ポケットモンスター サファイア編




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第11話 「変化」





『10月11日 午前10時30分 カイナシティ』


ザザァ…ススゥ…。
ザッ!

10月11日…ここはカイナシティ。
カイナシティの砂浜ではもう10月だというのにまだ海開きがされていた。
実際気温は本日28度、泳ぐには十分だ。
カイナの砂浜はさすがにピークの7〜8月に比べたら数は少ないんだろうが十分と思えるほどの人々で賑わっていた。

ユウキ 「ふう、久しぶりに地面を踏んだな…」

そして、俺ユウキ。
ムロを出て早8日、俺はついにカイナシティに来た。
本当なら一日くらい海ではしゃいでいたいとも思うが今の俺にそんな余裕はない。
とりあえずツワブキ社長から預かったデボンの荷物をクスノキ館長って人に渡さないといけないんだよな?

ハギ 「ワシはしばらくここに居るつもりじゃ、また用があったらワシにひとこと言ってくれ」

ハギ老人はそう言って船を動かすと少し岸に行き、船を発着できる場所へと動かしていく。

ユウキ 「ええ! その場合は頼みまーす!」

俺が大声でそう言うとハギ老人は何も答えずただ手を振ってくれた。

ユウキ 「さて、俺も行くか!」

俺は一発気合を入れて造船所へ向かった。



…………。



ユウキ 「しっかしでかい町だな」

俺は砂浜から階段を上ってアスファルトの地面を踏んだとき、一度海のほうを見た。
ホウエンの砂浜にはまだ多く人がいる。
これが俺の住んでいたジョウト地方ならもう誰も泳いでいないだろうな…。
町は町でバザーなり何なりで賑わっているし、活気のある町だ。

ユウキ 「造船所ってことは海のほうかな?」

俺はそう思い海側を探すことにした。
つっても、この町は半島のような島の出っ張りのようなところに出来た町だから北出入り口門以外は全部海側ってことになるがな。



チュィィィン ガガがガガ!


ユウキ 「! あそこか」

探してすぐ町の南東に大きな工場が見つかった。
少々ぼろくなっていて、入り口なぞシャッターが開きっぱなしの状態だった。
一応でっかくクスノキ造船所と書いてあるから間違いない。
中からは何かを作る機械の音が少し離れた外からでも聞こえてきた。

俺はバッグから渡さないといけない中身を確認し、造船所の中へ向かった。



『クスノキ造船所』


チュィィィイガガガガガガッ!


ユウキ 「うるさ…」

中は二階と地下一階を持ったかなりでかい建物だった。
この町は水面から高いところに建物があるから地下一階くらいが水面にちょうど近いのだろう。
見た目はオンボロだが中はとんでもなく広い。
ここがどれほど大きいところかはよくわからないが中は立派だな。

? 「あ〜でもいし、こ〜でもないし〜…」

まず、真正面を行くと鉛色の机に製作図のような物を広げて頭を抱えている男性がいた。
年齢は50代くらいだろうか? 前頭部だけはげた頭が歳を感じさせた。
身長は160センチあるかないか、カッターシャツに黒いズボンをきていた。
この人がクスノキ館長だろうか?

ユウキ 「あの…」

? 「! 何だ君は? ここは部外者は入っちゃだめだよ」

男は俺に気付くと真っ先にそう言う。

ユウキ 「デボンの社長から預かったものを届に来たんですけどクスノキさんですか?」

? 「違うよ、私はツガっていうんだ、クスノキ館長なら博物館にいるよ」

どうやらこの男はツガというらしくクスノキ館長ではないらしい。
それにしても博物館か…だから館長なのか。

ツガ 「博物館はこの造船所の裏側にあるから行って渡してあげて」

ユウキ 「わかりました、どうも失礼しました」

俺はそれを聞くとこの造船所を出て博物館の方へと向かった。


ユウキ 「…随分博物館の方は立派だな…おい」

外へ出て、造船所の裏側に出ると造船所以上の大きさのエメラルドグリーンの建物があった。
建物の屋上に『海の科学博物館』と書いてあるからあれだ。
さすがに博物館だけあって造船所と違い外面も綺麗にしてあるな。
俺はそのまま博物館へ向かった。



