ポケットモンスター サファイア編




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第39話 『待っています』





ナギ 「私は何を考え行動しているんだろう…」
ナギ 「なぜ、こんなことをしているんだろう…」
ナギ 「ユウキさん…私は、本気のユウキさんと戦ってみたいです…」
ナギ 「私しかジムリーダーがいないとか任せられないとかなんてきっと上辺です…」
ナギ 「本当は…」







『12月5日:午前6時00分 ナギの部屋』


ユウキ 「う…ん?」

突然目を覚ますと違和感を感じる。
まず、自分が座っているということ。
恐らく考える人のような座りかただろう。
…て、ちがう。

ユウキ 「ここは?」

そこは全く見慣れない部屋だった。
どう見ても女の子の部屋の配置、個室。
俺は記憶を可能な限り検索する。
検索中…検索中…検索結果、該当あり。

ユウキ 「そうか、ナギさんの部屋か」

思い出した、昨日はナギさんの部屋でついうとうとして眠ってしまったんだ。

ユウキ 「て、ナギさんは!?」

気がつくとベットにナギさんの姿は無いじゃないですか!?
いったいこれどういうこと!?

ユウキ (時間は…6時? 朝の?)

早いな…。
しかし、ナギさんが部屋にいないのはどういうことかな?
ただの用足しなら杞憂ですむが…。

ユウキ 「……」

俺はナギさんを探すことにする。
立ち上がる時、無理な姿勢で眠ったことが祟って体の節々が痛かったのは言うまでも無い。



…………。



ユウキ (部屋の外にはいないな…)

少なくとも見渡す限り通路上には見当たらない。
隣の先生の個室にもいる様子はなかった。


先生 「ナギがいない?」

ユウキ 「はい、それでこっちにいるのかと思ったんですが…」

先生 「…一体どこへ行ったんだろうか?」

ユウキ 「俺、心配なんで探してみます!」

先生 「ああ、私も探す」

ユウキ 「はい!」


その後、1階も探した。
お姉さんにも聞いた。


マヤ 「ナギちゃん? ここを通ったのなら見かけるしね…」

ユウキ (と、いうことは玄関を通らなかったのか?)

少なくともここを通らなかったら外には出られない。
でも、中にいるとは思えない。
…ここは、発想を逆転させてみよう。
どこへ行ったかじゃなく、どうやって行ったか。

たしか、以前(といっても昨日だが)どうやってか朝早くに庭を歩いていたよな?
その時どうやってかは聞かなかったけど、とにかく秘密の道があるから庭にこれたんだ。
ということは、これまでの行動から考えても誰にも見つからず、なおかつ誰にもばれないでナギはここを出られるんだ。

マヤ 「ああ、そうそうポケモン達が待っているわよ」

ユウキ 「え…?」

そういえば、ポケモンたちは俺の部屋に出しっぱなしだったな。
でも、待っているって?

チルット 「やっと来たっすか」

ラグラージ 「ラグ…」

ユウキ 「チルットとラグ…ほかは?」

ロビーからはチルットとラグラージが姿を現した。
後の4匹の姿が無いのは気になるが…。

ラグラージ 「ラグ…」

ユウキ 「モ、モンスターボール?」

それは俺のモンスターボールだった。
ラグが俺のモンスターボールを持ってきたのか?

チルット 「早く行くっす! おいら達きっと必要っすよ?」

ラグラージ 「ラグ♪」

ユウキ 「お前ら…」

こいつらが何を考えているのかはわからない。
だが、いつまでも自分のポケモンたちを放っておく事はできないよな。

ユウキ 「戻れ、お前ら」

俺はボールを受け取ると2匹をモンスターボールに戻す。
そして、ボールは腰のボールラックにはめる。

ユウキ (さて…どこへ行く?)

今度はナギさんのいる場所だ…。
ナギさんがいなくなった理由はなんだろうか?
…俺か?
だとすると、何を考えて行動を起こした?
俺が因果ならきっかけは…やはりポケモンか。
そして結果は…?

ユウキ 「もしかして…あそこか?」



俺はひとつの場所を見定めると、迷わずその場所に向かった。


ロビーの横を通り、123号室に入る。
入ったら、すぐに庭に出る。
そして俺はそのまま、誰がとおったかもわからない獣道を進む!




