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POCKET MONSTER RUBY



第6話 『特訓無人島!』




現在位置:104番道路



ハルカ 「…さて、いるといいんだけど」

時刻は多分正午位。
私はトウカの森を抜けてすでに104番道路の海岸沿いにいる。
帰りは何気に近道があったのでここまでは大した時間はかからなかった。
と言っても、帰り専用だけど。

ハルカ 「…いなかったらどうしよう」

私はハギさんの家の前でそう考える。
この前もカナズミに居た辺り、意外と外にも出ていそうだ。
一応近くに船が見えたことから、確かに海を渡る手段はありそうだ。
そして、家はと言うと、入り口左側に梯子が立ててあり、木造の一軒家だった。
古臭い感じで、どことなく田舎といった感じの家。
ちなみにドアは無く、風網が掛けてある…冬場はどうしてるんだろ?
私はとりあえずそれを潜る。

ハギ 「おーい待ちなさい、ピーコちゃん!」

ピーコ 「モメ〜♪」

ハギさんとピーコちゃんは楽しそうに追いかけっこをしていた。
私が入ってきても気付いていないようだ。
無用心すぎね。
とりあえず、このまま待つつもりはないので、私は大きめに声を出す

ハルカ 「ハギさん、ごめんくださーーーい!!」

ハギ 「ん?」

ピーコ 「モメ〜?」

ハギさんは私に気がつき、ピーコちゃんと同時に私を見る。
私はそれ見て頭を下げる。

ハギ 「おお、君は!」

ハルカ 「以前お会いしたハルカです…今日はハギさんにお願いがあって来ました」

私がそう言うと、ハギさんは笑顔で。

ハギ 「ほうほう、それで頼みとは?」

ハルカ 「まずはこれを…」

私はツワブキ社長から渡された紹介状を渡す。
ハギさんは封を破り、中の紙を読み始める。
そして、ざっと見渡した所で私の方向く。

ハギ 「成る程、そう言うことか…わかった」
ハギ 「ハルカちゃんには前に世話になったからの、今度はワシの番じゃ!」
ハギ 「よしっ、行くぞピーコちゃん!」

ピーコ 「モメー!」

そう言ってハギさんとピーコちゃんは表に出た。
私もハギさんの後を追って家の外に出る。
一瞬日差しが眩しかったけど、すぐに外の光に慣れる。



…………。



ハギ 「それじゃ行くぞー!」

ピーコ 「モメー!」

ハルカ 「……」

私が船に乗るとハギさんはまずエンジンを入れる。
船がやや揺れるが、すぐに安定してくる。
そして、ハギさんは舵を手に船をスタートさせた。

ハルカ 「……」

この船、年代物のようだけど、かなりのスピードが出る。
このスピードならそんなに時間はかからずムロに着きそうだった。

ハギ 「で、ムロに行って何をするつもりなんじゃ?」

ハルカ 「えっと、ダイゴって人に手紙を渡すんですよ。と言ってもどんな人か知らないんでちょっと苦労しそうですけど」
ハルカ 「ちなみにどれ位で着くんですか?」

ハギ 「そうじゃな、何も問題がなければ明日には着くじゃろう」

ハルカ 「…問題がなければですか」

つまり問題があれば遅れると言うわけだ。
不安はあった。
マグマ団の存在。
私は顔が割れてしまっているだけに、行動も予測されている可能性がある。
相手も馬鹿じゃないだろうから、狙われる可能性は高い。
特にしつこそうな感じもするし、ね。
この荷物がどんなものかは知らないけど、相当重要なものだと思う。
私は荷物を見ながらそう考える。
ズシリ…と、やや重たい荷物。
恐らくは機械系の何かだろう。
一体これが何に…?
そもそもクスノキと言う人がどういう人かもわからない。
まぁ、ツワブキさんはどう考えても信頼できる人だろうし、クスノキさんもそう言う意味では大丈夫なはず。
…もっとも、知らない人を簡単に信じると言う方が可笑しいんだけど。

ハルカ (…まぁ割り切った方がいいでしょうね、頼まれた仕事なんだし)

まぁ、子供の私が考えることじゃないわね。
とりあえず私としてはまずムロジムに挑戦したい所ね。
カガミも多分そこに居る…。
私は進行方向を見ながらしばらく物思いに耽った。



………。
……。
…。



…景色は高速で流れていく。
貰ったばかりのポケナビを開いてホウエンマップを見る。
今進んでいる辺りは105番水道。
予定通りなら明日にはムロタウンに着く。

ハルカ 「……?」

この辺りは意外に小島が多い。
他には海面に姿を現している岩など。
この辺は海面が浅いのかもしれないわね。

ハルカ (何もなければ…本当にいいけど)