女 「海の科学博物館へようこそいらっしゃいませ!」

海の科学博物館へ自動シャッターをくぐり中に入ると横のカウンターからようこそと女の人に言われる。

女 「入場料50円になります!」

ユウキ 「50円? えと、はい」

女 「ごゆっくりどうぞ!」

俺は財布から五十円玉を取り出すとそれを渡して中に入る。
入場料はある程度予想していたがまさか50円とはな…。
いくらなんでも安すぎないか?
それで経営していけるのだろうか…。
…などと言うことを考えながら中に入るとあることに気付く。
…以前アクア団の下っ端と戦った時の奴と同じ格好をしたやつらだらけ…。
そうか、こいつらがアクア団か…。
俺はいっぺんシメとくかと考えたがさすがにまだどうゆう組織かわからないので止めておく。
単に善意のボランティア集団だったら俺が悪物だからな。

ユウキ (折角金払って入ったんだからちょっと見ていくか)

俺はそう思って展示物を見ていくことにした。


『海の豆知識その1 何故海の水は青いの?』

『光には幾つ物色があって殆どの光は水に入るとその色が無くなっていきます』
『けれど青い光だけはそのままの色で残るため海は青く見えるのです』


『海の豆知識その2 何故海の水はしょっぱいの?』

『海水には岩からにじみ出た塩の元になるナトリウムイオンと塩素イオンという物質が多く含まれだからなめるとしょっぱいのです』


『海の豆知識その3 海と陸はどっちが広いの?』

『大体海が70パーセントで陸が30パーセントくらいです』
『陸に比べて海はその二倍以上もあるのです』

ユウキ 「…」

難しい人には難しいんだけど俺的には当たり前のことが紹介されていた。
学校とかで習うことじゃないけど俺はそういうの好きで勉強する人間だからなぁ…。

ユウキ 「…これは?」

丸いドームの中でよくわからない機械が回っていた。
何かの深さを調べているのだろうか?

他にも見本とかがあった。
1つは海辺の砂の見本だった。

『山から川をつたって来た石は水の中で転がるうちに砕かれたり削られたりしていきます』
『それらが小さな粒となって海辺の砂が出来ていくのです』


と、説明に書いてあった。
たしかにそのとおりだが例外もあるんだがな…。
サンゴとかの多い地方だとサンゴの死骸が砂浜を作ったりすることもあるんだがな…。
いわゆる白い砂浜ってやつだな。

そして、その隣は海の底の土の見本だった。

『海底には長い年月をかけて生物の死骸が降り積もり地層が形作られていきます』
『これらを分析することで遠い昔のことがわかるのです』

と、あった。
ちなみにそうゆう地層は海の底だけでなく地上でも見れる。
地震などプレートが移動し、陸が隆起した場所では地層を見ることができる。
まぁ、だからエベレストとかでは頂上付近で海底の生物の化石が見つかるんだが。



ユウキ 「………」

円柱状のガラスの筒の中で青い水がくるくると回っていた。

『これは風の力で人工的に渦潮を起こす実験です』

ユウキ 「渦潮ねぇ…」

俺はジョウトで本物の渦潮を見ているのでどうもそれが微妙だった。
渦巻き島はもっと凄いぜ…。
ちなみに余談だが、ジョウトには『うずしお』という秘伝技がある。
渦潮は常にある一定の方向に回転しているわけだから逆回転の渦潮を人工的に作れば渦潮は消せるのだ。
ジョウトに生きる人間の無駄知識かな…?

そしてもう1つ同じエリアにあった円柱の筒には赤いボールが浮かんだり沈んだりしていた。

『これはボールの浮力を利用した滝登りの原理の実験です』

ユウキ 「滝登りか…」

再び余談だがこの世界には『たきのぼり』という秘伝技がある。
ポケモンが滝を登るというのはわかるがそれに人が乗るのは無茶がないか?
それに登る位なら鳥ポケモンに乗った方がいい気が…。



そして、一階最後の展示物。
デコボコに波打った化石があった。

『海の底に溜まった土には海水が流れる影響で波のような模様が出来ます』
『それがそのまま化石になったものをリップルマークと呼んでいます』

これで最後か…。
何だか多かったような少なかったような。←絶対少ないって!
…というわけで全て見尽くした俺は二階へと上がるべく階段を探した。

ドン!