…………。




『同日:某時刻 大きな木のある広場』


ナギ 「ラ〜ララ〜ラララ〜ラ〜」

秘密の場所に着くとナギさんはいた。
ただ、いつもと服装が違う。
今日はパジャマじゃなくてなんだかハングライダーのスーツのような服装だった。
ご丁寧にヘルメットまで被っている。
そして、誰にも気付かず歌を歌っているようだった。

ユウキ 「ナギさん…」

ナギ 「ララ? ユウキさん…やっぱり来てくれた」
ナギ 「来なかったら諦めようかなって思ってたけど…」

ナギさんは俺を待っていたようだ。
どことなく異様な雰囲気がある…。

ナギ 「ユウキさん、ジム戦をしましょう」

ユウキ 「ジ、ジム戦? なぜ…いきなり?」

ナギ 「わかるから、ここに来てくれたんでしょう?」

ユウキ 「……」

わかる…か。
わからないな。
それでいいのかどうか…。

ユウキ 「やるからには、本気でいくぜ」

ナギ 「そうでないと、悔いが残るだけです」
ナギ 「私は、悔いを残したくないんです」

ユウキ 「……」

ナギ 「使用ポケモンは4体!」
ナギ 「先制はジムリーダー」
ナギ 「ポケモンの途中交代は挑戦者のみ有効!」
ナギ 「道具の使用は禁止!」
ナギ 「これよりヒワマキジム第19戦を開始します!」

ナギ 「いきなさい! オオスバメ!」

オオスバメ 「スバーッ!」

ユウキ 「…いけ、ボスゴドラ!」

ボスゴドラ 「ボース!!」

俺はボスゴドラを出す。
飛行技やノーマル技ではボスゴドラを倒すのは不可能に近い。
まずは、一勝目をいただく。

ユウキ 「ボスゴドラ! 『かえんほうしゃ』!」

ボスゴドラ 「ゴド!!」

ゴォォォォ!!

俺は気がついたら覚えていたこの『かえんほうしゃ』でオオスバメを攻撃させる。
オオスバメはそれを巧みにかわす。

このフィールドは円形の芝生のようなフィールド。
特徴は真ん中に立つ一本の大きな木。
あの木がどうにも邪魔だな…。

ナギ 「オオスバメ! 『つばさでうつ』!」

オオスバメ 「オオスバーッ!」

ドッ!

ボスゴドラ 「ゴー!!」

オオスバメの『つばさでうつ』はボスゴドラにクリーンヒットするがボスゴドラは全くダメージを受けた様子は無い。

ナギ 「やはり、こんな技は…」

ボスゴドラ 「ゴド!」

ドカァ!

オオスバメ 「スバッ!?」

オオスバメは俺のボスゴドラの『アイアンテール』をモロに受けてしまう。
命令なしでの攻撃だったが、的確にダメージを与えたのだから問題ないか。

ナギ 「大丈夫!? オオスバメ!」

オオスバメ 「オオ…スバーッ!!」

オオスバメは皮一枚つなぎとめたといった感じだった。
もう一発、かすりでもしたらダウンだろう。

ユウキ 「ボスゴドラ! 『かえんほうしゃ』!」

ボスゴドラ 「ボスゴー!!」

ナギ 「かわして! オオスバメ!」

オオスバメ 「スバー!」

オオスバメはボスゴドラに急速接近しながら『かえんほうしゃ』をよける。

ナギ 「よし! 『がむしゃら』!」

オオスバメ 「オオスバーッ!!」

ドコォ!

ボスゴドラ 「……」

オオスバメ 「……」

ユウキ 「ボ、ボスゴドラ…」

ボスゴドラはがむしゃらをクリーンヒットで受けてしまう。
音は微妙だった。
しかし、それがかえって恐ろしい。

がむしゃらは我武者羅。
自分がピンチならピンチなほど絶大な攻撃力を誇る。
恐ろしいのは自分の体力とほぼ同じくらいまで減らしてしまうという効果だ。

ユウキ (と、いうことはボスゴドラは…)

ボスゴドラ 「ゴド…」

ボスゴドラは苦しそうに手を地に付けた。
まずい! 今の状態は!

ナギ 「オオスバメ! 『でんこうせっか』!」

オオスバメ 「スバーッ!!」

ドカァ!

ボスゴドラ 「ボス〜…」

ズシィン!!

ボスゴドラはその重い巨体を沈めた。
くっ、ボスゴドラ、ダウンか。

ユウキ 「もどれ、ボスゴドラ」
ユウキ 「いけ! コータス!」

コータス 「コー!」

俺は2匹目にコータスをだす。
はっきりいって賭けだ。
下手をしたらもう一度『がむしゃら』を受けてしまう。
そんなことになった足の遅いコータスは大ピンチだ。
しかし、サーナイトにあれを受けさせるわけにはいかない。

ユウキ 「コータス! 『かえんほうしゃ』!」

コータス 「こー!」

ナギ 「かわして、『がむしゃら』!」

オオスバメ 「スバー!」

オオスバメはやはり、そう簡単には当たってくれない。
もとよりスピード差がはっきりしすぎている。
しかし、諦めるわけにはいかない!

ユウキ 「ちぃ! ダメージ覚悟! 『ほのおのうず』!」

コータス 「コー!!」

俺はコータスに『ほのおのうず』を命令する。
この技は遅効性だ。
『がむしゃら』は直撃! しかし!

ドコォ!