ハギ 「…ん?」

私が不安を浮かべていると、それを肯定するようにハギさんが険しい顔をした。
どうにも嫌な予感は当たるものね。

ハギ 「…おかしいのう、エンジンの様子がおかしい」
ハギ 「すまないが、ちょっと舵を頼む」
ハギ 「このまま進行方向を変えないように固定してあるから何もしなくても大丈夫じゃが、一応見ておいてくれ」

ハルカ 「あ、はい!」

私はそう言って進行方向を見つめる。
すると、高速で動いていた景色がやや遅くなっている。
それ所か、エンジン音が止まりかけている。



………。
……。
…。



そして、しばらくした所でハギさんが険しい顔のまま顔を出す。

ハルカ 「……」

ハギ 「…すまんのう、エンジンの調子がどうもおかしい」
ハギ 「このまま航海を続けるのは危険じゃ、近くの島で一度停泊しよう」

ハギさんの言葉を聞いて私は頷く。
どうやら、私の『嫌な予感』って『今』でも当たるみたいね…。
私は自分の勘を羨みながら、やや雲行きの怪しい空を見て鬱になる。

ハルカ (はぁ…嫌なこと思い出しちゃった)

そんなことを思いながら私は正面の島を見る。
島はそれなりに大きいようだが、どうも無人島のようだった。
そして、船を一旦海岸付近に着け、船はエンジンを停止した。

ハルカ 「……?」

私はふと海を見る。
すでに夜が更け始め、周りは暗くなってきている。
ポケモンたちの気配は感じない…それがどうにもおかしく感じた。
船の航海中でもポケモンの気配を感じることが出来たのに、今は何も感じない。
まるで、この島が隔離されている空間のように…。
不安は…どうにも膨れ上がる。



………。
……。
…。



しかしながら、そのまま船の中で夜を過ごすことになった。
特に何かが起こるわけではなく、嫌な感覚だけが残る。
私は船室で布団に包まって眠りについた。





………………。





ひっく…ひっく……。

? 「どうして泣いているの?」

暗闇だけしか見えない。
その中に小さな私はうずくまっている。
優しい声が頭に響くように聞こえる。
私は泣き続ける。

? 「どうして、泣いているの?」

ハルカ 「ひっく…ひっく…!」

? 「…泣いていたら、わからないわ」

ハルカ 「ひぐ…っ、ううう…ぁぁぁ!」

ただ泣きじゃくる。
それを見てもまだ優しく声をかけてくる。
とても優しい、女性の声。

女性 「…泣きたいなら、せめてこっちに来なさい」
女性 「ひとりで泣いていたら、心が壊れてしまうから…」

ハルカ 「えぐ…?」

小さな私は女性を見る。
優しい微笑だった。
長くすらっとした髪が光に晒される。
暗闇に光が差す。
私は開かれた両腕の中に思いっきり飛び込む。
すると女性は、私の背中に両腕を回し、優しく背中を撫でてくれる。
私は、そのまま泣き続けた。





………………。





ハルカ 「……」

気がつくと朝。
私は重い頭を抱え上げる。
嫌な記憶が脳裏を掠める。
でも同時にとても安らぐ夢を見た気がした。
ほとんど思い出せない、あくまで夢。
以前に見たことのある夢ではなかった気がする。
経験したことも多分ない…はず。
私はとりあえずそのことは忘れることにして、時間を見る。

ハルカ (…朝の5時?)

起きるには早すぎる。
と言ってもまた眠ることなど出来そうもない。
しかも…。

ハルカ 「…お腹空いたな〜」

昨日は結局何も口にしてなかった。
とりあえず食料を何とかしないと…。
一応非常食なるものがあるとのことだけど…。

ハルカ (食堂よね…普通は)

私は食堂に向かった。
一応荷物も全部装備しておく。
万が一も考えられるからだ。
そして、通路に明かりをつけ、私は食堂を見つけた。

カツーン……

ハルカ 「……」

恐ろしく静かだった。
一歩歩くごとに音が響く。
足元が鉄製というのも原因だろう。
かなり嫌な音ね…。
とりあえず、ため息をつき、私は食堂の明かりをつける。

ブゥゥゥゥゥ……

中に入ると冷蔵庫特有の駆動音が聞こえる。
私はその音に向かって歩く。
かなり大き目の冷蔵庫が見つかったので、私はそれを開けることにした。

ハルカ 「……」

冷蔵庫のひんやりとした冷気が外に出る。
私は少々寒気を感じながらも中を確認する。

ハルカ (卵、牛乳、ハム…)

出来るものはこの時点で決まった。
だったら、調味料は…?