ユウキ 「あ! すいません!」

俺は探しながら歩いていると誰かにぶつかってしまう。
俺は咄嗟にその人に謝る。

シタッパ 「ちゃんと前見ろよな…て、げ!?」

ユウキ 「え…あ!」

男は俺を見ると咄嗟にうろたえる。
よく見たらそいつはカナズミであったアクア団の下っ端だった。

シタッパ 「チクショウ…なんでテメェがここに…」
シタッパ 「これやるから見逃してくれ!」
シタッパ 「じゃ! 逃げるが勝ちだー!」

A 「あ! おい! シタッパどこへ行くだよ!?」

シタッパと呼ばれる男は一目散に逃げ出し、全く同じ格好をした男はその後を追っていってしまった。

ユウキ 「…まだ、何もしてないじゃんか…」

その男(シタッパと言うらしいが)は俺に技マシンを渡して行っちまった。
一体何の技マシンなんだ?
とりあえず俺はそれを技マシンケースに入れた。

ユウキ 「番号わからないからどうゆう順番で入れればいいかわかんないじゃないか…」

はぁ…なんか無性にかったるくなってきた。
俺はそのまま今度はぶつからないようにして二階へと上がった。



『海の科学博物館 2階』


二階へ上がるとこれまた展示品だらけだった。
しかし今度は模型やらミニチュアだらけだった。
種類が違うようだ。

まず最初に目に映ったのはホウエン地方の模型だった。
ガラスの箱に入った4メートル位のミニチュアだ。
つい、ミシロタウンはどのへんか探してしまう。
ちなみにミシロタウンは島の南西だ。
こうやって見ても小さい町だ。

そして次に見えたのはその少し奥の長机に置かれた船のようなものと丸いものだった。

『潜水艇かいえん一号』

まず、船のようなものは潜水艦だそうだった。

『海の底を調査するための高性能潜水艇の模型です!』

そう書いてあった。
実際に潜水艇を見たのは初めてだな。
そしてその隣の丸いの。

『潜水ポッド』

『海底で作業するための無人小型ポッドの模型です!』

と、書いてあった。
俺はてっきり動く棺桶かと思ったぜ…。

そして、さらにその奥の通路の角には一際で模型が展示さていた。

『連絡船 タイドリップ号』

『これは現在クスノキ造船所で作られている船の模型です!』

中々でかそうな代物だった。
尺図がなかったからどれくらいの大きさになるかはわからかったがサントアンヌ号くらいにはなるだろうか?

ユウキ (さすがにそれはないか…)

そして、更におくに進むと…。

ユウキ 「あ…」

さっきの模型より更にでかい模型があった。

『サント・アンヌ号』

『世界を一周している豪華客船の模型です!』

ユウキ 「………」

豪華客船はやっぱでかかった…。
ただ…ひとことそう思った。

更にその船の模型のあるエリアは結構広いブースになっており色々目移りする物があった。
例えば…。

ゴムで出来たボールが膨らんだり萎んだりしているものがあった。

『海の底には水圧といって水自体の重さがかかります』
『浅いところでは水圧も軽く深いところでは何万トンもの水圧がかかるのです』

とあった。
何万トンもの水圧がかかったら人間は簡単にお陀仏だな…。
でも、圧縮された空気を持ちながら浮上すると潜水症という命に関わる症状が起こるんだよな…。

? 「君、海は好きかい?」

ユウキ 「え? ええ…」

突然俺よりも身長の高い男から声を掛けられる。
白衣で眼鏡をかけた研究員のような人だ。
ここの職員だろうか?