相変わらず、芯に響くようなダメージ。
しかし、オオスバメは…。

オオスバメ 「オオ…スバ〜…」

ナギ 「オオスバメ…ダウンですね」

これでイーブンだな。
もっとも、コータスは『がむしゃら』を受けてしまったからにはもう後がないのだが。

ナギ 「二匹目はこれです! いきなさい、ペリッパー!」

ペリッパー 「ペリー!!」

ユウキ (ペリッパーか、徹底的に倒す気だな)

水タイプでもあるペリッパーはコータスにとって最悪の相手だ。
せめて、一発当てられれば十分か…。

ユウキ「『かえんほうしゃ』!」

ナギ 「避けて、『みずでっぽう』よ!」

コータス 「コー!」
ペリッパー 「ペリー!!」

ゴォォォォ! ピシャアアア!!

コータスは当然満足に回避することもできず、直撃してしまう。
逆にペリッパーはかわした後に攻撃してくる。
ここまでで大体ナギさんの戦い方がわかってきた。
ナギさんは基本的に後の先をとって戦う。
飛行タイプの抜群の速度と追従性があってこその技か。

ユウキ 「すまんな、負け戦なんかさせてしまって…もどれコータス」
ユウキ 「いけ! サーナイト!」

俺は3体目にサーナイトを出す。
もう、温存している余裕なんてない。
ここから一気に連続勝ちを狙わなければ勝ち目は無いだろう。

ナギ 「たしか、『10まんボルト』を使うサーナイト…いよいよでてきましたか」

以前、一度見せているからな…向こうもある程度慎重にやってくるだろう。
だが、こっちもあの時全てを見せたわけじゃない。
今回はサーナイトにはフルパワーでやってもらうぞ!

ユウキ 「ナギさん、意思疎通ってあると思います?」

ナギ 「? どうでしょうか、わかったりそういうのもある気はしますが…」

ユウキ 「…今日のサーナイトにはいつも以上に働いてもらわないといけない」
ユウキ 「以前と同じ感覚で相手にすると怪我じゃすみませんよ?」

ナギ 「…もとより、油断する気にはなれません」
ナギ 「私はジムリーダーですから、どんな相手でも全力でお相手させてもらいます」

ユウキ 「そうであってほしい…」

じゃないと、効果がはっきりしないからな…。

ユウキ (やるぞ…サーナイト!)

サーナイト (! …はい)

今の俺たちなら言葉無しで戦うことができるはずだ。
以前、ボスゴドラに襲われた時、こいつはテレパシーを送ってきた。
なら、逆もいけるはず。

ユウキ (『サイコキネシス』!)

サーナイト 「はぁ!」

ナギ 「いきなり!? ペリッパー!」

しかし、遅い。
サーナイトの『サイコキネシス』は既にペリッパーを捉えて束縛している。

ユウキ (そのまま、地面に叩きつけろ!)

サーナイト 「ふぅ!」

ドカァ!

ペリッパー 「ペリッ!?」

ナギ 「ペリッパー!?」

ペリッパー 「ペ、ペリー!」

ペリッパーはまだまだ元気だった。
打たれ強いこって…。
しかし、ナギさんはあまりに不思議な顔をしている。

ナギ 「あなたはサーナイトに命令をしない」
ナギ 「そして、サーナイトはそれなしで答えられると!?」

ユウキ (ちょっとちがうんだよな…これが)

サーナイト (ですね、はい)

命令はしている。
ただし、テレパシーで。
サーナイトのサイコパワーが増したせいか、脳の回線が増えたようで。
送信と受信が同時にできるようになったみたいなのだ。
早い話、読心術がつかえるようになったということだ。

ユウキ (次は『10まんボルト』)

サーナイト 「はぁっ!」

ナギ 「ペリッパー、『まもる』!」

ペリッパー 「ペリー!」

ペリッパーは俺のサーナイトの『10まんボルト』から『まもる』でノーダメージ。
さすがに、簡単にはいきそうに無い。

ユウキ (うく…考えるだけの命令って言うのは…疲れる…な)

精神的疲労が異常に高まっている。
このままだと持つのはあと、5分…いや4分っていうところか?
う〜む、危険だが速攻で戦ってみるか?

ユウキ (サーナイト、『10まんボルト』!)

サーナイト 「はっ!」

ナギ 「かわして! そして『みずでっぽう』!」

ユウキ (『テレポート』、座標上、その後『サイコキネシス』でフェイント、本命は『かげぶんしん』で翻弄)

サーナイト 「いっきまーすよー!!」

まず、『みずでっぽう』を『テレポート』でかわすと、サーナイトは中心の木の天辺付近に出現し、ペリッパーを見下ろす。

サーナイト 「はぁあっ!」

続いて、『サイコキネシス』。
『サイコキネシス』の膜がペリッパーを捉えようとする。

ナギ 「『まもる』よ!」

ペリッパー 「ペリリー!」

当然、ナギさんは『サイコキネシス』から逃れるため、『まもる』をつかう。
『サイコキネシス』は回避し難い。
機動というものがまるで無いこれは相手に自分の位置を確認させないようにでも戦わないとまるで回避は出来ない。
ようは、見ればあたっているような物なのだ。
そこで、ナギさんは的確にダメージを0にする技『まもる』を使ったのだ。
しかし、『まもる』は連続使用には大変なリスクがある。
今回はフェイントだ、つまりナギさんのミスだ。

サーナイト 「!!」

ヒュンヒュンヒュン!

