ポケットモンスター サファイア編




Menu

Back Next



ルビーにBack ルビーにNext





第59話 『Champion Load 勝利者への道』






『最終選考期間中(2月21〜2月28日) チャンピオンロード内』



リュウト 「……」

どれくらい進んだろうか?
日の昇らない洞窟内では時間間隔が狂いがちになる。
専属トレーナーや、俺と同じく選考トレーナーたちとの戦いですでにキングドラとコモルーを失ってしまった。
今まで何とか勝ってこれたが、他の仲間たちも数々の戦闘で疲弊しきっている。
あと何戦戦わないといけない?
あとどれ位歩かないといけない?

リュウト (ここからは運試しだな…)

すでにポケモンたちも回復無しでは進める状態ではない。
いかにして戦闘を避けるか、今はその運が試されているらしい。

トレーナー 「そこの君!」

リュウト 「!」

突然、目の前に腕を組んで待ち構えるトレーナーがいた。
白色の服で身を固め、ポケモンリーグと書いてあるバッジを胸元につけているトレーナー。

リュウト (専属トレーナーか!)

専属トレーナーは必ずそのトレーナーが持つポケモン全てを倒さないといけない。
全滅させることによってその先へと進むことが出来る。
しかし、彼らは俺たち選考トレーナーに負けず劣らず強い。
ただでは通してくれんだろう。

専属トレーナー 「この俺を倒せば出口は目の前だ」
専属トレーナー 「君が一番乗りのようだな、だがゴールしたくばこの俺に勝て!」

リュウト 「! …いわれなくたってそうさせてもらう…!」

出口…こいつを倒せば2次選考合格…!
否が応でも気合が入る。
残り4匹か…しったこっちゃない…全力で勝ち抜く!

専属トレーナー 「俺の名はエイジ! 君の実力見せてもらうぞ! いけ! ジュカイン!」

ジュカイン 「ジュカ!」

リュウト 「! ジュカインか!」

専属トレーナーのエイジが最初に出したポケモンはジュカインだった。
ジュカインは鋭い目つきをし、こちらを睨みつける。
正直かなりの強さをしているだろう…。
だが、臆するわけにはいかないな!

リュウト 「! いけ! トドゼルガ!」

トドゼルガ 「ゼガー!」

エイジ 「ほう、トドゼルガか、草タイプのジュカインはトドゼルガの氷に弱いが水タイプのトドゼルガもジュカインの草タイプに弱いのは忘れてないか?」

リュウト 「問題ないさ…このままいく!」

エイジ 「たいした自信だ、ちなみに特別サービスだ、俺はこのジュカインクラスのポケモンを後2匹残している」
エイジ 「空元気でないことを祈るよ! ジュカイン、『リーフブレード』!」

ジュカイン 「ジュカ!」

リュウト 「トドゼルガ! 『オーロラビーム』!」

トドゼルガ 「トドッ!」

俺は直進して突っ込むジュカインに対してトドゼルガには『オーロラビーム』で迎撃を命じる。
だが、まだ複線だ…間違いなくあのジュカインは…『回避』する!

リュウト (問題は俺の予測のパターン上回避パターンは3つ!)
リュウト (左右に直角カーブして避ける2パターンとジャンプして勢いを殺さず接近する1パターンの計3パターン!)
リュウト (どれでくる!? くそ! まだ俺に2手3手先読みは無理か!?)

だが、あのユウキ君やアダンさんはやってきた。
俺が更なる高みへとステップを上げるにはこれしかない!

エイジ 「ジュカイン、かわ…!」
リュウト 「トドゼルガ! やや上に『ふぶき』!」

エイジ 「…せ…なっ!?」

ジュカイン 「ジュカッ!?」
トドゼルガ 「トドー!!」

相手の掛け声と同時に命令を下す俺。
その一瞬に面食らうのはエイジさんだった。
そして、ジュカインは俺の読み通りジャンプして回避してきた。
これが最も時間をかけずに回避して接近できるパターン。
よく言えば最良パターン! 優秀なトレーナーとポケモンほど最良のパターンをとるからな!