? 「海は広い…この世界にはまだまだ私たちの知らない海があって知らないポケモン達がいる…」

ユウキ 「…あの、あなたは?」

いきなり語りだそうとするこの人に待ったをかけるように聞いてみる。

? 「おっと、失礼、私はクスノキ、、皆は私をクスノキ館長と呼んでいるよ」

その人は大らかにそう言う。
ていうかこの人がクスノキ館長…?
俺はてっきりツワブキ社長のような人だと思っていた。
思ったより若い人なんだな。
て、そんなことを考えるんじゃなくて…。

ユウキ 「あの、これを…」

クスノキ 「これは…?」

俺はツワブキ社長から渡された物をクスノキ館長に手渡す。

ユウキ 「ツワブキ社長からあなたへと…」

クスノキ 「そうか! やっと届いたのか!」

クスノキ館長はツワブキ社長の名前を聞くと中身を見ずに中身がわかったようだ。
ちなみにそれは丁寧に袋に包まれていた。
小さい割にかなり重かったから恐らく機械系の物だろう。

? 「見つけたぜ、クスノキ館長!」

ユウキ 「!?」

クスノキ 「何だ君達は!?」

突然後ろから例のアクア団の奴が現れる。
男が二人だ、いかにも悪党って感じの奴。
恐らく両方とも下っ端だろう。
とりあえず、さっき『見つけた』と言った方をAとしよう。

下っ端B 「んなことはどうでもいい! その荷物渡してもらおうか!」

クスノキ 「なんだと!?」

やっぱりか…ありきたりだな。
しかし、これで確信が出来たアクア団は悪の組織だ。

ユウキ 「いつの時代も悪党は単純でいいよな…」

俺はそう言ってクスノキ館長の盾になるようにして、下っ端の前に出る。

下っ端A 「何だ貴様!? 俺達に楯突こうってのか!?」

それもありきたり…。

ユウキ 「はぁ…かったる…」

俺は厄介事には手を出さない主義なんだが、こうゆう場合は別。
悪は直ちに断つ…それが俺の生き方だ。

ユウキ 「いいから、かかって来い…」

俺は手で相手を挑発する。

下っ端 「やろう上等だ! いけ! 『ズバット』!」

Aはモンスターボールを投げると中からズバットが出てくる。

ズバット 「ズバッ!」

ポケモン図鑑 『ズバット 蝙蝠(こうもり)ポケモン』
ポケモン図鑑 『高さ0,8m 重さ7,5Kg タイプ 毒 飛行』
ポケモン図鑑 『太陽の光を浴びると体調が悪くなるので昼間は洞窟や古びた家の軒下にぶら下がって眠っている』


ユウキ 「いけ! キノココ!」

キノココ 「キノー!」

対して俺はキノココを繰り出す。
本来相性の悪い相手だがこれで十分だ。
と、いうのはさすがにキノココに失礼だな…。
まぁ、最近妙にキノココが活発に調子いいからだな。
ちなみにこれは嘘じゃないぞ。

下っ端A 「ズバット! 『きゅうけつ』だ!」

ズバット 「ズバー!」

きゅうけつは吸血。
血を吸って相手から体力を奪い自分の体力を回復させる技だ。
単に空腹を満たすだけという説もあるが…。

ユウキ 「一発で十分だ…『ずつき』!」

キノココ 「キノー!」

ずつきは頭突き。
頭から相手につっこむないしはいわゆるパチキする技である。
一見地味な技だがかなり痛い…。
時々相手がひるむ技だ。
けっして頭の上にヒヨコはとばない…。

ドカァ!

ズバットは噛み付こうと口を開けた瞬間でかい茸…キノココの頭が突っ込んでくる。
ズバットの歯を折らんばかりの『ずつき』だ。

ズバット 「………」

下っ端A 「ああっ!? ズバット!?」

ズバットは泡吹いて倒れていた。
ほらね、今のキノココは調子いいんだよ。

下っ端B 「情けねぇ! 俺が相手だ!」

続いてBがモンスターボール取り出す。
どうせふたりでくるならまとめてかかって来いっての。
しかし、非常にかったるいことに世の中そう上手くはいかないわけで…。

下っ端B 「行け! 『キバニア』!」

キバニア 「キバー!」

ユウキ 「キバニアだと…?」

ポケモン図鑑 『キバニア 獰猛(どうもう)ポケモン』
ポケモン図鑑 『高さ0,8m 重さ20,8Kg タイプ 水 悪』
ポケモン図鑑 『テリトリーを荒らすものは集団で襲い掛かり尖った牙で八つ裂きにする』
ポケモン図鑑 『1匹になると途端に弱腰になるぞ』

あの時のサメハダーの進化前ね。
つーか、そんなのが一匹できてどうする…しかも陸の上だぞ?