『サイコキネシス』の膜がペリッパーを包む寸前で膜は弾け消え、それと同時にサーナイトは10体ほどの影分身の中に姿を消す。

ナギ 「う…、まさか『かげぶんしん』が本命とは…」

そのとおり、て考えるだけでも疲れるな…。
さてと、ささっと終わらせないと俺の精神力が尽きる。
なれないことを本番でいきなりやるもんじゃないな…。

ユウキ (相手はもう守れない! 『10まんボルト』だ!)

サーナイト 「せぃのっ!」

バチィン!!

ペリッパー 「ペリリー!!?」

どこからともなくペリッパーは感電する。
ペリッパーは水であり飛行であるから電気タイプの技にはとことん弱い。
それゆえにナギさんも電気タイプやその技には警戒していただろう。
もともと、電気というものは光ったら当たるといったもの、見てから回避は出来ない。
ただし、電気と言うのは気温や重力、大気によって進む方向性をがらりと変える。
電気の光が絶対に直線を描かないのはそのためだ。
そのため、当てるにはより確実な条件を作らないといけない。
汗ひとつでそれこそ1ミリリットルにも満たない汗が電気の誘導性を左右するんだからな。
見てから回避は無理でも、見る前に回避はできるのだ。
電気技は『かわす』よりも『当てる』方がむずかしい。
今回は『かげぶんしん』のかいもあってペリッパーは成す術無く、直撃した。

ペリッパー 「ペリ〜…」

ナギ 「〜〜、ペリッパー、ご苦労様です」

ペリッパーはピクピクしている。
ナギさんはペリッパーをボールに戻すと三匹目の飛行ポケモンを繰り出す。

ナギ 「お願いします! エアームド!」

エアームド 「エアー!」

ユウキ 「エアームドか」

そういやダイゴさんも使っていたな。
それに比べるとやや小柄。
だが、強さはあなどれないだろう。

ユウキ (では、こっちも作戦Bといこうか)

サーナイト (作戦B?)

サーナイトめ…読まんでもいい心まで読みおって。
自分のまいたタネだから仕方ないんだがな。

ナギ 「まずは本物を見つけます!」
ナギ 「エアームド! 『スピードスター』!」

エアームド 「エアー!」

ヒュンヒュン!

エアームドのクチバシから正体不明の星(スタア)が飛んでくる。
この技なぜか絶対に当たる。
まさしく正体不明。
ちなみにスピードスターとは物凄く素早い物に対して流星の様だからということで使われる比喩だ。
しかし、そんなことお構い無しにスピードスターは的確にサーナイトに飛んでいく。

ユウキ 「サーナイト! 『テレポート』!」(『10まんボルト』!)

サーナイト 「はぁっ!」(ええっ!? どっちなの!?)

バチィン! ビシビシビシビシ!

相打ち。
結局サーナイトは命令の矛盾を片方だけ取ることで解決した。
その結果出したのが『10まんボルト』。
どのみち『テレポート』をしても『スピードスター』から逃れられるわけはない。
ただの勘かそれとも培われた力かは知らないがサーナイトにしては上出来の判断といえるか。
そしてナギさんはそんな精神世界での戦いなど露知らず…。
エスパータイプ育てると第6感を使用することになるよ…。
エスパータイプのポケモンを使っているって言っても俺くらいかもしれないけど…。

ナギ 「どうやら、相当ジム戦のために仕込んできたようですね」

ユウキ 「まぁ、そんなところかな?」

実は二つともぶっつけ本番。
リハーサルも無ければ口約束もない。
サーナイトを信じて命令するのみ!

ユウキ 「サーナイト、『サイコキネシス』!」(『10まんボルト』!)

サーナイト (ええい! こんどはこっち!)

ナギ 「エアームド、『エアカッター』!」

エアームド 「エアー!」

ヒュン!! ザシュゥ!

サーナイト 「くぅっ!?」

サーナイトは『サイコキネシス』を使う。
エアームドにダメージは少ないが、その代わり『エアカッター』は少しのダメージで済んだ。
もし『10まんボルト』を使っていたらエアームドを倒すことは確実だったかもしれないがこっちもやられていたかもしれない。
そういう意味ではよかったのかもな。

ナギ (くっ…どうしてもサーナイトが一枚上手にいく…)
ナギ (それに言葉と使用する技が一致しない…全く法則性が無い)
ナギ 「くっ! 『スピードスター』よ!」

エアームド 「ムドー!」

エアームドは三度襲い掛かってくる。

ユウキ 「『10まんボルト』だ!」(『10まんボルト』!)

