　皆さん、「Ｂｌｏｓｓｏｍ　Ｄｒｅａｍ」、いかがでしたか？　お楽しみいただけたでしょうか？

　あとがきです。
　まず、このお話の基礎になった物とか、裏話をここでしちゃおうかなと思い、あとがきを書くことにしました。

　この話の基礎は、実は聖飢魔Ⅱの曲で「秘密の花園」という歌の世界観が、この物語で出て来た亜空間という世界に似てたので、それを設定としていただきました。さらに、「Ｂｌｏｓｓｏｍ　Ｄｒｅａｍ」という題名は、この「秘密の花園」という歌の歌詞の中にあったフレーズで、なかなかいいなと思っていただきました。
　ちなみにその歌では、この小説でいう亜空間という場所、要するに秘密の花園とは、お花畑があって、そこではいろんな魂がさ迷っているんだ、という場所だったと思います。
　とにかく、僕が今回書いた亜空間の世界観は、お花畑があって、そこを歩いて進んで行くと三途の川があり、その向こう岸でおじいちゃんが手を振っている、という、そんな場面をイメージして書きました。でも、実際には、亜空間では動けないという設定にしましたが。
　気付いたかな？　エピローグの題名は副題とするつもりだったんですが、「エガオノママデ」。
　実は、これも聖飢魔Ⅱの「エガオノママデ」という歌の歌詞を読んで、それでこの主人公井元香恵の性格を決めたんですよ。この歌詞は、…と、説明するのはいいが、一番手っ取り早いのはＣＤを聴いてもらうことなんですがね。

　次に、これはわざわざ言うことでもないんですが、描き方や演出、要するに技術のお話です。
　まず、主人公を事故で死なせる。これはまあ普通でしょう。でも、それに疑問を持たせることで（死者のリストに名前が載っていなかった）、一種の謎を読者に投げかけているんです。ま、亜空間でのチビデーモンとの軽いやり取りなんかも笑えるかなって思って、物語に入りこみやすいようにしたつもりです。
　で、軽いやり取りをそれからも続けるんですが、主人公が本当に死んだというのを実感させ（人間界に降りてきて、物に触れられないということなど）、さらに人の裏の顔といいますか、本人のいないところでその人の悪口を言っているというような醜い姿を描き、読者も憤慨するかなと思われるようなことを描くことによって盛り上げ（バイト先の幼稚園でのこと）、さらに主人公の非情なセリフ（幼稚園での最後の場面）、最後にどうして死んだのかを明かす（ただの事故じゃないということ）、と。見所はざっと言ってそういうことなんですが、それだけじゃなく、例えば、チビデーモンが何故主人公をあちこちに案内したのか、または案内しなかった場所もあるのか、それも演出のひとつなんです。だから、案内しなかった場所を推理してみるのもいいでしょうし、なぜわざわざあれだけのところを案内したのかを考えてみてください。それと、チビデーモンの表情の変化や行動で、何か不可解なところはないか、考えてみてください。きっと、チビデーモンが言いたかったことがわかると思います。

　これは、ただ単に読んでおしまい、という物語、でもいいのですが、どちらかというと、読んだ後、これからの人生をどうしていくか、どう考えて生きていくかを質問の形で投げかけた小説です。読んで、はい終わり、という作品ではないので、心に残ると思います（だったらいいな、という程度やけど）。

　もちろん、レイプは犯罪です。どんな事情があろうと、それは殺人と変わらないと僕は思います。相手が拒んだら強制ってことになるからね。そういうことのないように、青山くんが言ったように、自分の行動に責任を持ちましょう……。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。