下っ端B 「ふふ…俺のキバニアを甘く見るなよ…」
下っ端B 「みよ! この動き!」

キバニア 「キバー!」

キバニアは右へ左へと素早く動きちょっとづつ距離を縮めてくる。
そう、左右に規則正しく…。

ユウキ 「つぎ! 左に『ずつき』!」

キノココ 「キノー!」

ドカァ!

下っ端B 「ああっ!?」

キバニアは2バウンドほどして壁にぶつかりダウンする。

下っ端B 「なんでじゃー!? こんなあっさり!!」

ユウキ (馬鹿か…こいつ)

左右への規則正しい動きは振り子と同じ…タイミングがとりやすいんだよ。

下っ端A 「まずいぞ…おい」

下っ端B 「うむ…まさか、子供に邪魔されるとは…」

いよいよもって二人はこそこそと話し始める。
逃げる算段はついたかな?

? 「どうした? 何を手間取っている?」

ユウキ 「!?」

下っ端A 「あっ! ああ!?」

突然下っ端どもの後ろから明らかに下っ端どもとは違うプレッシャーを持った男が現れた。
身長はやたら高く180センチくらい。
体はスーツを着ているがそこからでもわかるくらいのいい体だ。
頭にアクア団特有の特殊な形のAをいれたバンダナを被り、黒のスーツを着ていた。
ボタンを第三ボタンからしかとめてないのでわかるがスーツの下は何もきていなかった。

明らかに格が違う…。
さすがの俺もこのときはとっさに身構えてしまった。

下っ端B 「アオギリ様! ど、どうしてここに…?」

アオギリ 「何…様子を見にきたのだよ…見ればこんな子供にやられているのか?」

ユウキ 「………」

アオギリ…こいつはそう言うのか…。
明らかに違う存在…いま、ここで倒すべきか…?
いや、やったとしてもはたして俺に勝てるか…?

アオギリ 「私はアオギリ、アクア団のリーダーをやっている」
アオギリ 「君はどうして我々の邪魔をする?」

アオギリは俺の前まできてタンタンとそう聞く。

ユウキ 「…あんたの部下はずいぶんしつけがなっていないようだな?」

下っ端B 「何だとテメェ!」

アオギリ 「よせ…挑発に乗るな」

アオギリはそう言って部下を制す。
挑発だってわかってたのかよ…あるいは精神をかき乱すつもりだったんだがな…。

アオギリ 「君にはわからないようだな…私のやっていることの意味が…」
アオギリ 「まぁいい、君と言い合う気はない…今日は君の勇気に免じて退こう…」
アオギリ 「だが、もしまた邪魔をするなら…その時は手加減しない…」
アオギリ 「では、さらばだ…」