サーナイト (あ、今度は簡単)

今度はシンプルな命令。
サーナイトを混乱させないしな。
そして、これで最後だ!

ナギ (そうだ! こうなったら!)
ナギ 「『こうそくいどう』!」

エアームド 「エアー!!」

エアームドは急速にスピードを上げて宙を飛ぶ。
そのまま『10まんボルト』を避ける。

ナギ 「真ん中の木を利用して戦うのよ!」

エアームド 「エアー!」

エアームドはそのまま木の後ろに隠れてしまった。
案の定、あの木がこの戦いのターニングポイントになるか。

ユウキ 「『サイコキネシス』だ!」

俺は構わず木の後ろにいる筈のエアームドに『サイコキネシス』を放たせる。

ナギ (やった! かかった!)

サーナイト 「!? いない!?」

ユウキ 「あんだって!?」

サーナイトは木の向こうの気配を感じ取る。
そしてサーナイトは木の後ろにエアームドがいないとわかった、その時。

ナギ 「おさえこんで!」

サーナイト 「!?」

エアームド 「エアー!!」

ユウキ 「後ろ!?」

エアームドは突然真上から前のめりにサーナイトを地面に押さえつける。

サーナイト 「わわわっ!?」

ナギ 「エアームド! 『スピードスター』!」

ユウキ 「サーナイト、すまん! 『10まんボルト』!」

サーナイト 「びびでばびでぶー!!?」

エアームド 「!?」

エアームドは鋼タイプ、といってもちゃんとした生き物だ。
ただ、表面が鋼でできているだけ。
そのため抜群の硬さを持つわけだが、この場合エアームドの表面を通ってサーナイトも一緒に感電してしまう。
加えて、『スピードスター』まで受けている始末。

サーナイト 「バタンキュウ〜…」

エアームド 「エ〜…ムド〜…」

ナギ 「ありがとう、必ず勝つからね、エアームド…」

ユウキ 「よぅやった、埋め合わせは考慮しておこう」

俺たちはポケモンをボールに戻す。
予想外の大苦戦で迎えた最後のポケモンか。

ナギ 「私の最後のポケモンはこの子です」
ナギ 「いきなさい! 『チルタリス』!」

チルタリス 「チルー!」

ここまで、オオスバメ、ペリッパー、エアームドと来た。
最後のポケモンは『チルタリス』か。

たいして、俺はボスコドラ、コータス、サーナイトとだした。
残っているのはラグラージ、リリーラ、チルット。

ユウキ 「俺は、このポケ…!」
チルット 「呼ばれてないけどジャンジャジャーン!!」

ユウキ 「おかしいと思った…いつもならもっと早く出てきているのに…」

これで通算4回目…。
アスナさん、パパ、ナギさん(ノーコンテスト試合)、そして今回。
やつは新たに仲間に加わってからジム戦がある度に俺のプランを滅茶苦茶にしてきた。
そして、今回もそうらしい。
よりによってこの絶体絶命の状態で出てきますか?

ユウキ 「チルット〜…」(怨)

チルット 「終(とり)はオイラに任せるっす!」

ユウキ 「鳥と終(とり)をかけるなー!!」

こいつそんな下らないネタをためにジム戦台無しにする気か!?

ナギ 「もしかして…チィ君?」

チルット 「おんや? 誰っすかそれは? オイラ程の美鳥は二匹といるわけないじゃないっすか」

ユウキ 「御託はいい…とにかく勝つぞ」

もはや、それしかない。
ちなみに俺のHP140/300。
AP4/40(サーナイトで消費しすぎた…)。
精神力39/100(サー…以下略)。

チルット 「では、セレモニーとして一曲」
チルット 「ゆわっしょっく!!」

ユウキ 「歌うなー!!」(ユウキは18のダメージ…のこりHP128)

ナギ 「くすす、おもしろいですね」

ユウキ 「……」(精神ダメージ8…のこり精神力31)

ああ…アニ○スピリチア…貴様の歌は刺激美過ぎる…。
チルットめ…泣かす…後で絶対泣かす…。

ナギ 「さぁ! 最後の戦いを始めましょう!」
ナギ 「チルタリス! 『みだれづき』!」

ユウキ 「チルット! 木の枝の中に逃げろ!」

チルット 「ラグラージ少佐だって、戦って出世したんだ!」

しかし、チルット命令無視。

ユウキ 「よせチルット! 我々は偵察が任務だー!!」(精神ダメージ4…のこり27)

チルタリス 「タリリ!」

ドスドスドスドス!!

チルット 「ギャラパ!?」

しかし、チルットはやはりやられてしまう。
認めたくないものだな…自分の若さゆえの過ちというものは…。(精神ダメージ1…のこり26)

チルット 「つぅ…」

ユウキ (ちぃ…冗談はここまでだな)

チルットは予想以上にダメージがでかい。
もともと進化前だけにそれほど打たれ強くない。
ボケるためには命惜しまんのは勝手だが、俺に損害を与えないで欲しい物だ。

ナギ (どうやら、チルットはまだ成長段階のようですね…ならば!)
ナギ 「いっきにけりをつけます! 『りゅうのいぶき』!」

チルタリス 「タリー!」

ゴォォォォ!

