気がする…。
『にほんばれ』で炎技の威力を上げると共に、水技の威力を下げて弱点をカバーしている。
単純に水タイプを出すだけじゃ相手の思うツボというわけだ。

ヒトシ「だからといってマリルリを出さないわけにはいかないよな…」
ヒトシ「ゴローンならば地面技と岩技は『にほんばれ』の影響下にいないから確定でいいだろう」
ヒトシ「あとは昨日進化したサーナイト、普通ならドンメルといきたいところだが、まだ経験浅いしなぁ…」

そう、今回のジム戦はキンセツと同じ、4体戦。
外す2匹はおのずと絞られてくるはずだったが…。

ヒトシ「まああと4日ある…ゆっくり考えればいいか」

『同日 午後6時 ポケモンセンター』

ヒトシ「すみません、温泉入らしてもらいます」

受付「は〜い、どうぞ」

……5分後……。

ヒトシ「あ〜極楽〜」

やっぱ温泉街だけあって温泉が何度入っても気持ちいい!!
そうして10分くらい入っていた。

…………。
………。
……。

ヒトシ「ありがとうございました〜」

受付「はい、またどうぞ!」

ヒトシ「…? あの人は…?」

?「すみませ〜ん!コーヒー牛乳1本!」

店員「100円です〜って知っていますね、アスナさん」

アスナ「もちろん!常連ですから!」

ああ、あの人はフエンジムのジムリーダーのアスナさんか。
ここに来るというと…温泉かポケモン回復しかないな…家はジムに泊まればいいだろうし。

アスナ「…!? 先生…?」

ヒトシ「?? 俺?」

アスナさんは先生と言って俺をじっと見ていた。
俺は周りを探したが、周りは俺と家族連れの客しかいない。

アスナ「先生!?本当に先生なの?」

ヒトシ「いや、あの…人違いじゃなですか?」

俺はそう言ってトレーナーカードを見せる。
すると、ようやく納得したようだった。

アスナ「あ…ごめんなさい、あなたと瓜二つだったもので…」

ヒトシ(!? 俺と瓜二つだと…?)

俺と瓜二つとなると、心当たりはあの人しかいない。
俺の兄貴…かもしれない人物…ユウキ。
ここで何やっていたんだ??

アスナ「あの…本当にごめんなさい!」

ヒトシ「いや、いいんです」
ヒトシ「それより、俺、6日にジム戦するんです」
ヒトシ「そのときは、お願いしますね?」

アスナ「あ、うん、分かったわ!よろしくね!」

いつのまにタメに変わっているがそれはいいとしよう。
相手は年上だからな。

ヒトシ「あの、俺と間違えた人のこと…聞かせてもらってもいいですか?」

アスナ「? なんで?」

ヒトシ「あ、ちょっと気になったもので」

アスナ「ふ〜ん…いいわよ」
アスナ「立ち話もあれだから、座ろう?」

俺たちはポケモンセンターに設置されたソファに机を挟んで、向かい合って座る。

アスナ「2年前ね、あたしを変えてくれた人がいたの」
アスナ「そのときはあたし受験勉強するべきだったんだけど、もうどうでもいいやって思っていた」
アスナ「だけどね、その人はこう言った、この成績じゃあその大学は難しいって」
アスナ「だからね、その人、あたしの家庭教師を買って出てくれたわ」
アスナ「自分はポケモンリーグに向けて旅をしているにも関わらず」

ヒトシ「だから…先生と?」

アスナ「うん、驚くべきにね、その人は当時14歳だよ?」
アスナ「ふふ…笑えるよね、14歳に教えられるって」
アスナ「その人はジョウトのPHSって言う学校の卒業生で、高校教師の資格も持っていた」
アスナ「いわゆる天才ね」

話によると、その人は14歳で普通に社会人としての能力は持っていた。
俺もそうだが、あえて黙っておく事にした。
あまり知られたくないからな…なんとなくだが。

アスナ「でね、あたし、この人のこと足止めしているって思って…」
アスナ「受験日が早いキンセツの大学に進むことにしたの」
アスナ「それで合格したから今はかなり感謝しているんだけど…最近全く会わないの」
アスナ「だから嬉しくなっちゃって…」