私はいくつか材料を取り出し、今度は調味料を探す。
水場の近くに棚があり、そこに一式揃えてあった。
私は次に鉄板を探す。
すると壁にぶら下げてあった手頃なフライパンを取った。
そして、私はそれを片手にガス詮を開く。
後は手馴れた技で火をつける。
例によって一般的なガスコンロなので問題はない。

ジューーーーー!!

油の上で焼ける卵がいい音を出す。
別に誰にでも出来るような簡単な物だけど、それなりに味の調整はしておく。
フライパンを左手に砂糖と塩を適量振り、牛乳も少量混ぜる。
ちなみに今回は砂糖重視。
ある程度焼けた所で、フライパンを上下に振り、卵焼きを裏返す。
そして、卵が空中で裏返り私はフライパンにハムを素早く乗せる。
ハムの上に卵焼きが乗れば後は1分以内に完成♪

ハルカ 「ふんふんふ〜ん♪」

鼻歌を口ずさみながら私はガスを止める。
そしてフライパンを置き、食器棚からお皿を取り出す。
それをテーブルに乗せ、フライパンを持ってくる。
後は卵焼きをお皿に乗せれば終了☆
私は割り箸を取り出して椅子に座る。

ハルカ 「ふんふっふ、ふふ〜ん…」

私はこの時点でややおかしいことに気付く。
いや、料理が別に悪いわけじゃなくて…匂いも味も完璧!
しかしながら、私は目の前の皿に乗っている卵焼き…というよりハムエッグ。
一口食べた時点で絶句してしまった。

ハルカ 「…誰がこんだけ食べるのよ?」

よくよく考えれば、フライパンのサイズと皿のサイズがどう考えても普通じゃなかった。
間違いなく1人前ではない。
自分で気付かなかったのも馬鹿だけど、正直8人前はある量だった。

ハルカ 「…ポケモンってこう言うの食べられるのかな?」

ふと思う。
普段ポケモンはポケモンセンターで食事を摂っているので、こう言った食事を摂るのかどうかは知らない。
ましてや、虫や草が人間と同じ食事を摂ること自体有り得ない気がした。

ハルカ 「…まぁ、試すだけでも」

私はボールを6個同時に投げてポケモンたちを解放する。
そして、一呼吸置いた所で、突然全員の視線が一点集中する。

ポケモンたち 「……!?」

ハルカ 「………」

どうにも、まだ湯気をあげながらいい臭いを醸し出しているハムエッグに興味があるらしい。
とりあえず私は皿を6枚出し、それぞれ可能な限り均等に盛る。
箸…はいらないか。

ハルカ 「ほいっ」

私がそれぞれの前に皿を置いてあげると。

ガツガツガツ!!

全員が凄い勢いで食べ始める。
と言ってもポケモンとしては大人しい方なのかもしれない。
ワカシャモなんか、正座してかなり丁寧に食べていた。
タネボーとアゲハントはどうやって食べるのか不安だったが、ちゃんと大丈夫のようだ。