チルタリスの口から強力なブレス(いぶき)攻撃がチルットを襲う。


りゅうのいぶきは竜の息吹。
ドラゴンタイプの数少ない技で、その通り攻撃力を持った息吹である。
その息吹には相手を麻痺させる効果もあり、大抵のポケモンに対して有効なダメージを与える。

チルット 「く、う…なめんな…よ〜…」

チルットはチルタリスの『りゅうのいぶき』を受けながら呟く。
それにしてもチルタリスは何秒吐き続けられるんだ!?
すで10秒以上吐いているぞ!?

チルット 「負けてたまるかー!!」

キイィィン!! ドォンンッ!!

ナギ 「きゃっ!?」

ユウキ 「ちぃ!?」

突然光ったかと思うと息吹で爆発する。
もともとこういうブレス系の攻撃はたた爆発することがある。
大抵、アニメとかならその後は倒れているのみだが。

ユウキ (あの爆発前の発光が気になったが…?)

もしかしたら…そんな気がした。
そろそろ…な。
そして、爆発の煙が今だ薄まらぬ時…。

チルタリス 「チルルー!!」

チルタリスが煙の中から姿を現す。
ただし、『2匹』だ。


ポケモン図鑑 『チルタリス:ハミングポケモン』
ポケモン図鑑 『高さ:1.1m 重さ:20.6Kg タイプ:飛行 ドラゴン』
ポケモン図鑑 『美しいソプラノで歌うポケモン』
ポケモン図鑑 『綿雲のような翼で上昇気流を受けて大空へ舞い上がる』


ユウキ 「キター! 我が世の春がついに来たー!!」

そろそろ進化してもおかしくないとは思っていたんだよな!
何のためにこれまでチルットとリリーラを重点的に育ててきたか!
これでわからなくなった!

チルタリス 「ぜーはーぜーはー…進化できなかったら死んでいたかも…」

ユウキ 「なにを言う! 進化とは生存競争よ!」

チルタリス 「…まぁ、これで5分5分(イーブン)っすかね?」

ナギ 「やはり、進化ですか…」

ナギさんの方は諦めたような顔こそしているが、やはり苦い顔だ。
こうなることはどこかで予想していたようだったしな、だからそのために速攻で決めようとしたんだろうが。
その結果、追い詰められた状況を打破するためにチルタリスは進化したようだ。
本当ならもっと早く進化していてもおかしくなかった。
どういうわけかここまで引っ張ったが、これで戦える!
こっちの方がダメージは負っているが、レベルならこっちの方が上だ!

ユウキ 「よし、チルタリス!『 りゅうのいぶき』!」

チルタリス(ユ) 「ぶふぁああああっ!」

ナギ 「くっ! こっちも『りゅうのいぶき』!」

チルタリス(ナ) 「タリー!」

ゴォォォォ! ドォォォン!

互いの『りゅうのいぶき』がぶつかり相殺しあい、爆発を起こす。
またか!?

ナギ 「くうっ!? 『つばめがえし』!」

チルタリス(ナ) 「チルルー!」

ユウキ 「チルタリス!」

チルタリス(ユ) 「かわせなくたって!」

キィン!!

爆発で全く見えない中戦いは続いている。
今、不思議な音がした。
今までのバトルでは聞いた事の無い音だった。
そして、煙は風に流され消え去る。

チルタリス(ユ) 「痛た…」

ユウキ 「大丈夫か!?」

チルタリス(ユ) 「向こうよりは…」

ユウキ 「むこう?」

俺はナギさんの方を見る。

チルタリス(ナ) 「チルル〜…」

ナギ 「チ、チルタリス!?」

ユウキ 「な…!?」

見るとナギさんのチルタリスは左翼の一部が『凍って』いた。

ユウキ 「な、何をしたんだ…チルタリス?」

チルタリス(ユ) 「ボスゴドラさんが『かえんほうしゃ』を使えるようにオイラも2つの技を隠していたっす」
チルタリス(ユ) 「さっきやったのは『れいとうビーム』っす」

そうか、『れいとうビーム』を…。
しかし、チルタリスもボスゴドラも使えるとするとサーナイトも何か隠しているんだろうか?
アイツはまだこいつらと違って普通の感じがするんだがな?

ユウキ 「でも、もうひとつは?」

チルタリス(ユ) 「そいつは教えられないっす」

ユウキ 「なぬ?」

チルタリス(ユ) 「隠し技は隠してこそっす、そう簡単には見せられないっす」

秘密理論かよ…しゃあねぇな。

ユウキ 「だが、まぁいい! もう一度『れいとうビーム』!」


チルタリス(ユ) 「フリーザーストーム!」

訳のわからん掛け声で口元に冷気を集める。
どうやらチャージ時間が若干かかるらしい。

ナギ 「ううっ! 『りゅうのいぶき』!」

チルタリス(ナ) 「タリー!」

今度は『れいとうビーム』と『りゅうのいぶき』の激突。
しかし…。

キィン!!