そう言ってアオギリは去っていく。

下っ端A 「へ! 運がよかったな!」

ユウキ 「負け犬はよく吼える…」

下っ端A 「んだと!?」

下っ端B 「構うな! さっさと行くぞ!」

下っ端A 「けっ! 覚えてやがれ!」

ユウキ 「二度と出てくんな!」

俺は負け犬(一人除く)に最後にそう言っとく。
二人は聞こえているのかいないのか振り向かず消える。

ユウキ 「…ふぅ」

さすがに今回はひやひやだったぜ。
もし、戦ってたら勝てたかどうかわかんねぇからな…。

クスノキ 「アクア団…一体?」

クスノキ館長はしかめっ面になってアクア団の消えた方を見た。
やってることの意味…?
ふ…まぁ、俺から言わせれば奴は悪…それがどんな理由だと俺はやつを倒す…。

ユウキ 「倒す…ふ」

倒すか…さっきまで倒せるかどうかって言ってたがいきなり倒すか…。

ユウキ (次に会う時…その時は俺が勝つ時さ)
ユウキ 「…じゃあ、荷物は渡したからもう行きます」

クスノキ 「ああ、また来てくれよ」

ユウキ 「はい」

既に館内はさっきのバトルで大騒ぎになってごった返していたが、俺は人の網の目をくぐって博物館を出た。



ユウキ 「次はキンセツシティ! 三つ目のジムだ!」

俺は少し不安に思った…俺は今どうゆう運命の中にいるのか…。
シャドウとであった時…俺の運命が変わった気がした…。
そして、あの時…船で拾った謎の剣…rarudoの剣…。
明らかに知るはずのない運命…ありえないもの…。
だけどあの時…それが本来あるべき運命のような気が…した。
自分でない自分…『アレ』を感じたときから俺は何か違う運命にあったのかもしれない…。
ただ…信じられなかった…夢の中だけの存在だと思っていた…。
あの船にいた夜感じ、放たれた謎の『力』…。
アレはずっと…夢の中だけのものと思っていた。
でも、違ったんだ…アレは確かに存在する。


あの時…俺はそれを否定した…『あの時…』




ポケットモンスター第11話 「変化」 完






今回のレポート


移動


108番水道→カイナシティ


10月11日(ポケモンリーグ開催まであと141日)


現在パーティ


ヌマクロー

グラエナ

ラルトス

スバメ

キノココ

ツチニン


見つけたポケモン 19匹

ズバット

キバニア



おまけ



その11 「ハルカ参上!」




はぁい、おまたせー♪
あ・た・しがハルカでーす♪
今回のヒロインはあたしよ♪
とりあえず今回はあたしのストーリーだから…。

あんた達! 美しくはかなく散りな!



(説明の部分取るなぁー! つーかあとどっかで聞いたような台詞も使うなぁー!)





ハルカ 「いけぇい! モンスターボール!」

ラクライ 「ラクッ!?」

ボヒュン!

…………。
………。
……。
…。

ブフンッ!

ハルカ 「やったー! ラクライゲット!」

あたしは今110番道路にいた。
ポケモン図鑑完成のためにはここはどうしても通らないといけない所。
ラクライをはじめ多くのポケモンがここには生息しているわ。

ハルカ 「そういや、今ユウキ君どうしているだろ?」

ユウキ君…今思えばついこの間ミシロタウンに引っ越してきた彼。
今、ポケモンリーグ出場を目指しているそうだけど…どこにいるだろ?
普通だったら時間ないから最短ルートでこの110番道路は通らざるをえないはずだけど…。
ちなみにあたしってば今ユウキ君がくるまでここで張っているわけね♪

ハルカ 「ユウキ君自転車は持っていないはずだけど…サイクリングロード通っていないよね?」

カイナからキンセツに行くには2つのルートがある。
1つは110番道路。
そしてもう1つはここの上を走るサイクリングロード。
もし上を通られたらわざわざキンセツへ行って自転車手に入れたのに110番道路通った意味ないじゃない!

ハルカ 「なんかユウキ君のこと考えてたらお父さんのこと考えちゃったな…」

お父さんどうしているだろう…元気かな?
…もし、あたしのお父さんがセンリさんだったらどんな娘になっていただろう?

ハルカ 「………」
ハルカ 「…きっと無知で馬鹿だけど可愛くてスタイルもよく、格闘技の達人ね!」

…て、なんだそりゃ…。
いくらなんでもぶっ飛びすぎかな…
最初はともかくなんで格闘技の達人なのよ…。
きっとポケモンを素手で倒すんでしょうね…。
100キロくらいならリフトアップできるかも…。

ハルカ 「て…だから!」

なんか、意識が別の方に言っている気がする。
もしかして別のキャラの意思が流れ込んでいるの!?
…でも、別のキャラの意思って誰だろ?

(お前だよ!)


ハルカ 「は!? いま紙の声が聞こえたような気が!?」

(それを言うなら神だ!俺の場合作者だけどな!)


ハルカ 「…冗談だりゅん♪」

(仙台帰れ! つーか二度と出てくるな!)



おまけその11 「ハルカ参上!」 完

外伝

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