グオォォォォォォッ!!

ジュカイン 「ジュカーッ!!?」

ジュカインは見事にトドゼルガの『ふぶき』に巻き込まれる。
効果は抜群だ、どうだ!?

ジュカイン 「ジュカ…!」

エイジ 「やれるのか? ジュカイン?」

ジュカイン 「ジュカ!」

エイジ 「そうか…よし!」

リュウト 「…耐えただと?」

まさか…あの一撃に耐えられるとは。
しかし、見たところジュカインはもうふらふらだった。
恐ろしいことになったな…ジュカインの特性『深緑』…ピンチになると草タイプの技の威力が上がる。
おまけにジュカインのスピードだ、相性がよくともやられる可能性は高いといえよう。

リュウト (後ろはハクリュー、メタング、サナギラスの3匹…あのジュカインを倒すには出来ればこのトドゼルガでやりたい)

仲間は疲弊しているんだ、全快でもやられそうな相手はまだあと2匹ポケモンを残している。
たとえ全部相打ちでもここでまけるわけにはいかない!

エイジ 「よし! 一撃で決めるぞジュカイン! 『リーフストーム』!」

ジュカイン 「ジュッカー!!」

ジュカインの体からはまるで『はっぱカッター』のように緑の葉っぱが文字通りストーム(嵐)のように起こり、それがトドゼルガに襲い掛かる。

リュウト 「大技か! だが! トドゼルガ! 『まもる』!」

トドゼルガ 「ゼガ!」

エイジ 「しまった!?」

しかし、俺のトドゼルガは『まもる』を使用することで強力なリーフストームを見事に無効化した。
そしてその瞬間俺には最大のチャンスがめぐる。

リュウト 「トドゼルガ! 『れいとうビーム』!」

トドゼルガ 「トドー!」

キィン!

ジュカイン 「ジュカー!? ジュカ…」

ドサァ!

エイジ 「ジュカイン…よくやった」

ジュカインはさすがにもう一撃は耐えられずそのままダウンしてしまう。
それを見てエイジさんはジュカインをボールに戻した。

エイジ 「少し焦ってしまったかな…君は中々熱くさせてくれるね…」
エイジ 「それじゃ次の俺のポケモンはこれだ!」

バシャーモ 「シャーモ!」

リュウト 「今度はバシャーモ…」

エイジさんが出した2体目はバシャーモだった。
またも互い効果抜群を狙える戦いか…。

リュウト (しかし、ジュカイン、バシャーモときたか…同等クラスの力のポケモンが残り一体だそうだが…ラグラージか?)

ありえない話ではないと思う。
しかし、そう考えるとトドゼルガがやられると後ろにいるメタングとサナギラスは危ない。
ハクリューはまだ相性よく戦えるが後ろのラグラージにはこれにもメタングとサナギラスが危険だ。
また、そのラグラージが『れいとうビーム』でも持とうものならハクリューも楽観視出来ない。

リュウト (あれこれ考えても仕方がない…行き当たりばったりだが、やるしかないんだ!)

俺は覚悟を決める。
この勝負ここから逆転負けも十分ありえる。
だからこそ…一挙一動を見逃さず、確実に勝つ術を見抜く!

リュウト「賭けだが…トドゼルガ! 『ねむる』!」

トドゼルガ 「ゼガ! ZZZ…」

危険は承知だが俺はあえてここでトドゼルガに『ねむる』を使用させる。
この賭けがどう出るか!?