チルタリス(ナ) 「タリーッ!?」

収束されたレーザー、『れいとうビーム』は範囲重視、散開したブレスを貫通してチルタリスを襲った。
『れいとうビーム』は言うなれば槍か…強固な盾をも貫く一撃。
これが決定打か。

ナギ 「チルタリス…」

チルタリス(ナ ) 「チルル…」

チルタリスは辛そうだった。
どうするかはナギさん次第だが…。

チルタリス(ユ) 「もう、無理はよくないっす」
チルタリス(ユ) 「これ以上は危険っす…」

ユウキ 「……」

声を出したのは俺のチルタリス。
チルタリスは真っ先にこれ以上バトルの続行は止めた方が良いと言う。
…そうか。

ユウキ 「ナギさん…」

ナギ 「…ありがとう、チルタリス」

ナギさんは俯くとどっちにとわからずそう呟く。
俺は勝利を確信するとナギさんに近づく。

ナギ 「ユウキさん、参りました」

ユウキ 「…ありがとう」

ナギ 「え?」

ユウキ 「…なんだか、そう思う…やっぱりこの快感は忘れられないな」

ナギ 「…ふふ」

ナギさんは突然、いつもの笑いを始める。
ああ、やっと終わった…。
さすがに4体戦は辛いな…。

ナギ 「…やっぱり、ユウキさんはもっと上の人ですね」

ユウキ 「上…?」

ナギさんはそう言って上を見上げ、そして言う。

ナギ 「私、怖かった、ジム戦をしたい裏腹、ユウキさんがどこかへ行ってしまうことが」
ナギ 「私は弱いですから…またひとりになるのが怖かった…」

ユウキ 「ナギさん…俺」

ナギ 「やっぱり、行っちゃいますよね?」

ユウキ 「ナギさんが止めるなら…」

俺がそう言うとナギさんはクスッと笑う。

ナギ 「嘘はよくありません、あなたは嘘も冗談も言うんでしょう?」

ユウキ 「い、言うけど…!」

ナギ 「それに…私、ユウキさんが本当に私の事を想っているのがわかったから…」
ナギ 「だったら、待ってみたいとおもいます」

ユウキ 「…ナギさん…」

ナギ 「それに…これ、本当は言いたくなかったけど、この街にいられると迷惑です」
ナギ 「嫌がることはしないのが信条なんでしょ?」

ユウキ 「……」

俺はさすがに苦笑して頭を掻いた。

ユウキ 「戻ろうか、離れようが近づこうがナギさんはいるしな…」

ナギ 「ふふっ…先生カンカンだろうなぁ〜…」

ユウキ 「一緒に謝ってやるよ、同罪だしな」

ナギ 「ばれなきゃ罰はないですよ?」

ユウキ 「じゃ、嘘つくか」

ナギ 「そうですね…やさしい嘘なら…いいですよね」

俺たちはそう言いながら戻る。
その時俺はナギさんがとても安心して暖かく感じた。

チルタリス 「めでたしめでたしっすね」

ユウキ 「…さっさともどっとけ」

チルタリス 「あ〜やだやだ、もう出番終わり?」



…………。
………。
……。



『次の日…12月6日:午前6時00分 ポケモンセンター』


ユウキ 「ん…?」

俺は123号室のベットで眠っていた。
昨日はたった二人のジム戦を行った後、すぐに先生の病院に戻った。
先生はその間街中を探していたらしかった。
当然、凄く怒っていた。
しかし、諦めた模様、なぜならあのナギさんの幸せそうな顔見たらな…。
そして、ナギさんのポケモンと俺のポケモンは激戦のジム戦のためポケモンセンターに預けたままだった。

カサッ。

ユウキ 「ん?」

ベットに一枚の葉書があることに気付く。
それを手にとって目を通してみると。

『秘密の場所で待っています』

とだけあった。
差出人は不明…まぁ、わかるけどな。
それにしてもどうやって俺の部屋を知ったのか?
また、いつの間に置いていったのか?

