あとがきです。
 いかがでしたでしょうか。これは、ある小説の賞に応募して、見事に落とされた作品です。
 もちろん、矛盾や展開に無理がある部分は修正しております。終わり方も、違っております。修正する前は、ジードは誰にも何も言わず、ひとりで姿を消していました。ま、昔の話をしても意味がないので止めましょう。

 この作品、終わったように見えて、実はこれからが始まりなんだということに気が付かれたでしょうか。同じように投稿するかは別として、続きはいずれ書くつもりなので、もしこの小説を読んでおもしろかったと思う方がいれば、お待ち願います。いつになるかわからないので、約束はできないのでありますが。

 技術的なことは、ここでは語りません。各自、自分で考えて見てください。
 この作品の登場人物の、名前に関して。わざわざ明かすことでもないのですが、まず主人公のジード。
 これは、昔あるバンドに所属していた、ジード飯島というドラマーの名前をそのまま頂きました。
 コートニーの名前は、知り合いに考えてもらって、ペルトーシュは自分で考え出しました。思い付きです。
 ファルクは、実は、ぱくりとも言えます。『スーパーロボット大戦』というゲームがありますが、それに出てくる「テュッティ=ノールバック」というパイロットが、魔装機神ガッデスの前に乗っていた、魔装機の名前です。そのまま頂いたことになります。
 フォルスは、ファルクをもじっただけです。親子だから、という意識があったので、こうしました。
 ジャミルとジェトロは、なんだっけかな。忘れた。もしかすると地図帳見てて見つけた名前かもしれない。だから地名かな。ああ、ジェトロは、確か何語だったかな。フランスに関係する何かの名前だったような気がする。けど、忘れたし、覚えてないので気のせいかもしれない。「地下鉄」の「メトロ」をもじっただけなのかもしれない。
 ジャミルは、「Tu as mis une(チュ・ア・ミ・ユヌ)」という発音から、チャミール、ジャミルとなったのではないかと、今考えれば思えないこともない。ちなみに意味は、君は〜を身につけている、という意味になるが、文章の途中なのでわからない。実にいいかげんだ。ま、名前なのでいいだろう。
 なんて裏話をしてるんだろうか……。

 モチーフは、特にありません。
 基本は去年の八月に完成して、そのまま最近まで放っておいたので、その頃何を見てて、何を考えて書いたのかということは覚えておりません。それじゃあ「あとがき」書く意味ねえじゃねえかよ、と思うかもしれませんが。

 ジャミルの魔法について。
 目が光って、爆発する、いわゆる反則技なんですが、どうして彼がそんな能力を持っているのかは内緒ですが、なぜ連発しなかったのかというのは、作中でも触れてますが、ここでもう一度解説しておきます。
 目が光る、というのが、最大のキーポイントで、あれが仕掛けなんですね。でも、最強が故に弱点もあり、それは連発できないということにあります。連発すると、命に関わるしっぺ返しがやってくる。つまり、副作用みたいなもんですね。
 それが、後で、彼の目が潰れたことに繋がってくるわけです。目が光り、爆発する。目に、負担がかかり過ぎるんですよ。だから、連発するときは、光りを失うことを覚悟しなければならない。一撃必殺なので、よっぽどのことがない限り使わない。あの場合は、ジェトロの正体を知っているフォルスがいたので、使わざるを得なかった、というより、使えという命令が下ったんですね。だから、使った。ジードたちが後ろに控えているけど、炎の魔法だけで勝てると思っていたわけなんです。自惚れとでも言いましょうかね。その慢心が、結局身を滅ぼすことになったのです。
 フォルスに、ジェトロの正体をほのめかしたのも、自分が負けることがないので暴露した、ということです。

 ジードについて。
 主人公にするなら、まず、強くなくてはならないと思った。しかし、年齢的にまだ十代半ばなので、完璧であるはずがない。そこで、この作中でも、何か迷いがあり、気付くことがあり、という成長記録のようにしました。
 ジードがファルクと出会って、ちょうど一年。お互いに、少しは成長したと思います。ジードは、今回新しい家族とも言える人々と別れ、旅立ちました。この先どんな困難が待ち受けているのか。
 幼い頃生き別れになったという双子の兄とは、果たして再会できるのだろうか。
 それは、著者にもわからない……(笑)。

 コートニーについて。
 あまり描ききれていないので、ちょっと物足りなさを感じるんですが、彼女はヒロインなので、魅力のある性格作りを心掛けたつもりであります。
 が、どうだったでしょうか……? 読者に愛されるような女性キャラ。これが人気を取る秘訣みたいなものなので、かなり不安を感じているのですが。
 彼女もジードにくっついて旅に出掛けましたが、おそらく盗賊の癖は治らないでしょう。もし、これから先ジードのこの話の続きを書くことがあれば、それはコートニーが原因でトラブルに巻き込まれる、という風にしていこうかなと思っております。

 ファルクについて。
 修正する前とした後では、結構変わったな。まあ、いいんですが。
 当初、これは女の子にも読者を得たいと思って考えた作品でしたので、母性本能をくすぐるような性格にしよう、と思ってファルクを登場させたのですが、母性本能をくすぐるような性格って、なんぞや? と、結局僕自身わからないことだったので、こんな中途半端な人が出来あがってしまいました。
 まあ、彼ももう十一歳になったことだし、今では父親がいなくても、副団とか、新しく家族と言える人々に囲まれているわけなんで、ひとりぼっちじゃなし、平和に暮らしてくれるでしょう。

 ペルトーシュについて。
 この人は、二作目で出そうと思っていたキャラだったりする。しかし、物語の進行上仕方なく、今回出すことにしました。
 それは、ジェトロを討つ理由というものに、僕の中であまりにも正当性が見出せなかったからなんですよ。そこで彼女を出し、彼女の身の上話を持ちかけ、それで正当性を何とか図ろうと、思ったわけです。
 性格は、コートニーと対をなすべきだと思ったので、とにかく弱い女の子。というのを目指して書きました。しかし、元サーカス団に所属していたという設定を自分でしてしまったので、体力がないわけがない。
 体力はあるけど、性格が弱い、というと語弊がある。おとなしい、平和を望む少女、という設定にしました。
 彼女はこれから、演劇を勉強し、劇団を引っ張って行ってくれるでしょう。しかし、ファルクも同じことが言えるのですが、この先登場するかどうかは、著者にもわかりません。
 ちなみに著者は、ペスはファルクとくっつく、というような妄想を抱いておりました。ファルクが一方的に、というような妄想です。しかし、ああ残念、そんな機会はたぶんお目にかかれないでしょう。

 ジェトロも、フォルスも、ジャミルも、三人とも死ぬという設定は、変えておりません。
 ただ、ジャミルに関しては、どこかで生きている、というような疑問も生じさせてもよかったかもしれない、と思います。しかし、賞に応募するということは、完結しなければならないので、それはできませんでした。だから、前の終わり方は、ジードがひとりで行方をくらます、というものになったのですが。
 今回は、次に繋がるような終わり方にしました。

 あとがきにしては、長くなっちゃいましたね。では、この辺で。
 こんな最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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