エイジ 「眠ったか…だが、その状態でどうやってバシャーモの攻撃から身を守るのかな!? 『スカイアッパー』だ!」

リュウト 「こんな方法もある! 『いびき』!」

トドゼルガ 「ゼガガ…!」

バシャーモ 「シャァッ!?」

バシャーモはトドゼルガに接近を試みるがトドゼルガの『いびき』で3メートルほど吹き飛ぶ。

エイジ 「そう来たか、だったらこの時間は…バシャーモ! 『ビルドアップ』!」

バシャーモ 「バシャシャ!」

バシャーモは体を震わせて『ビルドアップ』を行う。
眠っている間は敵が能力アップを行っても妨害も出来ん!
やはり早まったか!?

エイジ 「よし、もう一度だバシャーモ!」

バシャーモ 「シャー!」

バシャーモはなおも能力アップを行う。
これでバシャーモの攻撃と防御は倍くらいか?

エイジ 「さて、それじゃ改めて! バシャーモ! 『スカイアッパー』!」

バシャーモ 「シャーモ!」

バシャーモは地を駆けてトドゼルガの懐に一瞬で入る。

トドゼルガ 「!! ゼガッ!?」

リュウト 「目覚めた!? く! 一か八かだ! 『たきのぼり』!」

俺はもはや手遅れと思いながらも『たきのぼり』を命令する。
バシャーモはすでに屈んでアッパーの態勢に入っている。

エイジ 「いけー!」

リュウト 「トドゼルガーッ!」

バシャーモ 「シャーモ!」
トドゼルガ 「ゼガー!」

バシャーモの拳がトドゼルガの顎を捉える。
しかし、それと同時にトドゼルガが水を巻き上げる。
これなら…!?

バキィ!! バシャアアアッ!!

バシャーモ 「シャーッ!?」
トドゼルガ 「ゼガーッ!?」

なんと両者の攻撃がカウンター気味にクリーンヒットする。
たしかに先に攻撃を繰り出したのはバシャーモだが『スカイアッパー』は若干の溜めがいる。
その溜めゆえ『スカイアッパー』は命中率が安定しないのだ。
大してトドゼルガは一度懐に入ってきたバシャーモにそのまま『たきのぼり』を放った。
この技はモーションが少ない、だから同時になったんだ。

バシャーモ 「シャ〜…」

トドゼルガ 「ゼガ〜…」

エイジ 「あちゃあ…やられたか…先に『いびき』も貰ったしな…」

リュウト 「ありがとう…トドゼルガ」

バシャーモ、トドゼルガはその一撃でダウンしてしまう。
俺たちは倒れたポケモンたちを戻すのだった。

エイジ 「やれやれ、これで最後か、もう少し楽しみたいがまぁ仕事だしな」
エイジ 「それじゃ、これが最後のポケモンだ! いけ! 『ラグラージ』!」

ラグラージ 「ラージ!」

リュウト (やはりラグラージか! 最悪だな!)

案の定予想通りラグラージが来た。
だが、来たからといって巧く戦えるとも思えない。

リュウト (後ろはハクリュー、メタング、サナギラスの3匹…どのポケモンでも分が悪そうだが…)
リュウト 「だったらせめて! 俺はこいつだ!」

ハクリュー 「リュー!」

俺はハクリューを繰り出す。
少なくもメタング、サナギラスではラグラージには満足に戦えないだろう。
だが…ハクリューも体調が万全ではない。
状態異常にはかかっていないが少し疲労がある。

リュウト (ここは一番信頼するポケモンに賭けるしかないだろう…)

エイジ 「ドラゴンタイプか、こっちにはドラゴンタイプのポケモンが多いってのは知ってるよな?」
エイジ 「だから…対策もバッチリなんだぜ! ラグラージ! 『れいとうビーム』!」

リュウト 「当然予想だってつくさ! ハクリュー! 上に『りゅうのいぶき』!」

ハクリュー 「リュー!」

ハクリューは上に『りゅうのいぶき』を放つ。
ここはチャンピオンロード、当然ながら洞窟なので天井がある。
当然のように『りゅうのいぶき』は天井にぶち当たる。
するとどうだ…?

ガラ…ガララララッ!!