………。
……。
…。



ハルカ 「いやぁ〜よく食べたわね」

量はどう考えても多いと思ったんだけど…まぁ無駄がなくてよかったわ〜。
私は改めて満足しながらちゃんと皿洗いをする。
油物も洗剤で落としておかないとね〜。

ハルカ 「る〜るる〜る〜る〜るる〜♪」

そんなこんなで洗物も終わり、私は外に出てみることにした。



………。



私はすでに明るくなってきた辺りを見回す。
船を降りてすぐの海岸がかなり広く、トレーニングにはもってこいの様だった。
私はすぐにポケモンたちを全員出す。

ワカシャモ 「シャモー!」

ジグザグマ 「ジグジグ…」

タネボー 「タネ〜〜」

アゲハント 「ハ〜ン」

アメタマ 「アメアメ!」

キャモメ 「キャモ〜♪」

全員が元気よく現れる。
そして私は全員を見渡して。

ハルカ 「とりあえず課題としてまずは…タネボー!」

タネボー 「タネ〜?」

タネボーはいつものおっとりとしたノリで首?(胴?)を傾げる。
そして私は次に。

ハルカ 「そうねアメタマ!」

アメタマ 「アメアメ!」

アメタマは元気よく近づいてくる。
そして私はふたりを並べて。

ハルカ 「いい、これから二匹で自由にバトルをしてみて!」

タネボー 「タネ〜〜」

アメタマ 「アメッ!」

二匹は一応頷く。
タネボーは本当にわかっているのか不安だが、一応理解できているとは思う。

ハルカ 「私は一切指示を出さないわ、だから自由に戦って! 手を抜いたりしたら承知しないからね?」

タネボー 「タネ〜〜」

アメタマ 「アメアメ!!」

元気よくアメタマは答える。
タネボーは…いつも通りだった。
ホントに動じない…。
とりあえず、私は手をパチンと合わせて合図する。

ハルカ 「じゃあ始めて!!」



アメタマ 「アメッ!」

アメタマはいきなり『あわ』で攻撃する。
アメタマの口から無数の泡が飛び、タネボーに向かう。

ハルカ (草タイプには効果は薄い…けど、あの技は相手の素早さを制限できる時がある)

と言ってもタネボーは全く動く様子はなく、そのまま泡が直撃する。

パチンッパチンッ!

当たると泡は弾け、タネボーの視界をやや封じる。
しかしスピードはそんなに速くなく、かわそうと思えばかわせたはずだ。
恐らくは『がまん』だろう。
すると、連続でアメタマは攻撃する。

アメタマ 「アメーッ!」

『でんこうせっか』でアメタマはタネボーに体当たりをする。
かなりのスピードでこれは回避するのは至難。
と言ってもタネボーは動かないので無論直撃。

ドカァッ!

アメタマ 「ア、アメ!?」

しかし、タネボーはびくともしない。
当然だが、タネボーは防御力が高い。
その分、色々辛い所はあるが、ただ攻撃すれば倒せるわけではないのだ。
そして、アメタマの動きが止まったところでタネボーは突然逆襲する。

タネボー 「タネ〜ッ」

ドゴォッ!!

アメタマ 「アメーーー!!」

我慢が解放され、アメタマは一気に吹っ飛ばされる。
だが、アメタマはすぐに起き上がり、再び対峙する。

ハルカ (アメタマの攻撃力が低すぎたわね…こうなるとタネボーはもう一度『がまん』がしにくくなる)

『がまん』は一度見せてしまうとどうしても読まれてしまう。
意表をつければとても強いけど、弱点はやはり多い。
でもタネボーにはそれしか攻撃技がない。
ゆえにアメタマも全く動じることなく攻撃を再開する。
今度は自分が倒れない程度に攻撃を与えればいいのだから。
それが確実だろう。
タネボーは、やっぱりまだ辛いのかな…。

アメタマ 「アメ!」

アメタマは再び『あわ』で攻撃する。
タネボーは相変わらずそれをよけようともしない。
元々『あわ』ではほとんどダメージはないが、それでも『がまん』するしかあの娘にはできない。

ハルカ 「……?」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…!

突然、足元が揺れだす。
その場にいた全員が驚いたように辺りを見回す。
タネボーを除いて。

アメタマ 「ア、アメアメ!?」

ドゴゴゴゴゴオオオッ!!!

凄まじい音がしたかと思った瞬間、アメタマが空中に吹っ飛んだ。

ハルカ 「アメタマ!?」

ズシャアッ!!

派手な音をたてて砂に激突するアメタマ。
一体何が起こったの!?
私はふとタネボーを見る。

タネボー 「タネ〜〜」

ハルカ 「…まさか、攻撃?」

アメタマ 「アメ〜……」

アメタマはかなりのダメージを食らったようだった。
一体何だったんだろう?
私はふとタネボーの技を図鑑で確認する。

ピッ!

ハルカ 「…『しぜんのちから』?」

と言う技があった。
詳しい説明はないが、どうにも使う場所によって内容が違うらしい。
つまり…ここは砂地。
で、『じしん』が起こった…と?

ハルカ 「…攻撃技、よね一応」

タネボー 「タネ〜〜」

その時、突然タネボーの体が光りだす。
これってもしかしてっ!?