ユウキ 「……」

俺は一緒にこの街を出る荷物を急いで整えた。
そして、部屋に鍵を閉め、ロビーに向かう。
ロビーで一晩預かってもらったポケモンを回収すると俺は例の場所に向かうのだった…。



…………。
………。
……。



ユウキ 「いきなりこういうの出されても気付かなかったらどうする気だったんだ?」

ナギ 「気付かないはずが無いって確信して思いました」

一本の大きな木のある広場。
俺とナギさんの秘密の場所。
時刻は書いていなかったので少しゆっくり着てしまった。
今度は普通の私服だ。
昨日のようなライダースーツ(?)でもなければパジャマでもない。

ユウキ 「いつから待っていた?」

ナギ 「今来た所です」

ユウキ 「嘘だな」

ナギ 「はい、その通りです」

ナギさんは笑顔のままそんなやり取りをする。

ユウキ 「で、なんでここへ?」

ナギ 「…これ、受け取ってください」

ナギさんはそう言ってひとつのバッジを差し出す。

ユウキ 「フェザーバッジね、謝謝」

それはフェザーバッジだった。
俺にとっての6つ目のバッジ…これにはとても重みがある。

ナギ 「すぐ、行くんでしょう?」

ユウキ 「…ああ、時間ないからな」

そう、俺はすぐにこの街を出る。
何故ならナギさんは俺がこの街にいるのは迷惑だそうだからな。
だったらさっさと退散だ。
嫌がることはしないのが信条だからな。

ナギ 「私はユウキさんが好きです」
ナギ 「これ、告白にならないですね…もうすでに」

ユウキ 「そんなの言葉にする必要も無いからな…」

ナギ 「でも、言葉にしたくなるんですよ、女の子って」

ユウキ 「そうか?」

ナギ 「はい…」

それでしばらく言葉が止まる。
ナギさんは幸せそうな顔だった。
未来を…よく見ている眼だ。

ナギ 「ユウキさん…」

ナギさんは突然、体を近づけてくる。
すでに密接しかけの状態だ。

ナギ 「このまま抱きしめられてもいい…でも、そうしたらあなたを見送れない…」
ナギ 「ずっと、そのままでいてほしくなるから…」

ユウキ 「……」

そう…だから、俺もそのまま近くに感じるだけだった。
抱きしめたら、気が揺らいでしまうかもしれないから…。

ユウキ 「ずっと側にいるよ、て言ったらどうする?」

ナギ 「…困っちゃいます、きっと」

ユウキ 「優しいな、ナギさんは」

ナギ 「ユウキさんも優しいと思いますよ」

そうかな…そんなことは結構ないとおもうんだけど?

ナギ 「ユウキさん…」

ユウキ 「ん?」

ナギ 「…キスしてと言ったら、してくれますか?」

ユウキ 「ん…」

ナギ 「!?」

俺は迷わずナギさんの唇を奪った。
ナギさんは驚いたように目を見開いた。
俺はそのまま深くはせず、すぐに離した。

ユウキ 「こうする」

ナギ 「キュゥ〜…いきなり奪うなんてずるいです」

ユウキ 「優しくないからな」

ナギ 「私の…ファーストキスです」

ユウキ 「俺はセカンドキスだがな」

ナギ 「えっ?」

ナギさんは驚いた顔をしていた。

ナギ 「親は無しですよ?」

ユウキ 「さてなぁ〜…」

俺はとぼける。
ナギさんは少し納得していない。
ファーストの相手が余程気になるか?

ユウキ 「さて、俺はもう行くよ」

ナギ 「あ…」

いい加減、ずっとこのままではいられない。
多少名残惜しいがもう俺は行く…。

ナギ 「ユウキさん、私待っています…私を迎えに来てくれる日を…」
ナギ 「そして、その時は…一緒に旅してください!」
ナギ 「一緒に…! 二人で…約束です!」

ユウキ 「ん…約束だ」

ナギ 「その時まで…待っています! ユウキさん…好きです!」

ユウキ 「ん…」

俺は振り返らずそのまま街を出ることにする。
ポケモンリーグが終わったらまた、ここに来よう。
ナギさんを迎えに来るために…。




ポケットモンスター第39話 『待っています』 完






今回のレポート


移動


ヒワマキシティ


12月6日(ポケモンリーグ開催まであと85日)


現在パーティ


ラグラージ

サーナイト

ボスゴドラ

コータス

チルタリス

リリーラ


見つけたポケモン 48匹

チルタリス



おまけ



その39 「祝杯パーティ」




チルタリス 「イェイ♪ 無事ジム戦も終了っす!」

サーナイト 「疲れました〜…」

コータス 「私何も出来ませんでした〜…」

ボスコドラ 「私より活躍したわ…あんた」

リリーラ 「出番なし…」

ラグラージ 「……」

チルタリス 「同じく出番なし、どうしたっすか?」

ラグラージ 「ここで祝杯挙げるか…? 普通…」

ボスコドラ 「なんか問題ある?」

ラグラージ 「だって、ここ『モンスターボールの中』じゃないか!!」

そうなのである。
ポケモンたちは激戦の末モンスターボールのままポケモンセンターに預けられたのだ!
そのためモンスターボールの中なのだ!

ラグラージ 「大体なんで俺達一同に介しているんだよ!?」

チルタリス 「サーナイトさんに頼みましたー!」

サーナイト 「たのまれました」

コータス 「まぁまぁ、無礼講無礼講」

ラグラージ (…いいのかよ)

チルタリス 「んじゃ、おひらき!」

全員 「早っ!!?」




おまけその39 「祝杯パーティ」 完



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