エイジ 「なっ!? 自爆か!?」

当然、真上なのだからハクリューの元に崩れた天井が降ってくる。
岩やら土やらが大量に降ってくるものだからハクリューの周りは砂煙に包まれて何も見えない。
それと同時に『れいとうビーム』がハクリューを襲う。

リュウト 「……」

俺は冷静に砂煙を見る。
正確にはその中だが…。
俺はハクリューを信じている、ハクリューなら俺の『意図』を理解してくれる。

やがて、砂煙は消え去る、そこに残るのは…。

エイジ 「いない…? 消滅…するわけないしな…」

エイジさんは意外と冷静だった。
そう、ハクリューのいたところにはハクリューの姿は見えない。
まるで忍者が煙玉で身を消したかのようだな…。
だが、咄嗟に判断してこんな無茶な命令をしたが、実の所ハクリューがどこに消えたか俺自身知らない。
ただ、ハクリューを信じただけだ。

リュウト (本当のところどこに消えたんだ?)

俺は今現在洞窟内でハクリューが隠れられそうなところを考える。
しかし…そんな場所ありそうにない…。

リュウト 「あっ!」
エイジ 「まさか!?」

俺たちは同時にハクリューが隠れられるただひとつの穴場を思いつく。
『そこは』忘れていた!

エイジ 「ラグラージ! 瓦礫に…!」
リュウト 「『れいとうビーム』だ! ハクリュー!」

ハクリュー 「リュー!」

キィン!!

ラグラージ 「ラグッ!!?」

ハクリューの『れいとうビーム』はラグラージの顔面に直撃する。
ハクリューはなんと、降ってきた天井の下の瓦礫の中に隠れていたのだ。
蛇のような細い体ならではの隠れ場所だったな…。
さすがに俺もエイジさんもすぐにはわからなかった。

エイジ (おいおい…あれはないだろ…普通そりゃ自爆だぜ?)
エイジ (一歩間違えれば自分が大ダメージだったてのに…)
エイジ 「だが! 同じ手は2度は通じないぜ!? もう一度ハクリューに『れいとうビーム』!」

ラグラージ 「ラグッ!」

リュウト 「ハクリュー! かわして『りゅうのいぶき』!」

ハクリュー 「ハクッ!」

ハクリューは体を動かして『れいとうビーム』を回避する。
それと同時にハクリューは『りゅうのいぶき』を放った。

ハクリュー 「リュー!!」

ゴォォォ!!

ラグラージ 「ラグッ! ラージ!!」

エイジ 「ラグラージ、まだ大丈夫だな?」

ラグラージ 「ラージ!」

ラグラージはまだぴんぴんしている。
強いな…タフなラグラージ種とはいえこうまでタフだとは。
まだ、ハクリューの攻撃力では突破しきれないということか?

ハクリュー 「ハク…ハク…」

リュウト (逆にこっちはそろそろ疲労が見えてきたな)

少々無茶な作戦をしたこともあるし、それ以前でもハクリューがバトルに出る場面は多かった。
野生のポケモン相手でも動けば疲れるし、ダメージを食らえば痛い。

エイジ 「よし! まだまだいくぞ! 『れいとうビーム』だ!」

リュウト 「また!? だが同じパターンは通用しない!」

エイジさんのラグラージはやはり効果抜群の『れいとうビーム』をハクリューに放つが、ハクリューは疲れた体を動かして回避する。
俺はそのまま…。

エイジ 「なに! 『れいとうビーム』は複線さ! 『どろかけ』!」

ラグラージ 「ラグゥ!!」

バシャアッ!