ヒトシ「そうですか…会えたらいいですね」

アスナ「うん…あ、そう、敬語は堅苦しいからタメで話してくれない?」
アスナ「あの時もそうだったから」

ヒトシ「え? あ、わかった」
ヒトシ「じゃあ、俺は部屋戻ります…じゃない、戻るよ」

アスナ「うん、わかった!ジム戦、よろしくね」

そう言ってアスナさん…いや、アスナと分かれる。
どれくらい話し込んでいただろうか…もうすぐ7時になりそうなところだった。

ヒトシ「腹減った…飯だ飯〜」

部屋に戻り、温泉の荷物を部屋に置いて、食堂に向かう。

ヒトシ「どうするかな…ハンバーグ定食…これでいいや!」

俺は500円玉を投入し、食券を購入する。
そして、食堂の受付に提出する。
10分もすれば、料理が運ばれてきた。
白米と味噌汁、サラダにハンバーグのシンプルな食べ物であった。
15分ほどで平らげた。

ヒトシ「ご馳走様でした〜」

俺はお盆と食器を返却棚に置く。
ご馳走様でしたというとすぐに返事が返ってきた。
部屋に帰り、テレビを着ける。
こういうときにはポケモンたちは外に出しておく。

サーナイト「マ、マスタァ〜」

ヒトシ「? どうした?」

サーナイトは何かを求めているかのように、俺を呼ぶ。

サーナイト「ご、ご飯を〜〜」

ヒトシ「…! やべ!忘れてた!」
ヒトシ「すまん!すぐに取りに行って来る!」
ヒトシ「留守番頼むな〜!」

俺としたことが、ポケモンたちの飯がまだだった。
そうか、サーナイトに進化したから飯の量も増えるんだな。
確か1進化につきポケモンフーズの量は+200g〜500gと言われていた。
トレーナーにとっては喜ばしいことだ。
まあそれだけ運ぶのが大変だが。

…………。
………。
……。

ムシャムシャ…ガブガブ…。

ヒトシ「ははは…みんな余程腹減っていたんだな」

それもそのはず、いつもより30分遅れたのだ。
その分腹も減るはずだ。

ヒトシ「みんな〜4日後のジム戦、頑張れよ!」

一同「〜〜!!」

………………………。

ジュプトル「食った食った〜」

サーナイト「いつもより美味い気がしましたよね?」

マリルリ「そりゃ、いつもよりおなかすいていたからね、美味しく感じたんでしょ?」

ゴローン「ジム戦、頑張りたいですよね〜」

エアームド「ジム戦のメンバーも決まったもんですからね」

ドンメル「そうでしょうか?」

エアームド「? へ?」
エアームド「だって相性からジュプトルさんと僕以外じゃないんですか?」

マリルリ「…はぁ…あんたバカ?」
マリルリ「確かに相性だけではそのメンバーよ?」
マリルリ「でもメルちゃんはまだ経験が浅い」
マリルリ「ジュプトルなら経験豊富だし、なにしろこのパーティの中ではNO.1よ?」
マリルリ「それに今日のバトル、ちゃんと見たの?」
マリルリ「マグマッグ、ドンメル、バグーダ、コータス…遅いメンバーばっかりだわ」
マリルリ「相手は炎のエキスパート…手の内はバレバレ」
マリルリ「さらに進化系ときちゃあメルちゃんで勝つのは厳しいと思わないの?」
マリルリ「断然ジュプトルで行くほうがいいわ」
マリルリ「もっと勉強しなさい!」

サーナイト「マリルリ、ちょっと言いすぎなんじゃ…」

マリルリ「これだけ言わないと学習しないわ」
マリルリ「足を引っ張る存在になるだけ」

エアームド「はぅ…ど、努力します…」

ジュプトル「とまぁそういうことだ」
ジュプトル「相性だけで判断するなよ?」

エアームド「はい…勉強不足でした…」

また1つ学習したエアームドでした。

………………………。

『同日 同時刻 オダマキ研究所』

オオスバメ「!! スバ!!」

助手「あ〜まだ痛みがあるか…」

オオスバメ「スバ…」

ココドラ「ドラコッコ!」(気長にリハビリを続ければ大丈夫っすよ!)

オオスバメ「スバ…スバスバ!」(そうね…頑張る!)

助手「ココドラはもうすぐだもんな、頑張ろう?」

ココドラ「ココ〜♪」(やった〜♪)

ダンバル「ダンバ!」(よかったね!)

ココドラ「ココ!ココド〜ラ!」(うん!治ったらバトルしようよ!)

ダンバル「バル〜」(うん〜やろ〜)

助手「ハハハ、楽しそうだけど何言っているかわからない〜」

………………………。

ヒトシ「よし、ジム戦メンバーは決まったからそのメンバー中心に明日からトレーニングだな」

俺はこれからのトレーニングを考えながら眠りにつく。

ヒトシ「Zzzz…次回に続くぜ〜zzzz」



…To be continued




 
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