? 「コノ〜〜♪」

ハルカ 「進化したーーー!!」

とうとう我慢に我慢が重なって進化の時!
私は嬉々として図鑑を開く。

ポケモン図鑑 『コノハナ:いじわるポケモン』
ポケモン図鑑 『高さ:1.0m 重さ:28.0Kg タイプ1:くさ タイプ2:あく』
ポケモン図鑑 『鬱蒼と茂った森に住むポケモン。たまに森を出ては人を驚かせる。長い鼻を掴まれるのは大嫌い』

ハルカ 「悪タイプ…かぁ、確か…」

格闘に弱い…のよね。

ハルカ 「ぐは…次のジムきつそうね」

今回はお役ごめんかもしれない。
それでも進化したと言うことは大分マシになったと言うことだろう。
これでもうちょっと攻撃技が豊富なら良かったんだけど。
まぁ贅沢は言わないわね。

ハルカ 「よしっ、じゃあとりあえず戻ってよし!」

私は二匹をボールに戻す。
その後は、ワカシャモ、キャモメのバトル。
そしてアゲハント、ジグザグマのバトルを私はじっくりと見た。
そして、昼近くになった所で一旦切り上げる。



………。
……。
…。



ハルカ 「う〜ん…」

私は船室で悩んでいた。
今回のバトルトレーニングで大体みんなの実力がわかった。

ハルカ (まずは…)

ワカシャモ。
進化したこともあり、確実にパーティの主戦力。
次のジム戦でも活躍はしてくれるはず。
この娘を外すのは得策じゃないわね…。

ハルカ (次にアゲハント)

最終進化だけに現在のパーティでは、ずば抜けた性能を持っている。
相性上でもワカシャモと張ることが出来ていた。
飛行技を持っているポケモンだけに、この子も筆頭と言うことになる。

ハルカ 「でも次のジム戦が何体で戦うかわからないんだよね〜」

カナズミでは2体。
今回も同じとは限らない。
下手をすれば1体で戦うかもしれない。
だとしたら、ある意味ワカシャモよりも、格闘に相性のいいアゲハントで戦う方がいいかもしれない。
今回のケースだったが、ワカシャモの蹴りでもアゲハントはほとんどダメージがなかった。
無傷とは行かなくとも、防御力の低いはずのアゲハントが平然としていたのは驚きだった。
これは、恐らく虫タイプの恩恵だろう。
虫タイプは格闘タイプを中和する…。
だとしたら、やはりアゲハントを今回は主力に組んだ方がいいのかもしれない。

ハルカ (…よく考えたら、3体以上で戦うことになったらどうしよう?)

かなり怖くなった。
ジグザグマ、コノハナ。
格闘タイプに弱いだけに、どうしても不利になりかねない。
キャモメ、アメタマはまだ有利かもしれないが、ジムリーダーともなればそう簡単に勝てるとも思えない。
相手の情報が全くないのも問題だった。
向こうに着いたら、まずは研究した方がいいかもしれない。

ハルカ 「……」

私は改めて他の子たちを考える。
…ジグザグマ。
ワカシャモに次いでレベルが高いと思う。
進化はしていないので、劇的な成長はない。
だけど技は相性のいいものが多く、攻撃力は十分期待できる。
スピードもキャモメと並んで速く、動きによる撹乱は十分強力だろう。

ハルカ 「今回進化したコノハナ…」

進化することにより、能力は飛躍的に上がっている。
悪タイプの追加により、格闘には弱くなったが…何に強いのかな?
如何せんその辺りは全くわからない。
ので、やはり今回はお役御免の線が強い。
新技の『しぜんのちから』はどうにも何が起こるかわからないのでまずは色々試した方が良さそうだ。

ハルカ 「で、問題のアメタマかぁ…」

タネボーの問題が去ったとはいえ、今度はアメタマの成長に難が出てきた。
スピードには自信があっても、攻撃力が低い。
しかも打たれ弱いことで何かと心配が尽きない。
今回のバトルでもタネボーに負けてしまったのはかなり効いている。
というよりも…正直致命傷かもしれない。
あの後、アメタマは完全に怪我が治らなかった。
正直、『しぜんのちから』があそこまで強いとは思わなかった…。
タネボー程度の攻撃力であの『じしん』。
アメタマはこれからどうなるか心配だった。
ポケモンセンターがないだけに、不安は募るばかり。
今はせめて安静にさせないと。

ハルカ 「最後はキャモメか…」

今回のトレーニングで、どうにか飛行技を覚えたキャモメ。
元々活躍の場は多いだけに、これからもお世話にはなると思う。
ただ、この子は呑気な性格だけにちょっとスピードが遅く感じる。
また攻撃も飛行技よりも水技の方が得意みたい。
これからの慣れにもよるでしょうけど、水を主体に考えた方が良さそうね。

ハルカ 「……はぁ」

ジム戦かぁ…前にツツジさんのバトル見た時は正直勝てないって思ったもんね〜。
今回はどうなのか…?
少なくともツツジさんと同等かそれ以上と考えなければならない。
日々精進がモットーだけど、それ以上に…。

ハルカ 「この船動くの?」

それが一番の悩みだった…。



…To be continued




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