ハクリュー 「リュウゥッ!?!?」

リュウト 「しまった! ハクリュー!!」

ラグラージは口から大きな泥の塊をハクリューの顔面にかける。
ダメージは大してないが…。

ハクリュー 「リュ…リュウ!?」

ハクリューの視界はラグラージの『どろかけ』で完全に封じられた。

エイジ 「さすがにここから心眼で戦うなんてことはないだろう? ルカリオじゃあるまいし」
エイジ 「このバトルは貰った! 『れいとうビーム』!」

リュウト 「ハクリュー! 音を聞き分けろ! お前の考える方向に『りゅうのいぶき』だ!」

ハクリュー 「!? リュ…リュー!!!」

ゴォォォ!! キィン!! ドカァン!!!

リュウト 「!」」
エイジ 「まじかよ…!?」

ハクリューは咄嗟にラグラージに『りゅうのいぶき』を放った。
しかし、同時にラグラージもハクリューに『れいとうビーム』を放っている。
そして両者の攻撃がぶつかり合った時大爆発がその場に起きた。
どうなった?
単純に考えれば分の悪い戦いだったが?

ラグラージ 「ラ…グ…グ…?」

ハクリュー 「リ…リュ…ウ…」

リュウト 「ハクリュー!」
エイジ 「ラグラージ!」

ハクリューは『れいとうビーム』を直に食らってしまったのだろう。
まだ倒れてはいないがこれ以上は危険だ。
だが、同時にラグラージはまだ体力面では大丈夫でも『麻痺』していた。
『りゅうのいぶき』の恩恵はこの麻痺効果にある。
結果的にはイーブンか?

エイジ (まずいな…いきなり麻痺かよ)
エイジ (だけど相手も弱っているしな…よし!)
エイジ 「ラグラージ! これが最後だ! 『じしん』!!」

ラグラージ 「ラ・グ…ラージ!!」

ラグラージは鈍った体を無理やり動かして『じしん』を使おうとする。

リュウト 「ハクリュー!!」

ハクリュー 「リュ…リュウウウウウウウウウウウウウウッ!!!!!」

キィィン!!!
ズドォン!!

ハクリューは突然、猛々しい雄叫びと共に体を白く輝かせる。
その白色光の光はとても眩しい物で光の中心のハクリューの姿が確認できない。
しかし、同時にラグラージの『じしん』がハクリューを襲った。
やがて、光も収まり、『じしん』で起きた砂煙があたりに立ち込める。

エイジ 「どうだ?」

リュウト 「……」

俺は信じる…ハクリューを…いや…。

? 「リュー!!」

リュウト 「俺は信じる…カイリュー!」

カイリュー 「カイ♪」

ハクリューは見事にカイリューへと進化した。
体はとても大きくなり、手と足が生え、翼で跳ぶ。
その体力は世界を一周するほどだという。

エイジ 「やっぱりか…まいったね」

カイリュー 「リュウー!!」

リュウト 「カイリュー!?」

突然、カイリューはラグラージに猛スピードで突進する。

カイリュー 「カイ!」

ラグラージ 「ラグラッ!?」

カイリューは上からラグラージを押しつぶすようにして『すてみタックル』の如くしてラグラージに体当たりした。

ラグラージ 「ラグゥ〜…」

エイジ 「ジ・エンドか」

ラグラージは見事にダウンした。
かなりの攻撃力だな…。

リュウト 「よくやった、カイ…リュー?」

カイリュー 「リュ〜…」

バタァン!!

カイリューはふらふらっとするとそのまま倒れてしまう。

エイジ 「さすがに体力の限界だったようだな、さっきの『ドラゴンダイブ』で限界か」

リュウト 「『ドラゴンダイブ』…? なんですかそれは?」

聞いたことのない技だった。

エイジ 「現状ではシンオウ地方のポケモンしか使わない技だ」
エイジ 「だが、カイリューは早いレベルでこれを覚える…なぜかシンオウ地方のしか覚えないがな」

リュウト 「それを…カイリューが?」

エイジ 「種族は一緒だ、なにか生い立ちやら環境やらに影響されるんだろうがそれがポケモンの謎だな」

ちなみに余談だが、ヒトカゲというポケモンがいるのだが、このポケモンホウエン地方では『いかり』という技を覚えるがカントー地方では『メタルクロー』を覚える。
なんとも不思議な話である…。

エイジ 「さて、リュウト君合格だ! 君が最終選考一番乗りで合格だ! Congratulation!」

リュウト 「…ふぅ、おし!」

俺はカイリューをボールに戻すとエイジさんの横を通り過ぎて出口に向かう。
長かったな…本当に。

リュウト (ここから先にあるホウエンリーグ、サイユウシティにはこのエイジさんより強いトレーナーたちがいる)
リュウト (そして、四天王、チャンピン…俺の待っていた舞台だ)

俺はまさに修羅の門ともいうべき栄光と影の道…『チャンピオンロード』を抜けるのだった。

リュウト…チャンピオンロードクリアタイム『122:18:56』。
ポケモンリーグ運営委員会確認タイムより。




…………。
………。
……。



ケン 「デンリュウ! 『10まんボルト』や!」

デンリュウ 「デンーッ!!

ゴルバット 「ゴバッ!?」

バチチチチチチィ!!!

ゴルバット 「ゴバ〜…」

ドサァ!

野生のゴルバットはワイのデンリュウの『10まんボルト』で地に落ちる。
野生のポケモンもレベルが高くて連戦すると難儀や。
すでに野生のポケモンと何回も戦っとる。
そろそろやばいか?

? 「そこのアンタ!」

ケン 「な、なんや!?」

突然、横からガン飛ばされた模様。
咄嗟に振り向くと、そこにはトレーナーと思しき者がおった。
まずい…連戦か?

? 「俺の名はヨー! ここで勝負!」

ケン 「ええやろう! 挑まれたら避けられへんのがポケモントレーナーや!」

ヨー 「いけ! ウインディ!」

ウインディ 「ウー! ウォォン!!」

ケン (ウインディ…ごっついポケモンやな…)

ヨーと呼ばれるトレーナーはなんとウインディを出してきた。
ホウエンやったらこのデンリュウでも珍しいんに、ウインディとは。
ワイと同じ他地方のトレーナーか?

ヨー 「そっちはなにでくるんだい?」

ヨーはこちらのポケモンを待っていた。
よく声を聞くとこいつ女か?

ヨーは身長はワイより低そうな150位。
ただし、こんな歩きにくいところでシークレットブーツなんて履いとるさかい、見た目は+5センチくらいされとる。
黒いタンクトップにレザーのジャケットと長ズボンを着用しており、髪の毛は白色で毛先が跳ねまくっておった。
肩までは届いておらず、見た目の風貌は男っぽい。
せやけど、声が女のもんや、ヘリウムとか呑まれたり、声帯切れ取ったら男でも女声なるかもしれへんけど…。

ケン (見た目は銀○…やな)

おそらく、万屋でも経営するやろう…。
ああ、突っ込みおらんからワイこのままやったら暴走列車や。
と、いうわけで下らん想像はここで打ち切ることにする。

デンリュウ 「リュゥ…リュゥゥッ!!」

ケン 「デンリュウ…」

普段おとしやかで、あんまり戦いを好まんこいつが自ら前に出とる。
こいつがこんな気合乗るなんて…。

ケン 「デンリュウ…やってくれんのか?」

デンリュウ 「リュ…リュウ…!」

デンリュウはためらいがちに首を縦に振った。

ケン 「おっしゃ! いてこましたれ! デンリュウ!」

デンリュウ 「リュー!」

ケン 「ワイはケン! デンリュウ、 『あまごい』や!」

デンリュウ 「デン!」

デンリュウは手の平からディープブルーのバスケットボール大の球体を作り出し、それを天井に打ち出す。
すると、チャンピオンロード内は洞窟にも関わらず雨雲が周囲を覆い、一気に大雨を降らせる。
デンリュウにとっての恩恵は『かみなり』が確実に当たることだけやけど。
ウインディにとっては最大の武器である、炎技の威力が半減する。

ヨー 「ウインディは別に炎一辺倒じゃないんだから!」
ヨー 「ウインディ! 『かみくだく』!」

ウインディ 「ウィン!!」

ケン 「迎え撃て! デンリュウ『かみなりパンチ』や!」

デンリュウ 「リューッ!」

ウインディはものすごいスピードでデンリュウに突進してくる。
もともと遅いデンリュウにはチトきつい相手やが。
カウンターで『かみなりパンチ』が当たればウインディでもただではすまへんで!?

デンリュウ 「リュー!」

デンリュウは突っ込んでくるウインディに対して『かみなりパンチ』のモーションに入る。

ケン (おっしゃ! タイミングバッチリや! もらった!)

ヨー 「ウインディ! 『しんそく』!」

ウインディ 「ウォォン!!」

ヒュン!!!

デンリュウ 「デンッ!?」

ケン 「なんやと!?」

突然、ウインディはそのスピードを2倍増し位にしてデンリュウに突進する。
まだデンリュウの腕は伸びてさえおらん!
これが…『しんそく』か!?

ウインディ 「ウォォッ!」

デンリュウ 「デンルッ!?」

ドカァ!!

不意を突かれたデンリュウはモロにウインディの『しんそく』を受けてしまう。
デンリュウはその勢いで半歩後ろにさがった。

ケン 「! まだや! そのまま『かみなりパンチ』!」

デンリュウ 「! デン!」

デンリュウは仰け反った体を前に倒して、まだ攻撃の硬直が終わらへんウインディに『かみなりパンチ』を放つ。

バチィン!

ウインディ 「ウィン!!?」

ウインディは体の伸びきったところにデンリュウの『かみなりパンチ』を食らって3メートルほど後ろに吹っ飛ばす。

ヨー (く、思ったより痛い…ウインディの『威嚇』で攻撃力下がっているはずなのに)
ヨー (いや、俺のウインディが弱いのね…)

ケン (えらい、吹っ飛んだな…予想外や、見た目にはわからへんけどこいつもしかして…)

ワイは少し、そのウインディに疑問を持った。
このウインディ、デンリュウがなんぼ打たれ強い言うたってウインディの『しんそく』を食らって半歩しかさがらん上、すぐに反撃できるっちゅうんはおかしい。
ウインディの攻撃力はそないに甘くない。
しかも、そのあと『かみなりパンチ』でもろに吹っ飛んだ…。

ケン (あのウインディ…もしかしてレベル不足?)

ヨー (さすがに気づかれたよな…俺のポケモンはとてもチャンピオンロード内で戦えるほど強くはない)
ヨー (けど! なんとかジムバッジも8つ集めて、ここまで来たんだ! 相手がどれだけ強くったって勝ってきた!)
ヨー 「絶対負けねぇ! 特に俺より実力上の『チビ』に負けてたまるかーっ!!」

ケン 「……」(ピク)

デンリュウ 「リュゥッ!?」

プツン…。

なんか、切れる音。
言うたな…?
言ってはならん禁断の言葉を…。

ケン 「だっしゃい!! 誰がチビやねん!! 自分こそワイより身長低いやないけ!!」

ヨー 「う…てめぇ! 人の気にしている身長!」

ケン 「ワイかて気にしとるんや! チビチビ言うなや!! 堪忍袋の緒が切れたーっ!!」

ケン 「デンリュウ! 『ほんでん』や!!」

デンリュウ 「デンーッ!!!!」

バチバチバチバチバチバチッ!!!!!

ヨー 「きゃあっ!?」

ゴルバット 「バッ!!?」

ウインディ 「ワンッ!?!?」

ゴーリキー 「ゴォォッ!!??」

ハリテヤマ 「ハリッテ!?」

コドラ 「コドーッ!?!?」

ズッシャアアアッ!!!

ケン 「はぁ…はぁ…あかん、やってもうた」

周囲10メートルほどにいた者全てデンリュウの『ほうでん』に巻き込まれてしまう。
なんか、仰山野生のポケモンがダウンしていた。
EXPどか稼ぎしすぎやな…。

ヨー 「あ、あぶないだろ!」

ケン 「だっしゃい! 使わせたのはお前だろ! そんなセリフ言えるのかよ!!」

ヨー 「く…このままでは共倒れになりそうな勢いだな…」

ケン 「む…」

ヨー 「たしかに、俺の身長も低いし、チビと言われると傷つく気持ちもわかる…」
ヨー 「ここは一時休戦だ、身長の低い者同士、手を取り合いましょう」

ケン 「……」

ヨー 「な、なんだよ…」

ケン 「…どうせワイが一番身長低いよーだ…ふん」

ヨー (イジケた?)

こうして150センチパワーズが結成されるのだった。
どうでもいい話なんやけどね…。




ポケットモンスター第59話 『Champion Load 勝利者への道』 完






今回のレポート


移動


チャンピオンロード(俺の出番またなしかよ)


2月26日(ポケモンリーグ開催まであと3日)


現在パーティ


ラグラージ

サーナイト

チルタリス

ユレイドル

ボスゴドラ

コータス


見つけたポケモン 62匹






おまけ



その59 「投稿されたサファイアのキャラって実は10人もいるの知ってました?」




あ、さてさて、今回はチャンピオンロード内のお話。
リュウト、シズクと並んでイブ、アルタも登場。
さらにはアスカ、ペルときて前話でイヴとケンも登場。
そして今回の59話でついにヨーも登場し、総勢9人…。
そして、最後の投稿キャラクターが今回の主人公。
シンオウというとても遠い地方からやってきたトレーナー、名は『チカ』。
まぁ、詳しいことはおいおい。
それではおまけ59と御座候〜♪(テケンテンテンッテテン♪)



チカ 「はぁ、なんだかだるぅい」

いきなり愚痴る私。
私の名前は『チカ』、シンオウ地方はカンナギっていう町から来たトレーナーよ。
まぁ、別にこのサファイア編では関係のない町だけどね。

『お前初登場の癖に変なセリフいれるんじゃねぇよ!』

チカ 「!? 今、変な声が聞こえたような気が!?」

突然、私の頭の中に変な叫びが響いた気がした。
私は周りを見渡すが誰もいない。
気のせい…?

チカ 「それにしてもこのホウエン地方どうなってるの? 地方だからレベル低いって聞いていたのに全然高いじゃない…」

『今期ホウエンリーグの平均レベルは全国トップだ、運がなかったな』

チカ 「はっ!? また何か聞こえたような気が!?」

しかし、やはり周りには誰もいない。
これはきっと怪奇現象に違いない。
先週○ーメン666を見たから私にも不吉な線が!?

『いや、見たの俺だから、2006リメイク版だけど…』

チカ 「…なんだか、別の意味でだるくなってきたんだけど…」

てか、この声何よ?
なんで変な声が聞こえるよ?
私って呪われた?

『作者(かみ)を悪霊呼ばわりするんじゃねぇよ』

チカ 「ああ…こんなことならRUBYに投稿されたかったかも…」

『手遅れだな』

チカ 「とりあえず! 色んな意味で! Be quiet!(だまりなさい)」

『……』

とりあえず、やっと変な声は収まる。
これでやっと進めるわね。

トレーナー 「あ! トレーナー発見! 勝負だ!」

チカ 「え〜? いやよ、さようなら〜」

トレーナー 「あ! まて!」

私は足早にその場を立ち去る。
ふふふ、こんな前座で余計な体力使ってられないわよ。





『…逃げられはせんよ、この作者(かみ)の世界からはな…』






おまけその59 「投稿されたサファイアのキャラって実は10人もいるの知ってました?」 完



ルビーにBack ルビーにNext

Back Next

Menu

inserted by FC2 system